「七色仮面 レッド・ジャガー篇」
今年の前半の事ですが、ついに、正義の味方『七色仮面』のDVD-BOX HDリマスター版が発売されました。『七色仮面』は、『月光仮面』の原作者・川内康範が想像した正義の味方で、TV初の仮面ヒーローです。昭和34年=1959年から昭和35年=1960年にテレビで放送されました。私は小学生のころに、よそのお宅で熱狂しながら拝見していたもので、そのうちの数作は地元の映画館(?)でも観ました。どの作品にも個性豊かな悪役が登場し、犯罪を企てますが、それに敢然と立ちはだかるのが正義の味方、七色仮面その人であります。今回ご紹介するのは、第3部「レッドジャガー」編です。テレビ放映されたものを「黒い手の戦慄」「百万弗の対決」「最後の切り札」の3部作として劇場公開されました。DVDに収録されているのも、この劇場バージョンです。「汝の手は、夜。ジャガーの目は、炎」との合い言葉で扉を開けると七色仮面が登場するタイトルシーンから、秘密結社が暗躍するお話が展開されます。最高のキャラクター・コブラ仮面や不気味な表情が魅力的なキングローズほどの仮面のインパクトはないものの、偽札や東西スパイ団の暗躍などを巧に織り込み、とても子供番組とは思えない作品なのです。この作品が好きな理由に、悪漢・レッドジャガーが江戸弁(?)で話すからということがあります。主人公の欄光太郎探偵にレッドジャガーが「この事件から手をしけ(ひけ)! 手をしくのだ(ひくのだ)!」と、脅迫しますし、また、「握られたしみつ(秘密)を、しゃべられてはおしまいだ」とか、「十億あれば、しと暴れ(一暴れ)出来る」といいます。また、レッドジャガーのもうひとつの顔、公安局の調査部長の時には、「あなたの疑惑を、頭からしてい(否定)することもできませんね」「実はししょ(秘書)の八代圭子の事ですが・・・」「はっきりとしたことはわかりませんが、何かしっかかり(ひっかかり)があったと思います」と、なんともいえない心地よい響きなのです。「七色仮面 オリジナル バージョン」