松竹大歌舞伎 東コース 「松浦の太鼓」「粟餅」おおらかで楽し!
「松浦の太鼓」吉右衛門さんとかね、勘三郎さんで観てたでしょだから、ちょっと、心配だったりしたの、お殿様の役。でも、実際は、おおらかなお殿様、せっかちなお殿様そのチャーミングさが際立って、良かった~「歌昇さんの源吾を、お見守りください」ってご挨拶でも染さんが触れていた歌昇さんの源吾も!(おみまもり、でちょっと噛んで。 それまでが流暢だった分、可愛かったので そのギャップに、会場が温かい笑顔になりました)身をやつしても、気高さがにじんで歌昇さんにピッタリ。この演目でも、イヤホンガイドがグッドジョブ。彼が煤竹(ススダケ)を売り歩いていたその日は13日。14日の討ち入りの前日だってことは、忠臣蔵を観る人には既知だけど13日が江戸時代の暮らしの中ですす払いの日であったことは知らなかったでしょ。煤竹売りに身をやつした、というだけでなく、イヤホンガイドのお陰ですす払いの日が分かって面白さが増しました。13日にすす払いをするのが決まりなら、その夕方まで竹を担いで歩いているのは売れ残ってしまったわけで、浪士が慣れない商いに苦労している侘しい、寂しい気持ちが見て取れる。歩いているのが両国だから、売れ残ったのではなく、人目をあざむくために手にしているが、実は吉良邸のチェックに来ているとも読めるしね。「山を抜く 力も折れて 松の雪」という時世を遺して生き抜いた源吾。歌昇さんの源吾のみずみずしさがあって染さんのお殿様の大きさが映えた気がします。「風流はここじゃのう」「そこでございます」笑顔のセリフが、決まります(^o^) ココ、好きだなー。会場で、耳にした評判も上々。好きな演目が大好きな染さんの当たり役になったらこんなにウレシイことはない♪♪「粟餅」ちょっとね、「団子売」みたい。団子でなくて粟餅を売ります。粋で楽しい踊り。粟餅を売り歩く時のパフォーマンスが踊りのもとになってます。そして踊り終わった染さんと壱太郎君が手拭い撒き。野球大好き少年だった染さんの遠投を目撃!手拭い撒きは、沸きますね。幹部役者5人のサイン入り。それにしても、今回の巡業は殊の外、会場が和やか。染五郎さんのご当地への感謝の想いが伝わる「ご挨拶」の効果でしょうか、客席に一体感がある。舞台に集中し、拍手も大きく、いつもより長めな気がします。あなたの町に歌舞伎が来ました。親しみを持ってくださいね、と、ただ言われてもどう親しんでいいか、わからないけれどユーモアを交え、大切なことは言葉を変え、二度三度。ひと公演ごとに異なる会場用に一日限りのご挨拶。寄り添う気持ちがお互いにあるからですね。温かく感じました。全編とおして見どころ、聞きどころ満載、ぜひぜひお運びくださいませ。