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かみぽこちゃんの日記

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2009年11月13日 XML このブログを購読する

 日本郵政社長人事:「官僚支配」と言うけれど。。。(後編)

小泉さんの主張した「郵政民営化」は、
最後には

「民営化で郵便局がコンビニになる」

みたいなことが
強調されちゃって
よくわかんなくなった
感じがするけど、元々は

「郵便貯金が財政投融資の原資となって
特殊法人の無駄な事業に流れるのを断つ」

ことが目的だった。

この、財政投融資を巡る
郵政と大蔵の戦いを

「大蔵・郵政の100年戦争」

と呼んだ人もいた。ただ、

郵貯→財政投融資→特殊法人

の資金の流れは、
小泉郵政民営化以前に、
橋本行革で
郵貯の大蔵省への預託が廃止され、
自主運営となったことで
一応断ち切られることになった。

ただし、その後も
特殊法人が市場から
資金を調達するために発行する

「財投機関債」

や、政府が財政投融資の
資金を調達するために発行する

「財投債」

を、郵貯は購入し続けてきたと
いうことだ。

要するに、仮にではあるが
マスコミや政治家が語るような
「財務省支配」というものが
本当にあるならば、それは

「斎藤さんの日本郵政社長起用で
郵貯が国債を大量購入する」

という批判とは、
論理的に矛盾しているように
思われるんだよね。

むしろ、

むしろ、斎藤社長が
財務省の意向に沿うならば、
郵貯の国債購入や
財投債、財投機関債の購入を
拒否していくと考えるのが
ロジカルではないだろうか。

また、仮に斎藤社長が
もう大蔵省退官後
15年も経過していて
現在の財務省とは意思疎通がなく
彼自身の思想信条に
従ったとしたらどうだろうか。

つまり、「官僚支配」はないと
考えた場合だけどね。

「最強の大蔵官僚」

と、かつて呼ばれた
斎藤さんは、
各省庁が予算を
概算要求する際の基準

「シーリング」

を考案し、1980年代以降の
財政再建のシステムを
作り上げた人である。

また、事務次官の時に
細川内閣が減税の方針を
打ち出した際、
財源の担保を徹底的に主張し、

「国民福祉税構想」

を、強行しようとしたことも
よく知られている。

このような、いわば
原理主義者的と
いってもいいような
健全財政論者だった
斎藤社長が
郵貯の国債大量購入を
やるだろうかということだ。

やらないと考える方が
無理がないだろうね。

では、「最後の大物・大蔵官僚」
斎藤社長の起用の意味は
なんなのだろうか。

それは、巨大な郵貯銀行の
徹底的な縮小が
狙いだろうと思われる。

これは民主党が
そもそも主張してきたことと
一致している。

繰り返すが、郵政改革の
元々の目的は、
郵貯が財政投融資として
無駄な事業に流れるのを
断つためだ。

その手段としては、

(1)民営化する
(2)国営状態で縮小する

の2つの選択肢があり、
小泉内閣は(1)を
選択したということだ。

これに対し、民主党は元々、
(2)を主張していた。

これを具体的にいうと、
2005年9月の郵政総選挙で、
小泉内閣の民営化案に対し、
岡田克也代表率いる民主党は

「預金限度額引き下げによる
郵貯の徹底的な縮小」

を主張していたと
いうことだよね。

「お金の預入先を民間銀行などへ
変更されることになり、
官から民へのお金の流れが
自ずと実現する」

と言っていたわけだね。

まあ、(1)と(2)の
どちらがいいかについては、
私は「政局の専門家」なので
ここでは論じない。

私は、民主党が考える(2)が
必ずしも正しいとは思わないが、
斎藤社長起用という
日本郵政社長人事は
民主党なりに
合理性があるように思える。

まず、民間出身だった西川善文前社長を
政治が辞任に追い込んだ(少なくとも、
そのような印象を与える形で)ために、
民間から次期社長を迎えるのは
極めて困難となっていた。

だから、私は元々次期社長には
元官僚を起用するしかないだろうと
思っていた。

そこで、元官僚の中から
誰を起用するかという
話になるのだけど、
元大蔵官僚の起用は
必要ならば、
当面の経済状況を鑑みての
国債引き受け先の確保もできて、
中長期的には郵貯の縮小化を
進められるという
意味がある。

これが他省庁出身者だと
仮に郵貯に国債を
引き受けさせるにしても、
テクニカルなことがわかってないし、
郵貯の縮小については
そもそもアイディアを
持ってないだろうから、
すさまじいものになるだろう
他省庁の抵抗を抑えるだけの
信念もないだろう。だから、

「最強の大蔵官僚」

の剛腕が必要になるわけで、
これは、元大蔵官僚がたくさんいても
斎藤社長を置いて他にはいないと
言っていいだろうね。

最後に、マスコミが散々批判する

「小沢支配」

というものについても
考えてみたい。

この斎藤社長起用についても、
「小沢支配」という
批判があるわけでね。

言うまでもない。
悪名高き

「国民福祉税構想」

は、小沢さんと斎藤さんが
画策されたと言われているわけで
かつてこの2人が
非常に近い関係だったのは
疑いの余地がない。

まあ、実際に今回の人事で、
民間から社長を引き受ける人が
いない状況で、
亀井郵政担当相に
誰か意中の人がいたかといえば
いなかったのだろうね。

そういう意味では、
小沢さんの意向が反映された
斎藤社長の起用という批判は
当たらずとも遠からじと
いうところかもしれない。

しかし、ここでポイントなのは
斎藤社長の意思決定には
亀井郵政相の意向よりも、
民主党(小沢)の意向が
強く働くということだ。

つまり、仮に亀井郵政相が
民主党の考え方を逸脱して

「国営化後、巨大な郵貯の現状維持」

を、内心考えているとしても、
その考えに斎藤社長が
強く影響されることも
ないということだ。

まあ、あれですよね。。。
こんな風に書いてくると、また

「ゲンダイみたい」

とか、言われるかもしれんね(苦笑)。

でも、そんなことを言う人でも
日本郵政社長人事について
1つだけ考えてみてほしいんだよね。

「官僚支配」と批判する時に、
財務省と他省庁は
予算獲得という観点では
その選好が全く正反対だということを
考慮すべきだということだ。

それをせず(あるいは、無視して)、
すべての官僚を1つと考えて

「官VS民」

と、単純化して論じるのは
乱暴だということだ。

少なくとも、旧大蔵省時代から
財務省が長年に渡って持っていた
郵貯に対する問題意識を無視して、
郵政事業の将来を
論じることはできないでしょう。

これだけは言っておきたいと
思うわけであります。

それでは、またね。

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「かみぽこ政治学」バックナンバーはこちら。







最終更新日  2009年11月13日 11時47分02秒
コメント(30) | トラックバック(2) | コメントを書く


 日本郵政社長人事:「官僚支配」というけれど。。。(前編)

さて、「かみぽこ政治学」です。

「事業仕分け」が注目を集めているけど
それはちょっと落ち着いてから
しっかり論じるとして(苦笑)
今日は、日本郵政の次期社長に

「元大蔵事務次官・斎藤次郎
東京金融取引所社長(73)」

が決めったことについて
書いてみたいと思う。

「斎藤次郎」という名前は
私にとっては
懐かしい名前でしてね。

私の博士論文は
「大蔵省改革」とかを
事例にしてますけど、
この改革が断行された
引き金の1つとなったのが

「国民福祉税構想」

に対する、国民からの
激しい批判だった。

斎藤さんは細川内閣時の
大蔵事務次官で、
「国民福祉税」構想の
仕掛け人ともされていたわけでね。

ということで、今日は
私のこれまでの
財務省(大蔵省)分析も
交えながら、
書いてみたいと思う。

この日本郵政社長人事は、
厳しく批判されてますね。

まあ、ある意味
当たり前のような
気がするけど。。。(苦笑)

まず、その批判の主なものが

「元官僚の登用は脱官僚依存という
鳩山由紀夫政権の基本方針に反する」
「天下り全廃という民主党の方針と
一貫性を欠く」
「特に、元財務官僚の
日銀総裁起用に
民主党が不同意したことと
著しく一貫性を欠く」

