2007年8月、国立健康・栄養研究所の
佐々木敏氏(現在、東京大学医学部教授)らの研究チームにより、
硬いものを食べる人はウエストが細い傾向にあるという結果が発表されました。
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対象となったのは、栄養学を学んでいる女子学生454名で、
年齢は18 - 22 歳、特に食事指導を受けておらず
1日の摂取エネルギーは1,000-3,500kcalでした。
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結果、食品の"硬さ" と BMI に相関関係は見られませんでしたが、
ウエスト周囲値との相関関係は明らかになりました。
最も硬い食事を摂っている群は最も摂っていない群に比べ、
ウエスト周囲値が2-3センチ細いという結果がでました。
また硬い食事を摂っている人ほど食事の回数が少なく、
エネルギーや脂肪分の摂取が少ない傾向が見られました。
また硬い食事を摂っている人の方が、
食物繊維とたんぱく質の摂取が多いという傾向も見られました。
現代人は、咀嚼回数が少ない
昔は調理法が限られ、また穀類は未精製が一般的であったため、
硬い食べ物が多く、自然とよく噛んでいました。
また現代は加工品が多く、穀類は精製され、
ハンバーグやカレー、パスタ等柔らかい食べ物が好まれている傾向があります。
こうした影響により、日本咀嚼学会によると、
現代食の咀嚼回数は、弥生時代の約1/6、
また戦前と比べても1/2に減っていると予想されています。
おかずは、食物繊維や歯ごたえのあるもの
例えば切り干し大根・きくらげ、高野豆腐などの乾物や、
根菜類、きのこ類等の食物繊維の多い食べ物、
いか・たこ、こんにゃくなどの弾力性があるものを取入れるとよいでしょう。
またよく噛むように、野菜などは大きめに切ったり、
煮豆も適度に歯触りを残して茹でるのも効果的です。
おやつは昔のお菓子をみなおして
おやつも柔らかく、しかも脂肪分のリッチな洋菓子系よりは、
おせんべいやするめ、干し芋、昆布などの伝統食品を見直してみるのもよいでしょう。
近年人気のあるドライフルーツや、ナッツ類もよく噛むにはよい素材です。
空腹の時は糖質が含まれていないと満足しにくいもの。
ドライフルーツは甘味もあり、よく噛めば、少量で満足感が得られる食品です。
ただし、いくらよくかめるとはいえ、間食のとり過ぎは、
やはり肥満の元ですから、量に気をつけましょう。
薄味を心がけましょう。
しっかり濃いめの味付けでは、よく噛まなくても食べられます。
薄味でもしっかり噛むことで、素材の味わいを楽しむというのは、
塩分糖分の控えめにもつながることでしょう。