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2007年02月05日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
さて、「英国留学回想録」です。
「人生で一番楽しい時」第5回、

「修士論文のタイトル変更」。
(2001年6月下旬)

ずいぶん前になってしまったけど、
前回書いたことは
なんとこれまで私は
エッセイの正しい書き方を
理解していなかったことを
ソフィアに指摘されたということだった。(苦笑)

がびーん。。。。

まあしかし、
そこは私であるわけで、

「エッセイの書き方がわかってなくて、
あれだけの得点が出たなら、
エッセイの書き方がわかったんだから、
修士論文ではどんな高得点が
出ることやら。うひょひょ。。。」

と落ち込むこともなく
極めて低次元に頭を切り替えて
のーてんきに考えていた。

しかし。。。。

現実はそんなに甘く簡単なものではない。
前回、ソフィアが指導してくれた
書き方で書こうとすると、

「より広く、より深く」

調べなければちゃんと書けないからだ。
うひょひょとのーてんきに考えていられたのは、
数日の間だけであって、

(これはえらいことだな。。。)

と考え始めた。 

私は「福祉国家の比較」という
修士論文のテーマに関して、
実はあんまり予備知識がなかった。

以前書いたけれども、
元々私は「首相公選制」について
修士論文を書くつもりでいて、
それについては予備知識も問題意識も
十分に私は持っていて、
それがソフィアの問題意識と一致していたので
修士論文の指導教官を引き受けてもらえたという
経緯があった。

ところが、その後
私が博士課程(PhD)に進む話が出てきて、
その指導教官をソフィアに
お願いする話をしていた時に、
ソフィアから

「修士論文は博士課程の第一ステップ
となるものを書くべきだ」

というアドバイスがあって、
修士論文のタイトル変更をしたのだった。

この頃、PhDのテーマとしては、
スケールの大きな比較政治をやろうと
考えていたわけだけれども、
スケールが大きすぎて、
足元の基礎的な知識が浅かったわけだ。

こんなの、現在研究職を
やってらっしゃる方が読んだら
「信じられない」と思うだろうし、
私自身も「信じられない」と思うが、(苦笑)
当時の私はそんなもんだった。

まあ、だからこそ、
この修士論文でしっかり勉強して
基礎を固めなさいよと
いうことだったのだけど、
だんだん考えているうちに、

「PhD以前に、修士論文が
まともに書けないぞ。。。」

と思い始めた。

エッセイの書き方を知ってしまうと、
とてもソフィアの要求する水準にするには
資料も集まりそうにないし、
自分の考えもまとまりそうにない。

そもそも、自分がPhDのテーマとしたことは
スケールだけは大きいけれど、
自分が本当に問題意識を強く持って
研究したいと思っていることか、
疑問に感じられてきた。

なんか、このまま進んでいいのだろうか。。。

「留学回想録」をずっと読んでいただいた方は
よくご存知だろうけれども、
こういった感じでなんとなく不安だとか
危機が迫っているのを感じるとかいうとき、
私は早めにいわば本能的に
危機回避に動いてきたのだが、
この時もそうだった。

修士論文のタイトルを変えよう。
ついでに、PhDのテーマも変えよう。

そう決めたのだったが、
学部の規定によると、
修士論文のタイトルは原則的に
変更できないことになっている。

もし変更したい場合は、
指導教官の許可にプラスして
修士論文の学外審査官の
許可を得なければならないとなっていた。
(修士論文は学校内で2人が審査し、
プラス他大学の先生が1人審査する
ことになっていた。)

なかなか簡単には変更できないと
いうことだったのだが、
自分では変更したほうが
修士論文もいいものが書けるし、
PhDも自分の問題意識に
基づいてできるしということで、
絶対このほうがいいと確信したので、
当たって砕けろだと思って
即刻行動を開始した。