という、いわゆる

「官僚支配」

に対する批判があるね。

また、金融政策への
影響を懸念する声もある。

要は、郵貯の莫大な資金が
国債発行の受け皿になり、
バラマキ政策の財源となり、
更なる財政赤字の
悪化につながるという批判。

それと、亀ちゃん
(亀井静香郵政・金融担当相)が
推進しようとしている
中小企業への貸し出しに
振り向けられるとの
観測もあるようだ。

そして、

「鳩山新政権は郵政の国有化を
目指しているのではないか」

とかいう批判も
あるわけでね。

まあ、鳩山政権側は
これに対して

「郵政民営化見直しに対する考え方が
連立3党と一致している」
「斎藤氏が旧大蔵省を辞めてから
すでに10年以上が経過している」

と亀ちゃんが言ったり、
原口一博総務相も

「金融の中でしっかりとした
仕事をされてきた方。
最適な方に引き受けていただいた」

と発言したりして、
斎藤さん起用の
正しさを訴えようとしたけど、
まあ、これは「政治的」に言って
批判されるのは
しょうがないのだろうと
思うよね(苦笑)。

ただ、これら数々の批判には、
1つの重要なポイントが
抜けているように
思うんだよね。

今日は、それについて
考えてみたいのだけどね。

まず、郵政社長人事についての
さまざまな批判が
仮にその通りだとして
考えてみたい。

普通こういう場合、

「批判は的外れ」

と、始めるのだろうけどね(苦笑)。

ここではあえて、
ご批判はごもっとも、から
始めてみたい(苦笑)。

つまり、この郵政社長人事に対する
一番大きな批判である

「官僚批判」

が、あるものだと
仮定して考えてみたいのだ。

要は、斎藤社長が
彼の出身である
財務省の強い影響下にあるか、
そういうことはないにしても、
元大蔵事務次官として
官僚時代に培った
彼の思想信条に沿って
意思決定を行うと
仮定してみるのだ。

それでは、斎藤社長が
影響されるとする

「財務省の考え方」

とはなんなのかを
考えてみると。

ここでも、マスコミや
政治家が事あるごとに言う

「財務省支配」

なるものが、
本当にあるものだと
仮定して考えてみるわけだ
(私は必ずしも、
そのようなものが
あるとは考えてないけどね)。

「財務省支配」とは、
財務省主計局が
国家予算の編成権を持つことで
他省庁や政治家を
支配していると
いうことだ。

すべての政策は
予算措置を必要とするため
その予算の配分権を持つ
財務省主計局が
政治家や他省庁に対して
強い政治力を
持てるということだ。

それゆえに、
歴史的に政治家は
鳩山由紀夫首相の祖父
鳩山一郎内閣の時代から、
常に、予算編成権を
主計局から奪おうとして、
さまざまな画策を
してきたわけだね。

例えば、橋本行革での

「経済財政諮問会議」

も、それを廃止して
新たに設置しようとする
鳩山政権の

「国家戦略局」

という構想も、
政治家が主計局から
いかに予算編成の主導権を奪うかが
その問題意識となっているのだ。

それで、「財務省支配」に
話を戻すけれども
予算配分を通じて
各省庁や政治家を
支配するためには、

「財政規律」がしっかりした、

「均衡財政」

が、維持されていなければならない。

なぜなら、いくら財務省が
「健全財政」を訴えて、
予算配分権をちらつかせてみても、
実際には財政規律が緩んでいて、
国債をいくらでも
発行できるとなったら、
他省庁や政治家に対して
なんの説得力も持てなくなって
しまうからだ。

ところが、ここで財務省にとって
頭の痛い問題があった。それが、

「第二の国家予算」

と呼ばれた、

「財政投融資」

の存在だった。

「財政投融資」とは、
郵便貯金や年金積立金などが
旧大蔵省に預託されて、
特殊法人等へ
出資・融資されていたものだ。

予算と財政投融資の違いとは、
なんだろうか。

予算とは、採算は取れないけど
国民生活のために必要なものを
補助金という形で行うために
捻出される資金だ。

一方、財政投融資とは、
採算性があって、
出資した資金が
返ってきそうな事業に対し、
政府が有償資金として
資金を出すものだ。

財政投融資は、特殊法人等の
公的機関に対して融資され、
高速道路や空港などを
建設する大型事業や、
中小企業の事業資金、
国民の住宅建設資金などに
使われてきた。

財政投融資は、ピーク時には
約50兆円近い規模があり、
これが「第二の国家予算」と
呼ばれてき所以だけれどもね。

しかし、特殊法人がこの資金を
ほぼ自動的に受けられて、
自分で資金調達を行う
必要がなかったために、
市場から経営のチェックを
受けることがなかったために、
無駄な事業にジャブジャブと
資金が投じられてしまって、
その累積赤字は
数百兆円に達するとの
見方もあった。

また、さまざまな省庁の役人が
特殊法人に再就職(天下り)し、
高額の退職金を受け取っていることも
問題となったね。

しかし、財務省にとって
なにより頭が痛いのは、
財政投融資が財政赤字の
隠れ蓑となっていることだ。

財政投融資は、
一般会計の予算と違って、
国会で厳しい審議を
実質的には受けることがない。

その結果、予算をいくら
厳しく管理しても、
そこから漏れたものに
財政投融資が使われてしまうと。

それでは、いくら財務省が
予算削減を要求したところで
他省庁は一旦それを
受け入れたフリをして、
特殊法人などを経由して
財政投融資から
資金を引っ張ってくれば
いいことになる。

また、財務省自身も
族議員からの予算獲得の
強いプレッシャーと
財政再建を求める
首相ら政府首脳の間で
板挟みになることから逃げるために、
一般会計では
厳しいシーリングを設定する一方で、
財政投融資から各省庁・族議員に
資金が流れることは黙認した。

結果、80年代の財政再建の取り組みの結果、
90年代前半に一般会計では、
一旦財政再建が達成された一方で、
財政投融資の累積赤字が
数百兆円に達したという。

これでは、財務省が予算配分権を使って
各省庁や政治家を支配するのは
無理だということでね。

そして、このような
財政投融資が
財政赤字の隠れ蓑と
なってしまっているという
問題意識から、
財務省は、

「郵政民営化」

を着想して、それを

大蔵族議員・小泉純一郎

に主張させたというのは
広く知られた説である。

それでは、後編へ。


最終更新日  2009年11月13日 11時45分19秒
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2009年10月23日

 嗚呼、自民党(後編):政権交代ある民主主義への対応が再生への道。

しかし、谷垣総裁は
国民からの「お仕置き」による
緊張感というものを
どうもネガティブに
捉えているようだ。それは

「絆」

という言葉を
キーワードとして
使っていることでわかる。

谷垣総裁によれば、
「絆」とは、
これまで自民党を支えてきた、
良質の保守層というべき

「家庭や家族、地域の絆を
大切にする方々の期待にこたえる」

という意味だそうだ。

しかし、そのウェットな感覚は、
農協、建設業界、特定郵便局長会などと
自民党の長年の癒着の関係を
維持しようとすることに
つながらないだろうか。

しかし、ある意味
残念なことかもしれないが、
これからの「政権交代ある民主主義」では、
政党は国民の「お仕置き」を避けるために
政策立案と実行の能力を
磨き続けるものだという、
ドライな感覚を持つことが
重要なんじゃないかと
思うんだよね。

だから、自民党が進むべき方向は、
「政権交代ある民主主義」に対応する、

「透明な意思決定」「説明責任、情報公開の徹底」
「政策中心の候補者選定」

などのシステムを持つ

「近代政党」

だろう。それは、かつて
小泉純一郎元首相が
目指したものと一致する。

自民党内には麻生太郎前首相など

「古き良き自民党をぶち壊したのは小泉氏」

と恨む人が多いようだ。

しかし、小泉さんが
政権交代の元凶という認識では
党再生は難しいと思うね。

小泉さんは「自民党をぶっ壊す」と言いながら、
実際は二大政党制への変化という
日本政治の構造変化を的確に捉え、
それに対応する近代政党に
自民党を変えようとしたと
私は思う。

自民党の下野は
小泉さんのせいではない。
自民党が小泉さんの考える
近代政党になれなかったからだ。

私は小泉さんが
心情的には嫌いと
言い続けてきたけど、
これは認めざるを得ない
ことだと思う。

以前書いたけれども、
自民党が近代政党に生まれ変わるには、
今回の政権交代の原点である

「政治改革大綱」
(2009年8月31日
「政権交代」実現の今、20年前の「政治改革大綱」を振り返る(前編)
「政権交代」実現の今、20年前の「政治改革大綱」を振り返る(後編)

の精神に立ち戻ることだ。

「政治改革大綱」は、
自民党政治の問題点が
与野党勢力の永年固定化で
政権交代がなく、
政策よりも利益誘導を
重視することで
政治腐敗を招いていることだと総括し、
その解決策は小選挙区制の導入による
政権交代ある民主主義の
実現であると主張していた。

