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「息が・・・苦しい」
圭が音にならない声でささやく。 「な、充分切ないだろ・・・?」 暁はもう一度圭の上唇に口付けた。圭もおずおずとキスを返す。暁は圭の首に手を回しながら何度も口付けた。暁の舌先が圭の舌を捕らえようとした瞬間、圭の体が反射的に下がったが、首に回していた手を頭に埋めてやると、恐る恐る体重を預けてきた。暁が顔を左に傾けると、圭が少し右に傾ける。暁が舌を絡めると、圭も黙ってそれに答えた。暁はいいリズムを刻み始めたキスをしばらく楽しんだ後、そのリズムを壊さないように頬に、鼻に、目にキスを移動させた。そして両腕で圭の頭を抱き、彼のキスを首筋へと誘導した。圭は暁の首筋へ何度もキスをした後、耳たぶにキスをしてきた。暁はその選択が正しかったことを伝えるために、長い吐息をもらした。 「おかしくなりそう・・・」 圭が耳元でささやく。暁は熱に浮かされたような顔の圭に微笑むと、大丈夫と繰り返して顔中にキスして回った。 暁がTシャツの前の部分をちょっと捲って見せると、圭はその端を掴んだまま、躊躇した。暁はかまわず一気に上まで捲り上げた。そして圭が万歳の格好になった瞬間に、右の乳首にキスをした。圭は全身を電気が走ったようにビクっとして、あわててTシャツを脱ぎ捨てたが、その時には、既に暁の左手は背中にまわされ、舌先は右の突起を転がしていた。空いた右手で左側の突起部分を探り当て、そこを親指と人差し指で軽くつまんだ。 「んっ・・・」 思わず出た自分の声に驚いて、圭の体がこわばった。 「ここが感じるのは男だっておんなじだよ。」 暁は泣きそうな顔をしている圭に笑ってキスをすると、圭の両腕を自分の首に回させた。背中をやさしくなでながら、再びキスを首筋から胸へと移した。小さな突起は下から舐め上げる度に少しずつその存在を主張し始めた。暁は硬くなったそれにちょっとだけ歯を立てた。 「あ・・・」 圭が暁の頭にしがみついた。舌先を丸めて硬くなった部分をすくうようにして舐める。同時に右手で左側も同じように硬くする。 「んっ・・・ん・・・」 しがみついた圭の腕に力が入る。暁の腹のあたりで圭のものが意識を持ち始めた。 背中に回していた左手を下に移し、手のひらでそっと触る。 「いっ」 圭は逃げるように腰をひいた。が、それにかまわず暁はジッパーを下げた。 「だ、だめ」 圭はあわてて首にかけていた手をはずし、ジーンズを脱がそうと腰に回した暁の手を掴んだ。 「そこ、窮屈そうだけど、脱がない?」 圭は暁の手を掴んで、真っ赤になってうつむいたまま首を横に振った。暁はうつむく圭の頭に顎を乗せてちょっとため息をついた。 「ごめん」 圭が消え入りそうな声でつぶやいた。暁はそっと手をほどくと、代わりに抱きしめて頭をなでた。暁は圭の髪に顔を埋めてまたため息をついた。 ため息を髪に受けて、ごめん。と圭はまたつぶやいた。 --- 君が思うほど僕は君のこと好きじゃない・15 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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