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■ ドラマ　永久の彼方へ

[第一章 001 ～ 060 話] カテゴリの記事

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z009話志 02　（木と喧嘩なんだよ）

～～　　～～　数時間掛けて移動した３人。子供ザウバー「こんな崖っぷちに？」外人部隊傭兵「そうだ。最高の場所だぞ。　まずはよ、始める前にと。　お前らの特訓用具を作らねぇとな。。」　そこの倒れてる運べそうで手ごろな大木を持って　きてくれるか？」子供ゾルダ「これか？」外人部隊傭兵「あぁそれでいい。」　　　　ドサ彡　傭兵の目の前に二人で転がす。　傭兵は腰から戦闘用のサバイバルナイフを抜き取　り、表面を起用に剥いでいく。　一端に短い木の棒を巻き付けて完成。ふんどしに　近い形だ。　そしてリュックから紐を取り出した。外人部隊傭兵「よし、準備完了。　さぁ～てと、早々におっ始めるとするか。　まずは寝泊まりする小屋立てないとよ。　柱が必要だ。そこにある木、７～８本折ってくれ　。」子供ザウバー「折る？　この木をか？」子供ゾルダ「道具なんもねぇじゃん。」外人部隊傭兵「なんも？　既にもってんじゃねぇかよお前らは。」子供ザウバー「？？？」子供ゾルダ「？？？」外人部隊傭兵「お前ら身体鍛えるんだろ？　だったら使えよ、自分の拳をよ。」子供ゾルダ「拳？」外人部隊傭兵「そぉよ、拳だよ。　早くしねぇと日が暮れるぞー。　ブチ折るまで寝床ねぇからな。」　ザウバーは自分の小さい手を握り、拳を見つめて　いた。子供ゾルダ「殴って･･･折れるのか？」外人部隊傭兵「おぅよ、　しゃーねぇな、見てな。」　傭兵はびっこ引きながらおよそ直径10cmくらいの　木の前に立ち、外人部隊傭兵「おいさーっ！」　　　　　　　ドス★　ギギギ「うりゃっ」　　　　　　バキ★　ザザザザドサン彡　二人の見る前で右の一発で凹んで少し傾き、　続く左でトドメ！　見事左右一撃ずつで木をぶっ倒した。子供ゾルダ「うわっ」子供ザウバー「出来んだ、拳で･･･。」外人部隊傭兵「わりーな、細めので。　足踏ん張れねぇから今はこれくらいじゃないと。　お前らはこれを拳に巻け。」子供ゾルダ「なんだこれ･･･？」　先ほど傭兵が作ってた物を渡される。外人部隊傭兵「拳の保護だ。」子供ゾルダ「保護？　こんな軟弱なのハメてやってられるかぁ　ー」外人部隊傭兵「お前らのためだ。　要らなきゃこっちは構わん、がハメなきゃ数打　で拳の骨が丸見え。治るまで１ヶ月も３ヶ月も休　まれては困るんでな。」子供ザウバー「ハメようぜゾルダ。　要らなくなったら外せばいい。今はこいつをハメ　てぶっ叩いてこの大木をブチ折ってやろうぜ。」子供ゾルダ「分かったよにぃちゃん。」　用意されてたのは木の皮を数枚重ねてあり、手の　甲を保護するもの。　短い棒を握り手の甲まで被せ、紐で縛ってお互い　の手首に固定する二人。外人部隊傭兵「まずこれから1人１本倒すまで毎日続けろ。　よし、始めっ。」子供ザウバー「こいつをいくか。　いくぜっ　えぃっトンえぃっトン･･･」子供ゾルダ「よし、これだ。　アイサー、えぃっトンえぃっトン･･･」外人部隊傭兵「俺は足の当て木と松葉杖作らねぇとな。」　　トントントントン　トントントン　　　トントントントン　トントントン　『同じ所叩けよー。』　『慣れてきたら腰入れて身体全体使って叩け！』　傭兵が木工作業する奥で二人が叩く音がひっきり　なしに続いた･･･。　　トントントントン　トントントン　　　トントントントン　トントントン　翌朝も翌々日の朝も新たな保護当てに変えながら　来る日も来る日も二人は一日中続けた。　『拳が血だらけ、大いに結構。』　『その程度で痛いなんて思うんじゃねーぞ。』　『叩き込む拳の皮・骨・腕の筋力、足腰、根性と　　全てを同時に鍛えられる。』　『今の痛みは明日の強さだ！』　そして一週間後、　　　　　　　　　　ミシ！　ザウバーの叩く木が発した悲鳴が聞こえた。外人部隊傭兵「おっ、きたぜ。　倒せる予兆だ。元気出んだろ。」　見ると一点を叩くその場所が血で真っ赤になりそ　してくぼんでいた。外人部隊傭兵「そいつぁ屋根に使う材料だ。早いとこ材料を調達　してくれよ。」　　トントントントン　トントントン　　　トントントントン　トントントン　二時間後にはゾルダの叩く木からも　　　　　　　　　　　　　　　　ミシ！　二人の拳から赤い雫がしたたり落ちている。　そして３週間後、外人部隊傭兵「ようやく屋根が完成したなぁ。　寝転がるだけなら雨風凌げるスペースが手に入っ　たぜ。」子供ザウバー「小屋建てんだろ。まだ序の口だ。」子供ゾルダ「先は長いね･･･。」　　ドスドス　ドスドス　ドスドスドス　　　ドスドス　ドスドス　ドスドスドス　二人は別の太い木で打ち込みを開始していた。外人部隊傭兵「太陽が上になってきた。昼飯にするか。　下の川で手を洗ってこい。」子供ゾルダ「あいよ。」外人部隊傭兵「ただし、　今日はこっちから行ってくれ！」　すると突然ザウバーを崖から蹴り落した！　　　『うわぁぁぁぁ』　　　　　バキバキバキザザボキボキ･･･子供ゾルダ「何すんだよ！」外人部隊傭兵「お前さんも早ぅ行ってこい！」　続いてゾルダも崖から蹴り落した！　　　『うわぁぁぁぁ』　　　　　バキバキボキザザバキバキ･･･～～　　～～　焚火で肉を焼く傭兵の元にスり傷血だらけの二人　が戻ってくる。子供ゾルダ「てめぇ･･･・」外人部隊傭兵「木の枝がよ、　不規則に襲って来んだろ。叩かれる事で体を鍛え　られんだよ。落下速度次第で打撃力も変わる。　で慣れっとよ、こっちから枝を叩いてぶち折る事　も出来るようになるんだぜ。」子供ザウバー「････　なるほどな。」子供ゾルダ「なるほどってにぃちゃん･･･。」子供ザウバー「落ちるまでに意味がある。　木と喧嘩なんだよ。　何回もぶっ叩かれて･･･。不規則が何よりだ。」子供ゾルダ「にぃちゃん･･･」外人部隊傭兵「そぅいう事。　分かったら腹ごしらえしろ、早くしないと丸焦げ　になるぞ。」　二人は慌てて肉を刺してあった枝を抜き、焼けた　肉をほおばるのであった。外人部隊傭兵「折角川まで行ってるんだ、次からは飯のおかずく　らいは土産に持ってこい。」　むしゃむしゃ食べながら考え込むザウバー、子供ザウバー「細い枝は折れてくれてた。だが太い枝は強烈な蹴　りのようだった････。身体が［くの字］だ。　だから背中を見せちゃダメだ、背骨一発でやられ　る。身体が横向いてりゃ横からも来る。常に下向　いて枝見てないと･･･その連続･･･。　そうすりゃ拳、肘、蹴り、頭突き、払ったりブチ　折ったり。こっちも攻撃出来る。そして着地。　一つとして同じパターンが無い。毎度新鮮ときて　る。　ふっ、おもしろいぜ。」子供ゾルダ「まったく、にぃちゃんは前向きで直ぐにポイント　を掴むよな･･･。　背中はか･･･、身体飛ばされるからそうすぐには　･･･。」子供ザウバー「自然が相手だ、てめーで何とかしなきゃならない　んだ。文句も出ねーよ。」外人部隊傭兵「木殴ってぶっ倒す。　落下して木と喧嘩。　川で打ち身冷やして手洗って水浴びして。　もぅお前らの好きなメニューで進めろや。　たまに落ちる時に木を変えてみろ、　　　　　　　　　　　　　　　更に新鮮だぞ。　後、帰りは崖を登ってこい。いいな。」子供ザウバー「分かった。」子供ゾルダ「･･･アイサー。」－つづく－－ z010話志 03 －（ぐ、軍人をもやっちまうんですか）へ　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。　● 第一章 1 話へ　● 第二章 TOP へ　● 第三章 TOP へ　● 第四章 TOP へ　● Episode 03 Z へ

2021年03月05日

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第六十　話　　球技大会二日目　（あら、学校さぼってたの？）

.　チュンチュン。。。　おはよ～♪　　おはよう。。。　平日、朝日が昇ればいつもの通勤・通学の人々で往来がにぎやかとなる。　だが、普段より沿道に出ている人達がやたらと多い。　それもそのはず、昨夜のヒーローの顔を一目この目で見たいという人々が、商店の前に　立ったり、通勤途中の人々が自分の通勤に間に合うギリギリまで待っていたり、　他の学校の生徒達も集まり、ガヤガヤしていた。　そして車道には、マスコミの中継車などが幾台も停車しており、沿道にレポーターも　待機していて、マラソンのテレビ中継さながらのにぎわいをみせていた。　一夜明けたビル倒壊の現場を先程見て頂きました。　そして今、私が立っているところは、昨日の人命救助に一躍かってでた少年二人が通う　中学への通学路です。　同じ学校の生徒さん達が、次々と登校していきます。　その二人の少年に逢うことは出来るのでしょうか？　どこかのＴＶ番組のリポーターが、道端でオンエアしている。　こんな光景があちらこちらで繰り広げられている。　朝の生放送だったりするのだろう。　そんな中、路上に出ていた遠くの人達から歓声が上がり、それが徐々に近づいて来ていた。　なんとこういちとゆうすけは利江と一緒にいつも通りに登校してきたっ商店のおばちゃん　　「よくやったね～、えらいぞ～。」商店のおじさん　　「勇気ある行動、立派だったぞっ♪」女子学生　　「きゃ～♪　こういち君～☆　ゆうすけ君～☆」ピーカンチャンネルリポーター　　「あっ、来ました来ました♪　カメラで捕らえられましたでしょうか。　　　あちらから歩いて来る少年二人、　　　まさに昨日の最後のシーンに映っていた少年と思われます。　　　道端で二人の通学を心待ちにしていた地域の住民や他の学生さん達が、　　　声を掛けていますっ　　　もうすぐこちらの前を通過しますので、インタビューしてみたいと思います。　　　こういち君とゆうすけ君かしら？　おはよう～☆」ゆうすけ・こういち　　「おはようございます♪」　他のテレビ局の報道陣達も駆けつけてきた。　出遅れたためかカメラを構え、マイクだけ差し出す。ピーカンチャンネルリポーター　　「少しだけ聞かせてくれるかな♪　　　昨日は大変だったわね、どうして危ない現場に向かったのかなぁ～？」ゆうすけ　　「実は学校さぼってたんです・・・・^ ^；　　　そしたら大きな音と共に、地面が揺れて・・・・　　　やじうま根性で見に行ったんですよ。」こういち　　「そしたら現場にまだ警察の人はいなかったんだけど、　　　近くにいた大人の人からは、危ないから入っちゃダメって・・・・　　　でも困っている人がいるでしょ？　　　誰かがいかなきゃって。。。」ピーカンチャンネルリポーター　　「あら、学校さぼってたの？」ゆうすけ　　「まぁ、文房具が足りなくて、買いにいってただけだけどね♪」ピーカンチャンネルリポーター　　「なんだ、そうだったの ^ ^ 」ゆうすけ　　「じゃ、学校に行くね♪」ピーカンチャンネルリポーター　　「あぁ、それと・・・・・」ゆうすけ　　「遅刻する～～～っ！　利江ちゃん、行くよ♪」　三人は笑顔で手を振ってそのまま学校に向かって走りだした。　そしてその先の沿道でも、女子学生　　「ゆうすけく～ん♪　　こういちく～ん♪」　ゆうすけとこういちは、各所からの声援にも、笑顔を返して答えていた。　二人に挟まれて走る利江、　２日前の利江なら焼き餅を焼いていたかもしれないが、　昨夜のことがあったためだろう、穏やかな笑顔をしていた。　そしてまさに地域ののヒーロー凱旋のお祭りのような雰囲気の中、　三人は学校の校門へと消えていった。～～～　さぁ最終日を迎えたクラス別対抗の球技大会。　昨日は一回戦ながら準々決勝で熱い戦いが繰り広げられました。　その結果は各所のボードでご確認下さいね♪　そして本日は、いよいよ準決勝の２試合、ここを勝ち抜いた栄えある２クラスによる　決勝戦が各種目別に執り行われま～す♪　サッカーの試合が行われるグランドでは、ベンチで会話する５人の姿が。江藤淳一　　「先に２組と４組の試合がある。」　立ち上がって柔軟体操をしている江藤。伊藤裕太　　「おれたちはその次ぎだな。」　クツの紐を結びながら話す裕太。　　　　　男子サッカー　　　 ┌-----┴----┐　　　　(決勝)　　　 │　　　　　│　　┌-┴-┐　　 ┌-┴-┐　　(準決勝)　　┃　　┃　　┃　　 ┃　┌┗┓┏┛┐ ┌┗┓┏┛┐　(準々決勝)　│　┃┃　│ │　┃┃　│　　　　　　　　　　　８　２４７　３５１　６　 (クラス)岸川克司　　「クラス別の得点見たか？　２組も他の種目を合わせて４つ勝ちあがっていて、　　　うちと並んでいる。」　ベンチに座り、腕組みをしながら話す克司。坂田鉄次　　「総合も狙うんだろ？　何としても決勝進出を果たさなければ・・・・」　ベンチに座り、身を乗り出して話す鉄次。土谷敏彦　　「他の種目と重ならないような時間に試合開始となっている。　　　恐らく他の試合が決着しての男子は最後の試合だろ。　　　場合により、優勝して２０点奪い取らなきゃって事態にもなるぞ。」　ベンチに手をかけ、落ち着いて話す敏彦江藤淳一　　「どうせ勝ちあがるのは２組だろうな。　　　決勝のプレッシャーに負けないようにしなきゃ。」坂田鉄次　　「だが、まずは目の前の５組を倒さないとな。」岸川克司　　「にしても、この報道陣・・・・　　　緊張をアオるよな・・・」　校長先生から、正門前の駐車場まで入場の許可を得ていた報道陣。　脚立を立て、その上からカメラを構えグランドを捕らえる準備。　横ではリポーターが原稿のチェック。　そんな光景がいくつも繰り広げられていた。伊藤裕太　　「昨日のこういち、試合に来れなかったろ。　　　そのときに、ビルの倒壊現場にいってたらしい。」坂田鉄次　　「人命救助、そっちが優先だからな。」伊藤裕太　　「あいつはたいしたもんだよな。　　　あの状況で、おれはビルに飛び込めないよ。」岸川克司　　「誰でもそれは同じだろうって。　　　そんな勇気あるヒーローと俺達はチームメイトだ。　　　がんばり甲斐があるってもんだぜ。」江藤淳一　　「だな、　　　じゃ、おれドッヂボールの試合があるんで、行って来るな。」土谷敏彦　　「おぉ、がんばってこいよっ」江藤淳一　　「まかせとけっ♪」　拳をにぎって笑顔を返す江藤。　体育館に向かって歩き出した。　同じ頃、体育館の中では、ゆうすけ　　「あれでいいんだ。　　　美咲先生に迷惑かけられないからな。」こういち　　「さすがゆうすけ～♪」ゆうすけ　　「でもさ、グランドには報道陣のカメラがうじゃうじゃ、気をつけろよ。　　　幸い体育館には入れてないみたいだけど・・・・。」こういち　　「うん、めいっぱいはないから大丈夫～☆」　ポカっ★ゆうすけ　　「大きく手を抜かなきゃダメなのっ！　　　でもって試合には勝つ～☆」こういち　　「なんだかむずかしいや・・・・」利江　　「こういち君～♪　ゆうすけ君～♪」　応援の人ごみをすり抜けて、利江が声をかけてきた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第６１話　球技大会二日目　その２へ　（校長、シワが増えますよ～？）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年03月02日