すでに、20年前にだよ。。。(苦笑)

今回の政権交代は、20年前に自ら身を削り、
血を流す覚悟で断行しようとした
政治改革が実現したものだということを、
今こそ自民党は思い出すべきではないかと
私は繰り返し言いたいのだ。

その意味で、今回総裁選に
出馬すべきだったのは
石破茂さんだったと思う。

20年前に「政治改革大綱」作成に
関わったメンバーの中で、
石破氏は現在自民党の
幹部クラスとして残っている
ほぼ唯一の政治家だからだ。

まあ、この時のメンバーは
(石破さんも含めて)
ほとんどが一度離党したわけでね(苦笑)。

その後、自民党に戻ってきて、
幹部クラスなのは
石破さんくらいだからね。

まあ、石破さんにも
いろんな事情があるのは
わかりますけどね。

それはともかくとして、
総裁選で争点となるべきは
谷垣さんの「全員野球」でも
河野太郎さんの「世代交代」でもなく、

「政権交代ある民主主義へどう対応していくか」

であるべきだったと思う。

私は、聡明な谷垣総裁は
そのことをわかっていると
思うんだよね。

なぜなら、谷垣総裁のHPには
こう書いてある。

『自民党という党は
自分たちが政権与党であることを前提に
党の組織等も作ってきたわけです。

しかしこういう政権交代ということがおこりますと、
そういう前提ではもう党は立ち行きません。

いままでの自民党イコール政権与党という
常識を全部覆す、そういう党改革を
していかなければならないのだろうと思います。

そういうなかで当然、
若い世代をどんどん登用していくとか、
女性の出番を高めていくことになります。

今までは例えば閣僚人事でも
派閥順送りということがありました。

これは政権交代がないという前提であれば
可能なわけですけれども
政権交代があるのだということになれば、
こういったことはできません。

つまりそのときそのときの
ベストメンバーで試合にのぞむと
いうことでなければ
政権交代可能な時代には
対応できないはずです。

(中略)

それは同時に選挙に勝つための
選挙態勢の抜本的見直しにも
繋がっていくだろうと思います。

候補者の選定というのが
今までのやり方でいいのかと
いうこともあると思います。

それから国会活動にも
やっぱり抜本的改革が必要となります。

今までは政策活動といいましても
与党であることを前提としますと、
政府提案の立法の審査ということが
かなりの部分を占めていたわけですが、
野党となるとそういうことでは
必ずしもありません』

うん。。。

まさにその通りであって、
1つも反論すべきところがない。

ただ、現実に起こっていることは
「ゾンビの復活」なわけでね。。。(苦笑)

「絆」などという言葉で
ゾンビに気を遣う谷垣総裁は
聡明なれど腕力なしと
いうことかもしれないね。

そんななかで、
自民党が希望をつなぐべきは
石破さんの党の政調会長就任と
いうことになるかもしれない。

石破政調会長は、
政調会の部会長に若手を起用して
国会の各委員会の次席理事を兼務させ、
政府提出法案の対案作りに
取り組むという方針を
打ち出している。

まるで、かつての民主党の
若手育成のようだ。。。(苦笑)

石破政調会長が
どのように政権交代を総括し、
党の近代化を考えるかが、
自民党再生のキーと
なるように思うんだよね。

それでは、またね。

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最終更新日  2009年10月23日 07時07分24秒
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 嗚呼、自民党(前編):もう昔には戻れないことを自覚すべし。

さて、「かみぽこ政治学」です。

御無沙汰してしまってます。
「行政刷新会議」が始まった理
「斎藤次郎」なんていう
なんとも懐かしい名前が
出てきたりしてるけど、
今日は、自民党のことで
いきたいと思う。

先日、政治のことなど
なにもわからんけど
実に重い一言を
ビシッと言うことで
知られる(苦笑)
うちのおふくろと
電話で話したのだけど、
自民党総裁選について

「ゾンビが次々生き返ってきて、
滅びかかっとる。。。」

と、バッサリと
切り捨てとりました。。。(苦笑)

まあ、もちろん玄人的には
そんな単純な話じゃないんだけど
おふくろがビシッと
言ったことはね、
いまの庶民感覚を的確に
表現していると
思うんだよね。

ネット上にいると
なかなかわかりにくい
本当の感覚をね。

まあ、それはそれとして、
鳩山政権がスタートし、
補正予算約3兆円分の執行停止、
八ツ場ダムなど
止まらない公共事業の停止、
来年度予算の概算要求の
白紙見直しなど、

「脱官僚支配」

の具体策を次々と
打ち出しているわけだ。

また、亀井郵政金融相などの言動も、
よくも悪くも注目を集めている(苦笑)。

一方、野党・自民党では
総裁選が行われたが、

「派閥(谷垣さん)」「世襲(河野さん)」
「官僚(西村さん)」

の争いということで、
いわば

「自民党をダメにした3つの悪の争い」

みたいなもんだった。

いや、そりゃ玄人的に見ればね、
候補者の思想信条や
政治家としての経歴、
能力や見識をいろいろと
比較することはできる。

しかし、庶民からすれば

「3つの悪が総裁の座を争っている」

という感覚だろう。

これは、ある意味
とほほ。。。な話なんだけれども
庶民感覚を無視できないというのも
「政治」だからね。

今回の総裁選、
自民党が本気で
変わろうと思うならば、
「3つの悪」以外から
総裁候補が出なければ
ならなかった。つまり

「無派閥(少なくとも立候補時に派閥離脱)」
「非世襲」「党人派」

この3つを兼ね備えた候補が
たとえ総裁にはなれなくても
せめて出馬くらい
してほしかった。

荒唐無稽な話とか
現実的じゃないとか
思うかもしれないが、
自民党が喫した
大敗北というのは
これくらいのことがないと
乗り越えられない。

自民党が置かれた状況は
甘くはないのだ。

実際、谷垣禎一新総裁が誕生したが、
谷垣さん自身の新鮮味のなさに加え、
党役員人事をやっていくにつれて、
おふくろが言ったように

「ゾンビが次々蘇ってくる」

感じになっちゃった。

結果、「鳩山劇場」の陰に
谷垣自民党は埋没して
しまっているようだ。

しかし、今後

「政権交代のある民主主義」

が成熟していくには
自民党の再生が不可欠だ。

そこで今回は、
今後自民党が進むべき方向が
何かを論じてみたい。

最初に、こだわるようだけど(苦笑)

「ゾンビの復活」

に関係あるところから
始めたいのだけどね。

安倍晋三元首相などから、
自民党は

「結党の精神」

に戻るべきだという
意見が聞こえてくる。

そもそも自民党とは、
1955年の社会党統一に対抗して
自由党、民主党など
保守政党が合併したものだ
(「保守合同」)。

つまり自民党の
「結党の精神」とは、
東西冷戦が激化した時代に、
共産主義に政権を
渡さないということを
決意するという
ものだったと言える。

その自民党が今、
「結党の精神」を
強調しているわけだ。

それがなにを意味するかというと、
新たな政権政党となった民主党を、
東西冷戦期の

「革新政党」

のような、政権を渡すには
危険な政党だとみなして
戦おうということだ。

実際、故・中川昭一氏のHPには、
民主党政権の誕生で

「日本が危ない」

という意味のことが
掲載されていたわけでね。

しかし、「結党の精神」への
回帰というのは、

「政権交代ある民主主義」実現

という時代の潮流に対する
認識を完全に誤っていると
思うんだよね。

まあ確かに鳩山政権が、
外交・安全保障政策などで
安定感に欠けている面は
あるかもいしれんよね。

しかし日本は別に危なくない。

なぜなら、国民が

「失政を犯した政権を選挙で交代させる」

ことを知ったからだ。

鳩山政権が安定感を欠いたまま
国際社会で信頼を失い
国民生活を不安に陥れたなら、
次の総選挙で
国民によって政権の座から
引きずり降ろされるだろうね。

かつてのように自民党が
どんなに失政や汚職を繰り返しても
下野させることができなかったのは、
実は「危ない時代」だった。

しかし、そんな時代は
もう去ったのだ。

自民党は総選挙の結果について、

「自民党に対するお仕置き」
「民主党が支持されたわけではない」
「自民党の政策は支持されている」

などと考えているようだ。

政権交代は一時的なものと
軽視しているようだし、
民主党が失敗すれば
すぐに政権の座に
戻れると思っている。

しかし、その認識はあまりにも甘く、
そもそも、民主主義に対する
理解を欠いていると
思うんだよね。

なぜなら、政権に対する
国民の「お仕置き」は
軽く考えるべきものでは
ないからだ。

「失政を犯せば政権の座から降ろされる」

と、政治が国民に対して
ある種の緊張感を
持たなければならないことは、
政治の質を向上させる

「民主主義の真髄」

だからだ。

世界的にみても、政権交代とは
国民によって政策が
詳細に検証された
結果というよりも、
国民の政権に対する
「お仕置き」として
起こることが多い。

それは民主政治の健全性を
保たせるために
有効に機能してきたのだ。

今後は日本でも、
たとえ自民党が
次の参院選で
あっという間に
政権復帰したとしても、
国民からの「お仕置き」に
緊張し続けなければならない

「政権交代ある民主主義における
二大政党の一角」

にすぎなくなるのだ。

革新に政権を渡さないことを
大義名分として、
少々の失政やスキャンダルは
許してもらえるという
時代に戻ろうというのは、
幻想にすぎないことを
自民党はすぐに
自覚させられることになる。

