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2004年05月14日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
キムさん。

何度かちょい役でかみぽこぽこには登場したことはあるが、
今日は彼がメインだ。

韓国環境省(正しい訳かはわかりません。彼はMinistry of Environmentと言ってましたが。。。)からの派遣で、PhDの最終年次。

うちの学校に来たのは私と同じ4年前。
彼は直接PhDに入り、私は修士を経由してPhDに入ったので、
彼の方が年次的に1年上ということになる。

歳は聞いたことないけど、40歳くらいだと思う。
歳も上で、年次も上なのだけど、
同じ年にうちの学校に来て、
9月からプレセッショナルコースで席を並べた仲でもあり、
(もうすぐ回想録に登場予定)
キムさんの自宅での焼肉パーティにも、
韓国の若い子も呼ばないのに声をかけてもらえる。

これが本格的でほんとにうまいのよ。

ちなみに奥様もおきれいで、英語がキムさんより上手。(笑)

そのキムさんとある日の昼頃、
うちの学校のレストランの近くであった。

「かみぽこ。実に不思議だ。
君と芸術会館じゃなくて
レストランの前で会うなんて。」

こてこてのハングル英語で冗談を言ってきた。

私もランチくらい食べますよ。ははは。
と、私もこてこてのかたかな英語で返す。(苦笑)

「ところで、かみぽこに頼みがあるんだ」

ほう、なんですか?

「今、研究に日本の資料を使ってるんだけど、
ちょっとわからないところがあるので
かみぽこに教えてもらいたいんだよ」

日本の資料って、日本語で書いてある?

「そうなんだ。いや、日本語でも漢字を見れば、
ほとんど意味はわかる。我々も漢字は習ってるわけだから。
ただ、ちょっとしたところがわからなくてね」

わかりました。いつでもいいですよ。

ということで、翌日の午後3時、
芸術会館のカフェでキムさんと会った。

「これなんだけど」

キムさんが、いろいろ資料を出してきた。
農林水産省や環境省の審議会の資料だった。
例えば、

「遺伝子組換え食品部会における技術的検討のための小委員会報告」。

日本語で書かれた審議会の議事録である。
キムさん、これを私にどうしろと?

「まずね、このタイトルの部分を日本語でどう発音するか知りたいんだ」

なるほどね。
参考文献として論文に載せるとき、
タイトルはローマ字表記でそのまま載せないといけないからだね。

私は資料のタイトルの上に、ローマ字でふりがなを入れた。
「Idenshi Kumikae Shokuhinbukai ni okeru Gijyutsuteki Kentou no tameno Shou-Iinkai Houkoku」

それから?

「いくつか意味を確認したいところがあるんだ。
例えば、このタイトルは」

キムさんは、このタイトルを英語で読んでいく。

「genetic modified food, section meeting, technical examination, committee, report…」

「それで、この部分はどういう意味だ?」
キムさんは『における』の部分を指差す。

これは『in』ですよ。
この部会の中にある、技術検討委員会という意味で。

私は説明した。

こういうのを、いくつかの文章について確認していく。。。

でも、キムさん、あなた日本語完璧に理解できてますよ。

「いや、完璧ではないよ。
ただ、漢字が使われてるからね。
漢字の部分の意味がわかれば、
後は大体推測できるから。
私の専門分野でもあるしね。」

なるほどね。

作業は1時間くらいで終わった。
最初キムさんに頼まれたときは
正直どれくらい時間がかかるのかと不安だったが、
実際にはキムさんが資料のほとんどを理解した状態だったので、
簡単な確認作業だった。

ふうう。。。

しかし、今回キムさんのサポートをしてみて気づいたのは、

漢字の持つ力。

キムさんは、日本語が全くできない。
全くできないにも関わらず、
日本語の資料をほぼ完璧に理解できていた。

それは、漢字が使われていたからである。
しかも、役所の文章というのは、
やたらに漢字が多い。

普通我々なら、漢字が多い文章は難解で
読みづらく感じるものだが、
キムさんにとってはこれが幸いして、
ほとんどの文章を理解することができたのだ。

つまり私が思ったのは、
漢字というのは、
少なくとも東アジアにおける、
共通のコミュニケーションの基盤になりえるのだな、
ということである。

今、漢字というのは、
どちらかというと、
軽視される傾向にあるんじゃないかと思う。

例えば韓国では、キムさんはエリートで
教養があったから漢字を理解できただけで、
漢字を使わず、全てハングルで表記という
方向にあるように理解している。

中国では、漢字を大胆な略字にしてしまっている。
これは使い勝手がいいのだろう。

しかし、キムさんは
あの略字は中国だけで通用するものだから、
なんのことやらわからず、
日本語の資料と比べて
中国語の資料を読むのはものすごく困難だと
言っていた。

日本はどうか。
漢字がどうのこうの以前に、
国際化の時代に対応するには、
英語を公用語化したらどうかと
いう議論があるくらいだし、
日本語自体が軽視されてたりする。。。

まあこれらの日中韓の動きは、
それなりに意味があることはわかる。

それに、このキムさん一人の話から
何かを一般化するというのは
まあ無理があるかもしれない。

しかし、近所の割にはお互いの理解が薄かったりする
この三国が交流を深めていくには、
三国共通のコミュニケーションの基盤である
漢字の持つ力というものを
我々はもう少し認識してもいいのかな、
と思ったりもしました。

それにしても、
私の「お助けマン稼業」も
最近国際的になってきましたよ。
まあ、こういうことなら、
喜んでどんどんやりますよ。(笑)

それでは、また。





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最終更新日  2004年05月15日 21時35分43秒



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