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球技大会　得点ボード　準々決勝

準々決勝　の結果種目＼クラス１組２組３組４組５組６組７組８組男子サッカー５５－５５－－－男子バレーボール－－５５－５５－男子ドッヂボール５５５－－－５－女子バスケットボール－５－５－－５５女子バレーボール５－５－５５－－女子ドッヂボール５５－５－－－５合　計２０点２０点１５点２０点１０点１０点１５点１０点第６０話に戻る

2006年03月02日

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第五十九話　　ビル倒壊っ　その晩　（バカバカバカーーっ）

.　目を皿のようにして閃光が走る瞬間のＴＶを直視する北見刑事。和恵姉さん　　「ん・・・？　　　あらら、使っちゃったのか・・・・。まっ、今回は勘弁してやるか♪」北見刑事　　「で、ではやはり・・・・」ゆうすけ　　「確か・・・南流・・・・」和恵姉さん　　「はぃ、そこまで～☆」北見刑事　　「なっ・・・・」　ＴＶでは、突然５Ｆのところでビルが分かれ、上階部分が下に落下を始めていた。北見刑事　　「私が和恵さんを近くまでお送りしたその足で駆けつけましたが、その時には既に事態は　　　ほぼ終収してました。　　　歩いて来たこういち君が、［ビルを壊しちゃった］・・・・と。」　　（確か空気の刃を投げる剣だった・・・・）　そして３Ｆから閃光が再び発した所を映し出す。　北見刑事は再びまばたきもせずに画面を見入っていた。和恵姉さん　　「電気がショートでもしたんじゃないの？　って感じに見えるわね ^ ^*」北見刑事　　「にしても、崩れて折れたのではなく、　　　光ったフロアーの真ん中で見事に上下に分かれている・・・・・」ガラガラ利江　　「こ、こんばんは・・・・・」常連のお客Ｂ　　「うわわ、今日はさすがに大集合だな。」とくさん　　「いらっしゃい、あらあら、なんか元気ないわね。」利江　　「だって・・・・だって・・・・　　　こういち君は、無事だったんですか・・・・？　　　試合には出てないし、学校で見かけなかったの・・・・　　　そして夕方のニュースで・・・・・こういち君の名前が出て・・・・　　　あんなことになったビルに入って行ったって・・・・　　　それでここに飛んできたんです・・・・」　その時、シャワーを浴びて、ホカホカに火照った体で、　タオルで頭をゴシゴシこすりながら奥から現れたこういち。こういち　　「うわっ、大勢お揃いだな♪」　こういちの元気な姿を見て、急に泣き出した利江、そしてこういちに走り寄る。利江　　「バカバカバカーーっ」　ポカポカとこういちの胸を叩く利江。利江　　「心配したんだからーーーっ　グスン (；_；」　今までこらえてこらえて、こらえ抜いていた涙と、そして感情を一気にぶつける利江。こういち　　「ご、ごめん・・・・」　ガラガラ校長先生　　「失礼します・・・・。」美咲先生・ゆうすけ　　「校長先生っ！」校長先生　　「初めてこちらにおじゃまします・・・・。」　こういちの胸で泣き叫んでいた利江、　入って来た校長先生を見るや否や、利江　　「お、お父さん・・・・」こういち・ゆうすけ・美咲先生　　「お、お、お父さんっ !!!　(*o*|||」和恵姉さん　　「いつも娘さんを遅くまでお預かりしておりまして申し訳けありません。　　　あら、こういちの学校の校長先生でいらしたんですか。。。」校長先生　　「すいません、隠すつもりはありませんでしたが申し上げる機会にも恵まれず・・・　　　それより、いつもみなさんには娘が大変お世話になり、感謝申し上げます。　　　夕方の報道番組を見て、突然娘が飛び出したものですから、急いで後を追いかけた　　　次第でして。　こういち君の無事をとても心配していましたから、　　　きっとこちらへ・・・・と。」美咲先生　　「すいませんでした。　事を二人に知らせてしまったのは私なんです。　　　こういち君ならなんとかしてくれるかもと思って。　　　教育者としては失格です。生徒を危険な目に合わせてしまって・・・・・」校長先生　　「美咲先生、気にすることはありませんよ。　　　私も美咲先生の立場でしたら、きっと同じことをしていたかもしれません。　　　それよりうちの生徒の活躍で、多くの人を救うことが出来た訳ですから、　　　誇りに思うくらいです。　　　まぁ、教育者としたら先生を叱らないといけませんがね。。。」　校長先生の話を、じっと聞いている華夢on の店内の全員。校長先生　　「ゆうすけ君、そしてこういち君、話は全て娘から聞いているよ。　　　幾度となく娘を助けてくれていたそうだね。遅くなったがお礼を申し上げたい。　　　いつもありがとう。　言葉では表現することがとても難しいが、感謝の気持ちで　　　溢れている。　　　学校においても同じだよ。生徒に活気が出てきている。重ね重ねの喜び、とても伝　　　え切れないよ。　　　お姉さんの監視の元、夜遅くまでの外出許可も、お姉さんとこういち君のそば　　　なら。。。ということで許しています。娘がこういち君のそばにいるだけでとても　　　活き活きとして、親としてはこんなに素敵な笑顔を見れるならこの上無い喜びなん　　　です。　　　そしてこんなにたくましいボディーガードさんは、どこを探しても見つけることが　　　出来ないことでしょう。　　　夜、塾に出して勉強させるよりも、ここの関係者のみなさんの元にいた方が、　　　どれだけ社会勉強になることか。　　　実はお店の前まで来て、中に入ることをずっとためらっておりました。　　　親がここまででしゃばって良いものなのかと。　　　そして中から娘の泣き叫ぶ声・・・・・。それで決心がつきました。　　　こういち君、一方的な私からのお願いだ。これからも、そしてどうか末永く娘を　　　よろしく頼む。」利江　　「お父さん・・・・・」こういち　　「あ・・・、あぁ・・・・」校長先生　　「こういち君、今は返事は無用だ。こちらからの一方的なお願いなんでな、　　　聞き留めてもらえればそれでいい。」和恵姉さん　　「とても光栄なお言葉を頂戴致しました。　　　大事な娘さんを預けるなど・・・・とても言えるものではありません。　　　可能な範囲で利江ちゃんをお守り致しますわ。　　　ただ・・・、こういちのそばだと、今後かえって危険が増すこともあるかも　　　しれませんが。」校長先生　　「それはどこで何をしていても同じことが言えると思います。　　　いつ交通事故に遭うかと・・・・代わりありません。　　　私たち親の気持ちは娘の笑顔を見続けることが一番幸せなんです。　　　どんな事情でこのようなスポーツマンを育てたのか分かりませんが、　　　それはそれ。　　　自分が信じる人、好きな人との共有する時間、その境遇の中で精一杯生きる　　　ことがこの子の人生には幸せなことなんだと思います。」こういち　　「校長のおじちゃん、それで武藤さんを突然浦羽高校へって。。。」ゆうすけ　　「そうだっ、根回しも・・・・・あっ、おやじっ」北見刑事　　「そう、実は私はこっそりと利江ちゃんから事情は聞いていたのでな。　　　利江ちゃん経由で校長にお願いしたのだよ。　　　その節は、ご無理な相談を持ちかけまして・・・・」校長先生　　「いやなに、お易い御用だよ。　　　大好きな娘の頼みとあってはな。。。　　　そして校長としても生徒のレベルが上がるのなら願ったり叶ったりだよ。」利江　　「お父さん・・・・・」　急に今度はうれし涙なのか父親に許しを得たからなのか、親の自分への想いからなのか、　再び泣き出す利江。ゆうすけ　　「あらら～、こういちも校長先生も女の子を泣かしてはいけませんねぇ～～～♪　　　利江ちゃん、ＴＶ見ててごらん、もうすぐおれ達が出て来るよ。　　　ここまで見ないで飛び出してきたんだろ。。。♪」利江　　「えっ？」　ＴＶのニュースでは、砂塵が退いて倒壊したビルのある方向から、ゆうすけ、こういちが　丁度カメラに向かって駆け出して来たところを捕らえ始めていた。ゆうすけ　　「学校に戻る時、このカメラの横を走っていったんだろうな。　　　ここまで見てれば。。。ね♪ 」和恵姉さん　　「利江ちゃん、こういちなら心配ないわ♪　　　たとえ自衛隊を独りで相手にしても最後に立っているはこういちだけだろうから(^ ^」　べそかきが止まり、だんだん笑顔に戻る。　そしてポケットからハンカチを取り出し、目頭に当てる利江。　ちょっぴり恥ずかしさもあるのかもしれない、はにかみながら父親の話しから外れた部分　を話しだす。利江　　「そうよね、ごめんなさい。。。分かっているようで、まだまだ・・・　　　なんですね。。。」こういち　　「なにも自衛隊を持ち出さなくったって・・・・　(･o･；」北見刑事　　「しかし自衛隊とは穏やかじゃないなぁ。　　　武装している訳だから・・・・・」和恵姉さん　　「利江ちゃんの心構えの激励よ♪　　　まっ、酒飲み話しのつまみってことで・・・・^ ^|||」　『あははは。。。』　店内から笑いが起きる。　ただ、北見刑事はまんざらジョークとも取れない心境で冷や汗を流し、　調子を周りに合わせながら苦笑いをしていた。北見刑事　　「そうだ、あの後現場検証時にな、マスコミから二人のことを散々質問を受けたよ。　　　誰に聞いても二人のことが話に出ていたらしい。」和恵姉さん　　「明日の朝は、凱旋通学になっちゃったりしてね（^ ^」ゆうすけ　　「悪名じゃないからいいけど、街を歩き辛くなるのも困るなぁ。。。　　　なにより照れるよ。。。」　頭をポリポリとかきながら応えるゆうすけ。和恵姉さん　　「短期間よ、すぐに収まるわ。　　　ただ、こういちには目立つことさせたくないんだけどな・・・・　　　特にマスコミには・・・・」とくさん　　「そうですね、表に出てしまうと、色々なプロからのお誘いが来ることでしょう。」利江　　「プロかぁ。。。私の手の届かない世界に行ってしまうのね・・・・　　　良いやら悪いやら・・・・複雑な心境・・・・」校長先生　　「もしかしたら学校にも来ることだろう。教育の場所なんで中に入れさせないことは　　　出来ても、道路からの撮影・・・・御近所にも迷惑掛けてしまうな。」こういち　　「おいらはそんなプロになる為に生まれてきた訳じゃないんだ・・・」北見刑事　　「やはり、何か考えられる必要性がある・・・か。」和恵姉さん　　「そうね、まっ、マスコミの前ではおとなしくしてないとね♪」こういち　　「あぁ。」美咲先生　　「そういえばこういち君、試合に出れなかったでしょ。　　　球技大会、１組男子サッカーは１０人でも勝ち抜いたわよ♪」こういち　　「そぉっ～、学校に着いたら試合終わってて、もう普通の部活が始まってたよ。　　　そっか、やつら勝ったのか。。。」美咲先生　　「こういち君は試合に出れないかもとは伝えといたけど、一人欠けたことで、　　　全員の団結力が更に高まったみたいだったわね。」ゆうすけ　　「明日は準決勝と勝てば決勝だ。サッカーもドッヂボールもどちらもがんばろうぜ♪　　　利江ちゃんのバスケも勝ったでしょ？途中までこういちと一緒に試合を見ていたけど、　　　利江ちゃんも中々やるんだね～♪　かっこ良かった♪　　　あの二人との息がピッタリだったし。。。」利江　　「あら、誉めても何も出ないわよ ^ ^*」ゆうすけ　　「じゃ、我々の出る種目はみんな優勝目指してやったるぞぉ～～っ！」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第６０話　球技大会二日目　へ　（あら、学校さぼってたの？）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月24日

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第五十八話　　ビル倒壊っ　その２　（遅刻だぞぉ～～～～っ！）