私が政権交代直後に

「今後は民主党を血祭りに」

と書いて、いろんな反応があったけど、
そう書いた意味の1つは
たとえ最短で自民党が政権復帰しても
「政権交代ある民主主義」は
完成し、後戻りはしないと
確信していると
いうことなんだよね。

別に、民主党にこだわる必要はない。
むしろ是々非々でいくのが
民主主義のためだということだ。

それでは、後編へ。


最終更新日  2009年10月23日 06時59分57秒
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2009年10月05日

 中川昭一元財務相のご冥福を祈ります。

中川昭一元財務相が
お亡くなりになりました。

中川さんは、押しも押されぬ

「将来の首相候補」

として、ずっと政局の中心にいて、
「かみぽこ政治学」でも
たくさん取り上げました。

中川さんの政治活動から
本当にたくさんのことを
勉強させて頂いたと
思っています。

本当にありがとうございました。

今回は、中川さんを取り上げた
エントリーを一覧にまとめ、
ご冥福を祈りたいと思います。

2004年9月28日
小泉人事の神髄:町村信孝外務大臣

2005年11月1日
小泉内閣改造を読む(3):政敵は閣内に、忠臣は党に。

2006年5月18日
自民党総裁選:突き詰めると「安福戦争」とはなんなのか。(前編)

2006年5月31日
自民党総裁選(3):「総裁候補」という看板を得ること。

2006年5月31日
自民党総裁選(7):小沢訪中爆弾・8月15日小泉靖国参拝爆弾が連続大炸裂する日。

2006年8月26日
「総裁候補の看板」を誰も得ようとしなかったわけ:「ポスト安倍」と「新・キングメーカー」の動きとは。

2006年9月30日
安倍人事で見えたもの。(前編):「敵は排除」でいいのか?

2006年11月20日
政局抜きで小泉政治を総括する:小泉流民主主義とは(1)敵を味方に変えること。

2006年12月23日
安倍流「排除の論理」の失敗。(前編)

2006年12月23日
安倍流「排除の論理」の失敗。(後編)

2007年8月28日
安倍人事を考える(6):そして、体にダイナマイトを巻きつけて親分たちを人質に。

2007年12月31日
「中宏池会」と「真の保守」とはなんなのか。(前編)

2007年12月31日
「中宏池会」と「真の保守」とはなんなのか。(後編)

2008年8月6日
福田人事を考える(3):「郵政造反組」起用は「小泉斬り」なのか?

2008年11月04日
金融危機の政局(1):「日本の経験」もいろいろ。

2008年11月04日
金融危機の政局(2):旧「政策新人類」の復権はなるか。

2008年11月04日
金融危機の政局(3):「剛腕」中川昭一は財務省を抑えているのか。

2009年2月9日
消費税率引き上げを巡って:「新・財務族」と「政策新人類世代」の10年戦争(前編)

2009年2月9日
消費税率引き上げを巡って:「新・財務族」と「政策新人類世代」の10年戦争(後編)

2009年3月18日
これからの政局の対立構図を整理する(後編):役者は揃った。後は戦うのみ。

それでは、またね。


最終更新日  2009年10月05日 13時50分18秒
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2009年10月02日

 「鳩山人事」を考える(3):国会の委員会を「脱官僚」の最後の砦とせよ。

副大臣・政務官人事は、
完全な当選回数至上主義だった
自民党政権では
政局的な意味はなかった。

しかし、鳩山内閣では
副大臣・政務官の
重要性は格段に増すようだ。

「約100人の政治家を官僚組織に送る」

が、鳩山内閣の
「脱官僚支配」構想の
中核であり、それを担うのが
副大臣・政務官だからだ。

そして、これまで国会論戦の前線で
体を張って活躍してきた中堅・若手、
つまり、外部から見ていて
お馴染の面々の多くは
むしろ、副大臣・政務官に
起用されているのだ。

内閣府は、予算編成の改革を狙う
国家戦略局担当に
古川元久副大臣、
田村謙治政務官と
2人の財務省出身者と
大塚耕平副大臣、
津村啓介政務官の
日銀出身者が2人入った。

この、日銀出身者2人の起用が、
大きなポイントだと考える。

以前、安倍内閣時に
塩崎官房長官(日銀出身)による
政策転換を指摘したことがあったが、
この2人の起用は、
麻生内閣で実態として
進められていた

「財政金融の再一体化」

の流れを転換させるもので、
鳩山内閣は

「財政金融の分離」
「日銀の独立性確保」

を、徹底するということだろう。

あと、日銀の独立性に比べて
ほとんど言われないんだけど

「財務省国際局の金融庁からの分離」

というのがあるように思う。

つまり、通貨政策など
国際金融政策が
金融庁管轄の国内金融機関
(と、その背後の国内産業)に
影響されるということだけど、
通貨危機などの時は、
国際と国内が一致してるほうが
いいのだろうが、
鳩山首相が唱える

「アジア通貨統合」

など、攻めに入ることを
マジメに考えるならば、
国際が国内の圧力を受けるのは
あんまりよくないと
いうのはある。

藤井財務相の傘下に入るのは、
野田佳彦・峰崎直樹副大臣。

いずれも、堂々たる閣僚級。
野田さんが財政担当で
峰崎さんが税制担当か。

政務官にも財務省出身の
大串博志氏と分厚い布陣だ。

文部科学副大臣の鈴木寛さん、
国土交通副大臣の

「ミスター高速道路」

馬渕澄夫氏らも、
閣僚級だろう。

というか、実際に

「ネクストキャビネット」

では、閣僚級だったわけでね。

山井和則(厚生労働)、
長島昭久(防衛)らの
政務官にも当選回数は少ないが、
野党時代の活躍は
閣僚級だった人材がいる。

興味深いのは、野党時代の

「ネクストキャビネット」

では、基本的に
衆参の常任委員会の委員長か
副委員長が「次の大臣」を
務めることになっていたために
「次の大臣」は
実際の党内序列的には
閣僚級ではなかったと
いうことじゃないかな。

だから、「ネクストキャビネット」の閣僚が
副大臣・政務官となり、
その上に、党の幹部級が
閣僚として配置されるという
現象が起きているともいえる。

いずれにせよ、閣僚の役割は、
官僚組織の人心掌握であり、
副大臣・政務官はその下で
実務を仕切るという
構図が見えてくるわけだ。

民主党の構想では、各省庁内で
副大臣・政務官が精査した法案を、
事務次官会議を廃止して
代わりに新設した

「閣僚委員会」

が審議して国会に提出するという。

しかし、副大臣・政務官3−4人で、
すべての法案を精査することが可能だろうか。

各省庁の政策立案は審議会から始まる。
(2009年4月1日
官僚支配をなくすには(後編):「議題設定」から「御用学者」を一掃すること。

ここから上がってくる政策が
官僚寄りのものばかりになった時、
副大臣・政務官が
それを1つ1つ突き返せるのだろうか。

特に、政治的に
重要な法案を抱えたら、
他の膨大な数の法案が
精査できないのではないか。

審議会については、
藤井財務相が
財務省の意向が反映されやすい
有識者による
現行の政府税調を廃止し、
峰崎財務副大臣を中心として、
業界団体の要望を
各省政務官が取りまとめる
新しい税調を立ち上げる
考えを示している。

また、前原国交相が
高速道路の新規着工路線を決めている

国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)

について、

「急に招集され、議論は数分。
正当性を与えるための機関でしかない」

という理由で
廃止を表明している。

その他の省庁についても
次々と、

「副大臣・政務官を中心に新しい有識者会議を」

みたいな話が
ちらちら聞こえてくるようになったが、
そういうのをどんどん
作っていくのはいいけど、
さあ始めようとなった時
副大臣と政務官の業務量が
異様なほど膨大になって
呆然と立ちすくむなんて
事態になりはしないだろうか?

