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2003年07月28日
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E美ちゃん。
ロースクールのマスター(修士)コースに通う子。
大阪出身のお嬢様だ。

E美ちゃんはこのHPに一度登場している。S美のコンピューターが壊れたときに救いの女神としてコンピューターをS美に貸してくれた。(5月2日日記『試験前症候群:S美のコンピューター』)

この時、E美ちゃんについては後日書く、としていながら、ずっと延び延びになっていた。

E美ちゃんは一見きれいでおとなしいお嬢様、という感じなのだが、これがなかなかしたたかにコースを乗り切ってきた。今日はそれを紹介したい。

E美ちゃんが通うコースは正式にはロースクール・開発法修士。

開発法。。。。

彼女と初めて会ってその事を聞いたとき、ほんとにこんな大人しそうなお嬢さんが大丈夫なんかいな、と思った。

開発法というのは、簡単に言うと発展途上国の開発、援助に関する国際法について勉強する学科。したがって、コースメートというのは、まずインド人、次に東南アジア、更に南米系。ひとクセもふたクセもある連中ばかりだ。

日本人ごときが
「わたしは発展途上国でも、民主主義が守られることが大切だと思いマース!」
などど軽々しく言おうものなら
「お前、わかっとるんかい。こっちは数分に1人、人が死んでいくんやぞ」
てな感じで凄まれる。その上、この人たち、ほとんどがすでに国に帰れば弁護士の資格を持ってたりする。

更に講師陣も強烈。
必修科目のインド人の教授など、セミナーの一言めが
「西側先進国は悪魔だ!」
で始まったというから、こりゃ尋常じゃない。
(よく考えりゃ、この先生も西側先進国の大学から金もらってんじゃんって思うが。。。)

というような嘆き節を、私は昨年このコースに在籍した日本人女性から、さんざん聞かされていたのである。

E美ちゃんも最初は大変だったらしい。
まずこの必修科目。
例によって、「西側は悪魔!」でインド人先生のセミナーが始まった。

その上、このインド人先生、超難解な専門用語を連発、しかもインド英語だ。(説明が難しいのだが、インド英語は我々日本人には慣れるまで聞き取るのが非常に難しい。)

それでE美ちゃん、セミナーの内容が全く理解できず、さすがに参ったらしい。

しかし、参っていたのはE美ちゃんだけではなかった。
コースが始まって1ヶ月たつ頃。
昨年11月。コースメートの中国人たちが騒ぎ始めたのだ。
「文句言いに行こう!」
「ひどすぎる!」
「厳しすぎる!」
「我々はどうしたらいいかわからない!」
その中国人たちは5人だったらしい。E美ちゃんも最初はいっしょに先生のところに話に行こうとしていたのだが、
この5人を見ていると、どうも感情的になるだけで、このまま先生のところに行っても、言いたいことが先生に伝わらないのではないかと考えた。

そこでE美ちゃん、5人に対して静かに、しかししっかりとこう提案した。
「最低限これだけは先生に伝えるということを決めてから、先生のところに行きましょう」

そして具体的に、
「1.セミナーの内容が難解で、我々はセミナー中に全てを理解することは困難だ。
 2.特に留学生は英語の問題もある。
 3.従って、セミナー後、内容を理解するために復習をする必要がある。
 4.だから、まずセミナーには、必ずその日の内容をまとめたプリントを配って欲しい。
 5.留学生には、短時間の試験での評価は厳しい。英語のハンデで実力を出し切れないのは不本意だ。小論文(エッセイ)での評価に変えて欲しい。」
この5つのポイントだけを正確に先生に伝えようと提案したのだ。

で、インド先生のオフィスアワー。
E美ちゃんは、感情的に不満を言いそうになる他の5人を制して、淡々と5つのポイントだけを先生に伝えた。

インド先生「キミたちのことはよくわかった」
と言い、次回のセミナーからちゃんと要点をまとめたプリントを毎回用意してくれ、
その上、きちんと教授会で提案して、正式な手続きを踏んで、
試験を小論文評価に変えてくれたという。

E美ちゃんは、小論文をきっちり仕上げて高得点をあげ、あとは修士論文だけというところまでこぎつけた。

わたしはこの話をE美ちゃんから聞いたとき、うなった。

個性的な先生の難解な授業、自己主張の強く、しかもすでに弁護士の資格持ちのコースメート、英語のハンデ。。。。。

普通ならパニックになるところだ。
わたしなら、慌ててぬおおおお~~~~とどっか走り出していそうだ。。。。
いや、どうでもいいのだが。。。。

ところが、このお嬢様は極めて冷静に、したたかにこの苦境を乗り切った。

E美ちゃんというのは、おとなしそうというか、頼りなげに見える。

しかし彼女は決して余計な無理をしたり、余計な自己主張をしたりしない。彼女は変なプライドを持ったり、うぬぼれたりすることもない。逆に変なコンプレックスもない。

自然体なのだ。だから彼女は常に、
自分はなにができて、なにができないかを理解できている。
そして、できないことはどうしたらできるようになるか、冷静に考えている。

たいしたものだ。

しかし、そのしたたかE美ちゃんも、いま苦境にある。
修士論文の指導教官(英国人)が曲者なのだ。

なにしろこの先生、E美ちゃんの日本語アクセントのゆっくり話す英語、
もうそれだけで拒否反応を示すという。
「僕に質問したいなら、きちんとしたアクセントで話してくれ。」
てな感じで、E美ちゃんはこの先生に質問もまともにできない状態だという。

彼のいうきちんとしたアクセントの英語とは、ブリティッシュ・イングリッシュを指すのだろうが。。。

インド先生の場合は、留学生に理解があったから、交渉ができた。
しかし、今回の英国人先生は、留学生をまるで理解しようという気がないという。

これは大変だ。。。

でも、わたしは思う。
E美ちゃんはいい経験をしている。これは得がたい経験だ。
なぜなら、相手が自分に理解を示してくれるのではなく、
むしろつぶしにかかってくるような真剣勝負の場でなければ、ほんとの国際経験などできないからだ。

賢いE美ちゃんはきっとここでも、
できること、できないことをきちんと把握して対処するだろうと、
わたしは信じている。






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最終更新日  2003年07月29日 17時51分09秒



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