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テーマ:ニュース(99610)
カテゴリ:政府・自治体・関連機関
東北大学は、全方位フォトルミネセンス(ODPL)計測法で観測される発光スペクトル(ODPLスペクトル)に特有の双峰性形状が、結晶の持つ光吸収に起因することを発見した。この研究は、高性能な電子デバイスや光デバイスの製造に適する省エネ材料である窒化ガリウム結晶の発光量子効率と光吸収の関係を明らかにするもので、簡便な方法で半導体結晶の光吸収スペクトル計測を可能にする。 照明や通信、太陽光発電などの分野で、電気エネルギーと光エネルギーとを相互に変換する発光ダイオード(LED)や半導体レーザ、太陽電池などの活用が不可欠。これら半導体デバイスの性能は、ウェハの構成材料となる結晶の品質に強く左右される。 今回の研究では、結晶を冷却しつつも積分球が熱的に分離できる独自の温度可変ODPL装置を用いて、室温から絶対零度に近い極低温(約-261℃)まで、幅広い温度域でGaN結晶の発光スペクトルを測定した。また理論モデルを構築し、結晶内部にて生じた発光が、結晶の光吸収の度合いに応じて結晶内を伝搬する様子をコンピュータを用いて再現することを試みた。 その結果、ODPLスペクトルに特徴的に見られるスペクトルの双峰性形状が、結晶のバンドギャップエネルギーよりも低いエネルギー領域に存在する光吸収の裾(Urbach-Martienssen tail)に起因することを発見した。
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Last updated
2020.11.02 09:40:05
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