予算については
シーリングをなくして
概算要求から副大臣・政務官が
やるっていうんでしょ?

大丈夫なんだろうか。。。

おそらく、
そんな副大臣・政務官を
支援するというのが、
小沢一郎民主党幹事長が提唱する

「各省政策会議」

なんだろうね。

しかし、これこそ
どう機能するか
わけがわからない。

それよりも、民主党は
野党時代との継続性を
重視してはどうだろうか。

繰り返すが、野党時代
民主党の「ネクストキャビネット」の閣僚は、
基本的に国会の常任委員会の
委員長が務めていたのだ。

つまり、これまで民主党は、
国会の委員会を
主戦場として政府追及を行い、

「日銀総裁人事」「年金問題」「薬害肝炎」
「防衛省問題」「ガソリン税暫定税率」など、

これまで国会論戦で素通りされてきた
深刻な問題点を
国民の前に明らかしてきたのだ
(2009年2月17日
参院必要論(前編):これまで参院が示してきた「良識」。)。

要するに、これまで国民が

「長妻ガンバレ!」

とか、拍手喝采を送ってきたのは、
委員会を舞台にしていたということ(苦笑)。

だから今後も、委員会での
政府追及の経験を
生かしていくべきではないかと
考えるわけだ。

常任委員会の委員長も、

鹿野道彦(予算)、田中慶秋(内閣)、
近藤昭一(総務)、鈴木宗男(外務)、
田中真紀子(文部科学)、筒井信隆(農水)

などなど、実力派、個性派ぞろいである。

彼らが与党としての権力を
行使しながら追及すれば、
相当なことができる。

いわゆる

「権力の二重構造」批判

を避けるために、
これまで委員会を舞台として
積み上げてきた
経験とノウハウを
使わないのは
もったいない話だ。

そして、委員長には

「国会を止めるのをためらうな」

と主張したい。委員会は

「脱・官僚支配」の最後の砦

なのである。民主党は

「野党的アプローチ」

から国会運営をスタートし、
国会を止めて
徹底した「情報公開」を行い、
半世紀にわたる
自民党支配の下で
長年明らかにされてこなかった
資料や密約を白日に曝し、
澱のようにたまった
制度疲労や行政の惰性、
腐敗や癒着を一掃すべきだ。

もちろん、与党が国会を止めることは
常識的じゃないよ。。。(苦笑)。

しかし、「情報公開」の徹底は
これまでと違う

「新しい政治文化」
(2004年5月10日
トニー・ブレアから民主党へのメッセージ

を、日本に根付かせることである。

腰を据えて
取り組んでほしいと
思うんだよね。

それでは、またね。

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最終更新日  2009年10月02日 16時39分30秒
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 「鳩山人事」を考える(2):「憲政の非常道」政権交代なき首相交代に備えて。

岡田克也外相について、
少し書いておきたい。

国民的人気のある
岡田克也さんについては、
いろんな形での処遇が
考えられたと思うんだよね。

その中で外相に決まったと
いうことなのだけど、
まあ、ベストの配置かどうかは
よくわからないけれども
それはそれでよかったのでは
ないだろうか。

「かみぽこ政治学」では
よく言ってきたことだけど
(2004年9月28日
小泉人事の神髄:町村信孝外務大臣

「外相」というポストは、
主要閣僚中の主要閣僚ながら、
内政面について
ほとんど責任を取る場面がなく、
実は次期首相を狙うには
最適のポジションだと
いうことだね。

例としては、消費税率上げによる
景気悪化によって
参院選惨敗の責任を取って
退陣した橋本首相の後継が、
その橋本内閣で副総理・外相だった

小渕恵三さん

だったということ。

「脱官僚支配」を掲げる鳩山内閣が、
これから様々な既得権益層からの
総攻撃を受けて
立往生する可能性は
あるわけだ。

これが、国民の支持を
得られないこともあるだろうし、
スキャンダルが起こる可能性もある。

鳩山内閣が退陣せざるを得ない
状況はあり得ると思うよ。

その時、これは怒られるかもしれないけど(苦笑)

「憲政の常道」

などと生真面目に自民党に
政権を返す必要なんか
ないわけだ。

わずか11か月で
政権を自民党に渡してしまって、
自民党政治の利権構造を
温存させてしまった
細川・羽田政権と同じ轍を
踏んではいけないことは、
民主党自身が
一番よくわかっているはずだ。

今回の衆院の4年間という任期は、
たとえ

「憲政の非常道」

であろうとも、
緊急事態には

「政権交代なき首相交代」

を断行しなければならない。

そのことを自覚してかどうかは
さっぱりわからないが、
外相起用によって
結果として

「岡田克也温存」

ができたことは
よかったんじゃないかな。

まあ、堅物の岡田さんが
「憲政の常道」
を延々と唱えて、
下野することは
あるかもしれんけどね。。。(涙)。

その時は、かつてのように、
再び岡田さんに

「引退勧告」

しますよ(苦笑)。

あと、いわゆる

「原理主義者」

と呼ばれる堅物の岡田氏が
外相を務めることに対する
懸念なのだけれども、
あんまり関係ないんじゃないかな。

何度も主張してきたように
強い外交交渉力の源泉は、
国内の強い政権基盤だ。
(2008年11月27日
金融サミット(G20):日本の「存在感」の意味。「感謝」と「主導権」を混同するな。

衆院308議席という
圧倒的な政権基盤を持つ
鳩山内閣は、
国際舞台においては
パフォーマンスは別として
現実的対応としては
こちらから動かず
どっしり構えていることだ。

現在、日本は国際社会に
資金援助ができる
数少ない国なのだ。

落ち着いていれば
向こうから資金を求めて
日本に寄ってくる。

そして、外交交渉では
日本のペースで話を進められる。

向こうから寄ってくれば、
様々な情報が首相や外相に
入ってくるようになる。

情報が入ってくれば、
現実的な対応ができる。

既に国際舞台において、
鳩山首相には
様々な首脳が寄ってきた。

福田・麻生政権時には
あれほど日程設定に苦労した
日米、日中首脳会談も
簡単に実現した。

それは決して
「政権交代」の物珍しさから
だけではない。

今度の首相は
約束を実行できる
政権基盤を持っていると
各国首脳が
認識しているからだ。

あと、いわゆる

外務省の「核密約」

についてだけど、
岡田さんが、

「官僚を処分しない」

という考えを示したのは
いいと思う。

長妻厚労相や前原国交相も
同じようなスタンスで
臨んでもらいたい。

長妻厚労相は
先に書いた
舛添さんとの引き継ぎや
後期高齢者医療を
いきなり廃止しないで
新制度を決めた後に
移行する考えを示すなど、
柔軟さを示しているが、
官僚に対しても、
ぜひ寛大さを示してほしい。

厚労省の官僚が、

「うちは、首相候補を育ててきたから」

と、自虐的に語っているのを
見たけれども(苦笑)
長妻厚労相がここから先、
もっと大きな政治家になれるかは
「寛大さ」だろうと思う。

前原国交相については、
鉄道マニアぶりが
報道されていたけれども、
ぜひ、石破茂さんに
負けないで、

「人間はウソをつくけど、
鉄道はウソをつかない」

くらい、言ってほしいもんだ(苦笑)

硬派の前原さんだが、
それくらいの味が出れば、
総理への道も
開けてくるんじゃないかな。

それでは、後編へ。


最終更新日  2009年10月02日 16時50分11秒
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 「鳩山人事」を考える(1):意外に現実的でしたたかな閣僚人事。