6月下旬のある日の午前8時頃、
ソフィアにメールを入れた。

「ソフィア・デラ=ロッサ博士

修士論文のタイトルを変更したいのですが。
元々考えていた

『首相公選制は日本の政治指導力欠如の問題の
特効薬となるのか』

ということにしたいのですが。

同時にPhDでの研究テーマも、
この修士論文の延長線上での
政治制度論に変更したいと考えています。

政治制度論のほうが福祉国家の比較より
私自身がPhDとしてより深い問題意識を持って
取り組めると確信しています。

また、この変更をしても
貴方にPhDの指導教官をお願いできると
理解しています。

いかがでしょうか?」

ソフィアから即、返事が来た。

「かみぽこ。

今からのタイトル変更は、
時間的にリスクが大きすぎる。
私は賛成できない。

但し、コースダイレクターの
アラン・レイトン=スミス教授が
許可するなら、
私は変更に同意しましょう。」

なるほど。。。

まあなにしろ、
修士論文のタイトルを決定してから
1ヶ月ぐらいすでに経っていたから、
ソフィアがこう言うのも無理はない。

しかし、ソフィアが言いたいことを
よく考えてみると、それは、

「彼女がその責任を負うことがないなら、
私がタイトル変更することに異存はない」

ということだと理解できる。

日本的な感覚だとなんだか彼女は
無責任な感じがするけれども、
私はこうして責任の所在を
率直にクリアに言ってくれるところは
彼女に限らず欧州の人たちの
いいところだと思っている。

私は返事をした。

「ソフィア・デラ=ロッサ博士。

わかりました。
では、アラン・レイトン=スミス教授に
連絡を取ります。」

そして即、アランのおじいちゃんに
メールを入れようとして、
手を止めた。

(直接会いに行こう)

こういう時はメールより会いに行った方が早いし、
直接言われると英国人は弱いということは
これまでの経験でなんとなくわかっていた。

午前10時頃だった。
私は寮を出て、学部に向かった。

アランのおじいちゃんの研究室の
ドアをノックした。

「かみ・いーん!」

おじいちゃんの声が
部屋の中から聞こえた。

部屋の中に入ると、
おじいちゃんがいつものように
二カッと笑いながらこう言った。

「やあ、かみぽこ、どうした?
寮は問題ないか?」

寮の問題はもちろんないのだけど(苦笑)
私は修士論文のタイトルを変更したいこと、
ソフィアとのやりとりを
おじいちゃんに説明した。
おじいちゃんはこう言った。

「時間的に大丈夫かい?」

私は畳み掛けるように言った。

「絶対にできます。資料はそろっているし、
自分の頭の中で考えは整理できています。

学部には迷惑はかけません。
この変更には自分で責任を持ちます。」

私がこういうのをじっと聞いていた
アランのおじいちゃんは、
ニカッと笑って、

「わかった。じゃあ、今から
学外審査官に電話をして
許可を取ろう。」

やっぱり、直接会ったほうが早かった。(笑)

アランのおじいちゃんは学外審査官に
その場で電話して、口頭で
タイトル変更の許可を取ってくれたのだ。

「OKだ。それで、新しいタイトルはなんだい?
ここに書いてくれないか?」

私はおじいちゃんが差し出した紙に

『首相公選制は日本の政治指導力欠如の問題の
特効薬となるのか』

おじいちゃんは、
これを学外審査官とソフィアにメールして、
私の修士論文のタイトル変更が決定した。

1ヶ月の時間のロスは
確かに不安ではあったが、
それよりも自分が一番書きたいことが
修士論文で書けるという
喜びのほうが大きかった。

ソフィアにメールを入れた。
彼女の返事では

「もう、本当にPhDのことを考えるのは
これでやめて修士論文に集中してね。
PhDは心配しなくていいから。」

と念を押された。

はいはい。。。(苦笑)

もちろん集中しますよ。
これは、書きたくて書きたくて
しょうがないことだからね。

当時、小泉首相の登場もあって、
日本では本気で「首相公選制」が
いいんじゃないかと考える人も多かった。

思い切りこれを否定してやろうと思っていた。

この当時から、今のかみぽこの
片鱗があったように思われる。(苦笑)

それでは、またね。






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最終更新日  2007年03月23日 05時36分08秒



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