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基本に忠実に本質を伝える

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2005.10.07
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カテゴリ:算数
 ピアジェという学者さんがいます。元の本はとてつもなく難しかったのですが、要は「事柄が認知できる以前の年齢で教え込んでも真の理解には至らない」ということです。

 幼児から青年期にかけて、人間は各段階を踏んで発達していきますが、適切な発達段階の前に教え込んでも労多くして益無く、適切な発達段階を過ぎて教えると、同じことを覚えるのにとても苦労する、というものです。

 脳科学が発達してきて、脳の可塑性が以前思われていたものよりもずっとフレキシブルであるとわかってから、後半の「臨界期」に関してはそれほど神経質になる必要はないと考えられるようになりました。しかし、前半の「概念を理解できる年齢になる前に教え込んでもオウムのおしゃべり程度の意味しかない」という部分は今でも生きていると思います。

 これが私が幼児期の早期教育に批判的である理由と中学受験をためらう理由です。適切な発達段階の前に詰め込むことになるのではないか、と怖れているのです。

まず、幼児期について。

 早すぎる害の一つはせっかくの興味を苦行にしてしまうことです。だから、楽しければ害は少ないとも言えます。でもそれだけではないんだなぁ。経験を多感覚で軽重をつけずに受け入れる柔軟性は若い時期の特権ですので、早すぎる詰め込みは、せっかくのマルチセンサーをつぶしてしまうのです。そして年齢相応の時期に感じたり空想したりするファンタジーの世界を通り抜けてこないと、どことなく飢餓感を感じたまま大きくなってしまうようですね。この飢餓感というのが厄介で、後々ずいぶんと大きな子供をひざに乗せて絵本を読んでやる、べたべたと抱っこをしてやるといったことをしなくてはいけなくなったりします。

注;飢餓感を感じる過程は人それぞれなので、中学生を抱っこしているから、その親御さんの幼児教育が間違っているというわけではありません。集団のいじめなどで飢餓感をもってしまうこともありえます。

 だから、早期教育でもマルチセンサーを生かしたまま、ファンタジーの世界にどっぷりと浸かるという教育ならば、思考力の根っこになる部分を養成できるように思われます。私はこういう教育は大好きです。アニメやビデオのヒーローにあこがれるのも少しはいいと思います。でもそこにどっぷりと浸かるのは多感覚ではありませんね。ほとんど視覚だけです。もったいないですねぇ。

 でも、ああ、しまった、うちの子供はうっかり早期教育をやってしまったから多感な部分を潰してしまった、なんて思う必要もないのです。「臨界期は今まで思われていたよりも柔軟である」ので、しまったと思った日から、たっぷりと絵本を読んで、抱っこをして、子供の話に相槌を打てば間に合うのだ、と思っています。たとえ中学生でもね。

 良い絵本で動きを予測することは、数学の図形で見えないものを予想する感覚につながりますね。なにより楽しいではありませんか。


 もう一つ。

 子供の発達段階に応じた習得カリキュラムとして、過密教育以後、ゆとり教育前の学校のカリキュラムはよくできています。これを「きちんと理解して」習熟していれば、かなりの思考力がつくと私は思っています。数的理解の思考力も、文章理解の思考力も両方です。

 学校の授業では大部分の熱意のある教員は概念や考えることを教えます。宿題に出るのは習熟のための計算練習や漢字練習が多いので、単調な勉強をしているように感じられるかもしれませんが、授業を真面目に聞いていればきちんと概念から教えていっています。

 何を習って新しい階段を上ることができたのか、子供と叱らずにゆったりと聞いてあげたい。私も修行中です。これを話すというのが「論理的話力」の訓練になります。言葉の習得では「聞く・話す」の方が「読む・書く」に先行するので、論理的な文章を書くためには、論理的に話さないといけません。
 つまり、「家庭でたっぷりと聞き、話すこと」が思考力養成に必要である、という極めて言い古された結論に至ってしまうわけです。

 算数の場合にはもう一つ問題が隠れています。

 算数はあくまでも「生活密着の数学」であるということです。今日習った面積も、明日習うパーセントも全て小学校の算数は日常生活にあふれています。学校では概念を教えることはできても、日常生活まではフォローできません。そこで今まで見えていなかった身近なものに論理や法則を見出す喜びを子供とともに共感することが、次の思考へのエネルギーになるのだと思っています。

 そのためには「大人には当たり前」であることを「子供が発見」したときに、「うぉぉぉ、あなたはすごい!」と褒めてあげないといけないなぁ、と思います。発見をともに喜ぶだけで、お小遣いも、ご褒美もなにもなくても子供は喜ぶものだと思います。

 たとえ、物が上から下に落ちるようなことでも、当たり前ではなく発見である、ということです。

 ふう。やっと中学年。

 さて、やっと中学入試の是非です。私は去年くらいまで中学入試の教材には手を触れていませんでした。興味がなかったのです。しかし、数字と戯れ、図形と遊ぶ教材としては優れているものが多いということに遅ればせながら気づきました。

 教材自体は良いものが多いのに、なぜためらうか。

 それは早すぎるからです。中学入試の問題をアレンジして中学生に使えば、良い訓練になります。しかし、これを小学生が解くのか? 細々としたチェック項目をくぐり抜けて採点されるのか・・・? 
 小学生は調子に乗りやすく、めげやすいお年頃です。ごく一部の評価されやすいお子さん以外には、負荷が重過ぎる・・・。

 小学生にこれだけの負荷をかけると、友人と群れてごしょごしょと遊ぶ時間はほとんど無くなってしまいます。

 私自身は小学生時代に友人と群れて遊ぶということはほとんどせず、読書の世界だけに生きていました。そしてそれはさほどの勉強をせずともそこそこの成績を残せる代わりに対人関係のスキルに決定的な欠陥をもつことになりました。

 良問と戯れるのはいい。でもいわゆる中学受験問題は一学年下のものを解く。算数の基本事項は数学検定の基本的な問題を学年+1で解いていく。数学好きな息子にはそれが負荷が少なく、お友達と群れる時間が確保できる方法かな? めげやすい性格だけど、それならあまり×もつかないし。

 コメントいただいているのに、どんどん編集してごめんなさい。しかも最後の結論はへなちょこです。うーん。うーん。まだ編集予定?

 最後になってごめんなさい。洛北さんの楽学日記を拝見すると年齢相応の算数トレーニングの実践経験がたくさん拝見できます。こちらが不勉強でコメントを付けられませんが、私がよく伺うブログの一つです。
かしこ





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最終更新日  2005.10.11 14:12:09
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