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2004年05月03日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
イラクの問題も、
もうみんな飽きてきたって感じだろうが、
ちょっと気になったことがあったので
もう1回だけ書く。

つまらないと思ったら遠慮なく素通りしてください。

最近、日本ではいわゆる「自己責任論」の揺り戻しで、
「海外メディアの引用による人質擁護」
というのが出てきたらしい。

「ル・モンド」などの海外メディアを引用し、
海外メディアの論評が正常であり、
日本の世論が異常であるという風に
言い出す人たちが出てきているらしい。

ほら、また始まった、
という感じがする。

海外メディアが何を言おうが構わないけれども、
それを全く無批判で引用して
日本はやっぱり異常だと騒ぎ出すというのは、
いつものこととは思うけど、
正直情けなくなってくる。

そこで、今日は海外メディアのイラク日本人人質事件に対する論評について、
私の思うところを書いてみたい。

最初に「ル・モンド」がどう論評したかを引用する。

『若者たちは、死刑制度を維持していたり難民受け入れを制限する政策を採ったりして海外で評判が悪い日本のイメージを高めるものであったにもかかわらず、それを誇りにするどころか、逆に日本の指導者と保守系マスコミは人質は「無責任」だとしてほしいままに貶している。彼等を励ましてくれたのは、アメリカのパウエル国務長官であった。彼等は国務長官からテレビを通じ「もし誰もリスクを取ろうとしなければ、決して進歩はない」との元気づける言葉を受け取ったのである。』

(「ル・モンド」の翻訳は以下のウェブページから引用しました。
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C394170269/E1063541109/index.html )

ちなみに、今日の英「Financial Times」もイラク日本人人質事件について
記事を載せていた。

その記事には、
「人質が解放された後、日本国内の世論は彼らを英雄扱いするのでなく、恥ずかしい、不名誉な者たちとして扱った」
「政府は被害者に対して、登山中に遭難した人を救出した際と同じように費用請求をした」
ことを特に論評なしに伝えている。

そして、被害者のうち高遠さんがストレスから倒れたこと、
その高遠さんのイラクでの活動を評価する
イラク現地にいた写真家のコメントを紹介し、

更に、被害者の記者会見のうち、
ジャーナリスト・郡山氏の発言、
特に「報道の自由とジャーナリストとしての信念」
の部分をしっかりと伝えている。

FTの記事は、強い論評を避けてはいるが
ニュアンスとしては
日本の「自己責任論」をちょっと不思議なものとして見ている。
そして、民間人のイラクでの活動を評価し、
報道の自由が守られるべきことを強調しているように思える。

(記事はこちら。
http://news.ft.com/servlet/ContentServer?pagename=FT.com/StoryFT/FullStory&c=StoryFT&cid=1083180225733 )

これらの海外メディアの論評なのだが、
私はお説ごもっともだと思う。(笑)

ただし、それは
「日本とヨーロッパが同じような社会」
であるという前提なら、の話である。

具体的に言うと、
ル・モンドもFTも、
欧州からイラクに行っている
NGO、ボランティアなど民間人やジャーナリストと
日本から行っているそれらを同じレベルのものだと
前提して書いているように私には思えるのである。

つまり、NGOやボランティアは
医学などの専門的な知識を持っている専門家が行っている。
メンバーの危機管理もしっかりできる組織が行っている。
ジャーナリストは、一流のプロフェッショナルが行っている。
こういう状況は欧州では当然だし、
メディアもそれを当然のこととして記事を書いているのである。

欧州ではNGOは完全に社会の一部になっているが、
日本はまだNGOが社会に認知されるようになってまだ10年もたっていない。
長い歴史を持ち、広くて深い情報網を持つ欧州のジャーナリズムと
日本のそれとでは全く比較にならないのである。

こういう欧州と日本に違いというものを
論評するときに全然考慮に入れてないように思われるのだ。

まさか、人質になった日本人が
18歳で大学も出ていないでなんの専門知識もなく、
ただ子供がかわいそうという理由だけでイラクに行った人間だったり、
ジャーナリストといっても、
ほとんど「自称」でしかない人間であったなんて
彼らは想像もしていないだろう。

海外メディアはそこまで日本の事情をわかっていないで、
欧州の市民社会の視点から日本の状況を解釈しようとするものだ。
だから我々日本人が読んだ時、
ものすごく違和感がある文章になるのだ

人質になっていた日本人が
NGOやジャーナリストとは名ばかりの
ど素人だと知っていたら、
彼らは別の書き方をしただろう。

「ど素人がイラクに出かけていく平和ボケ日本」
って書いたと思うよ。

1つ興味深いので指摘しておきたいのだけど、
FTの記事には18歳の少年のことを
なに1つ触れていなかった。

FTも、日本の18歳にはさすがに違和感があったと推察される。

それで、最後に
日本の「人質擁護派」ともいうべき人たちに言いたいのだけど、
まず、海外メディアを無批判に引用するような
ことはもうやめたほうがいいと思う。
彼らの論評は、日本の事情など全くわかってないで
欧州の視点から適当に解釈して書いている。
そんなものを無批判に引用などしていたら、
無教養がさらけだされて恥をかくだけだと思う。

次に、被害者が批判されるのは
日本の民主主義が未成熟だからではない。
イラクへの渡航禁止をどうするかという問題でも、
政治家は憲法との兼ね合いとかを考えて、
禁止はできないと、冷静に判断しているではないか。

今回の被害者に対する国民の批判は、
あまりにも素人としか思えない人間が
ほいほいイラクになんか出かけていって
危機管理もできずに捕まって、
迷惑をかけたことから感じるストレスから来ている。

人質になったのが、
例えばアフガニスタンで活動する
ペシャワール会の中村哲医師だったり、
ジャーナリストも自称ではなくて、
船橋洋一(今回のFTの記事でコメントしていた)や、
田中宇とか、もうちょっとましな人だったら、
世論はもう少し違ったものだったと思う。

日本の民主主義が未熟とか、
日本の世論が異常とか、
そういう問題ではないのである。

ど素人が簡単にイラクに行ってしまった
行き過ぎが批判されているのである。

日本の世論は全く正常なのであり、
この日本の事情さえ知ってもらえれば
欧州にも理解してもらえる話なのだ。

たぶん、この件について書くのは
これが最後です。





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最終更新日  2004年05月03日 21時24分05秒



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