.『うぉぉっ』　周囲の人々から、驚きの声がわき上がる。　視界に飛び込んできたのは、先に落下した５・６・７Ｆに重なる様に積み重なっている　３・４Ｆ部分に、下部の階の１・２Ｆと３Ｆフロアー面までとなったビルが、その　積み重なった上階にもたれ掛かるように寄り添っている姿であった。やじうま　　「き、奇跡だ・・・・」別のやじうま　　「こんな・・・・こんなことってあるのか・・・？」　『ウェーーーーーン (T T 』　今まで驚きと恐怖で泣くことも忘れていた園児の一人が、思い出した様に泣き始めると、　一人、また一人とつられるように泣き声の大合唱が始まった。ゆうすけ　　「ふぅ、助かったぜ・・・・・」　まだ幼稚園には残された先生方が数人いたが、飛び散ったコンクリートの破片や固まりが　幼稚園の窓や一部のカベを壊し、室内にもやや被害は及んだものの　職員以下みな無事であった。レスキュー隊員　　「幼稚園や園児達も助かったのか・・・・」　と、突然、　倒壊したビルの１Ｆにある階段付近を閉塞していた瓦礫が、　＼ズボッ／　という音と共に、弾けたっ！　突然の異変に、辺りの人々の視線が、否応無しに向けられた。　すると弾けて出来た隙間から、人影が見えたっ！　砂塵でぼんやりとした視界の中、負傷した女性事務員さんを抱きかかえてこちらに　向かって歩いて来る一人の少年の姿が。事務員の男性　　「おぉ、あ、あの子だっ」レスキュー隊員　　「ぶ、無事だったのか・・・・」ゆうすけ　　「けっ、まったく。。。」　遠くからサイレンが聞こえて来て、倒壊したビルの近くに停まった覆面パトカー。　中から出てきたのは、北見刑事。レスキュー隊隊長　　「ごくろう様です。」北見刑事　　「別件で近くに居たので・・・・。　で、」レスキュー隊隊長　　「はい、倒壊は間逃れることができませんでしたが、勇敢な少年二人のお陰で、　　　負傷者数名だけで死亡者は今のところ報告はありません。　　　あそこに非難したビルの従業員の話だと、１名が行方不明とのことでしたが、　　　それも今、あの少年が。。。」　その少年に目をやる北見刑事。　ぼんやりとした人影が一歩、また一歩とこちらに歩いて来ていた。　そして徐々に顔の輪郭、髪型、服装などが認識できるようになってきた。そして、北見刑事　　「こ、こういち君っ！」レスキュー隊隊長　　「お、御知り合いの方ですか？」北見刑事　　「知るも何も・・・・驚いたな・・・・そっか、こういち君が。。。」ゆうすけ　　　「おやじぃ～～～～♪」　幼稚園の隣のビルからこちらに向かって手を振り、叫ぶゆうすけ。ゆうすけ　　　「遅刻だぞぉ～～～～っ！」　ゆうすけの存在に一瞬驚くも、ニコっとして手を振り、頭にげんこつをコツンと当てて　見せる北見刑事。北見刑事　　「驚いたことに、あっちは私の息子、そして女性を抱きかかえてこちらに向かって来る　　　少年は息子の友人だよ。　　　こういち君、ご苦労様。。。助かったよ。」こういち　　「間一髪～♪。　間に合って良かったよ (^ ^ｖ　　　それとビル壊しちゃったけど、どうせ壊れちゃうんだからいいよね？　　　もしかして器物損壊で捕まっちゃうのかな？？？」北見刑事　　「倒壊したビルだろ？　問題ないよ。　　　　　　　　　　　　　　　ん・・・・？　　こ、壊した？？？」こういち　　「救急車の方、この人が最後の負傷者だと思います。　お願いします。」救急隊員　　「わ、分かりました・・・・・」　用意されていた救急搬送用ストレッチャーに抱き抱えていた女性を乗せるこういち。　隣のビルの入り口からゆうすけが走ってきた。ゆうすけ　　「おやじぃ～～～、遅いよ遅いっ　　はぁ、はぁ・・・・」北見刑事　　「和恵さんを自宅近くに送り届けた後に連絡が入ったんでな。　　　遅刻してしまったようだ。　　　二人が駆けつけてくれたのか。。。礼を言うぞ。　　　おまえら二人、本来は学校をさぼってここで何をって・・・・　　　叱らなきゃいかんのかもしれんがな。」こういち　　「南流奥義刃空投剣さ。」北見刑事　　「なっ・・・・・えぇぇぇっ！」こういち　　「ゆうすけ、行くぞっ！　　　試合が終わっちゃうよぉーーーーーーっ！」ゆうすけ　　「そうだっ、急げっ！」　急に走り出した二人。北見刑事　　「お、お前ら、けがは無いのか～？」ゆうすけ　　「んなもんねぇ～よぉ～♪」北見刑事　　「そっか。。。そいつはよかった。。。って・・・　　　おぃ、ま、まさか・・・・このビルの２ケ所の破断が・・・・・？　　　　　　　　　　　　　　嘘だろう・・・・なんていう少年なんだ・・・・・」　学校に向かって走り去る二人に熱い視線を送る人々。　そしてシャキッと背筋を延ばし、走り去る少年に敬礼をしているレスキュー隊隊長の　姿もあった。～　その晩の華夢on では。。。　続いてのニュースです。　真昼にビルが倒壊しました。　ジャカジャカジャン　本日午後２時１０分ごろ、突如道路が陥没し、　近くにあった７階建のビルが倒壊しました。和恵姉さん　　「おぉおぉ、やってるやってる。」　幸いにも陥没の衝撃で倒れた事務用品類の下敷き等で４人のケガ人を含め、全員無事　に救助されました。　倒壊したのは奇跡的にも救助を終えた後だったそうです。　その模様を近くの市民がハンディーカメラで撮影してましたので、その一部始終を　ご覧ください。とくさん　　「あら、こんなに傾いていたのね・・・・」常連のお客Ａ　　「ピサの斜塔のようだぜ。」常連のお客Ｂ　　「うわっ、デカイ陥没だなぁ・・・・」　そのビデオは、今度は向かい側の幼稚園の姿を映し出していた。　ブレながらも、ズームアップで寄っていく。とくさん　　「あら、ゆうすけ君じゃない、あれ。。。」和恵姉さん　　「おっ、チビスケもがんばってるじゃない～♪　　　ふぅ～ん、すべり台でね。。。なる程ね。。。　　　あれなら園児も隣のビルに移せるわね。」　ガラガラゆうすけ　　「こんばんは～☆」北見刑事　　「おじゃまします。」とくさん　　「はい、いらっしゃい。」和恵姉さん　　「やってるわよ。　ヒーロー君♪」ゆうすけ　　「そんなんじゃないってば・・・・」常連のお客Ａ　　「おっ、倒れだしたぞっ」ゆうすけ　　「この時にはまだ先生方が３人中に残っていたんだよ。もうダメかと思った。」ガラガラ美咲先生　　「こんばんは。。。」和恵姉さん　　「いらっしゃ～い♪」ゆうすけ　　「ぎゃっ、み、美咲先生。。。」美咲先生　　「今日はここに来ないといけないと思ってね♪　　　おっ、やっぱりいたわね。　　　がんばったみたいね、ゆうすけ君♪」ゆうすけ　　「あははは。。。」　　(*^ ^ｖ　一番誉めてもらいたかった美咲先生からの労いの言葉に、顔を真っ赤にしてしみじみと　いい事をしたなと感動しているゆうすけ。北見刑事　　「こらっ、その真っ赤になる顔、なんとかならんのかっ」ゆうすけ　　「あはは。。。」　　(*^ ^*　嬉しくてうれしくて、おやじさんの言葉が耳に入らないゆうすけ。　そして画面は５Ｆから閃光が走ったところを映し出す。北見刑事　　「うっ、こ、これがっ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第５９話　ビル倒壊っ　その晩へ　（バカバカバカーーっ）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月21日

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第五十七話　　ビル倒壊っ　（山ちゃん・・・・）

.事務の男性　　「うわっ」　飛び降りたこういちを見て、悲鳴をあげる事務員さん達。　そのこういち、手足を広げ、めいっぱい空気抵抗を付けた後、地上近くではクルクルっと　空中回転をしてスタッ☆ と着地した。事務の男性　　「なんて子だ・・・・」　ビルの傾きがやや増し、フロアーがグラっとした。６Ｆ女性事務員　　「きゃーーーっ」　３Ｆに集合した人達の不安をあおる。　着地後、到着したレスキュー隊に向かって駆け出すこういち。　そして車両を停止したレスキュー隊員と会話を始めた。こういち　　「ビルの中の人達は、今３Ｆに集まってます。　　　３Ｆまで向かう階段が瓦礫で閉塞されていて、３Ｆまでしか降りられません。　　　ロープと搬出用滑車を下さい。３Ｆまで私が運びますっ」レスキュー隊員　　「状況は分かった。しかし、キミに任せる訳にはいかないよ。　　　キミも早く非難したまえ。」こういち　　「時間がありません。　急いでっ」レスキュー隊員　　「しかし・・・・」　車両の後ろからロープと滑車を持って来る別の隊員の姿を見て、駆け寄るこういち、こういち　　「これをお借りしますっ！」　隊員から奪い取ったロープの片端をレスキュー車両の手摺りに潜らせてから、　救助用の滑車２つを握ると、猛然とビルに向かって駆け出すこういちっレスキュー隊員　　「お、おぃっ、キミっ」　と、レスキューの隊員の見守る中、助走をつけて一気に３Ｆに向かってジャンプっ　空中高く飛んだこういちの体は、吸い込まれる様に３Ｆにまで到達し、ベランダの手摺り　に手をかけてぶらさがり、けあがりの反動でクルっと回転してベランダ内に着地した。レスキュー隊員　　「なっ・・・・」　呆然とするレスキュー隊員。　こういちはすぐさまもう一方のロープの片端を近くの手摺りに巻きつけ、二つの滑車に　通してからロープの両端をしっかりと結んだ。こういち　　「まず、ケガ人優先で降ろします。」　『私が先だっ』　『いえ、私が先よっ』　助かりたい一心で我先にと詰め寄る大人達っこういち　　「みっともないぞっ！」　こういちの一喝で、動きが止まる大人達。　そして静かに話し出す。こういち　　「私が責任を持って、全員助けます。　　　まず負傷者。次に女性と子ども。そして高齢者と順次降ろします。」　はっとしてうなずく大人達。　一人の重傷者を滑車にぶらさがった布製の救助イスに乗せ、安全帯を重傷者にくくりつけ、こういち　　「降ろします。」事務の男性　　「降ろすってキミ・・・・」　こういちは一人目を降ろし始めた。　眼下では、数台のパトカーで警察も到着し、立ち入り禁止区域の設定や、やじうま見学者の　位置を後ろに下げたりの作業が始まっていた。　こういちが滑り出すロープを握り、スピードをコントロールしている。　ロープと手の間からは、摩擦で煙がやんわりと出ている。事務の男性　　「キ、キミ、大丈夫かね？」こういち　　「私がロープのブレーキ役になりますから。。。　　　山岳救助隊では良くやっていたんですよ。　　　こう見えても手の皮が厚いみたいです ^ ^ 」　うそも方便と言うが、その一言で安心した様子の事務の男性。　無事一人目を下のレスキュー隊が降ろし終えた後、手元のロープの位置に二つめの　救助用滑車を固定するこういち。こういち　　「次ぎはこの方です。」　負傷者を指名しイスに乗せ、ロープを握って再び下に降ろし始めた。　二人目が下に到着すると、最初の滑車が戻って来ていた。事務の男性　　「なるほど、無駄がないな。さすが元山岳救助隊員だ。」　あせりの中にも笑顔を見せる事務の男性。　冷静に事を進め始めた避難者達。次々と救助されていった。　そしてはしご車も到着し、バケットを使っての救助も始まる。こういち　　「あとはお願いします。おいらはもう一度中を一通り見て来ます。」　はしご車のバケットに乗り込んでいた救助隊員にそう告げると、　ビルの中に消えて行くこういち。こういち　　（１・２～３Ｆの階段瓦礫の下、あとエレベーターを確認していないよな。）　３Ｆのエレベーターホールにて、エレベーターの止まっている位置を確認する。　そして３Ｆから下に降りる階段で、こういち　　「だれかいますか～？」～ゆうすけ　　「あとは先生方だけですね。急いでこちらに。」幼稚園の先生　　「は、はい。」　ビルに渡したすべり台を使って隣のビルに一人の先生が移り始めたとき、　　　　　ゴゴゴゴッ　と音を立てはじめたビルっレスキュー隊員　　「ビルが倒壊するぞぉぉぉぉぉっ！」　　下でレスキュー隊員の叫び声がっゆうすけ　　「くそ、あと３人、間に合わないのかっ　　　　こういちーーーーーっ　　　まだだぁぁっ！」　ビルの下方から土煙が立ち始めた。　ビルが傾き、倒れ始めてメリ込みと破壊が始まった証拠だった。　ゆっくりと、ゆっくりと傾きが増し始める。　その場にいたレスキュー隊員、３Ｆから救助された人達、　やじうまの人々から悲鳴があがったっ６Ｆの女性事務員　　「キャーーーー！」レスキュー隊員　　「うぅ・・・」やじうま　　『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ』ゆうすけ　　「くっ、これまでか・・・・」　ゆうすけがあきらめかけたその時っ、　ビルの５Ｆから一瞬閃光が走り、その後５Ｆから上だけが不思議なことに切り離され、　そのまま真下に落下を始めたっ！　ビルの本体は倒れる加速が遅くなったように見えたが、倒れる動きは止まない。　と、今度は３Ｆから再び一瞬閃光が走り、その後、３Ｆから上だけが同じように　切り離れて真下に落下を始めたっ！　ドッスーーーーーンっ　５Ｆから上が穴の空いた地面に叩きつけられたっ　物凄い音と共に窓ガラスが割れ、壊れたカベなどがその衝撃で散乱しさらに火山の噴火　の様に勢いよく砂塵が舞う。　続いてその落下した上階部分に積み重なるように３・４Ｆの部分が落下し、再び物凄い音と　共にガラスの割れる音、コンクリートが破壊される音が響き渡る。　ドッシーーーーーンっ　　ぐぉーーーーんっ　吹き上がった土煙が辺りを被い、ビルの姿が砂塵で見えなくなった。　・・・・・・・　　　・・・・・・・　　　　　・・・・・・・　　　～　　　　　～　　　　　　　～　　　　　　　　　～　　　　　　　　　　　～　どのくらいの時間が経ったのであろうか、　破壊されたコンクリートの破片が転がり落ちる音が落ち着いたころ、　砂塵も少しずつ退いてきた。　レスキュー隊員他、そこにいた周囲の人々も我に還り、目に写る人々の視界には言葉　にならない光景飛び込んできた。　無論会話は無く、そして砂塵が辺りの音を遮断している。　真っ昼間なのに異様な暗さと静けさだ。　レスキュー隊員　　「火災は間逃れたか・・・・」　その一言から周囲からも僅かに会話が始まった。事務の男性　　「助かったのか・・・・・」近くの商店のオバさん　　「山ちゃん・・・・」やじうま　　「・・・・・」　　言葉を失っている。　まだ悶々と砂塵が立ちこめている中、うっすらとビルの姿が上方から見えてくる。　そして時間を追うごとに、次第に倒壊したビルの全容が明らかとなってきた。　そしてやじうまから驚きの叫びが、やじうま　　「おぉぉぉっ」そして他の周辺の人々も、　　『うぉぉっ』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第５８話　ビル倒壊っ　その２へ　（遅刻だぞぉ～～～～っ！）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月17日

