カテゴリ:本・映画
話題になっていたこととタイトルにひかれ、読んでみた。
この本は教育心理学の専門家が研究の一部を紹介した本というかんじで、「他人を見下す」という現象を様々なほかの心理学的現象や概念を絡めて調査研究したことが書かれているので、読み物的なものを期待して読む人にはちょっと読みにくいかもしれない。でも、私にとっては期待以上に興味深く、勉強になる本だった。 「他人を見下す」という現象を、速水氏は「仮想的有能感」という言葉で表している。こういうことがなぜ起こるのか、読んでいるとなるほどなと思わせるところがあった。この観点は、私が今まで抱いていた「なんでそうなるの??」という疑問を晴らしてくれる部分があり、今の若者の心理を端的に表す言葉の一つになるのはないかと思った。 普通に考えれば、周囲の見知らぬ他者の能力や実力を、いとも簡単に否定する、世間の連中はつまらない奴らだ、とるに足らぬ奴らだという感覚というのは、自分を肯定し、尊重する気持ちが強いためだという風に考えられると思う。でも、実は自分を肯定できない気持ちから来る場合もあるという説は、意外でもあり、「仮想的有能感」の危うさを表しているような気がした。 他人を見下す若者たち お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 13, 2006 09:21:50 PM
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