かみぽこぽこ。

さて、「かみぽこ政治学」です。

え～、この時期に
民主党代表選について
書かないというのは
あまりにも
空気を読まなさすぎかも
しれませんが（苦笑）
ダイヤモンド掲載分の
完全版なんで
１つよろしくお願いしたいと（苦笑）。

ちなみに、民主党代表選については
ぜんぶ既に書き尽くしているので
今の段階で書くことは
もうないんですよ。
例えば、

川端達夫さんのグループ

というのは、
新進党時代に初当選した
若手が多いグループでしょ。
しかし、このグループは
鳩山グループとも
されるわけでね。

このグループが
岡田さん支持を
表明したということは、
この代表選が
グループ間の抗争というより
むしろ

「世代間抗争」

の様相を呈してきたと
いうことだ。

それはうちでは
半年前に指摘して
いるわけですね。

それと、輿石参議院の影響力を
指摘する論評がちらちら出てきたけど
それもうちでは
以前から言ってきたこと。

ようやく、世の中の論評が
うちに追いついてきたと
いうことですかね（苦笑）。

まあ、これについては
選挙が終わってからにしましょう。

ということで、本題。

国会議員の「世襲制限」を
総選挙の公約とするかどうかが
自民党・民主党ともに
焦点となっている。

国会議員の「世襲」とは、
「基本的には」親族の地盤を
そのまま受け継いで
国会議員になることを言う。

現在、自民党全体の
約4割が世襲議員である。

政治家の息子が
親の地盤を継承して
政治家になるのが当たり前となり、
能力があっても
庶民が政治家になるのが
困難であると。

これが真面目に働く
国民のやる気を喪失させていると
批判が集中しているわけだ。

まあ、こういう批判は
以前ならあるお馴染みのものだけど
特に今、問題となってきたのは、
やはり「世襲議員」とされる
安倍晋三さん、福田康夫さんが
二代続けて首相の座を

「投げ出す」

形で辞任したことで、その

「政治家としての資質」

を問われたからだろうね。

また、同じく「世襲」とされる
麻生太郎首相が
失言や漢字の読み間違いを
連発したことも
「世襲議員の資質」
を問題視する
一因になっているかも
しれないね。

ただ、あれだよね。

「世襲議員」と言う時に、

笹川堯さん、石原伸晃さん、
鳩山兄弟など

親の選挙地盤を
直接引き継いでいない場合でも
親子などの親族関係があれば
世襲議員とみなす場合が
あるんだよね。

要するに、マスメディアや識者などが
「世襲議員」を取り上げる際、
その時々でその範囲がバラバラだと。

そのために少々議論が
混乱しているように
思われるわけだ。

そこで今回は、
議論の焦点を絞るために、
「世襲議員」の中で、特に

「閨閥議員」

について
考えてみたいと思う。

「閨閥議員」とは
なんじゃらほいと言う方も
いらっしゃるんじゃないかと思う。

簡単に説明すると、
「世襲」というのは、
親子間の継承という

タテのつながり

のことを言うと。

それに対して、
「閨閥」というのは

「婚姻による強固な関係を
構築した結果できた
血縁によるネットワーク」

つまり、例えば麻生首相が
皇室と縁戚だというような
凄い親戚を持っているという

ヨコのつながり

のことだ。

「世襲議員」というのは
掃いて捨てるほど
いるわけだけど、
彼らのすべてが力を
持っているわけじゃない。

「世襲議員」の中で
いわば特別な存在であるのは
タテの世襲に加えて
ヨコの強力なコネクションを持つ
「閨閥議員」ではないかと
思うのだ。

これは端的に言うと、
安倍さんと塩崎恭久さんを比べて
どうして安倍さんが
いわば各上なのかというと、
二人とも世襲議員だけど
塩崎さんが閨閥を持たないのに対し、
安倍さんは夫人が森永製薬の一族
母・洋子さんから
岸・佐藤元首相兄弟につながり
東京ガスの安西家につながる
などという
閨閥を持っているということ
なんじゃないかと思うんだよね。

それで、「世襲」と「閨閥」という
２つの観点から
戦後の歴代内閣総理大臣を
振り返ってみるところから
始めたいとおもうんだけどね。

１つおもしろい事実がわかってくる。

それは、吉田茂さんから海部俊樹さんまで、
芦田均さん、鳩山一郎氏のみを例外として

吉田茂（は実父が衆院議員だったけど、
一応ここでは世襲とはしない）、
石橋湛山、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、
田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正芳、
鈴木善幸、中曽根康弘、竹下登、宇野宗佑、
海部俊樹さんまでみんな

「出自が門閥も財力もない庶民階級からの出身」

だということだね。

逆に、宮澤喜一さん以降は、
村山富市さん、森喜朗さんを例外として、
宮沢喜一、細川護熙、羽田孜、橋本龍太郎、
小渕恵三、小泉純一郎、安倍晋三、
福田康夫、麻生太郎さんと
世襲議員ばかりだ。

つまり、日本の政界では
90年代前半までは、
出自に関わらず
優秀であれば
総理大臣になれたけど、
それ以降はそうではないと
いうことだね。

それでは後編へ。