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第五十六話　　こういち、事態をを救えっ！　（けっ、あいつめ。。。♪）

.ゆうすけ　　「落ち着いて下さいよ先生。　あなたのボクはここに居ますから。。。(^ ^*」美咲先生　　「何訳の分からないこと言ってんの・・・・ハァ、ハァ・・・・　　　利江ちゃんの試合がここだから、もしかしてと思って来てみたの・・・・よかったわ。　　　実は大変なのよ、こういち君は？」ゆうすけ　　「ありり・・・、おれに用じゃないんですか・・・・(；；　　　えっと、こういちなら今しがたグランドに行きましたけど・・・・。　　　そんなに慌てて、何があったんですか？」美咲先生　　「それがね、　　　大通りを駅の方に向かったコンビニの、　　　向かい側に建っているビルがね・・・・ハァ、ハァ・・・」ゆうすけ　　「ビルが・・・？」美咲先生　　「すぐ横にね、大きな陥没が起きてね、　　　ビルが今にも倒壊しそうなんですってっ！　ハァ、ハァ・・・・」ゆうすけ　　「えぇぇぇぇっ！」美咲先生　　「ビルの中にもまだ人が居るみたいなの。　　　反対側には幼稚園があって・・・・陥没で退路が無いらしいわ。　　　こういち君に知らせなきゃと思って。」ゆうすけ　　「分かりましたっ！　おれ、こういちを探しますっ！　　　こういちは試合を控えているので、先生は抜ける旨のホローをお願いしますっ」　一目散に駆け出すゆうすけっゆうすけ　　（テレパシーじゃあるまいし、今の会話は聞こえてないよな・・・・　　　たのむ、こういち、校門に来てくれっ！）　いつもの不思議と気持ちが通じることを信じて、繰り返し念じながら校門に向けて　一直線に走るゆうすけ。　３組と５組のサッカー試合中のグランドをも突っ切るっ！サッカーの審判　　「こら、キミキミっ！」ゆうすけ　　「ごめんなさ～い、こっちは一大事なものでっ　　はぁ、はぁ・・・・」　校門に近づき、その付近に目をやるゆうすけ。ゆうすけ　　「けっ、あいつめ。。。♪　はぁ、はぁ。。。」　案の定、校門の横で独り着替えているこういちの姿があった。ゆうすけ　　「こういちっ、着替えは後だっ！　付いて来いっ！」　試合用のゼッケンを着ける途中でそれを投げ出して走り出すこういち。　体育着のランニングと短パンだけの姿の二人は、大急ぎで走る走る。～　その倒壊しそうなビルの付近では。通行人Ａ　　「おぃ、警察とレスキューはまだこないのか？」通行人Ｂ　　「連絡はしたわ。もう少しよ。」通行人Ａ　　「このままじゃ中の人はおろか、反対側の幼稚園が下敷きになっちまう・・・・」通行人Ｂ　　「幼稚園の出入り口が陥没で通行出来ないのね。園児達の非難通路が無いわ・・・・」通行にＡ　　「レスキューとかはまだなのかよ・・・・」　そんな会話する二人の脇を、ビルに向かって猛然と走り抜けていく二人の少年っ通行人Ａ　　「お、おぃっ、待てっ、危険だぞっ！」　制止を無視してビルに向かって走り続ける二人。ゆうすけ　　「あのままでいてくれたらまだ持つ。　　　だが、地場が緩んでいるから傾きが変わる恐れがある。　　　できるだけ中に居る人達をビルの背中の下側に移動させ、重心を少しでもっ！　　　おれは幼稚園の退路を探すっ！」こういち　　「分かったっ！」　こういちの走るスピードが増し、壊れた瓦礫状の１Ｆ部分を足がかりに、　２Ｆのベランダに一気にジャンプしてガラスの割れる音と共に姿を消すこういち。　１Ｆと２Ｆの階段が崩れたカベの瓦礫で埋まり、退路がない。　２Ｆと３Ｆを結ぶ階段も瓦礫でほぼ塞がれていた。　こういちは横の柱に向かってジャンプし、その柱を蹴って瓦礫の上方の隙間から　抜けて３階に向かう。　書類が散乱し、ロッカー類が倒れて騒然としたフロアには５～６人程しゃがみ込んでいた。こういち　　「みなさん、反対側の窓際に集まって下さいっ」　そう告げると、中の階段を使って上の階へ・・・・こういち　　（上の階の階段は使えるな。）　　「みなさん、３Ｆまで降りてきて下さい。」　中は、会社の事務所が大半で、腰を抜かして動けない人や、　落下物の下敷きで動けない人もいた。こういち　　「物の下敷きになっている人がいたら、数人で荷物やロッカーを退かしてあげて下さい。　　　おいらは上の階から動けない人を運びます。　　　重たくて動かないときは、みなさんでロッカーを持ち上げて、本を積み上げるか　　　イス等でつっかえ棒を作って当てるなどして、ケガ人に重さが掛からないように　　　おいらが戻るまで応急処置して下さいっ！」　そう叫んでは、どんどん上の階まで上がるこういち。　階段には、非難する人達が続々と降りてきていた。　慌てているためか、足を踏み外して転ぶ人もっ　さっと手を差し伸べて、体を支えるこういち。こういち　　「慌てずにおちついて。。。　　　みなさん、３Ｆの奥に非難して下さいっ！」　叫んでは上へ。こういち　　「７Ｆ、ここが一番上か。　　　誰かいますかっ！」　・・・・・・　一通り散乱している書類やダンボールなどの下を確認するこういち。　各部屋を見回る。こういち　　「よし、次ぎ。」　６階に降りるこういち。６Ｆの女性事務員さん　　「こ、このロッカーの下に・・・・」　こういちが目をやると、　下半身をロッカーにつぶされ、身動きが取れなくなっている人が・・・・こういち　　「分かりました。」　返事と共に、重なる様に倒れていたロッカーをヒョイと持ち上げて、下になっていた人を　引きずり出すこういち。こういち　　「この階は、あなた達２人だけですか？」６Ｆ女性事務員　　「は、はい。」　ディスプレイ用のぶらさがっていた布を破り、出血している箇所に巻きつけるこういち。こういち　　「足が折れてますね・・・・。」　こういちは、倒れたデスクの脚をもぎ取り、ケガ人の折れている箇所に長めに当てて、　再び布でしっかりと巻きつけた。こういち　　「では下に行きましょう。」　下敷きになっていたケガ人をおんぶして階段を降りる。～　一方のゆうすけは、園児たちの退路を模索していた。　『エ～ン、エ～ン』ゆうすけ　　「泣くなよ、これから逃げ道探してやるからな。」　しかし、周りはコンクリートのカベ、通常の出入り口は陥没で通れない。　ゆうすけは隣のビルのベランダから、園児達に声をかける。　園内を見渡すゆうすけ。ゆうすけ　　（よし、あれっだっ）　　「先生～、先生はいませんか～？」　大人は誰もいない。ゆうすけ　　「ねぇねぇ、先生は？」園児　　「あっちで電話してる・・・グスン」　泣きながら指を差す園児達。ゆうすけ　　「あのさ、ここに先生連れて来てくれないかな？」　一人の園児がうなずいて駆けだした。　しばらくすると先生が負傷した園児一人を抱きかかえながら現れた。幼稚園の先生　　「お願いします、なんとかして下さいっ」ゆうすけ　　「電話は混雑してて通じないでしょ。　　　まぁ慌てずに。　　　後ろに置いてあるすべり台を運べますか？　　　ここに渡して園児をこちらに移そうと思います。　　　他に先生方は？」幼稚園の先生　　「今、道具を探しにいってます。連れてきます。」　傾いているビルを見るゆうすけ。ゆうすけ　　（くそ、長くは持たないかも・・・・急がなきゃ・・・・）　そのとき、ようやくサイレンの音が聞こえて来た。～　一方のこういちは、一人をおんぶ一人を抱っこ、　もう一人を肩に担ぎながら３Ｆまで降りてきていた。事務の男性　　「おいキミ、ここからどうするというのかね。」こういち　　「もうすぐレスキューが到着します。　　　道具をもらってここからみなさんを救い出します。　　　できるだけ窓際に集まって下さい。」　と、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。　こういち　　「よしっ」　こういちは、窓を開けてベランダに出ると、そのまま飛び降りたっ事務の男性　　「お、おぃっ、」６Ｆ女性事務員　　「いゃーーーっ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第５７話　ビル倒壊っへ　（山ちゃん・・・・）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月16日

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第五十五話　　球技大会　その２　（ヘックショーーーーン !!）

.　さぁ、本日午前の各種目（準々決勝）午前中の結果が出ました。　男子サッカーは２組と４組が勝ちあがりです。　男子バレーボールは３組と７組が　男子ドッヂボールは１組と２組が、　女子バスケットボールは６組と４組が、　女子バレーボールは１組と６組が、　女子ドッヂボールは８組と１組がそれぞれ勝ち上がっておりま～す。　得点ボードはグランド入り口と体育館入り口に掲示しますね♪　昼休みの食事を終えて、食器を片づけながらとなりのこういちに話しかけるゆうすけ。ゆうすけ　　「椿さん・・・・」こういち　　「出会うまでに鍛える時間がどのくらいあるかだ。」ゆうすけ　　「あの謎の空手男・・・・」こういち　　「また来るかもな。」ゆうすけ　　「姉さん・・・・」こういち　　「問題無し。」ゆうすけ　　「まだ何も聞いてねぇよ。」こういち　　「聞きたかったことだろ？」ゆうすけ　　「まぁな・・・・」こういち　　「姉ちゃんは関係あるとにらんでいる。ゆうすけは？」ゆうすけ　　「まだ断片的なんでなんとも。　　　だが、突然強くなっと思われる腕相撲の怪力男、普通じゃない謎の空手男・・・・　　　何か妙だぜ。こういちが居なかったらみんな世界一クラスってことだよな。　　　こういちの言う普通じゃないもの持っているんだから。　　　まだ見ぬ古流の・・・・だって・・・・」こういち　　「ゆうすけも姉ちゃんと同じ考えなんだな。」　廊下を歩き出す二人。　とそこへ、駆け寄る二人の女子生徒。久子ちゃん　　「ゆうすけ君♪」ゆうすけ　　「久子ちゃん、それに相ちゃん。」相ちゃん　　「ねぇねぇ、午後一番に私たちの試合があるの♪　見にこない？」ゆうすけ　　「何に出るの？」久子ちゃん　　「相と女子バスケ♪　利江も一緒よ♪」ゆうすけ　　「へぇ～、三人ともバスケか。。。　　　こういち、おまえのサッカーは午後の２時３０分開始だろ。」こういち　　「あぁ。」ゆうすけ　　「ちょっと覗いてみようぜ。　なっ♪」相ちゃん　　「こういち君はサッカーなのか。。。」久子ちゃん　　「ゆうすけ君は・・・？」ゆうすけ　　「おれはドッヂボールさ。　クラスの人数不足してたんで、二種目枠でこういちも。」相ちゃん　　「こういち君の出る種目見たい～☆」久子ちゃん　　「じゃ、後でね～♪」　その場を急いで離れる二人。ゆうすけ　　「今日、姉さんがおやじのところに来るそうだ。　　　事情を説明して認定してもらうために。」こういち　　「一味に加わることになるからな。姉ちゃんの出す条件、先方が飲めるか・・・だ。」ゆうすけ　　「当然、妥協しなきゃ姉さんを手中に出来ないんだから、条件に合わせるだろうぜ。」～～～　そしてこちらは所轄警察署。　刑事課の奥に北見刑事と他数名の刑事、そして和恵の姿があった。北見刑事　　「なるほど、事情は分かりました。　　　我々も麻薬組織の解明に携わってましたから助かります。」和恵姉さん　　「まだ先方からのコンタクトはありませんけど、何れ必ず。。。　　　私の行動目的が、警察捜査協力にも繋がりますからね。」渡瀬刑事　　「しかし、南さんに危害がおよぶ可能性もある訳ですから・・・」北見刑事　　「うむ、確かにそれはあるな・・・・。　　　いくら私より腕が立つとはいえ、銃刀類使用は当たり前の世界だ。」末田刑事　　「北見警部よりも強いですってっ !?」北見刑事　　「残念ながら足元にも及ばないのだ。」　驚いた顔で和恵をまじまじと見つめるＡ・Ｂ両刑事。和恵姉さん　　「あら、まだ立ち会ったことなんて無くってよ♪　　　私への危害のことならご心配無用です。　　　なんなら胸のホルダーに入っている拳銃で今私を撃ってみません？」渡瀬刑事　　「えぇっ　　　　　　　そ、そんな事　む、無理ですって･･･」和恵姉さん　　「そんなオモチャ、武器にならない事いつでも証明しますわ。　　　まぁ警察としては何か私が一筆書けば済むんでしょ？　　　みなさんにご迷惑は御掛けしませんから。。。」北見刑事　　「ま、まぁそうなんだが・・・・」和恵姉さん　　「北見さん、私情は捨てないとね。危険を承知の上であなたも仕事している訳でしょ？　　　ご夫婦で警察官という方もいらっしゃるのではありませんか？」　和恵の言うことは良くわかっている北見刑事だが、良く知る民間人という枠だけでは　ない気持ちが心の中で揺れ動いていた。　少し時間が経ってから、北見刑事　　「分かりました。ご本人が危険を承知で協力頂けるのであれば是非よろしく　　　お願い致します。　　　その一筆、こいつらの為に頂いておきます。」和恵姉さん　　「連絡はゆうすけ君を通じて行いましょう。盗聴マイクや尾行、　　　どんな監視があるか分かりませんから。　　　こういち←→ゆうすけ君経由なら怪しまれないでしょ。」～～～　ヘックショーーーーン !!ゆうすけ　　「なんだ、またおれの噂かぁ。。。噂の主が美咲先生だといいんだがな♪　　　おっ、もう始まってるぜ♪」　歓声がどよめく体育館、その応援する生徒の後ろを通り、見学出来る隙間を見つけて　立ち止まる二人。　試合をする選手は既に汗だくになってた。　後ろ向きにステップしながら片手を上げて相手のボールをカットするしぐさ。　ドリブルしながら味方の選手を探してパスを出す。　そのパス先で、ボールをカットした選手が、ドリブルを開始して逆襲っゆうすけ　　「おっ、久子ちゃんだ♪」　パスカットした久子ちゃんがドリブルから大きく前方にポールを放り込む。　そこにいたのは小柄な利江ちゃん。　受け取った後、シュートと見せかけたフェイント　の後、そのまま後方にワンバウンドパス。　それを受けた相ちゃんがスリーポイントシュート～★　高く弧を描いたボールは、ボードに当たってからリンクを通過しネットを揺らした♪　ドッと歓声が上がる　　　　　ナイッシューー♪　チームメイトからも声が掛かる。。。ゆうすけ　　「なんだ、やつら上手いじゃん♪」こういち　　「うん、やるもんだね。。。　息がピッタリだ♪」　ボード下からプレー再開。　緑はち巻きの４組の選手が投げられたボールを受取りに行くが、２組の選手と同じ　ボールを掴み、取り合いになるシーンも。ゆうすけ　　「体育の授業で良く見る光景だな。　　　まさに将来のバーゲンセールの商品争奪戦の予備軍、今から練習ってところか。」こういち　　「ゆうすけ、おまえどういう視点でスポーツ観戦してんだよ。。。」ゆうすけ　　「だってそういう風に見えるんだもん・・・・　　　おっ、また奪い取ったぜ。」　相ちゃんから２組の選手にボールが渡り、その後久子ちゃんにパスされる。　ゴール前に飛び込んだ利江ちゃんにパスをした久子ちゃん、パスと同時に利江の脇に　移動し、再び利江からパスを貰い受けトントンとステップしてシュート★　ボードノータッチで見事な得点。こういち　　「これも大差で決まるな。。。」ゆうすけ　　「バレーやドッチボールの奪ったセットの数の多さと異なり、サッカーとバスケは　　　時間でやるからね。」　その後も２組優勢で試合が進んだ。ゆうすけ　　「ぼちぼち準備に行った方がいいぜ。　着替えたり練習したりもあるんだろ？　　　おれは終わるまで見てるよ。」こういち　　「うん。。。」　ゆうすけと別れ、こういちはグランドを目指した。　その後も試合を見学するゆうすけの元に、美咲先生が慌てた様子で駆けてきたっ美咲先生　　「ゆうすけく～～んっ！」　周りの観衆の声にかき消されてゆうすけは気が付かない。美咲先生　　「ゆうすけくんっ！」　何か呼ばれた気がして辺りをキョロキョロ始めるゆうすけ。美咲先生　　「ゆうすけ君っ！」ゆうすけ　　「あっ♪　美咲先生～☆ ^ ^/~」美咲先生　　「ハァ、ハァ、探したわ・・・・ハァ、ハァ・・・」ゆうすけ　　「ど、どうしたんですか？　そんなに慌てて・・・・」美咲先生　　「た、大変なのよ・・・・ハァ、ハァ・・・・」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第５６話　こういち、事態をを救えっ！へ　（けっ、あいつめ。。。♪）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月15日

