復刻ライオンブックス
手塚治虫生誕80周年記念企画として、手塚治虫先生が、1956年から57年にかけて「おもしろブック」に連載されていた「ライオンブックス」シリーズ。このたび当時の別冊ふろくのままに完全復刻されました。二色ページはそのままで、一色ページは当時の印刷の色で再現されています。私は子供の頃に「おもしろブック版」を読んだ記憶がなく、後年、全集などで復刻された時にはじめて読みました。(後に、「少年ブック」や「少年ジャンプ」にも新たに「ライオンブックス」シリーズが連載されていたと思います)このたびは、「おもしろブック版」の(1)として、下記の6作品です。「来るべき人類」「くろい宇宙船」「宇宙空港」「オリオン137星」「緑の猫」「恐怖山脈」ともかく文句なく面白い作品ばかりです。アイデアも、ストーリー運びも、場面構成、効果など、もちろん先生一流のギャグも面白く、今でも立派に通用する作品は見事です。そのままハリウッドで映画化出来そうです。また、ギャグも今の芸人たちがコントで使うようなギャグというのも、驚きです。あまりSFというジャンルが市民権を持たない時代に、これほどきちんとしたSF作品を発表されていた事で、あらためて先生の偉大さを実感する事が出来ました。時代がようやく手塚治虫先生に追いついてきたといいますか、ここにきてもまだ追い越せないのかと思います。手塚治虫先生が過去の人となりつつある中、過去の良い作品に再会できるこのような復刻はとても喜ばしいことです。(とくにB5判の大判で復刻してくれるのは、目も耳も遠くなった私には嬉しいばかりです)一セット3,780円(税込)とちょっと高めですが、貴重な資料としてもその価値はあります。今月末には、2巻目が発売されると言うことです。また購入します。