さて、「かみぽこ政治学」です。

前回予告した通り、
鳩山内閣の閣僚・党役員人事について
書きたいと思います。

しかし、あれですよね。

今、いろいろな識者の皆さまが
民主党政権について論じてらっしゃる。

しかし、私には正直少々
違和感があるんですよね。

それは、そういう方々が
民主党政権の
人事や統治機構改革を
論じる時、
政権交代によって

「国家戦略局」とか
「政治家を100人役所に送り込む」

とかが、突然出てきたような
言い方をしていることに対して
違和感があるんだよね。

民主党は民主党なりに、
結党以来10年間、
権力をつかむために
試行錯誤を繰り返し、
さまざまな失敗もしてきた。

小泉さんに翻弄されて
解党的危機に
陥ったこともあった。。。

民主党の政治家たちは
幹部だけでなく
中堅や若手までもが
権力をつかむには
何をどうしたらいいのか、
何が足りないのかを
考え続けてきたのだ。

私はこの部分については、

「権力には、『年功序列』で到達するもの」

という、自民党の政治家よりも
よほど考えてきたのだと思う。

数少ない例外の1人が
小泉純一郎さんだろうね。

小泉さんが政局に強い

「希代の喧嘩師」

だったのは、
権力をつかむために
散々苦労したからだろうし、
例えば、小泉さんが

「小選挙区比例代表並立制」

の威力を最大限に使えたのは、
もしかしたら、

「小選挙区制になったら
田川誠一に負ける。。。」

という、まさに生き残りをかけて
小選挙区制の導入に反対したからこそ、
その威力も知り尽くしていたのかも
しれないよね。

まあ、話が脱線したけど、

「民主党は重要法案の審議を止めて、
国会を麻痺させている」
「もっと政府与党に協力すべきだ」

などと自民党側の価値観から
一方的に批判して、
民主党が実際になにをやっていたか
知ろうともしなかったような方が、
(2008年8月23日
民主党はどうなっているか(4):なぜマスコミはこの構造変化を見れないか。
まるで民主党の専門家のように
あれこれ語っているのは、
ちょっとね。。。(苦笑)

そこで、この連載では
それらの論考とは一線を画し、
過去民主党について
ここで論じてきたことや、
野党時代の民主党の

「ネクストキャビネット(次の内閣)」

との「継続性」に留意しながら、
鳩山内閣について
考えてみたい。

前回のエントリーでは
「国家戦略局」構想について、

「メンバー構成」「事務局体制」
「省庁との関係」

という、3つのポイントを
提示したんだよね。

「鳩山人事」

は、これらのポイントについて、
一定の解決策を示している
とは思う。

例えば、菅直人国家戦略相の
経済財政相兼務だ。

国家戦略局のスタッフ機能を
どう確保するかは
重要な課題なわけだが、
菅国家戦略相が
経済財政相を
兼務するということは、
これまで経済財政諮問会議などの
事務局を務めてきた
内閣府・経済財政部局の官僚
約300人を傘下に収めるということ。

これは、現実的な解決策である。

民主党はこれまで
「脱官僚支配」と
小泉構造改革の司令塔となった
「諮問会議」の廃止を
訴えてきたわけだ。

しかし、実際に政権を担当したら、
その諮問会議が構築してきた
事務局機能を
そのまま頂こうというのだから、
なかなかしたたかである。

こういう動きは
他にもあるようで、
例えば長妻昭厚労相が
舛添要一前厚労相の
タスクフォースを
そのまま引き継げるよう
話ができているなんて
こともある。

民主党の「脱官僚支配」の構想は、
単なる思い付きのレベルではなく、
繰り返すが、
「権力」をどう動かすかについて
試行錯誤を繰り返した経験が、
よく反映されている
印象がある。

まあ、実際にこれがどう動くかは
また別の話だからね(苦笑)。

うまく動かない部分もあるでしょうね。

小泉構造改革だって、
最初から完全に機能したわけじゃない。

「道路公団改革」

という試行錯誤を経て、
「郵政民営化」では
うまく機能させることが
できたわけです。

だから、民主党のやり方については

「現時点では」

まあまあよく考えていると。
それだけでいいのだと思う。

それ以上については、
実際に新しい制度が
動き出す前に
いろいろ言っても
無意味だと思う。

まあ、言うのは自由ですけどね。。。(苦笑)

民主党の人事というのは、
今までの自民党人事と
発想そのものが
根本的に違うので
いいとか悪いとか、
それはよくわかんないんだよね。

ただ、閣僚・副大臣・政務官の
配置をみると、
なにをしたいのか、
その意図はよくわかると
思うんだよね。

藤井裕久財務大臣は
15年ぶりの復帰であり、
55年体制以後の
非自民政権の財務相(蔵相)は
藤井氏だけという

「絶対的な存在」

だ(ちなみに「自民党政権」での
蔵相経験者としては
羽田孜さんがいる)。

しかし、藤井さんはあくまで
一度政界引退を表明して
第一線から退いていた方だ。

民主党には中堅の金融財政通が育ち
(2008年11月04日
金融危機の政局(1):「日本の経験」もいろいろ。
金融危機の政局(2):旧「政策新人類」の復権はなるか。)、
政策立案の面では
決して人材難ではないと思う。

では、藤井さんのなにが
「絶対的」かといえば、
それは、大蔵省出身かつ
非自民政権唯一の蔵相経験者で
財務官僚の信頼も厚いという

「リーダー」

としてという意味だろう。

鳩山内科腕は、岡田克也外相(民主党代表など)
赤松広隆農水相(旧社会党中央書記長・民主党副代表など)
直嶋正行経産相(民主党幹事長・政調会長・参院政審会長)
川端達夫文科相(幹事長・国会対策委員長)
千葉景子法相(旧社会党副党首)、

そして、連立パートナーからの

既に要職を歴任してリーダーとしての定評がある議員が配置された。

亀井静香金融・郵政担当相
福島みずほ消費者・少子化担当相

という、代表、副代表、幹事長、
政調会長などの要職を歴任し、
官僚組織とも人脈がある

「リーダー」

が閣僚に配置された。

なにより閣内最年少の
前原誠司国交相でさえ
民主党代表経験者なのだ。

原口一博総務相や
小沢鋭仁環境相は
中堅といったところだが、
攻撃力というより
どちらかというと穏健で、
行政に詳しく
人脈も広いタイプ。

このように、「鳩山人事」の特徴は、
口では官僚排除を唱えながら、
現実的にはベテランの「リーダー」の起用で
官僚組織の人心掌握を狙っていることだ。

その中で、元々官僚にも人望が厚い
ベテラン仙谷由人氏が
予定されていた厚労相が、

長妻昭さん

に変更されたことは、
長妻氏自身の強い希望と
彼に対する国民的期待が
反映された
例外ではないだろうか。

ちなみに、こう書いてくると

亀井静香金融・郵政担当相
福島みずほ消費者・少子化担当相

について、反論がある人が
いるんじゃないかな?(苦笑)

基本的に、私はこの2人については
ほとんど無視してます(苦笑)。

ほんとはなんにも
書かなくてもいいと
思ってるくらいなんだけど
それは許されないだろうからね(苦笑)。

この2人の声が
社民党・国民新党の獲得議席数の割に
大きすぎるということなんだけど、
要は、それが鳩山内閣全体が
取り組もうとしていることの中で
どれくらいの重要性が
あるのって話です。

まあ、連立パートナーの声が
最初大きいのは
よくあることだけど、
結局、「政権維持」という
大前提の前には、
次第にその声は
小さくなっていくもんだ。

私は、亀井・福島両党首が入閣し、

「基本政策閣僚委員会」

を内閣に設け、
三党協議の場としたのは
よかったと思う。

閣外で言いたいことを
言われ続けるよりは
はるかにましである。

この2人を閣外に置いたら、
両党を実際的に
政策転換させることは
できないだろうしね。

亀井さんについては、
モラトリアムと日本郵政グループの
株式売却凍結までやれば、
あとは、郵政事業の形態を決めるのは
時間がかかることである。

いろいろ検討しているうちに
時間切れで参院選だ(苦笑)。

モラトリアムも実効性の議論になると
専門性が高いので、
大塚耕平さんが
事実上仕切ることになる。

すでに、亀井さんは
モラトリアムを巡って
迷走を始めているしね(苦笑)。

また、連立の政策協議では、
最初外交安全保障を中心に
3党の主張がぶつかったが、
最後は抽象的な表現で
折り合ったわけで、
今後も連立政権維持が優先されて、
両党は譲歩を迫られる場面が
出てくるだろうね。

いずれにせよ、
マスコミ的には楽しいだろうが、
実際にはこの2党のことは
私はほとんど
どうでもいいと思ってます(苦笑)。

それでは、中編へ。


最終更新日  2009年10月02日 16時36分40秒
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2009年09月16日

 「未知との遭遇」国家戦略局をユルくふつうに考えてみる。

さて、「かみぽこ政治学」です。

鳩山政権発足、組閣と
いうことでね。

「かみぽこ政治学」といえば

「人事」

ですが(苦笑)
それはじっくりと
見ていくということで
とりあえず
今回は予告通り(?)、

「未知との遭遇」(苦笑)

第一弾として、

「国家戦略局」

について、
あまり肩肘張らず
これまでの「かみぽこ政治学」で

「既知の知識」

というかね、
ふつうにユルく
考えてみたいと
思います。。。(苦笑)