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球技大会　得点ボード　準々決勝（前半戦）

準々決勝　午前（前半戦）の結果種目＼クラス１組２組３組４組５組６組７組８組男子サッカー－５－５－－－－男子バレーボール－－５－－－５－男子ドッヂボール５５－－－－－－女子バスケットボール－－－５－－５－女子バレーボール５－－－－５－－女子ドッヂボール５－－－－－－５合　計１５点１０点　５点１０点　０点　５点１０点　５点第５５話に戻る

2006年02月15日

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第五十四話　　球技大会開始♪　（アユっちで～す♪）

.　　さぁ始まりました、クラス別対抗の球技大会～☆　参加諸君はみんなやる気満々♪　果たしてどのクラスが優勝するのでしょうか～。　わたくし、この大会のアナウンスを勤めますアナウンサー同好会の鮎原こと　アユっちで～す♪　よろしくね (^_-)～☆　この大会、　男子は、サッカー、バレーボール、ドッヂボールで。　女子は、バスケットボール、バレーボール、ドッヂボールでポイントを競い合います♪　各種目ともトーナメント方式の勝ち抜き戦。　一回戦勝ち抜くと５ポイント、　二回戦（準決勝）を勝ち抜くと更に５ポイント、　そして決勝戦で優勝するとなんと１０ポイントがそのクラスに加算されていきま～す♪　ではここで、各会場を覗いてみましょう～♪　ここメイングランドでは、男子サッカーが試合開始のホイッスルが鳴り響きました～☆　８クラスなので、一回戦・・・と言うよりは、準々決勝とお伝えする方が分かり易い　かもしれません。　第一試合は、［紫］のはち巻きをする８組、対するは［白］のはち巻きをする２組との対戦。　応援にも熱が入ってます♪　続いて、お隣のサブグランドでは、２面のコートで男女のバレーボールが行われています。　えっと、わたくし、徒歩で移動です。。。(^ ^Aｱｾ　はい、到着しました。　第一コートでは男子の［黄色］のはち巻きの５組と、［橙色］の３組の対戦。　既に試合が始まってまして、第一セット、2-3 と３組がリードしてます。　お隣第二コートでは、女子の［緑］のはち巻きの４組と［赤］の１組との対戦。　こちらは 2-2 と接戦になっております。　そして隣の体育館に向かいます。　こちらでは、女子のバスケットボール、そして男子ドッヂボールが行われているはずです。　はい、今向かっております。。。　スタッフが少なく苦労しております (^ ^;;;　到着しました。　女子バスケは、［水色］の６組と［桃色］の７組との対戦。　今、トスが上がり開始されました～☆　お隣の男子ドッヂボールは、［赤］１組と［黄色］５組との対戦。　ルール説明をしますね。　ここは後ろが壁で被われていて、投げたボールを避けているだけでは、再び相手に　戻るという過酷なルールとなっています。　対戦は５人ずつ。　相手にぶつけて弾いたボールが床面に着地してしまった場合にアウト　となり退場となります。　しかし、アウトにしたチームは、既にアウトになっていた自分のチームの選手を復活　できるというこれまた過酷なルール。　０人になると負けで３ゲームマッチです。　おっと、今ここで５組の選手が一人アウトとなった模様です。　５人 vs ３人　と［赤］１組リードという状況です～☆　一端本部に戻りますね。。。　みなさん、結果をお楽しみに～♪　そう、このドッヂボールの１組は、寄せ集めチームとなっていた、こういち、ゆうすけ、　武藤大介、江藤淳一、そして自ら志願していた朽木守（くちきまもる）の５人が　今まさに試合中であった。ゆうすけ　　「朽木君、ナ～イス♪」朽木守　　「さんきゅ～」武藤　　「２人抜いたな。」江藤淳一　　「また向こうからの攻めで始まりだ、気をつけろっ」こういち　　「楽しい～☆」　相手は３人、ここで一人抜かれるとこちらが一人減り、相手は一人復活で４vs４と　人数が互角になってしまう。ゆうすけ　　「武藤さん、狙われてますよ・・・・」　５組の三人は、ヒソヒソ話で会話するも、目線が体の大きい武藤に向けられていた。　プレー再開の合図と共に５組がボールを持って、中央ライン付近まで歩み寄ってきた。　そしてっ　　　　　　　えぃっ　力強く投げられたボールは、武藤に向かって一直線っ！武藤　　「むっ」　やや胸から下のヘソの辺りに向かってくるっ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　パシッ★　武藤の避けた左手にボールがＨＩＴ★　角度を変えて落ちてくボールだったが、床に落ちる間際にこういちが一回転してレシーブ☆　そのまま前方センターライン付近にフワっとボールが上がる。　なんとそこには既に助走を終えてジャンプしていた江藤の姿がっ　そしてジャンプした場所にボールが吸い込まれるように到着し、キャッチした江藤は　そのままボールを５組みの選手めがけて投球したっ　　　　　　　　　　　　　　　　　パシッ★　　　トントントン　一人の選手に当たり、ボールは床面を跳ねていた。ゆうすけ　　「江藤君、またまたナ～イス♪」朽木守　　「いいぞ、こういち～♪」　次のプレースタート後、５組みの投球はゆうすけに向かって投げたが、　ゆうすけがうまく交わし、そのままカベに当たってリバウンドしたボールを朽木が　キャッチし、そのまま助走を付けて５組み選手めがけて投球っ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　パシッ★　相手の足に当たり、再び床に落ちたボール。江藤淳一　　「よしっ♪」　このセット、そしてもう一つのセットも取り準決勝進出を決めた１組であった。江藤淳一　　「余り者チームのわりにはコンビネーションがいい感じだ。」朽木守　　「うん、いい感じ。。。」武藤　　「キャッチするまでは難しいのぉ・・・・」こういち　　「いいよ武藤さん。手で当てにいけてるもの♪　　　こぼれたのをおいら達が拾うからさ。。。　　　できれば手の甲に当てて避けられるといいな♪」武藤　　「そうか、手の甲でか。。。」ゆうすけ　　「但し、低い球は叩きつけちゃダメですよ、落ちる前に拾えませんから (^ ^ 」武藤　　「うむ、難しいのぉ・・・・」江藤淳一　　「オレ、裕太、鉄、克ちゃん達と合流して２組のサッカーの試合を見て来る。」　額とほほを流れ落ちる汗をタオルで抜き取り、駆け出す江藤。朽木守　　「こういちって凄いね。。。　動きが早いよ。。。」ゆうすけ　　「こいつは体を動かすのが好きだからね。。。」朽木守　　「そのこういちと江藤はサッカーの試合もあるんだろ？」ゆうすけ　　「第一試合の最後だからな。午後だよ。　　　次の試合もがんばろうな♪」朽木守　　「うん。」こういち　　「おいら昼寝してくる。。。」武藤　　「わしも付き合うわぃ。。。」ゆうすけ　　「まったく・・・・　　　昼間の学校は寝に来ているようなもんだな、この二人は・・・・(^ ^；」　そんな二人をよそに、各会場で球技大会は進むのであった。江藤淳一　　「よぉ、裕太。」伊藤裕太　　「淳一、合流早かったな。」岸川克司　　「さては、あっさりと負けたな(^ ^」江藤淳一　　「バカ言え、ストレート勝ちだぜ～♪」　自慢げに話しをする江藤。坂田鉄次　　「なんだ、ドッヂボールもポイント稼いだのか。」土谷敏彦　　「それより２組、後半が始まるぞっ」　四人は、グランドの片隅にある鉄棒の上に陣取り、その上から試合を観戦していた。　主審のホイッスルと共に、ゲーム後半開始。　８組からのキックオフ。　センターサークル内にいた２人によってボールが後方の選手に渡された。　その選手がポ～ンと前方に蹴り出す。そして８組の選手がボールに向かって走り込む。江藤淳一　　「なんだ、原始的なゲーム運びだな、８組は・・・・」土谷敏彦　　「無理もない、体育のサッカーの延長さ。戦術もなにもない。」　自陣に蹴り込まれたボールを、２組のＤＦがヘディングで中盤右サイドに流す。　そこに走り込む２組みのＭＦ。　近くの見方選手にボールをパスし、自身もそのまま縦に走り込む。　そこへ再びボールが帰って来て、ドリブルで持ち込み、１人、また１人と８組の選手　を交わす。　さらに縦に抜く・・・と見せかけて、後方の見方へヒールパス。　その選手がダイレクトでゴール前にふわっとセンターリングを上げる。　バシっ　そこへ飛び込んだ背の大きいＦＷがヘディングっ！　　　　　　　　　　　　　ピピーーー　ボールは誰もいないゴールネットを揺らしていた。江藤淳一　　「普通の簡単なプレーで得点が入るんだな。」伊藤裕太　　「レベルが違いすぎるよ。　　　片や学校の体育のサッカー、片や６人は全国大会出場レベルが６人。」坂田鉄次　　「６人も揃っていれば十分・・・ってとこだな。」江藤淳一　　「って、８点目かよ・・・・前半で７点も～？？？」岸川克司　　「キーパーすら不要のゲーム運びだ。　　　キーマンはＭＦの２人。　そこからの配給を押さえないと・・・・・」土谷敏彦　　「つまり、おれと鉄がどう押さえるか・・・ってことだ。」坂田鉄次　　「サッカーはチームプレーと言うが、あの６人で組み立てている以上そこがカギだな。　　　後はあの高さのあるＦＷ・・・・足も速い。」　　　　　　　　　　　ピピーーー江藤淳一　　「おぃ、また入ったぞっ」　５人はグランドの２組のプレーを目を皿のようにして観戦していた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第５５話　球技大会　その２へ　（ヘックショーーーーン !!）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月14日

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第五十三話　　綉榠餡（しゅうめいかん）の裏その２　（今日に限った話しじゃないよね）

