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2006年02月26日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
公式練習の1日がようやく終わって、
J君と私は、
彼の部屋で一杯やることにした。

私はここで、
彼が日本学生代表監督に
就任してから今日までの話と、
彼の監督としての
考え方を初めて聞いた。

J「いやあ、予選一位通過の選手を
メンバーから外すことを決めたときは
大変でしたよ。

一位の選手の所属大学の監督は
猛烈に抗議してくるし、
理事会でも

『監督はツアー・コンダクターのようなもので
選手選考の権限はない』

とかいう理事がいるし。

『なぜこの選手を外すのか』
というレポートを私が作って、
監督(前編に登場した私達の所属した大学の監督で
シドニー五輪のTV解説者)から
こちらに人間関係が近い理事の人たちに
それを渡して根回ししてもらって、
最後は私が

『認められないなら監督は辞任する』

と、理事会で啖呵切って
ようやく認められたんですから。。。」

かみぽこ(以下K)「なんでお前は一位通過の
選手を外そうと決断したんだ?」

J「私が監督を引き受ける条件に
『合宿をすること』を挙げたのは、
世界学生選手権で勝つためには、
まず勝てる選手を選考しないといけないと
思ったからです。」

K「勝てる選手を選考する、か。。。」

J「そうです。国際大会、しかも権威のある
世界選手権で勝てる選手が誰かを見極めるには
国内の選考会一発勝負で勝ったというだけでは
ダメだと思いました。

僕は、選手の人間性を自分の目で確認して
選びたいと思ったんです。」

K「どういうことだ?」

J「僕が合宿で、
選手達に散々馬鹿なことをやらせたって
話はしましたよね。」

K「ああ。朝、起床したら散歩して、
大声で歌を歌わせたってやつだろ?」(笑)

J「そうです。その他にも散々
馬鹿なことをやらせたんですが、(苦笑)
結果、選手達の人間性が
よくわかったんですね。

それで予選一位の選手を
代表から外すことにした。」

K「理由はなんだったんだ?」

J「結局、予選一位の選手は
生活態度がだらしなかったということです。

まず、朝の散歩は遅刻してくる。
その他の集合時間を守らない。

それと、もう1つ。
彼はチームの雰囲気を乱すと
判断しました。

今回出場するBは
予選一位通過の選手と
同じ大学で1年後輩なんですが、
一位通過の選手は
大学の上下関係を
そのまま代表合宿に持ち込んで、
練習の準備や後片付けに
Bを使っていたんです。

そしてBもこの一位通過の選手がいると
少し萎縮するところがある。

これではBが試合で力を発揮できないし、
チーム全体の雰囲気も乱すことになるだろうと。」

K「なるほどね。」

J「かみぽこさん、私はね。
海外で行われる試合に勝つには、
何よりも自分を律することが
できることが大切だと思うんです。

海外では予期もしないことが起こる。

その予期できないことに
なんとか対処しながら戦うには
最低でも自分自身のことを
管理できてないといけないと思うんです。

だから、僕は世界選手権で勝つためには
自分を律することのできる選手を
選びたかったし、
そのために、合宿をやって
選手の人間性を知りたかったのです。」

その時、ドアをノックする音がして
国際電話を掛けたがっていた
A選手が入ってきた。

J「はい、これ使っていいよ。
時間とか気にしないで、
いくらでも使っていいから。」

A「ほ、ほんとですか?
ありがとうございます!」

A選手はうれしそうに
J君の携帯を持って
自分の部屋に戻っていった。

J「Aはですね、
女の子っぽいというか、
さびしがり屋で甘えん坊な
ところがあるんですよね。

だから、いつもみんなと
つながりを感じたいと
思ってるんですよね。

世界選手権という大事な試合で
特に外国で行われる試合だから、
余計につながりを感じたいんでしょう。

だから、いくらでも使っていいから
家族や友達に電話しろと。

女子選手は大なり小なり
精神面での安心感を得ることが
試合でいいパフォーマンスをするために
必要だと思っています。

だから僕はね、
かみぽこさんが
彼女達に声を掛けてくれたでしょ?

