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2024.05.08
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衆議院議員の補欠選挙は東京15区、島根1区、長崎3区の3選挙区で行われ、自民党が全敗した。特に与野党対決となった「保守王国」島根での敗北は、派閥議員の裏金事件の影響の大きさを示したと同時に、自民党政治の在り方を問う象徴との指摘も多い。過去の衆院選で島根県は、竹下登元首相や桜内義雄元衆議院議長をはじめ自民党が議席を堅持し続けてきた。島根県選挙管理委員会によると、同県の衆院選投票率(選挙区)は昭和44年から平成26年の間、16回連続で全国1位(読売新聞)を記録している。この高い投票率から島根県は選挙が「政」(まつりごと)として機能してきた地域ともいえる。選挙結果を受けて県内に架かる江島大橋の雄大さを思い出しながら、公共工事の推進を争点にするのか、政治家の倫理観を優先するのか、考えるよい機会を与えてくれたと思う。

 

記者として鳥取に赴任していた若い頃、車で隣の島根県に行くのが楽しみだった。鳥取県西部にある大山を見ながら米子、境港から中海を眺めながら江島大橋を渡り島根県へ。この橋は通称「ベタ踏み坂」。最上部は高さ約45mに達し、急な勾配に車のアクセルを踏み込ことからそう呼ばれる。橋の高さと急な勾配はそれだけでも非日常。気持ちは昂る。コンクリート製の桁橋として日本最大の橋から山、空、水を眺める。無邪気な感動と、この橋が架かることに尽力した人と、国会議員の力を感じずにはいられない。自民党政治が推進してきた地域の公共事業は大物議員の存在と大型公共事業がつながり、それが政治の力とみなされてきた。瀬戸内海にかかる本州と四国を結ぶいくつもの橋も同様で、日本にある大きな橋には何らかの国会議員の影響がある。地域と地域を結ぶ橋は住民のつながりを象徴する事業であり、建設には莫大な予算執行を指示できる力を常に必要としていた。

 

未だに政治家の贈収賄事件が定期的に発覚するから、公共工事をめぐる汚職は皆無ではないのであろう。大きな工事を見ると、そのきな臭さは常につきまとう。それを浄化し無駄な公共事業を監視するには、正しい議員を選ぶことだとの道筋はまだ描き切れていない。私が住んでいた江戸川区は、旧江戸川を挟んで千葉県と接するが、千葉と東京に架かる一般の人が通れる橋は5。江戸川区内にある新中川に架かるのは15。この2つ数字は後者が前者の4分の1の距離にも関わらず、大きな差がある。川を挟んでも住民が行きかい、生活の利便性を向上させるのは大切な政治の仕事ではあるが、何が適正かの議論は成熟しているとはいえない。政治家が公共事業に関わりすぎなのか、積極的に関わって大型工事を獲得する予算付けに貢献するべきなのか、その役割も政治倫理を考えるプロセスとして、熟議されるべきなのだろう。

 

橋にはロマンがある。橋には2つのものを結ぶ役割から、何かが始まるポジティブな雰囲気をまとっている。江戸川区に住んでいた時には区内にある100以上の橋をランニングで渡るというミッションを課して、楽しく走り切った爽快感は橋へのポジティブな思いから生まれた感覚だった。海外にいけば、有名な橋を渡ったり、見たりしながら、人が渡る、という機能以外の物語を想像してきた。ニューヨークのマンハッタンブリッジは歌や映画に何度も出てくる文化を感じさせ、ソウルの漢江に架かる橋は高度経済成長の影響の手抜き工事で崩落事故が起きた。東南アジアにいくと日本の政府開発援助で架かる橋がある。橋の物語は橋の数ほどあるのだろうが、島根の江島大橋は王国だからこそなしえた日本一の橋であり、これは政治の遺産なのかもしれない。

 

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執筆者紹介 引地達也(ひきちたつや)仙台市出身。みんなの大学校学長、フェリス女学院大学准教授、博士(新聞学)、一般社団法人みんなの大学校代表理事、一般財団法人発達支援研究所客員研究員。

 

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Last updated  2024.05.08 00:04:08
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