.店主　　「そうだ。　おまえさんなら身に覚えがあるんじゃないのか？」　審判役に目線を送る店主。審判役　　「た、確かに・・・・・。」チーフ　　「な、なんなんだ、その話は。」審判役　　「へぇ、じ、実は・・・・・　　　もう８年も前になりましょうか。　　　あっしが鬼劉館（きりゅうかん）という空手道場に通っていたころの話しでさぁ。　　　鬼劉館の開催する大会のチャンプが本部に来てマスコミの取材を受ける日だったん　　　ですが、ちょうどその日に中学生ぐらいの女の子が道場破りに来たんでさぁ。　　　その女は、本部の門下生28人をまたたく間に床にたたき伏せ、師範代を病院送り、　　　来館していたそのチャンプは試合の末即死。」チーフ　　「なんとっ !? 」審判役　　「へぇ、その後マスコミも散々捜し回ったらしいのですが、　　　見つからず・・・・・　　　で、鬼劉館（きりゅうかん）はあえなく看板を降ろすことに　　　・・・・・なりやして・・・・・」チーフ　　「なんて女だっ。　にしても当時中学生なら今ごろ・・・・・」店主　　「そうだ、それがこの街に流れた強い少女伝説。　　　その後おまえを拾ってやった訳だ。　　　道場破りのその女、今ではおよそ二十歳（ハタチ）前後になる。」審判役　　「その門下生のひとりがあっしでしたが・・・・・　　　同一人物かどうかは・・・・・」店主　　「同一人物かどうかは別としても、年齢からして、そしてうちのチャンプを破った　　　事実からして、その女と見て掛かった方がよさそうだな。」チーフ　　「そんな子どもに道場破りさせるとは、相当の自信を持った道場だな・・・・」審判役　　「それが、単身で乗り込んで来たらしく、バックが居なかったんでさぁ。」チーフ　　「どういうことだ。」審判役　　「看板が変わらなかったんですよ、降ろすだけで。」チーフ　　「バックが道場欲しさで・・・・ではないってことか？」審判役　　「へぇ・・。」店主　　「まだこの街に居たのか・・・・」～～～　ところ変わって本日休業日の華夢on では・・・こういち　　「姉ちゃん、お帰り～♪」ゆうすけ　　「おじゃましてま～す♪」とくさん　　「おかえりなさい。早かったのね。」和恵姉さん　　「それなりに楽しんできたわよ♪」美咲先生　　「ナンパが凄かったわ。　追い払ったらはい、次ぎ！みたいな感じで (^ ^」ゆうすけ　　「むむ、美咲先生をナンパするなんて、許せんっ！」和恵姉さん　　「なに言ってるのよ、最初は追い払うどころか、　　　話に乗せられるところだったのに。。。」美咲先生　　「それ内緒にしといてよ～～ (>o<;;;　　　そうそう、今日ね和恵凄かったのよ～♪」こういち　　（今日に限った話しじゃないよね。。。）　ニタニタしながら和恵を指差すこういち。　カァーーン★　　★o☆~゜（いつものフライパンで）　最近慣れて来たのか、平然と続けて話をする美咲。美咲先生　　「ホコ天でね、腕相撲大会？をやってたの。　そこにＴＶでよく見るブッチー浜田が　　　来ていて、なんとチャレンジしたのよ。　　　でも負けちゃったんだけど、なんとその相手に和恵は秒殺勝利っ！　　　　　　　ねっ♪　すごいでしょ～。。。　　　その後、賞金100万もらったんだけど、心臓病をわずらう少年への募金に　　　そのまま渡したの～♪　　かっこよかったわ～☆」こういち　　「体張る職業やってれば、もっと稼げたよね～♪」　カァーーン★　　★o☆~゜（再びいつものフライパンで）和恵姉さん　　「ん～もっ　　　そうそう、とくさん、　　　ちょっと綉榠餡（しゅうめいかん）について知りたいの・・・・。」とくさん　　「綉榠餡（しゅうめいかん）ですか、　　　あそこはね、表では高級中華店だけど、裏では麻薬取り引きで稼いでいるって　　　噂があるわね。　　　中華皇国のマフィアと繋がっているって、もっぱらの噂。　　　最近では、用心棒にもお金を使ってるって話しね。」美咲先生　　「とくさん、詳しい～♪」ゆうすけ　　「あの高級中華店は、裏家業持ちか・・・・」とくさん　　「以前の職業では、無用な話しもどんどん飛び込んでくるわね。」美咲先生　　「その用心棒って人が、もしかしてあの腕相撲のチャンプ？」和恵姉さん　　「たぶんね。」とくさん　　「その用心棒、表では重い荷物運び、腕相撲などの興行で店の宣伝として活躍。　　　何故か突然現れて、世界チャンピオンを倒したってことみたい。」美咲先生　　「和恵・・・勝っちゃったわよ？？？」ゆうすけ　　「突然・・・かぁ。　　　ふつうなら、なんだかの大会に出て、自分の強さの程度を知り、　　　名前が売れてから世界に・・・そんなステップアップが妥当な線だ。」美咲先生　　「ちょっとちょっと～、ここの人達って変よ？　　　世界チャンピオンを破った男に和恵が勝ったのよっ？　　　なんかこう～・・・ん～・・・感動するとか、祝杯あげるとか、　　　なんか感情が沸かない？普通・・・」とくさん、　　「ふつうじゃないのよ、このお二人は。　　　ゆうすけ君も既に慣れっこだし。　　　まぁこの私は慣れるまで時間は掛かりましたけど。。。」美咲先生　　「そ、そっか・・・・普通じゃないのよね・・・・」ゆうすけ　　「巻き込まれるかな・・・・、姉さん。」和恵姉さん　　「いいんじゃない？　追われても *^ ^ｖ」美咲先生　　「お、追われるって・・・・」ゆうすけ　　「先生、つまりこう言うことさ。　　　興行で得ていた宣伝効果の収入が、もし他の場所でも・・・　　　特にＴＶやマスコミのいる宣伝効果の大きいところで姉さんに現れられ邪魔　　　でもされたら・・・・が一つ。　　　それと用心棒として、もっと腕のたつやつに切り替えたい、雇い入れたい。　　　こんな考えが芽生えたとしたら。　　　彼らには姉さんを探す必要性が十分に生じたって事。」美咲先生　　「そっかぁ・・・・」ゆうすけ　　「姉さんを手中に納めると、一石二鳥なのさ。　　　って、いいんじゃないって、姉さん・・・・」和恵姉さん　　「最近、身辺がきな臭いわよね。　　　椿君のところの話し、武藤君を襲った謎の空手男、そして突然世界チャンピオンを　　　倒した綉榠餡（しゅうめいかん）の用心棒。　　　なんかもやもやした共通な繋がりがあるような気がするの。　　　場合によっては［虎穴に要らずんば虎児を得ず］　　　っていう作戦も有りかもね♪」ゆうすけ　　「姉さん・・・・」和恵姉さん　　「いいかしら？　こういち。。。」こういち　　「ん・・・・、その時はバレないようにやらないとね・・・・・。」美咲先生　　「なに、なんなのよ、虎児だったり手を抜くとかって・・・・？？？」ゆうすけ　　「先におやじに話ししといた方がいいんじゃない？　　　場合により・・・・」和恵姉さん　　「そうね、そうするわ。」美咲先生　　「だから、全然話し見えないってっ」ゆうすけ　　「用心棒として雇われてもいいと姉さんは言っているんです。　　　きな臭い現状の調査として。　　　ただし麻薬。一味の一員として動くことになるのだから、　　　当然おやじの取り締まりにも関ってくる。　　　だからおとり操作員として認知しといてもらわなきゃいけないんだよ。　　　で、やつらの懐に入って裏を取るってことです。」美咲先生　　「なるほどね・・・・。　　　ん・・・・？　で、こういち君に確認したのは？」こういち　　「立場を・・・、相反する立場で戦うことも有るかもしれないってこと。。。　　　姉ちゃんと。」美咲先生　　「えぇぇぇぇぇぇっ！！」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第５４話　球技大会開始♪ へ　（アユっちで～す♪）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月13日

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第五十二話　　綉榠餡（しゅうめいかん）の裏　（このバカヤローーっ！）

.　そのころ、先程の腕相撲の催しモノを行っていたあの３人は・・・・　ポカっ★アナウンサー役　　「このバカヤローーっ！　なんで負けちまうんだよ。　　　しかも相手はカ細い女だったんだぞっ」チャンプ役　　「そう言うなよ・・・・。　　　おれだって本気でやったんだから・・・・ありゃ化けモンだよ。」アナウンサー役　　「しかも女だから賞金倍にしろって言われて・・・・　　　負けるとは思わないからつい・・・・」審判役　　「まぁそう攻めるな。　チャンプの言うとおりだとしたら、飛んでもない女って事だ。」チャンプ役　　「そうなんだ、その前のレスラーはいつものように楽勝だったんだ。　　　ところがあの女、力を入れても入れてもびくともしやがらない。　　　なのにあの女ときたら、歯を食いしばることなく涼しい顔していやがった。　　　いよいよ本気で望んだが・・・・こんなことって初めてだ。」審判役　　「そりゃそうさ、本来は負けるはずがねぇからな。　　　お前さんの体は普通じゃない、特別なんだから・・・・。　　　そのお前さんが本気でやって負けた・・・。それが紛れもない事実だ。」アナウンサー役　　「なんてぇー女だっ！」審判役　　「えらいことだ。　おぃっ、とっとと片づけて帰ってボスに報告だっ！」～～～　さて、あの二人は。。。というと、　満足そうな顔をして、中華綉榠餡（しゅうめいかん）を出て来た。美咲　　「あぁ～、美味しかった♪　　　和恵が次ぎから次ぎへと頼むから、もぅお腹も一杯～☆」和恵　　「味だけはいいのよね、このお店。。。」美咲　　「あら、雰囲気と店員さんの対応も良かったわよ。　　　あんなに頼んでお金大丈夫だったの？　急にご馳走するなんていうから。」和恵　　「あれだけの投資、普通の売上げだけでは無理よね。　　　見せかけだけ・・・なら出来るかだけど。　　　食事代は私もごちそうしてもらったの。。。心配いらないわよ。」美咲　　「あら、厳しい評価。　ではお食事は遠慮無くご馳走になります～♪」和恵　　「たぶんあそこで食べることはもう無いと思うわ。」美咲　　「あら、どうして～？」和恵　　「ちょっとね。気になることがあって。　　　道の反対側に行きましょう。」美咲　　「えぇ・・・。」　大きい道路に面したお店の前から、近くの信号付き横断歩道を利用して二人は　反対側に回った。　すると、数分もしないうちに一台のトラックが店の裏手に停まった。美咲　　「あっ、あれ !! 」　美咲が指を差す先には、トラックから降りる先程の腕相撲の催しモノをやっていた　三人の姿があった。和恵　　「さっ、行きましょう。　確認が取れたから。」美咲　　「確認って・・・・あの三人のこと？」和恵　　「そっ♪　以前この店で従業員をやっているところを見かけた事があってね。。。　　　記憶を確かめたかったのよ。」　その３人が向かった店の地下では・・・・・　　　バカヤローーーーっ！　店の地下では、帰って来た３人に罵声をあびせる一人の男がいた。チーフ　　「このくそたわけがっ！　　　負けただと!?　簡単に言うなっっ！」審判役　　「すいません・・・・。　　　まさかこいつに勝てる者が現れるとは思ってもみやせんでした。」チャンプ　　「トンでもねぇ～ヤツでした・・・・未だに腕が痛くて・・・・」チーフ　　「このチャンプが負ける訳がねーーーーっ」審判役　　「あっしもそう思ってやす。　しかし事実は事実。」チーフ　　「・・・・・・」　うなだれて、言葉が無い３人・・・・チーフ　　「で、１００万を持って行かれたのか・・・・」審判役　　「その通りです。　ところが・・・・・　　　すいやせん、１００万だけではないんです・・・・・。」チーフ　　「なんだとっ !? 」審判役　　「申し上げ辛いんすが、チャンプが相手をしたのはなんと女性だったんでさぁ。」チーフ　　「お、女だとっ !? 」審判役　　「それで試合前に２００万につり上げられやして・・・・・つい・・・・」チーフ　　「に、に、２００万っ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なんてことだ・・・・・・」　床にヘタり混むチーフ・・・・店主　　「その追加された１００万の借用書ならここにある。」　チーフの背後に立ち、審判役が記載した借用書を見せる店主。チーフ　　「店主 !? 」審判役　　「そ、それは・・・・」　店主が背後に立っていたことに驚くチーフ。　そして手にぶら下げた１枚の紙が、先程自分の書いた借用書であることを確認する審判役。店主　　「白いチャイナを着た女が食事の代金として置いていったよ。」審判役　　「まぎれもなくこれはあっしが書いたモノでさぁ。」アナウンス役　　「そ、その女ですっ！　こ、ここへ来たんですか・・・？」店主　　「先程な。」チーフ　　「このやろーーっ！　　　店主殿が取り返して下さったからいいものの、おまえら合計２００万、　　　どうするつもりだったんだっ！」　再び罵声と共に、正座をして座り込む３人を何回も足蹴にするチーフ。店主　　「まあまあ。。。　そう熱くなるな。　　　彼等とてどうすることもできんかったのだから・・・・。　　　仮にもこのチャンプ、世界チャンピオンを破った本物のチャンプだ。　　　つまり、世界一の男だよ。　　　あんな街のチャレンジャーの中にまさか負ける相手が現れるなんて、誰も思わんわな。　　　その女、この借用書の発行元がここだと知ってて渡しに来たようだ。　　　幸い、借用書の金額は女２人分の食事代だけで済んだ事だし。　　　そんなことより、このチャンプを破る相手が現れたってことが問題だ。　　　なんせこいつは高い銭ハタいた特別な男だからな。」チーフ　　「す、すいませんでした。　取り乱しまして・・・・。　　　何が何だか・・・・」店主　　「まあ良い。　　　しかしこいつに勝った相手が女・・・か・・・・」審判役　　「店主、女に何か・・・？」店主　　「あぁ、この街には昔似たような噂が流れてな。」チーフ　　「　強い少女伝説？　」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第５３話　綉榠餡（しゅうめいかん）の裏その２へ　（今日に限った話しじゃないよね）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月09日

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第五十一話　　中華綉榠餡（しゅうめいかん）　（足が言うこと聞かないんだよ・・・・

