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2004年07月28日
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さて、「うちの学校の1年」。

学部生の試験が終わり、
修士の学生のエッセイも提出し終わり、
春学期が修了し、学部生の卒業式も終わった。

うちの学校の1年も、
あと残すは、修士の学生の
「修士論文」だけとなった。

修士論文というのは、
修士の学生の最後の課題。
これまでのエッセイ(小論文)という課題の
約2倍から3倍の長さ(10000-15000WORDS)の
論文を書く。

これは我々が書く学術論文1本と
ほぼ同じ長さであり、
まさに1年間勉強してきた集大成ともいえる
課題なのである。

修士の学生は、
春学期の間に全てのエッセイを出し終え、
修士論文に取り掛かる。

この6月頃から9月の締め切りまでの間は、
学校からは何の拘束もなく、
修士論文に集中する期間となる。

ということで、
「うちの学校の1年」では
今回から修士論文が書きあがるまでの過程について、
自分の経験も踏まえて書いていこうと思う。

話は2月頃に遡る。
この頃に修士論文に関して
最初のスケジュールが組まれているからだ。

それは「修士論文の仮タイトルの提出。」
何を書きたいかということを簡単に
タイトルの形で書いて学部事務所に提出する。

ただ10文字くらいのタイトルを提出するということが
なんの意味があるのか?

「そろそろ修士論文のことも考えておきなさいよ」
という学部側の親心だろうか。

それもある。
英国の大学の修士課程というのは
世界中の国からの留学生が多い。
正直言ってレベルが揃ってない部分もある。
こういうふうに事前に課題として与えておかないと、
直前まで何も考えてなかった、なんて人も現れる。

日本人みたいに、きちっと早め早めに段取りして
っていう人たちばかりではないのだから。

しかし、それ以上に、
学部側にとっては実務的な意味が大きい。

5月上旬までに、
修士論文の指導教官を決めないといけないからである。
修士の学生はうちの学部だけで100人くらいいる。
この100人全員の指導教官を決めないといけないのである。

指導教官は大体3-4人の学生に1人。
ということは25-30人くらいの先生が必要なわけだが、
実は先生の数が足りない。
ということで、隣の
「おらが街自動車大学」
「バーモンドカレー大学」
などから何人か先生を借りてこなければならなかったりする。

それらを全部手配するのは学部の事務所にとっては大変な作業。
だから事務所は2月という早い時期に
とりあえず全学生の興味の対象は何かをチェックして、
作業を開始するのである。

この指導教官の決定に関しては、
学生は誰に指導教官を頼みたいか
希望を言えないことになっている。

なにしろ外部から先生を借りてこないといけないほどだ。
学生の希望通りになんてやってられないし、
大体希望なんて聞いてたら、
優しそうな人気のある先生に希望が集中して
収拾が付かなくなるとなんていうことも
世界共通よくあることである。

それで、指導教官が決まって学部から発表されるのが
大体5月くらいなのだけれども、
「あの人誰?」
みたいに見た事も会った事もない
自分の興味と全然違う研究をしている先生が
自分の指導教官に決まってたりする。

まあ、それは規則だから仕方がないと言えばそうなのだけれども、
できれば自分の興味と合う先生に当たったほうがいいというのも事実。

自分の専門分野かそうでないかで
先生も指導の細やかさが違ってくるのだから。

さて、ここで3年前の私のケースなのだけれども、
実は私は自分の希望通り(?)の先生が指導教官になった。

(?)を付けたのは、
元々私はこの人だけは避けたかったのだが、
先生の側が私を離してくれなかったのである。

だから厳密に言えば、

私の修士論文のテーマに興味を持った
先生の希望通りになったと。

結果、私は自分の興味分野を専門とする先生に
指導してもらえたということ。

どういう経緯だったのかを書いてみたい。

私が修士の学生だった頃、
2001年の2月くらいだっただろうか、
私のコースのダイレクターだった
アラン・レイトン=スミス教授(回想録で既にお馴染みですね。)
の研究室での個人面談、
その時の用事が終わって雑談になった時に
教授が私に聞いてきた。