いや、なんかさ

「血祭り」

とか言っちゃったら
右にも左にも
言葉が独り歩きしたんで、
アマノジャクな私は
ユルくいくことにしました(苦笑)。

「国家戦略局」とは、
民主党が

「政治主導」

実現のための組織として
衆院選マニフェスト(政権公約)の
目玉としたものだね。

これまで、自民党政権下で、
予算の方向性や経済財政運営の
基本方針を決めてきた

「経済財政諮問会議」

を廃止すると。

そして、首相直属の機関を新設し、
予算の骨格や重要政策、
国家ビジョンを策定する。

そして、省庁間や
政府内の政策調整も
官僚ではなく
与党政治家が行うということで
「政治主導」を実現したい
考えのようだね。

そこで、マニフェストとかで
これまで主張してきた
ガソリン税(揮発油税)などの
暫定税率廃止や
「子ども手当」創設などの
重要施策をトップダウンで
決定するということだね。

国家戦略局は、国家戦略相と
これを補佐する中堅国会議員5人と、
党の政策立案スタッフら約5人、
それに10人程度の
経済・財政、外交、社会保障などの
専門家による有識者会議で構成される。

その一方で、
官僚は準備室に登用せず、
各省庁との

「連絡係」

とするという。

民主党はこれまで、
自民党政権下の予算編成を

「官僚丸投げ」

と批判してきた。

経済財政諮問会議は
予算の大きな方向性を
提示してきたけれども、
個別施策の予算の数値は
依然、財務省と各省庁の間で
決められてきたからだ。

これまで諮問会議は

「骨太の方針」

などで、予算の方向性は
決めてきた。

しかし、8月末の

「概算要求」

が、各省庁から財務省主計局に
提出されてから以降は、
個別施策は各省庁からの積み上げを
主計局が査定する形で
決めてきた。

ここについては、
官邸主導体制確立後も
それ以前と基本的に
変わらないもので、
それを民主党は

「官僚丸投げ」

と批判してきたわけだ。

新設の戦略局は、

「より具体的に予算の骨格を固める」
「国家の資源配分にかかわる
大きな施策は戦略局で決める」(民主党幹部)

ということのようだが、これは、

「予算の方針」

を決めるだけでなく、
その方針を決めた後の

「予算の細目」

にも、政治が手を突っ込むと
意思を示していると
いうことだね。

それでは、この民主党の
「国家戦略局」構想が
実際の予算編成過程で
機能するかどうか
考えてみたいと思う。

やり方としては、
自民党政権下の
経済財政諮問会議と比較して

(1) メンバー構成(2)事務局体制(3)省庁との関係、

の3つの観点から
考えてみたいと
思います。

(1)メンバー構成:

経済財政諮問会議は
首相を議長として、
内閣官房長官、
経済閣僚(財務、総務、
経産、経済財政、金融)
日本銀行総裁、
そして民間有識者4人で
構成されていた。

また、議題によっては
他の閣僚も臨時委員として
会議に加わることができた。

このメンバー構成そのものは、
国家戦略局と
大きな違いがあるとは
思えないんだよね。。。(苦笑)

まあ、岡田克也さんが

「日本経団連」

など、経済団体の代表は
参加させない考えを
表明したし、
構造改革に加わった

「御用学者」

は一掃されるだろうし、
コンサル系の若手からの
民主党に対する売り込みが
激しいこともあるから、
有識者会議の顔ぶれ自体は
これまでとガラリと変わる
可能性はあるよね。

この有識者会議が
「国家戦略局」が
機能するかどうかの
1つ目のポイントになる。

ご存じの通り、諮問会議では
民間委員4人が
中心的に活躍したわけだけど、
新しい有識者が
大所高所からの助言ができるか。

例えば、安倍内閣の
「教育再生会議」では、
新しい有識者が多く加わったが、
芸術家は芸術の、
スポーツ界代表は
スポーツの効果を説くなど、
とても大所高所の議論とは
言えなかったんではないだろうか(苦笑)。

また、官僚からのいわゆる

「ご説明」

への対処に
慣れていないことも
懸念材料だろう。

誰とはいわんけれども(苦笑)
「ご説明」を受けて
官僚擁護に豹変する有識者は
少なくないですからね。

官僚と有識者の接触制限も
検討が必要かもしれない。

(2)事務局機能

諮問会議では、竹中平蔵経財・金融相(当時)と
改革シンパの官僚が議題を設定し、

「民間委員ペーパー」

として会議に提示した。

これは、非公式ではあったが
事実上の事務局として、

「官僚を使う」

ことで、会議をリードする
スタイルだった。

ただ、この諮問会議のスタイルは
以下に述べるその他の
各省庁の審議会の
通常の事務局のあり方に
竹中さんが悩んで
それに対抗するために
考え出したものだった。

通常、自民党政権下の
審議会・有識者会議では、
官僚が務める事務局が
会議の議題を用意し、
議論をリードし、議事録をまとめ、
次回の議題を再び用意する。

それを何度か繰り返し
中間報告書、最終報告書にまとめる。

会議に参加する有識者(委員)は
質疑応答に参加するだけ
というのが通常で、
これが、審議会が
官僚主導となる
原因となっていた。

一方「国家戦略局」では、
官僚を各省との

「連絡係」

として会議から

「官僚を排除」

し、事務局機能は
民主党の政策担当スタッフが
担う予定のようだ。

それでは、はたして
民主党スタッフに
事務局を務める能力が
あるかということだ。

例えば、財金分離などが議論された

1996年「大蔵省改革与党プロジェクトチーム」

では、座長が社民党の伊藤茂氏であり、
事務局は社民党政審会スタッフが
中心だった。

しかし、実際には
社民党に事務局を務める力量がなく、
裏で大蔵省がサポートすることで
成り立っていた。

民主党の政策スタッフは、
官僚から完全に独立して
事務局を務められるのか。

「省庁との連絡係」

という、民主党の考える
官僚の役割が
実際にはどう運用されるかが
注目される。

(3)省庁との関係

「国会議員100人を官庁に送り込む」

ことで、省庁と政治家の関係は
どうなるのだろうか。

まあ、これがいわゆる

「行政刷新会議」

という部分
なんだろうけどね。

既に述べたように、民主党は
予算編成過程において、
8月に各省庁が「概算要求」を
財務省に提出した後、
12月の政府予算案閣議決定までの間を
どう政治がコントロールするかを
重要視しており、
この部分が、「国家戦略局」そのものよりも
もっと自民党と民主党の
考え方が異なっている部分である。

民主党は、自民党政権時代の
業界や族議員などからの
予算復活要求を抑えて、
トップダウンの財政構造改革を
成功させるために、
8-12月の予算過程で
主に官僚が担ってきた
省庁間、与党、政府内の調整を、
100人の与党政治家が
行うとしている。

これはまさに

「未知との遭遇」

で、どうなるかは
さっぱりわからない(苦笑)。

ただ、いまのところ言えることは
民主党にも族議員が
いることだろうね。

特に、補助金行政に
深くかかわってきた
旧社会党系のベテラン議員は、
入閣者が少なく、

「官庁に送り込まれる政治家」

の中心となる可能性がある。
彼らが官僚と一緒になって
補助金死守に動いてしまう懸念はある。

次に、予算調整に膨大な人材が
必要となった場合、
1−2年生議員まで
使わねばならない局面となった場合、
彼らの多くが

「小沢チルドレン」

であることは、
気にせざるを得ないだろう。

彼らは、官僚と闘うだけの
経験と知識の欠如を補うために、
小沢さんに助けを求めるだろう。

ちなみに、旧社会党系議員も
小沢執行部時代に
国会対策の中心だった

「親・小沢」

である。いわゆる

「権力の二重構造」

を避けるための
「政治家を100人官庁に送る」構想が、
皮肉にも政府の外にいる
小沢さんの圧倒的影響力を
生んでしまう懸念があるのだ。

まあ、私は「権力の二重構造」が
単純に悪いという気は
ないですけどね。。。

更に、これまた
「未知との遭遇」だけど(苦笑)
財務省主計局の役割まで
政治家に移管させようとした場合。

財務省主計局は予算を査定するために、
予算執行状況を確認する
地方の現場調査まで行っている。

個別政策の専門家である
他省庁との折衝に勝つために、
主計局は時間も労力も
掛けているのである。

主計局の機能を奪おうとしても、
地方の現場まで行く気概のある政治家が
はたして何人いるのだろうかね。。。

このように、「国家戦略局」による
予算編成を実際に行おうとすると、
様々な問題が明らかになるだろうね。

拙速な戦略局の設置は
避けるべきではないだろうか。

鳩山由紀夫首相が
指導力を発揮すれば、
現行の諮問会議でも
政治主導の予算編成は
可能だと私は思う。

例えば2002年度予算編成では、
3兆円の予算削減のために、
公共事業(10%減)などを
5兆円削減し、
IT、環境など重点分野に
2兆円配分することが
小泉首相の裁定で実現している。

