winny関連のニュースに触れて。
winnyどころの問題ではない。以前、「コンテンツ消滅」という本を読んでショックを受けた。“出版ビズネス”のマーケットは、時代のサイズに合わなくなってしまったらしい。本も、音楽も、新聞も含めた、広義の“出版”。IT革命はまぎれもなく出版革命であり、私たちはその渦中にある。某物流会社の「出来るものなら荷物を電話回線で運んでみろ!」というコメントが多くのことを物語っている。紙に印刷したもの、記憶媒体に焼きこんだものは実際に送れてしまうのだから。中古市場、レンタルビジネスによる値崩れに加え、違法コピー、ネットの闇市も手軽になった。著作者は弱い。「クリエイティブは、たぶん、今までのようにはお金にならない」というのは、大げさではなさそうだ。インターネットが悪いのか。今までの市場が肥大化していたのか。どちらにしても、受け止めざるを得ない。・・という事実を前にして思う。でも、もともと文芸はお金とは違う価値観を提示するものではなかったか。「伝えたい気持ち」「表現の喜び」があればいい、とやせがまんすべしっ。それに、中世の大道芸人たちは、観客の投げてくれるお金で食べていたはずだ。その両者の関わりは変わらない。いいものにはきっと、お金もついてくる。・・と思う。はしくれとして。