『手紙を出してきてあげるよ』って。

あれは彼女達、
すごいうれしかったと思うし、
僕もうれしかった。
かみぽこさんは
何も言わなくても
わかってくれているんだなと。」

K「まあ、それくらいは
どうってことないから。

それより、俺は感心してるんだけど
俺はこの競技で
こんな雰囲気のいいチームは
見たことがない。」

J「ミーティングで僕が
いつも聞いてますでしょ?

『所属チームは?』

って。
あれ、前に話しましたけど、
合宿で映画観せてからなんですよね。

このチームも合宿の初めの頃は
そんなに雰囲気がいいわけじゃ
なかったんです。

各大学からの寄せ集めだし、
みんなジュニア時代からの
ライバルだから。

しかし、アメリカのアイスホッケー代表が
寄せ集めから1つのチームにまとまる
映画を観せてね、
その後に、女子の五輪代表候補である
Cに聞いたんですよ。

『所属チームは?』

そしたら、答えが

『ジャパンです』

って。まあ、影響されやすい奴だな、と。(笑)

Cはね、自分というものを
しっかり持っていて、
合宿が始まった直後に面接すると
とにかく

『自分のペースでやりたい』

ということばかり言ってました。
まあ、僕みたいな
ナショナルチームのスタッフでもない人間に
いろいろ言われたくないってのが
あったんでしょう。

でも、僕が合宿でいろいろやって、
特にこの映画を観せた時に、
彼女なりに考えたことがあったんでしょう。

それ以来、Cは変わりましたね。
そして、劇的にチームの雰囲気が
劇的に変わりました。」

K「そうだったんだ。。。」

J「まあ、なんと言っても
かみぽこさんに
一番お世話になっているのは
僕ですよ。(笑)

今日は一日中、
ほんとにあれやこれやと
いろいろ確認していただいて
本当にありがとうございました。」

K「いや、だってそれが俺の仕事だろ?

俺はな、お前から
この仕事の話が来た時、
ずっと考えたんだよ。

『なんで俺なんだ。
もっとプロの通訳がいるのに』

ってな。

でもな、いろいろ考えてみて
やっぱりJは
俺が必要なんだなと思った。

今日一日お前と公式練習の間
右往左往しててな、
ほんとに俺は通訳としては
全然ダメだとは思ったよ。」(苦笑)

J「いや、そんなことないですよ。
ありがとうございます。」

K「いやいや、やっぱり素人だよ。
でもな、それでも俺なんだなと。

お前、ほんとに細かいことまで
俺に確認させたよな。(苦笑)

おそらく、これはドイツ在住の
日本連盟の方相手では
お前もできなかっただろうな。」

J「ほんとにそうです。

『なんでこんなこと聞くんだ』とか
『こんなのは聞かなくても常識だ』とか
言われるかもしれないし、
たぶんここまで頼めなかったです。

僕とかみぽこさんの間だから、
何でも頼めましたから。」

K「でも、おかげで明日の試合について
わからないことや不安は何1つなくなったよな。」

J「ええ。ほんとにそうです。
選手もそう思っていると思います。

選手は外国にいるということを
忘れてるくらい、
今、落ち着いていますよ。」

K「お前がプロの通訳でなく、
俺にこだわったわけを
俺なりに考えてみて、
俺の仕事はこれだと思ったんだよな。

俺の仕事は、
俺の選手としての経験、
学連委員としての経験、
そして海外の競争社会で
曲がりなりにも戦ってきた経験、
まあ、あといろんなスポーツを
観てきたことから(苦笑)
選手に海外で自分の力を
普段通りに発揮させるための
ケアをすることだと。

まあ、そんなこと言っても
難しいことじゃないんだけどね。

『ドライヤーありますか?』とか
『お湯もらえますか?』とか
俺がいつも学校で
若い連中相手にやってることと
ほとんど変わんねえからな。」(笑)

