見取り八段・実０段

千田川邦彦は大学院生。

親が倒れて学費を払えなくなり、日夜バイトに明け暮れて疲れている。

世の中は不公平だ。と邦彦は思う。

ある日、連続窃盗犯をまねて自分の家に
泥棒が入ったように見せかけた。

そうやって自分を被害者に仕立ててから、
近所の大金持ちの家に忍び込んだところ・・・

中では人が死んでいた。



担当刑事になった水原は、野次馬の中に邦彦の姿を見つける。



また泥棒ですか？

今度は何かやったんですか？



この言葉が水原には引っかかる。



狙われるのは金がありそうな一軒家。
しかし、この前だけが違う。


大学院生ですか？


うん。この前だけが違うんだ。



自分が水原に疑われていると知った邦彦は、
たまたま見かけた水原の娘・可奈と想を誘って、
自分は犯人ではないと父親に言ってくれ、と切々と訴える。


驕って貰ったスイーツを黙々と食べ続ける可奈。



私、父の仕事に口出ししません。


いいかい？オレがあんなサンタみたいな爺さん、殺すわけないだろ。



あの・・・水原警部は理由もなく、人を疑ったりしません。


それじゃ、オレが犯人だって言うのか？


そうは言っていません。

でも・・・隠している事があるなら、言った方がいいですよ。



今度は近所の金持ちのぼんぼんニートを
犯人に仕立て上げようとして、水原を呼び出し、
目撃者を装う。


しかし、水原の疑いは解けそうにない。



部署内では、邦彦が目撃したと言うニートを犯人と確定。
逮捕状を取ろう、と言うが、水原だけが反対していた。


想は、水原に力になれるかも知れない、と申し出る。



被害者宅にて現場検証。



あなたは、外を歩いていて叫び声を聞き、この家の庭に入った。

しかし、この家の庭には足跡は被害者の物とお手伝いさんの物、
そして犯人の物しか残っていません。

つまり、あなたは庭には入っていないか、わざわざ窃盗犯と同じ
２６センチの靴を履いていたか、そのどちらかしかありません。



だんだんと言い訳は苦しくなり、邦彦はついに自供する。



オレがお金を取りました。

でも、オレは殺していない！

あの爺さんは、オレが入った時、
ここでうつ伏せで死んでいたんだ。


信じてください！



いいえ。千田川さん。
あなたが殺したんです。


あなたは被害者を知らない人だと言った。
でも、被害者をサンタのような爺さんと言っている。


あなたが被害者の顔を見る事ができた唯一の瞬間があります。



それは、金を取ろうとして忍び込み、被害者と
鉢合わせした、その瞬間。




自分は殺していない、と言い続けて去っていく邦彦を
見送りながら、想は動けずにいた。




・・・あの犯人はどうなるんでしょうか？



さあな。オレの仕事はここまでだ。




想は、現場に来たがる可奈を断固として拒否した水原を思い出す。




　　　　　　　


重い話でした。


人の心の暗闇に触れる瞬間。

水原は、そんな現場をたくさん体験してきたに違いない。


明るく無邪気な娘を、そんな瞬間には立ち会わせたくなかった。


水原の娘を思う気持ちが理解出来ます。

娘も娘で、父の領域は入ってはならない、と悟っているんですね。


邦彦に何を言われても、水原の部下に何を聞かれても、
黙々とスイーツを食べ続ける可奈は面白かった。

でも、それも思いやり。

良い親子関係です。


想は初めて、証明する事で人を闇に陥れる事もある、と気付く。


犯行を否定し続ける邦彦を見て驚愕する想。


でも、水原は想を現場に連れて行った。

大人として認めている、と言うことでしょうか。

いや、大人の世界を見せて上げた、って事なのかな。。。


このドラマに、こういう後味は初めてのこと。

見応えありました。



今日は最終回の予告もやってましたね～。

あと２回。

これが終わってしまうのは寂しいなぁ




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