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ken tsurezure

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trainspotting freak

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2015.11.13
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カテゴリ:音楽あれこれ
自分も年を取ったのだなと思う瞬間が最近多い。例えば若い人たちが絶賛する音楽を聞いても何がよいのか全く理解できないとき。あるいは仕事で、昔は不条理なことがあると怒ったりしていたのに、最近では「まぁこんなもんだろう」とあきらめが先に立って全く怒る気にもならないとき。
そういえば今年のフジロックフェスティバルもライブが終わると夜遊びする気力もなく、そのまま寝場所に直行してしまった。
やっぱりそれだけパワーダウンしたのだろうと、認めたくはないけど認めざるを得ない。
ここ最近「絶好調」ということがなく、どこかしら不調な僕だけれど、ヒロトとマーシーはどうなのだろう。僕よりも何歳も年上の彼らはとってもハイテンションだ。衰えた感じが全くない。

この日のライブもいつもと同じようにライブでの注意を呼びかける前説の人がステージを去ると、すぐに客電が落ちた。
それと同時に大歓声が沸く。いつもと同じように気合の入ったクロマニヨンズの面々。その中にいるヒロトを見て、一瞬だけ約26年前の渋谷公会堂を思い出した。僕が初めて行ったブルーハーツのコンサート。その時の感動を今でも忘れずに覚えている。ほんの10年前くらいの出来事のように。
あの頃のヒロトと今のヒロト。ある面では変わっていて、ある面では変わっていない気がする。もう青少年代表ではないヒロトだけれども、ロックンロールが好きな気持ちはあの頃からから全く変わっていない。
だから新作もロックンロールでモノラルレコーディングで、ライブは大音響のスーパーハイテンションがさく裂したような音楽だ。
ライブの冒頭の6~7曲目は新作の「ジャングル9」からの曲だった。どの曲もざらざらした感じのロックンロールとしか言いようがない音楽で、部屋の中のオーディオやiPodで聞くよりもライブの方が素晴らしく感じる。

ハイテンションなロックンロールを転がし続けるクロマニヨンズを見て、僕は思ってしまう。なぜ彼らはこんなにハイテンションでいられるのだろう。ギッシリとつまったライブツアーの予定をみていると、ものすごいエネルギーを消費するだろうと思う。そんな彼らは落ち込んだりしたりしないのだろうか。
表現活動は自分を削るような作業なのだろうと思う。それは自分を消耗させる。だけど彼らはそんなことをおくびにも出さない。本当にプロフェッショナルなロックンローラーだ。
たまに落ち込んだり上がったりと、アップダウンが多い僕なんかはそんな彼らをそれだけで尊敬してしまう。

一旦ステージを小休止させたあとで、ヒロトは「ジャングル9」以外の曲も演奏しますと言った。その最初の曲が確かグリセリンクイーン。

やれることは何でもやってしまう 毎秒が伝説

その歌詞は彼らの軌跡そのものだ。彼らには「今」しかない。「今」が現実で「今」が一番大切なとき。僕らは彼らにブルーハーツやハイロウズを求めない。「リンダリンダ」や「終わらない歌」をあるいは「千年メダル」や「ハスキー」を求めない。「今」を超高速で突破すること。彼らはそのスピードにすべてをかけている。そんな気がしてしまう。
そんな彼らをみて思う。まだ老いるには早すぎる。もう少し悪あがきをしてみようか。勝つとか負けるとか関係なく、もうちょっと自分にできる限りでもいいから前に進んでみようか。

その日も演奏してくれた「エイトビート」は僕にとってはアンセムだ。

ただ生きる 生きてやる
呼吸を止めてなるものか
エイトビート エイトビート

13歳の時モノラルのラジカセで初めてビートルズの赤盤を聞いたときから、僕の人生は始まった。それからそんなにかっこよく生きることなんてできなかった。どちらかというとかっこ悪いことばかりの人生だったと思う。
だけどエイトビートが鳴り響いているあいだは、呼吸を止めるわけにはいかない。それがかっこいいとかかっこ悪いとか、そんなことはどうでもいい。
それがビートルズやブルーハーツを聞いて長い時間が経ってしまった僕の、最後のロックンロールへの返答。

中入りの後、また「ジャングル9」の曲を演奏する。テンポが速い曲を多かった気がする。流れのいいステージ構成だ。
そしてヒロトの「最後までぶっ飛ばします」のMCのあと、「今夜ロックンロールに殺されたい」。それから本当にスパークの火花のようにライブは進んでいった。
その時に演奏した「エルビス(仮)」。それはもう既にあと数十年歴史に残るロックンロールクラシックにすら感じられる。

今だけ 今だけ

ある人がこんなことを言っていた。未来が期待されているうちは若者で、現在が評価されている人は大人で、過去が評価される人は老人だ。19歳でプロ野球をやめた野球選手は(野球以外に何も才能がなければ)もう老人だ。と。
それに当てはめるとブルーハーツの音楽が若者の音楽で、ハイロウズやクロマニヨンズの音楽は大人の音楽だ。
彼らはロックンロールを大人にするという最も難しいことを彼らなりの方法で実現してしまった、そんな奇跡的な存在なのだ。
そんな彼らをみて僕は思う。僕はまるで若者から突然老人にまで老いてしまったかのようだと。若者に戻るのは嫌だけれど、できれば老人から大人に若返らなければならないと。
そしてまた悪あがきをしてみよう。明日から。
そんなことをライブが終わってからフッと思った。


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Last updated  2015.11.14 03:19:09
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trainspotting freak@ Re[1]:世界の終わりはそこで待っている(06/19) これはさんへ コメントありがとうござい…
これは@ Re:世界の終わりはそこで待っている(06/19) 世界が終わるといってる女の子を、「狂っ…
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