.　４人を載せたタクシーはおよそ10分後、和恵指定の中華店綉榠餡に到着した。　店は大きくそびえ建ち、とっても豪華な店構えである。　金と赤・白の配色をバランス良く取り入れ、他とは異なる演出度満点。　店先にはポーターがおり、車のドアの開閉等を補助してくれていた。　タクシーの扉が開いたのち、玄関まで誘導してくれる。美咲　　「素敵なお店ね。」ポーター　　「ありがとうございます。　さっ、中ほどまでどうぞ。」和恵　　「青龍の間をお願い。」ポーター　　「かしこまりました。」男４　　「お、おい・・・・、なんか凄いお店だなぁ・・・・」男５　　「おれ、ちょっとビビってきた・・・・・」　ボーイらしき男性とバトンタッチし、部屋への案内を受ける。　ボーイに連れられ、豪華なじゅうたんが退かれている階段を、一段ずつ上っていく４人。　男５はビビリまくりで、階段を上るその足がおぼつかない。　膝が笑い出していて、半ば震えに近いものがあった。男４　　「おい、しっかりしろよ・・・・・」男５　　「足が言うこと聞かないんだよ・・・・」　一方の女性二人はというと、美咲　　「素敵ねぇ～。。。　和恵は良く来るの？　お部屋まで指定して。。。」和恵　　「私は作り手だからそうちょくちょくとは・・・。　　　以前とくさんに連れられて数回。。。ってとこかな♪　　　お部屋はとくさんに、行った時はそこを指示しなさいって。」美咲　　「とくさんって、顔広いのね。。。」和恵　　「銀座高級クラブのママやってたからね。そっち関係は凄いみたい。」ボーイ　　「こちらでございます。」　大きな扉を開けたとたん、美咲と男２人は驚いたっ美咲　　「うわ～～♪　広くて豪華なお部屋だわ。。。」男４　　「うわっ」男５　　「えぇっ」　正面には大きな屏風があり、龍と虎が今にも動き出しそうな迫力で描かれていた。　カベには中華皇国古来に使われたと思われる双剣が飾られており、それぞれの柄からは　金色の装飾紐が垂れ下がっていて、ムード満点。　柄の長い槍もいくつか飾られている。　その下には木製で彫り物のあるテーブルにりっぱな壺がいくつか飾られていた。　ボーイが、椅子を引き和恵が座るのを待ち、座るタイミングで椅子を前に出した。　他３名にも、もう一人のボーイさんが対応していた。ボーイ　　「御飲み物は如何致しますか？」和恵　　「そうね、美咲は何にする？」美咲　　「昼間っからお酒っていうのも。。。ウーロン茶でいいわ。」和恵　　「そちらのお二人さんは？」男４　　「ぼ、ぼくらも同じので・・・・なっ。」　　同調を求め、男５を見る男４。男５　　「は、はい・・・」　　完全に雰囲気に飲まれている男５。和恵　　「では、ウーロン茶を３つと、ジャスミンティー１つお願いするわ。」ボーイ　　「かしこまりました。」　ボーイ２人が引き上げて行く。美咲　　「無駄に広い御部屋ね。。。　たっぷりと３０人くらいは入れるんじゃないの？」和恵　　「そうね、６人用円卓が５つ分よね。」男４　　「あのぉ～。　お食事は何にしますか？」和恵　　「ここのお部屋を頼むとね、お決まりのコース料理になるの♪　勝手に出て来るから。。。」男５　　「えぇぇっ！　コ、コース料理・・・？」和恵　　「そうよ、ここは普段は使わせない部屋らしいの。　　　使う代わりにお決まりコースでって約束なの。。。」男４　　「そ、そうですか・・・。　　　あのぉ・・・・ちなみにお一人御いくらぐらいするものなんでしょうか？」和恵　　「そうね、飲み物別で一人壱拾萬かな。。。」男４　　「いち、じゅう、まん・・・・じゅ、１０万円 !!! 」和恵　　「そうよ、ご馳走してくれるんだったわね♪」男４　　「あ、いえ・・・・そ、そうだ、用事を思い出しました。　　　ちょっとぼくらはこれで失礼させて頂きます。　なっ。」　また相方に同調を求めるため、男５の顔を見る男４。男５　　「お、おぉ、そうだ、用事を思い出したよ・・・・」　そして慌てて部屋を出て行く二人であった。和恵　　「あらま、残念ね。　ここの料理は美味しいのに～☆」　とニコニコする和恵。美咲　　「逃げちゃったわ・・・・。　にしても、そんなに高いと私も・・・・」和恵　　「大丈夫よ。」　そこへ飲み物を持って来たボーイが入って来た。ボーイ　　「えっと、お連れ様は・・・？」和恵　　「急用で退店したわ。」ボーイ　　「ではこの御飲み物は・・・・」和恵　　「いいわ、頂いておくわよ。」ボーイ　　「恐れ入ります。」　ボーイは２つずつ飲み物を二人の前に置いた。　そして、ボーイ　　「ご注文は何になさいますか？」和恵　　「そうね、もうちょっと時間頂けるかしら♪」ボーイ　　「かしこまりました。」　ボーイが一端退室すると、メニューを見る和恵。美咲　　「なぁ～んだ、そういうことだったの。。。」和恵　　「まぁね。。。　彼等にご馳走してもらっても良かったんだけどね (^ ^ 　　　さすがにそれでは気が引けてね。。。」　　二人は笑いながらメニューを見つめていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第５２話　綉榠餡（しゅうめいかん）の裏へ　（このバカヤローーっ！）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月08日

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第五十話　　ブッチー浜田 vs 腕相撲チャンピオン　（ナンダー！ナンダー！ナンダーーーー！）

.アナウンスのお兄さん　　「どこかで御見受けした方だと思えば、ナンダー！ナンダー！ナンダー！で有名な、　　　あの新興プロレスのブッチー浜田さんではありませんかっ！」（参加する男性）改めブッチー浜田　　「早くやらせろ」アナウンスのお兄さん　　「了解しました～♪　みなさん、これは見物ですっ、過去最強のチャレンジャーと　　　言えるのではないでしょうか！　　　チャンピオン、勝てる自信は？」チャンピオン　　「相手が誰であってもオレは負けない。」アナウンスのお兄さん　　「ブッチー浜田さん、チャンピオンはあんなこと言ってますよ～？」　ブッチー浜田は壇上で怒りをあらわにし、いつものパフォーマンスで観客にアピール。　ブチ切れる動きをすると観客から歓声があがり、　　　　　　　　　　　　　　　そして力を貯えた動きから観客と一緒に拳を持ち上げ、　『ウォーーー、ナンダー！ナンダー！ナンダーーーー！』　と怒声を張り上げたっ！　　　　　　　　　　　　　再び観客から歓声が沸き起こった。アナウンスのお兄さん　　「さぁ、戦闘体制が万全のようです。　では試合を始めましょうか。　　　お二人、準備をお願いします。」　二人は、真ん中に用意されているテーブルに歩み寄る。　相手をにらみつけ、威嚇するブッチー浜田とチャンピオン。　審判の催促で左右両端に突き出た太さが約直径３cm、高さが１２cm程の突起棒に　左手を添える。　そして右手のヒジをついて、お互い握り合う。　掴んだ手、握った棒、立ち足の位置などをにぎり直したり、足を小刻みに移動したりと　細かく調整していた。アナウンスのお兄さん　　「さぁ、準備が整ったようです。　それでは始めましょう。。。」審判　　「手首を緩めて・・・・」　二人が握る拳をくるくると数回回して真っ直ぐ立ったところで両手で止めて固定した。審判　　「レディーーー・・・・・ＧＯっ！」　審判の掛け声と共にテーブルがミシっと音を発てたっ！　腕の筋肉が張り詰め、全身を震わせる二人。　握る拳、腕がピクピクと振動している　握ったこぶしの位置が動かないっ審判　　「ファイトっ！　ファイトっ！」　一進一退の状況に、ムチを入れる審判。　観客も大声援と共に戦況を見つめている。　どちらも譲らずの好勝負となっている。　テーブルが悲鳴を上げるが如くミシミシと音を発てている。ブッチー浜田　　「ぬぉーーーーっ」　一段とパワーを込めるブッチー浜田。　汗が流れ出した顔は、恐ろしい形相になっている。　ジワジワとブッチー浜田優位に動きだしたっチャンピオン　　「この程度でオレに勝てると思うなよっ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　クイっ　しゃべる余裕があると見えるチャンピオン、形勢を再びイーブンまで立て直す。ブッチー浜田　　「うぉーーーーっ！」　更に気会いと共に全身のパワーを腕に込めるブッチー浜田。　棒を握る左腕も硬直し、プルプルと震えている。　歯を食いしばるブッチー浜田であったが、拳の位置は変わらない。チャンピオン　　「終わりにしようや。」　するとチャンピオンが唇を噛み締めたかと思うとっ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彡ダン★　『おぉぉっ』　　観衆から歓声が上がったっ審判　「ウイナー、チャンプっ！」　チャンピオン側の手を上げて、勝者を示す審判。　ブッチー浜田は、右腕を押さえて苦痛の表情をしていた。　『チャンプ、つえーーーー！』　　観衆から拍手の祝福。美咲　　「和恵もチャレンジしてみたら？」和恵姉さん　　「こんな場ではやめとくわ。」美咲　　「さっきのイヤリングがいくつも買えたりするわよ♪」和恵姉さん　　「いいの、見世物じゃないんだから・・・・」美咲　　「クールなのねぇ～」和恵姉さん　　「行こっ」美咲　　「はいはい。。。」　二人はその場から脱出する。　が、突然立ち止まる和恵。和恵姉さん　　「ふぅ～ん。。。」美咲　　「どうしたの？」　和恵の見つめる先を自分も追ってみる美咲。　その視線の先には、心臓病をわずらう少年への手術代カンパの募金をしていた。美咲　　「あら、素敵な［理由］じゃない♪」　美咲が言い終わるよりも早く、クルっと向きを変え、　再び観衆の中に消えて行く和恵姉さん。　その数分後・・・・・・　腕を押さえてかがみ込むチャンプと、唖然とするアナウンサー、　口をあんぐりと開けて呆然とする審判らを尻目に、　観客の拍手喝采の嵐の中を飛び出して、そのまま募金を募る女性に賞金を渡す和恵の姿　があった。美咲　　「あんな人にも勝てちゃうんだ♪」和恵姉さん　　「何のチャンプだか♪　町内会の大会なんじゃないの？」　　ウインクする和恵姉さん。美咲　　「そっか♪」　　調子を合わせる美咲。和恵姉さん　　「ちょっとだけ、憂（う）さ晴らしになったわ。　食事にでもいこうっか♪」美咲　　「おっけ～☆　和恵は何食べたい～？」　そのとき、またまたまた、男性二人から声を掛けられた。男４　　「そこのお嬢さん、すいませんが今何時だか教えて頂けませんか？」和恵姉さん　　「身なりはキチンとしているのに、時計の一つも持ってないの？」男５　　「慌てて飛び出したので、二人揃って忘れてしまって・・・・」美咲　　「あらま、・・・・えぇっとね、お昼５分前よ。」男４　　「ありがとうございます。　もうお昼ですか。。。　そうだっ、」和恵姉さん　　「お昼時間だから。。。私たちにご馳走でも。。。してくれるのかしら♪」男５　　「そうですね、お礼にご馳走。。。名案です♪　乗ったっ！」男４　　「乗った♪」和恵姉さん　　「乗った～♪」美咲　　（えっ !? ）　　断ると思っていた美咲、驚く顔をする。　美咲にニコっと笑顔を返す和恵。美咲　　「じゃ、私も乗った～☆」　　またまた歩調を和恵に合わせる美咲。　この男二人は、身なりはしっかりとしていて、それなりのスーツとジャケットを羽織り、　チャラチャラとした装飾品はほとんど身につけていなかった。男４　　「どんなお食事を所望されますか・・・？」和恵姉さん　　「そうね、中華がいいかしら～♪」男５　　「それ、いいですね。。。」和恵姉さん　　「じゃ、き・ま・り・♪」男４　　「お嬢さんの今日のお召し物にピッタリ☆」男５　　「確かにそうですね。。。素敵なチャイナでよくお似合いです。　　　中華店でも映えることでしょう～♪」和恵姉さん　　「ありがとう。　お店は指定したいの。。。綉榠餡（しゅうめいかん）がいいわ。」　美咲がはっとする。　そう、そこは高級中華料理店で知る人ぞ知るお店。男４　　「そこは遠いのですか？」和恵姉さん　　「そこの道からタクシーで１０分ぐらいかな。。。」男５　　「そうですか、ではタクシーを拾いましょう♪」　歩行者天国で車両を通行止めにしていた交差点に走り出す男５。　美咲が和恵に耳打ちする。美咲　　（いいの？　高いお店よ？）和恵姉さん　　（彼等がご馳走したいって言うんだから。。。　お言葉に甘えましょうよ。　　　それに、私達をナンパしたからには覚悟してもらわないとね♪ ）美咲　　（ナンパ？）和恵姉さん　　（そうよ。今どき携帯持ってない人って珍しいでしょ？　　　時間なら他にも調べられるわ。　腕時計持ってなくても♪ ）美咲　　（なるほどね♪ ）　先に見える交差点から手を振る男５。男５　　「捕まえました～。。。」男４　　「タクシー止めた様です。　行きましょう。」和恵姉さん　　「そう、では行きましょうか。。。」　美咲はニコニコしながら和恵に付いて行った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第５１話　中華綉榠餡（しゅうめいかんへ　（足が言うこと聞かないんだよ・・・・）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月07日

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第四十九話　　和恵姉さんと美咲の銀ブラ？　（今度は何っ！）