「ところでかみぽこ。
修士論文はどんなテーマで書くのか
もう考えてるかね。

そんな余裕はないかな?」

当時、英語で苦しんでいた私の状況を気遣って
ニカッと笑いながらの質問だった。

私は答えた。
「そうですね。
日本の首相公選制について
書いたらおもしろいかなって思ってます。」

それを聞いた教授が言った。
「それはソフィアが興味を持ってるだろうね。
ソフィアにいろいろ聞いてみるといい。」

私は言った。
「ソフィア、ですか。。。
でも修士論文の指導教官は学生が選ぶことは
できないことになってますよね。」

教授は答えた。
「確かにそうだ。
でも、内容について聞くだけでもいいじゃないか。
一度ソフィアの研究室に行って話しをしてきなさい。」

「。。。。わかりました。」
私は気乗りしなかった。
なぜなら、私はその時ソフィアの授業を取っていたのだが、
なんせ厳しいというか怖かったのだ。
できれば、修士論文の指導教官は避けたいというのが、
本音だった。。。

それでも、レイトン=スミス教授から
会いなさいと言われれば仕方がない。
私はソフィアにメールを出した。

「私は修士論文で『日本の首相公選制』について
書いてみたいと思っています。
できれば一度お話を伺いたい。」

そして、彼女の研究室に向かった。

彼女の研究室をノックしてドアを開けた。
ソフィアが立ち上がって私に向かって歩いてきた。

「かみぽこ。メール読みました。
『日本の首相公選制』

ベリー・インテレスティング!

よくこんな興味深いテーマを見つけてきたわね。
ありがとう!!
指導教官はやらせてもらうわ。」

といきなり握手されて
ものすごい握力で両手を
ぶんぶん振り回された。

(い、い、いや、あの。。。。
あなたはおっかないから指導教官頼みたくないんだけど。
今日は、話を聞きにきただけで。。。)

と言い掛けたが、このイタリアおばさんは
話が止まらない。

自分が、今イスラエルの首相公選制を
非常に興味を持ってウォッチしていること。

自分の母国のイタリアでもかつて首相公選制導入論があったこと。

日本で首相公選導入論が40年前からあったことを知らなかったこと。
それを知ることができて非常にうれしいということ。

などなどを
一方的に機関銃をぶっ放すように話し続けた。

ははは。
いや、さすがラテン系。。。

ということで面談が終わって部屋を出たところで
どっと疲れが出たのだったが、

(まあ、とは言うものの
指導教官は選べないんだから、
ソフィアになる確率は低いよな。
大丈夫だよな。。。)

と自分に言い聞かせた。
ところ5月。。。

修士論文の指導教官が発表された時、
私の指導教官はしっかりソフィアになっていた。

(ひえええええ。。。
こんなおっかないおばちゃん嫌だよー。
しかもラテン系だよ。
間違ったら食べられちゃうよ。。。。)

と私は半泣き状態だったが、
そのソフィア・デラ=ロッサ博士とは
今も私の指導教官である。(苦笑)

えーと。
要するにここで何が言いたかったかというと、
学生は修士論文の指導教官の希望は言えないという
建前になっているのだけど、
実際は自分の希望する人にお願いすることはできる。

私の話から言えることは、
たぶんソフィアが
「かみぽこは私が指導教官をやる」
と事務所に言って、
それを事務所が認めたということだ。

つまり、先生に
「あなたの指導教官をやる」
と言わせることができればいいということなのだ。

そりゃいきなりストレートに
「指導教官お願いします」
と言うと、相手も
「いや、それは勝手にOKできない規則だから」
と引いてしまうと思うけれども、

もっとゆっくり時間をかけて、
「こういうことに興味を持っているんですが」
みたいな話から徐々に先生にしていって、
向こうの様子も探りながら引き受けてもらえる方向に
話を持っていくことはできると思う。

まあ、私の場合はそんな戦略的なものは全くなくて、
ただの偶然の産物だったのだけど。(苦笑)

私以外の学生でも
優秀だった奴は
やっぱり最初から先生に根回ししていた
という話を後から聞いた。

おそらく人生で一度しか書かない修士論文、
できれば最高のものを書きたい。
ならば指導教官も自分の興味分野に詳しい専門家に
お願いしたいものだ。

まあ、もう今年の学生さんには遅すぎるけど(笑)
来年度修士論文を書く方は、
規則は規則、建前は建前として、
自分のテーマに合ういい先生を探して、
見つけたら積極的にコミュニケーションを取って、
指導教官を引き受けてもらえるよう、
がんばってほしいと思う。





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最終更新日  2004年07月29日 03時53分33秒



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