これはすべての個別予算に
手を入れる改革ではないが、
首相がブレなければ、
予算総額の抑制と
重点配分はできるのだ。

とりあえず、それでいいじゃないの(苦笑)。

諮問会議というのは、
橋本内閣の行革会議で
1年以上議論されて
作られたものだ。

私は、鳩山政権発足から1年間かけて、
2001年以来の諮問会議の
予算編成・政策立案を徹底検証し、
国家戦略局の組織の在り方を
議論すべきだと提唱したい。

良くも悪くも諮問会議に
恨み骨髄の亀ちゃんとかも
いるんだし(苦笑)
徹底的にやったら
いいじゃないですか。

国家戦略局の導入は、
それからでも決して遅くはない。    

ということで、
「国家戦略局」については
ぜんぜん地味な話になって
どうもすみません(苦笑)。

うひょひょ。。。

次回は、「鳩山人事」と
鳩山政権の
国会運営のあり方について
考えてみたいと思います。

まあ、私が書く前にね
今回示したポイントと、
これまでの「かみぽこ政治学」の
人事分析のポイントから
いろいろ考えていただくと
いいかと思います。

それでは、またね。

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「かみぽこ政治学」バックナンバーはこちら。



最終更新日  2009年09月17日 10時37分53秒
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2009年08月31日

 「政権交代」実現の今、20年前の「政治改革大綱」を振り返る(後編)

あれから15年が経過し、
政権交代が実現した今、
政治にはどのような変化が
起こったのだろうか。

端的な変化は、政党制に起こっている。

例えば、1993年の細川政権誕生時には、
連立与党(新生党、さきがけ、日本新党、公明党、
民社党、社会党、社民連、民主改革連合)に
自民党と共産党など、
約10の政党が存在した。

それがまず1994年、
選挙制度改革成立後の12月、
小選挙区制で自民党に対抗するため、
新生党、公明党、民社党、日本新党民改連などが

「新進党」

を結成した。次に、1996年、

「民主党」

が結党された。これは、
自民・新進の二大政党の間で
埋没することを恐れた
さきがけ、社民党を中心とする
議員によって第3極の政党として
結党されたものであった。

1997年7月に新進党が解党した後、
新進党から分裂した
太陽党、フロムファイブ、国民の声(→民政党)、
民主改革連合、新党友愛などという
小政党が民主党に合流した。

更に、小沢一郎党首の自由党が、
自自公連立から離脱の際に分裂し、
一部が保守党となり後に自民党に合流した。

一方、2003年9月、自由党は民主党と合併した。

これらも、自民党・民主党の二大政党間に
埋没することを恐れたものである。
これらの離合集散の結果、
自民党・民主党による二大政党制がほぼ完成した。

また、「小選挙区比例代表並立制」導入は
「公認権」「人事権」「解散権」という
首相の権限を強化し、
派閥の求心力は失われた。

これは、以前書いた通りであり、
ここでは繰り返さない。
(2009年8月12日
やっと総選挙(3)「公認権」「人事権」「解散権」の稚拙な行使(前編)
やっと総選挙(4)「公認権」「人事権」「解散権」の稚拙な行使(後編)

そして、「政策本位の政治」の実現である。
意外かもしれないが、
「郵政民営化」への賛否が
最大の争点だった
2005年総選挙は、実は

「政策選択」選挙

だった。また、小泉首相(当時)の
「刺客」「踏み絵」戦略とは、

「政党の政策に賛成する候補者を公認した」

ことであり、これも「政策本位」の選挙が
行われたことを示している。
(2005年8月13日
郵政民営化:小泉「刺客」「踏み絵」戦略は民主的である。

今回の総選挙は、
いわゆる「マニフェスト選挙」と呼ばれ、
経済財政、福祉、外交安全保障などの
個別の政策分野について、
それぞれの政党が
政権公約を提示して競い合った。

公約の実現性、財源問題、
選挙目的のバラマキが目立つなど
「マニフェスト選挙」には
まだまだ課題が多い。

しかし、小選挙区制によって
「政策本位」の選挙は確実に前進し、
当選するために
地元へ利益誘導することは
ほとんど無意味となった。

最後に、「当選回数至上主義」「候補者選定ルール」だ。

この解決は道半ばではあるが、
日本政治に「政権交代」のある
民主主義が定着すれば、
自然に改善されていくだろう。

政権交代が常態化すると、
政界の「世代交代」が促進されるからだ。

総選挙に敗れた政党は、
次回総選挙の勝利を期して、
国民にアピールする必要から
フレッシュな執行部を作るために
若手を抜擢する。

そして政権交代が続くことで、
各政党の世代交代が繰り返されれば、
政党内の当選回数至上主義は
自然に崩壊していくのだ。

ここで、小選挙区制による政権交代のある
二大政党が定着している
英国の事例を紹介したい。

英国労働党はサッチャー保守党政権の登場により
党勢がどん底に陥り、
94年の総選挙まで4連敗を喫した。

しかし、その後世代交代が図られて
40代の若手、

トニー・ブレア、ゴードン・ブラウンらの
「ニュー・レイバー」

が登場し、98年の総選挙で
18年ぶりに政権交代を実現した。

一方、敗れた保守党は
36歳のウィリアム・ヘイグを
党首に抜擢し、こちらも世代交代を行った。

また、2005年総選挙で
保守党が史上初の3連敗を喫した後、12月に

39歳のディビッド・キャメロン

が、党首に就任した。

キャメロンは「影の内閣」の組閣で、
元党首のヘイグ(46歳)を影の外相、
ジョージ・オズボーン(36歳)を
影の財務相と若手を主要な役職に抜擢した。

これによりキャメロン保守党は、
労働党をしのぐ人気を集めた。

一方、労働党ではブレア首相の引退により、
2007年6月にブラウン内閣が誕生。

ブラウン首相は外相に

ディビッド・ミリバンド(41歳)

を抜擢した。

ミリバンド外相は就任早々

「リトビネンコ」事件

をめぐるロシアとの交渉で
タフさを発揮した。

労働党は、次のリーダーが
キャメロンに負けず若くて
フレッシュであり、
しかもキャメロンより
能力があり経験も豊富だと
アピールしたのだ。

英国の事例は、政権交代が何度も起これば、
政党内の「世代交代」が
頻繁に起こるようになり、
一党支配を前提とした
当選回数至上主義という
人事システムが
崩壊することを
示していると
思うんだよね。

また、政権交代の常態化は、
各地の政治家個人の
後援会組織の弱体化を招く。

地元への利益誘導は
与党でないとできないからだ。

与党と野党が頻繁に交代すれば、
議員は継続的な利益誘導ができなくなり、
後援会に対する
業者や団体の求心力が弱まっていく。

また、後援会への政治献金も減少していく。

後援会と支持者の深い関係は
自然に消滅していくことになる。

更に、後援会はこれまでのような、
後援会内部の結束を維持するための
「世襲候補」よりも、
後援会外部にいる敵に勝つための、
能力が高く魅力的な

「勝てる候補者」

を探さざるを
得なくなるだろうね。

「政権交代」のある民主主義は、
政界の世代交代を促進し、
長期政権を前提とした
強固な個人後援会や
当選回数至上主義を崩していく。

そして、優秀な若者を
政界入りさせるように
「候補者選定ルール」も
変えていくのである。

約20年前に自民党が
「政治改革大綱」で目指した
「政治改革」とは、
皮肉なことに自民党が下野するという形で、
そのほとんどが実現することになった(苦笑)。

しかし、「政治改革大綱」を読み返すと
自民党は「トレンド」などと
総選挙を総括すべきではないと
私は思う。

「政権交代のある民主主義」は、
かつて自民党が、
自らの身を削る覚悟で
実現を目指したものだったことを
思い出してほしいんだよね。

それが自民党再生の第一歩だろうと、
私は確信している。

まあ、あの時「政治改革」を
目指した人たちの多くは
自民党を飛び出して
民主党にいたりするんだけどね。。。(苦笑)

残っているのは、石破茂さんくらいか。。。

さて、「政権交代」が実現したことだし
私はこれから民主党に対して
鬼になります(苦笑)。

まずは次回、「国家戦略局」を
血祭りに上げさせていただきます(苦笑)。

うひょひょ。。。

それでは、またね。

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最終更新日  2009年09月07日 19時28分56秒
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