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うちの学校の国際局東アジア担当、ジャックから日本の新聞社の取材を受けてくれと依頼が来た。ある全国紙の「英国の教育システム」についての記事のための取材だという。
ジャックの頼みは断ることができない。 即答でOKした。 それで今日の12時、学校の国際会議場のレストランで昼食を取りながら新聞社の取材を受けることになったので、かみぽこカーで向かった。 運転しながら考えた。。。。 確かにこれまでHPでも英国の教育について書いてきた。 しゃべれと言われれば火が出るように何時間でもしゃべれる。 しかし、わたしはどちらかと言えば英国の教育システムには否定的で、 日本の教育システムのほうが優れた点がたくさんあると考えている。 何時間でもしゃべれるのは、英国の教育システムの「問題点」のほうだ。 「英国の教育システムの長所ってなんだ?」 必死に考えるのだが、どうも思いつかない。 そりゃ「記憶より思考」や「課題の多さ」などなど型通りには答えられるよ。 でも、その長所とされていることは裏返すと問題点も多々あって、 そうすると、「これはすばらしいんです!」 とスパーッ!と言い切るのもどうもなあ、と思ってしまう。 先日「マニフェストなんてちゃんちゃらおかしい」でこう書いた。 『英国人ってのは、世界一宣伝の上手な人たちなのです。 わざわざはるばる日本から客が来たら、 「そりゃマニフェストをやれば、もう日本の政治はバラ色間違いなし」 と美辞麗句を並べ立てて宣伝しますって。 で、客が帰った後、 「ああ、マニフェストなんて、誰も読んでない。はははは」 とビール片手に笑っている。 英国人とはそういう人たちなのだ。』 あらためて英国人とはたいしたもんだと思った。 問題点を認識していながら、長所だけを美辞麗句を並べて宣伝するのは大変困難なことなのだ。 さて、今日取材を受けたのは、うちの学校の国際局の職員(英国人)、社会学部の教授(英国人)、そしてJYAのK子ちゃんとわたし。 この英国人2人はやっぱりすごかった。 もうありとあらゆる美辞麗句を使ってうちの学校の教育スタイルの利点を しゃべるしゃべるしゃべる。。。。。。。。 しかも、英国人のいいところは 決して感情的にならず、 押し付けがましい言い方にならず、 穏やかに、紳士的に理路整然と論理的に言い続けることだ。 そしてこの2人の英国人、記者さんがちょっと席をはずしたときに、 にやっと自虐的な笑いを浮かべて顔を見合わせた。 わたしは、「ほら来た」と思ったね。 つまりこの2人、ほんとはうちの学校の教育スタイルの問題点をしっかり把握していながら、いざ外国からの取材ではきれいに長所だけをしゃべっていたのだ。 で、あまりにきれいにしゃべっていたので、2人で顔を見合わせて苦笑したということ。 いや~、ほんとにこういうときの英国人ってすごいわ。 わたし? うん。できるだけ普段の過激な言動がでないように、 当たり障りのなくしゃべってました。 ただ。。。。 「やっぱり英国の大学って日本より厳しいんですか?」 という質問が記者さんから来たとき、 ついこんな風にしゃべってしまった。 「大学という一部分を捕らえれば、英国のほうが厳しいと言えるでしょう。 しかし、英国と日本を比較するならば、 大学だけを比較するのではなく、社会全体を比較しないと意味がないです。 社会において、いつ子供に勉強させるのかの考え方が英国と日本では違うからです。 日本では高校卒業までは受験戦争でかなり厳しく教育される。 それに対して英国はのんびりしてます。 だから大学に入った時点では英国の子は相当に学力レベルが低いです。 英国では大学に入った時点から子供を鍛え始めるんです。 わたしは大学卒業の時点では、 日本の子のほうが英国の子より学力レベルはまだ高いという印象を持っています。 だから、大学だけを比較して、英国のほうが日本より子供に厳しい教育をしているというのは、わたしは意味がないと思う」 あ~あ。やっちゃった。 かみぽこ節大炸裂。。。。 たぶんこの部分、絶対記事にならないと思います。 ははは。。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2003年11月05日 07時56分31秒
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