|
カテゴリ:カテゴリ未分類
4.推薦状を作る。
(2000年5月) さて、大学の体育会のナカハタ監督、T参院議員の2人から 大学への推薦人になってもらうことを快諾してもらった。 そこで、わたしは「推薦状の作成」に取り掛かった。 推薦状の作成? 推薦状というのは、推薦人に書いてもらうもんじゃないの? という、当然の疑問があると思う。 しかし、留学に関わったことのある人ならご存知だと思うが、 日本では「推薦状」というのは、 自分で英語で作って、それを推薦人に確認してもらってサインをもらうもんだ。 もちろん、まれに英語ができる先生などが自分で書いてくれるケースがあるが、 だいたいはサインするだけだ。 これは常識となっているといっていい。 あるうちの学校の日本人学生は、 推薦状を依頼して、書くことまでお願いしたら 「こういうものは、書いて持ってくるもんだ。常識ですよ!」 と、推薦人の先生に説教されたそうだ。 それもどうかと思うが、まあ推薦人の機嫌を損ねてもなんなので、 気をつけましょう。 わたしの場合は2人に対して 「英語で草稿を作ってきますので、確認してください」 と先に申し出た。それが礼儀だと思ったのと同時に、 推薦状の内容について、自分の思うとおりにしたかったからだ。 わたしは日本語で推薦状を作り始めた。 なぜ日本語かというと、 ブリティッシュカウンシルBUPSコースのダイレクター、ジョーが翻訳家を紹介してくれたからだ。推薦状をわたしのつたない英語で、という訳にはいかない。 だから、今回はまずわたしが日本語で書いて、 金を払ってプロにパーフェクトな英文に仕上げてもらうことにした。 ナカハタ監督の推薦状はそんなに問題ではなかった。 監督の推薦状は、わたしの人間性を証明してもらうのが目的だ。 「かみぽこは大学時代、学生連盟関東支部幹事長として、 指導力を発揮した。そちらの大学でも、セミナーにおいて、 積極的に周りをリードして、貢献するであろう。」 とかなんとかいう感じの内容ですぐ作った。 問題はT参院議員の推薦状だった。 以前書いたように、わたしは大学時代の先生と連絡が途絶えていた。 ところが、英国の大学から求められる推薦状は 「学問的素養を証明するもの1通」 とある。要するに大学の先生の推薦状を要求するものだ。 わたしは、知りもしない大学の先生に頭を下げて推薦状を頼んだりせず、 T参院議員の推薦状を「学問的素養を証明するもの」として作ろうとした。 これについては、親友かわぽこのアドバイスを得た。 かわぽことは、わたしの「たこちゅー商事」時代の同期入社で、 テキサス大学卒業。たこちゅー商事をわたしより先に退社して、 LSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)の修士を修了。 この時は、外資系IT会社の日本支社に勤務していた。 彼が、LSEに出願したとき、実は同じ問題に遭遇したのだ。 彼はたこちゅー商事を入社6年で退社。 その時、彼もテキサス大学時代の教授とは連絡が取れなかったのだ。 そこで彼は、知り合いの国会議員の推薦状をそれに代用した。 その推薦状の内容は「国会議員の勉強会に参加して、政策立案の中心メンバーとして活躍した」というものだった。これは全くの作り話である。 わたしはかわぽこのアドバイスに従って推薦状を作った。 T参院議員の推薦状はこういう内容になった。 「かみぽこは、わたしの主催する政治勉強会に中心メンバーとして参加し、 とくに外交問題のセミナー、選挙制度のセミナーでは指導的立場に立って、 政策立案に貢献した。 日本の選挙制度は英国の小選挙制を参考とした方向で改革され、 かみぽこが英国の政治制度を現地で学ぶのは、 わたしにとって、大変喜ばしいことであり、 また貴校にとっても、 日本選挙制度改革の現状をかみぽこを通して知ることは大変有益であると信じる。 よって、わたしはかみぽこを貴校の学生としてふさわしいと強く推薦する」 このT参院議員の勉強会うんぬんは、全部うそである。 もうこれは時効であると勝手に判断するし、 留学を志す人に有益な「ほんとの話」だと思うし、 うちの学校に対してわたしは一定の貢献は果たしてきていると確信しているので、 ここに正直に打ち明ける。 ただ、以前にも書いたが、 これはまれな最悪のケースをどうしたか、 という話だ。 もちろんちゃんと大学の先生からきちっと推薦状をもらうことが正しいやり方だ。 後に、この推薦状は問題を引き起こすのである。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2003年10月12日 02時55分56秒
|