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ken tsurezure

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trainspotting freak

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2009.09.22
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カテゴリ:音楽あれこれ
 98年の1月に行なわれたプロディジーのライブを体験できた人は幸運であったと思う。前年に『ファット・オブ・ランド』というその当時の最先鋭のロックを提示し、しかもそれを全米、全英ナンバーワンに送り込んだその当時のプロディジー。その当時のプロディジーは研ぎ澄まされたナイフのようにシャープさと危険な雰囲気と熱狂的な温度感をステージでまき散らしていた。
 彼らのベストアルバムtheir lawの日本初回特典盤にはその当時のライブDVDが収録されているが、まさにそこに収録されている暴動のようなステージングが98年の1月に展開されたのである。
 
 しかし彼らはその後長い間試行錯誤の期間に入る。『ファット・オブ・ランド』というモンスターアルバムを作ってしまったがために、彼らはその後の展開を見失ってしまった。98年の時点では最先鋭だった彼らのビートも次第に擦り切れてくる。
 その後7年彼らはレコーディングによる新作を発表できなかった。
 そしてその7年の間も来日公演をたびたびしているが、時が経つにつれて98年の衝撃を薄れさせているという感じを持たざるを得なかった。

 『ファット・オブ・ランド』から7年ぶりとなった『オールウェイズ・アウトナンバード…』というアルバムも非常によくできた作品であり、自分たちの最も研ぎ澄まされた部分を2004年という時代の中でどのように表現すればよいかという問いに対する模範解答のような作品ではあった。しかしその直後に行なわれたライブを見た限りではそれをライブの中でうまく表現することができず、不完全燃焼に終っていた感があった。

 そういったこともあって、プロディジーはもうだめなのではないかという落胆もあってしばらくプロディジーのライブには行っていなかった。

 しかしそんな僕の先入観を打ち破ったのが、去年のサマーソニック後に行なわれた新木場スタジオ・コーストでの単独ライブである。
 98年当時の危険でラジカルなイメージはなくなったものの、彼らの持ち味のヒリヒリしたビート感とエンターテインメントとして楽しめる熱狂的なステージングが戻ってきたのだ。

 そして今年に『インベーダーズ・マスト・ダイ』という新作を発表した。この新作は前作よりもよい意味でわかりやすくコマーシャルなメロディーとプロディジーの持ち味の強力なテクノ・ビートがうまく調和したアルバムだった。

 その新作以降の初めてのライブが今回の来日公演である。
 全速力で突っ走って振り切った。そんな表現がぴったりくるような強烈なライブだった。2曲目にbreatheを演奏し、新曲のomenも3~4曲目くらいに演奏してしまう。warrior's danceでは大合唱が起こった。
 今回のライブではかなり新作からの曲が演奏されたが、それらの曲が『ファット・オブ・ランド』の曲と何の違和感もなく感じられる。むしろ感じたのは98年の最先鋭だった『ファット・オブ・ランド』と「わかりやすい」新作が延長線上にあるということだ。彼らは日和見をして産業ポップスに走ったのではなく、98年型の最先鋭を追求し続けながら現在のわかりやすいプロディジーに至ったのだ。しかも彼らの新作は時代に取り残された感は全くなく、2009年の現在の音楽を鳴らしている。
 確かに暴動のアジテーターとしてのプロディジーはもうここにはいないが、彼らが当時持っていたヒリヒリしたビート感は全く擦り切れることなく現在の音としてなっているし、それがライブの熱狂へとうまくつながっている。

 彼らの最も有名な曲『スマック・マイ・ビッチ・アップ』の演奏時。もちろん会場は熱狂的に盛り上がっている。そんな中でマキシムが「ゲット・ダウン」と観客を座らせる。少しクールダウンさせたその曲を一気にハイボルテージで盛り上げる。

smuck my bitch up !

その瞬間、観客のジャンプが会場を揺らす。

 彼らは戻ってきた。また彼らは自分たちのビートと熱狂をライブの中で取り戻したのである。



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Last updated  2009.09.22 21:12:11
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