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テーマ:ニュース(99552)
カテゴリ:政府・自治体・関連機関
国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS) 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)ナノエレクトロニクス材料ユニットの関口隆史グループリーダーと、九州大学 応用力学研究所の柿本浩一教授らの研究チームは、高品質低価格のモノシリコン育成法を開発した。今回得られた成果は、シングルシードキャスト法という新しい鋳造法で、従来の鋳造法に比べ結晶の品質を飛躍的に向上でき、シリコン太陽電池の効率化が期待される。
太陽電池の主流であるシリコン系太陽電池は、変換効率が20%に達しており、今後の開発では付加価値を高めるために、20%を上回る変換効率が求められている。しかし、従来の鋳造多結晶シリコンではこの目標値を実現することが不可能で、一方、半導体用の無転位単結晶シリコンでは価格競争に勝ち残れないため、多結晶シリコン、半導体用単結晶シリコンに代わる第3のシリコン材料の開発が望まれていた。 研究グループは、この問題を解決するため、種結晶を使ったシリコンの鋳造法「シングルシードキャスト法」を新たに開発し、結晶の品質が良く不純物の少ない単結晶シリコン(モノシリコン)インゴットを育成することに成功した。 新開発した鋳造法は、るつぼの中でシリコンを溶解し、小さな種結晶から単結晶を成長させる技術で、半導体シリコン単結晶の作成法に比べて、原料コストも製造コストも下げることができる。さらに、この方法で育成した結晶を用いて試作した太陽電池の変換効率は最大で18.7%を記録した。これは、同時に評価した半導体用無転位単結晶(CZシリコン)ウエハの18.9%に迫るもの。 今後、結晶欠陥と不純物の影響をさらに抑えることで、CZシリコンの変換効率を上回ることが期待される。また、現在の設備では50cm角のインゴットまで成長が可能で、現実の生産ラインへ組み込むことができるようになった。 政府・自治体・関連機関 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.02 09:51:35
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