J「まあ、海外で起こるいろんなことを
経験させて自分で解決させるってのは
若い子には大事な勉強だとは思います。

しかし、この試合は『世界選手権』です。
勉強してる暇はない。
結果を出さないといけないですから。

だから選手には勉強させるよりも
普段、日本で試合するのと同じ環境、
いや、それ以上にいい環境を
与えてあげないといけないと思いました。

日本の試合だと、
大学のOBとかが
偉そうな顔をして来て、
『根性がない』とか
わけわかんないこと言いますから、
そういうことが全然ない
かみぽこさんがしかないと
思いました。」

K「後は、結果を出してくれるといいなあ。。。」

翌日、世界学生選手権(ユニバ・カップ)が
始まった。

結果はね、できすぎなほど
出てしまった。。。

男子団体優勝。
男子個人、4位入賞。
しかもその入賞者は
J君が抜擢した
予選4位通過の選手だった。

女子は団体4位。
しかし、個人戦では
五輪代表候補であるC選手が
欧州チャンピオン(学生ではなく全世代の)と
予選・決勝を通じて僅差の大接戦を演じて
銅メダルに輝いた。

日本は実力的に言って、
本来端にも棒にもかからない
レベルだった。

勝因はまさに選手達が
普通に試合をしたことに尽きる。

1つには、選手が団体戦に慣れていたこと。
学生達は年間20試合くらい、
団体戦を戦っているわけで、
うるさい先輩やOBの罵声を浴びながら、
強い緊張下での試合をすることに
慣れているのだと思う。

逆に、外国の選手は、
個人としての実力は高かったのだが、
多分団体戦の経験がほとんどなく、
団体メンバーとなった選手は
その緊張に耐え切れず
ことごとく崩れた。
(ちなみに、この競技は
五輪やW杯で団体戦がないので、
外国では日常的に団体戦を
経験する場がなかったと思われる。)

日本の学生スポーツというのは
その精神面を重視したやり方で
批判されることが多いけれども、
それはそれでいいところも
あるのかなと思った。

もう1つは、やはり

「チームワークの勝利」

だと思う。
団体戦とはいえ、
戦うのは個人個人だ。

しかし、1人1人の選手に対して、
他の選手達が全員で準備し
全員で応援し、
全員でかたづけをした。

五輪代表候補のC選手が
大学1年生で初の海外遠征の
D選手の出場直前に
肩をもんでリラックスさせようとした。

D選手にとって、
A選手は他大学の雲上人である。

普段は声もかけられない存在である。
うれしく、心強かっただろうと思う。

個人競技なのだが
選手は間違いなく
孤独に戦ってはいなかったと思う。

選手は世界選手権という
大きな試合にも拘わらず
暖かい雰囲気の中、
普段通りに戦った。

そして、勝った。

この、あるマイナーなスポーツの
世界学生選手権での初優勝は
日本では全く報道されなかったけれど、
この競技に限らず、
全てのスポーツに対して、
大きな示唆を与えてくれる
ものだと私は思う。

「個人競技とチームワーク」

個人競技だからこその
チームワークの大切さ。

海外で日本が敗れるたびに
強調される「個の力」だけど、
私は大切なのは
それだけではないのかな、
と思った。

スポーツ好きな多くの方が
このブログをみてくださってるけど、
このエントリーから
何かを感じてくださると
うれしく思います。

最後に、この勝利は
15年前に僕がささやかに思った夢、

「いつか学生代表が
世界で勝つ」

ということが、
全く違う形ではあるけれども
実現したことでもあります。

その夢が突如実現したこと、
そしてその実現に
自分自身が関われた事に
なんとも言えない
不思議なものを感じます。

私の人生にはこういうことが
ままありますね。

「夢というのはいつか実現するもの」

そんなことも考えさせられた
今回の仕事でありました。

それでは、またね





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最終更新日  2006年02月27日 01時58分03秒



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