.　今日は日曜日。　天候も日本晴れ。　風が微かにそよいでおり、美咲の髪の毛を優しくなでていた。　お肌へのＵＶ対策を万全にし白いシャツとブラウス姿、水色のスカートがフワフワと　風のいたずらに嬉しそうになびいていた。　軽やかに歩く足元は、白いヒールサンダルが清々しさをよりいっそう引き立てていた。　到着したのはご存じ華夢on 美咲　　「和恵～♪」　　　　　和恵姉さん　　　　　　　「もうちょっと待ってて～♪」　奥から和恵姉さんの声。こういち　　「美咲先生、おはようございます。。。」美咲　　「おはよう、こういち君。　和恵は？」こういち　　「なんかね、まだ着ていく洋服が決まらないらしくて、　　　パンツ一丁で洋服と格闘してたよ。。。　　　ベッドの上はチャイナだらけだったし・・・・」美咲　　「久しぶりのお出かけだから、迷っちゃうものなのよ。」こういち　　「ふぅ～ん。。。女性って大変なんだね。」美咲　　「そっ、身なりで気分も心もモチベーションも変わるわよ。」こういち　　「おいらには分かんないや・・・・何着ても変わらないし・・・・」美咲　　「あら、胴着を着た時には気持ちが戦闘態勢になったりしない？」こういち　　「全然・・・。　相手によって気が引き締まったりとかはあったけどね。　　　姉ちゃんも何着ても変わらないんじゃないのかな。。。いっつも同じ感じだし。」　思い出したようにこういち、こういち　　「そぅだ　今日の美咲先生の姿、清楚でとっても素敵だね♪」美咲　　「あら、ありがとう～☆　でもめずらしいわね、こういち君がそんなこと言うのって。」こういち　　「だって、私服の美咲先生に会ったら、そう言えってゆうすけが・・・・」　　　　　　　カァーーーん★　☆o☆（いつものフライパンで）和恵姉さん　　「その部分はね、美咲には内緒にしなきゃいけないのっ！　　　はぃ、おまたせ～☆」　そこには、白いチャイナドレスに身を包み、金色のヒールサンダルと　深く裂けたスリットが艶めかしい、セクシー姿の和恵がいた。　背中には［龍］の金の刺繍を施してある、なんとも後ろから見ると攻撃的な絵柄。　龍の手としっぽが前側に回り込んでいる。　白地に金が映える素敵なデザインだ。美咲　　「和恵、とってもセクシ～☆ だわ。。。」和恵姉さん　　「美咲だって、清楚で清々しく素敵に似合っているわよ♪」こういち　　「そんな挑発的な姿でドコ行くの？」和恵姉さん　　「挑発じゃないのっ。　正装よ。　でもブラブラするだけなんだけど (^ ^* 」美咲　　「そっ、たまには女性だけで街をブラブラするのもいいものなのよ。。。」こういち　　「ふぅ～ん・・・・まっ、楽しんで来てね♪　　晩ご飯までには帰ってきてよ。」和恵姉さん　　「はぃはぃ。。。　それじゃ、行って来るわね♪」美咲　　「こういち君、御留守番しっかりとね。」こういち　　「はぁ～ぃ。」　街の大通りでは、車・バイクを遮断して歩行者天国になっていた。　大勢の人が買い物やウインドーショッピングを楽しんでいる。　車道には、商店街の人たちによるベンチやテーブルなどで休憩できるスペースも用意され　ている。　また、ちょっとしたゲームや、催しモノで人だかりができているところもあった。　『へいらっしゃい♪』　露店も出ていて、たこやき、焼きそばなど、祭りさながらのにぎやかさだ。　ここの商店街、［力］、入ってます。。。　あの二人は・・・・というと、デパート１Ｆ前のショーケースを眺めていた。　遠くから見ていると、子どものように無邪気に笑顔を見せ、　向かい合っては口を尖がらせたり、笑ったり。。。　女子二人の休日を満喫しているようだ。和恵姉さん　　「ねぇねぇ、このピアス、美咲に似合いそうよ♪」　ガラス越しに指を差す和恵。　その指先を確認するように視線をずらしていく美咲。美咲　　「左から二番目でしょ♪　まぁ～素敵ね。。。」和恵姉さん　　「その隣のよ・・・・。好みが異なるのか。。。(^ ^；」美咲　　「隣のそれ、和恵に似合いそぉ～☆」和恵姉さん　　「そうかなぁ。。。　でも、値段・・・・０が１つ多いわ・・・・。」美咲　　「残～念・・・。　あっち見てみましょうよ。。。」　向きを変えた二人に、声をかける男性二人。男１　　「そこ行く素敵なお二人さん♪」美咲　　「あら、私たちのこと？」男２　　「そうですよ、あなた方しか素敵なお二人なんていないじゃないですか～♪」男１　　「ファッション誌のインタビューなんですが、二・三、質問させて頂きたいのですが♪」和恵姉さん　　「私はいいから、美咲が答えといて。」男２　　「そう言わずに、お二人共伺わせて下さいね♪　えっとまず・・・・・・」　マシンガンのように次ぎから次ぎへと質問攻めに合う二人。　最後に写真を撮られていた。和恵姉さん　　「何よ、全然二、三じゃないじゃない、時間のロスね。」美咲　　「でも、有名な雑誌だったわよ。お店のこともメモしていたから、掲載されたら　　　［華夢on］の宣伝になるんじゃない？」和恵姉さん　　「宣伝なんていらないわよ。　　　今でもそれなりなんだから、必要以上にお客が増えると買い出しが大変なの。　　　それに、来店人数にバラツキが出ると、ナマ物は余るとアウト。　　　品質管理上良くないわ。」美咲　　「そういうものなの・・・・　大変なのね・・・・。」　再び二人に駆け寄る男性がいた。男３　　「お姉さん、お姉さん、ちょっといいかなぁ～」和恵姉さん　　「良くない。」男３　　「そんなこと言わないで、ねね、映画でもご一緒しませんか？」美咲　　「映画ねぇ・・・・」和恵姉さん　　「ナンパならお断りっ！　予定が入ってるの。　別口探しなさいっ」男３　　「失礼しました～。。。」　そそくさと走り去る男３。和恵姉さん　　「いるのよね、ああいうのが。　　　ちょっと美咲っ。　あなた教育者なんでしょっ　　　　なんだか引っかかりそうだったじゃない。」美咲　　「そっかぁ、あれがナンパなのね。」和恵姉さん　　「まだヘタッピの口よ。　引っかかっちゃダメよっ　気を付けてねっ　　　まったく・・・・」美咲　　「はぁ～ぃ、以後気をつけま～す。。。」　　おちゃめに敬礼をする美咲。　そしてまたまた背後から男性が声を掛けてきた。男４　　「すいませ～ん♪」和恵姉さん　　「今度は何っ！」　恐い形相で振り向いた和恵。男４　　「ごめんなさ～い・・・・」　　そのまま駆け足で走り去っていった。美咲　　「うふふ。　ねぇねぇ、あそこ。　人だかりが出来ているわ、見に行かない？」　　右手奥を指差す美咲。和恵姉さん　　「気分転換にいってみるか♪」　二人が向かった先、道路のど真ん中に陣取って何やら催しモノを行っていた。アナウンスの兄さん　　「さぁさぁ次のチャレンジャーは居ませんか～？　勝てば賞金１００万ですよ～♪」　３０cm程の高さで畳６畳分程のスペースの台に、男性が三人立っていた。　派手でデカい蝶ネクタイ姿のアナウンサーのお兄さんと、審判のような人、　そして体格のいい筋肉質でランニング姿のゴツイお兄さん。　腕周りが普通の人の太ももよりも太い。　その三人の前には、テーブルが一つ。アナウンスのお兄さん　　「さぁ、腕相撲でこのお兄さんに勝てば、賞金がもらえるよ～♪　　　次のチャレンジャーの方はおりませんか～？」参加する男性　　「おれがやる。」　　手を上げて意志表明をする男性一人。アナウンスのお兄さん　　「はい、ありがとうございます♪　手をあげたその方、こちらに上がって来て下さい♪」　参加意志を表明した男性が、壇上に上がってきた。　参加する男性を見て、観客がざわめき始めた。アナウンスのお兄さん　　「ではまず、お名前から聞いてみましょう。　お名前は？」参加する男性　　「猪狩源五郎。」アナウンスのお兄さん　　「いかりさん。　御職業は？」参加する男性　　「プロレスラーだ。」　見学者から再びざわめきがあり、その後、拍手が沸き起こった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第５０話　ブッチー浜田 vs 腕相撲チャンピオンへ　（ナンダー！ナンダー！ナンダーーーー！）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月06日

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第四十八話　　謎のケンカ空手男　（それはあんたの見聞が狭いだけだ）

.ゆうすけ　　「何も今行かなくても・・・・腹へってたのに・・・・」こういち　　「まぁそう言うな。」ゆうすけ　　「お前のこと、かなり気にしてたからな。」こういち　　「あぁ。」　そう、二人の歩く先は浦羽高校方面であった。　住宅街、この時間はサラリーマンの会社帰りの帰宅者が数人、　そして塾帰りの学生が自転車で、そして小学生の場合は親が同行したりと、　そんな住人とすれちがう。　だが、寂しい風景には違いない。ゆうすけ　　「椿さん、まだまだレベルアップしたいみたいだけど・・・・」こういち　　「まだ上がるさ。」ゆうすけ　　「でも限界も近い？」こういち　　「時間があればね。もっと引き上げられる。　　　人間の存在能力は隠れている方が多いかもしれない。　　　日常使うのはその一割だけだ。」ゆうすけ　　「潜在していても使うところに恵まれない者　　　　　　　　　　そして一方では引き出す必要が有る者・・・・・か。」　二人は夕方、武藤が襲われた現場に差しかかった。　と、その時っこういち　　「ゆうすけっ !! 」ゆうすけ　　「さんきゅっ！」　突然、近くに居た散歩に連れられていた犬が、急に吠え出したっ！　　　　ガルゥゥゥゥ　ワン！っワン！っワンっ！　　　　　　　シューーーーー　　ガシっ★　　スタン。　木の上に潜んでいた何者かが、こういち目がけて落下しながら蹴りをお見舞いした。　左手一本で払いのけたこういちから離れて着地した謎の男。ゆうすけ　　「犬より早いんだよ、こういちの察知能力はね。　　　それに、さっきと同じところから、同じような攻撃。。。　　　ちょっと能が無いんじゃないのかな。」　こういちの合図で、先に道路横に回避していたゆうすけ謎のケンカ空手男　　「ふっふっふ。」　そこに現れたのは、夕刻、武藤を襲い、そして浦羽高校空手部を襲撃した　謎のケンカ空手男だった。謎のケンカ空手男　　「まぁそういうな。こっちは待ちくたびれて、シビレてきていたところだ。」ゆうすけ　　「何故、浦羽高校を襲った？」謎のケンカ空手男　　「さぁな、まっオレの気分とでも言っておくか。」こういち　　「・・・・・」ゆうすけ　　「もうひとつ、何故武藤さんを襲った？」謎のケンカ空手男　　「武藤？誰だか知らんな。　　　が、先程ここで・・・のやつなら通りがかった次いでだよ。　　　では逆に聞こう。　　　何故この時間にここに来た？」こういち　　「それは、きさまの体に聞きたいことがあるからだっ」謎のケンカ空手男　　「ほぅ、目的が一致していたらしい。話が早いようだ。　　　オレも貴様の体に聞きたいことがある。　　　オレのスピードに付いて来たヤツは初めてだったからな。」ゆうすけ　　「それはあんたの見聞が狭いだけだ｡｡｡」謎のケンカ空手男　　「そうか、ではこれで見聞は広がったかな。」こういち　　「だといいがな。」謎のケンカ空手男　　「くっ、減らず口を・・・。さて、そろそろ始めていいか？　　　ここだと住人に迷惑が掛かると思うが。」ゆうすけ　　「通報する時間はあっても、警察が駆けつけるまでにはもう終わっているさ。」謎のケンカ空手男　　「長引くと思うが。」こういち　　「どうかな。」謎のケンカ空手男　　「ふっ、ならここでゴングだっ！」　　いくぞっ　そう言い放つと、突然の猛攻でこういちを襲ったっ！　　　　　シュッ　シュシュッ　シュッ　シュッ　シュッ　シュッ　　　　　　　　シュッ　シュシュッ　シュッ　シュッ　シュッ　シュッ　謎のケンカ空手男のローキック、横げりからの裏拳、左右の繰り出す拳、　　　　　サッ、　サッサッ、　サッ、　サッ、　サッ、　サッ　　　　　　　　サッ、　サッサッ、　サッ、　サッ、　サッ、　サッ　繰り出される蹴り、パンチを軽々とかわし続けるこういち　攻撃をかわされ続け、一端間合いを取る謎のケンカ空手男謎のケンカ空手男　　「避けるスピードだけはあるようだな。　　　だが、逃げているだけではオレは倒せんぞ。　今度はどうかなっ」　こういちに、再びラッシュを浴びせる謎のケンカ空手男　そのスピードが先程よりも数段上がっていたっ　　　　ガシッ★ガン★ガン★ガシッ　　　　　　　　　　　　　　★ガン★ガシッ★ガシッ★ガシッ★　　　　　　　ガン★ガン★ガシッ★ガン★ガシッ★　　　　　　　　　　　　　　　　　　ガシッ★ガシッ★ がしっ★　ことごとく謎のケンカ空手男の攻撃を受けて凌いだこういち、　最後の回し蹴りをも受け止めたっ！　サッと引き間合いを取る謎のケンカ空手男。謎のケンカ空手男　　「くっ、やるなぁ。　だが、避けきれないと見えて今度は防戦一方。　　　攻撃は出来ないと見た。　先は見えたな　あっはっはっは。」ゆうすけ　　「あんた、余裕かましてられねぇ～んじゃないの？　　　相手はあんたの攻撃に、全然こたえて無いみたいだぜ (^ ^ 」　　　　（さぁて、次ぎは取って置きのが来るってことかな。。。）謎のケンカ空手男　　「ふん、次ぎで終わりにしてやるよ、ほざくのもそれが最後だっ！　　　覚悟しろっ！」　そう吐き捨てると、いままでに見せなかったスピードで突進してきた謎のケンカ空手男、　斜め前に前転してこういちに近づき、手刀を繰り出した。　続け様に鋭い蹴りと見せかけて急にしゃがみ、トリッキーな動きでこういちの足を　払いに来たっ　こういちは、鋭い眼差しで攻撃を見つめ、　最初に来た手刀を右手で払いのけ、フェイントの蹴りには無反応。　続けて繰り出された足払いには、右足を一歩引いて避けた。　謎のケンカ空手男は、ニヤリとした後こういちの避けた位置めがけて、しゃがんだ状態から　急にジャンプし、太極拳の旋風脚のような大技を繰り出したっ！　　　　うぉーーーりゃーーーーっ　もの凄いスピードとトリッキーな攻撃の後、大技で決めにきた謎のケンカ空手男謎のケンカ空手男　　「これでおしまいだっ」　が、次の瞬間っ　　　　サッ☆　　空振った謎のケンカ空手男謎のケンカ空手男　　「なにっ !? 」　　（避けただと !? ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ズコッ★　こういちは、謎のケンカ空手男の大技をかがんで避けた後、そのままジャンプして　謎のケンカ空手男の繰り出した技と同じ技を謎のケンカ空手男にお見舞いしたのであった。　　　　　ぬおっ　　　　　　　　　　彡ドサッ　横に飛ばされ、地面に叩きつけられた謎のケンカ空手男、　うぅぅ・・・・　　　声にならないうめき声を発していた。謎のケンカ空手男　　（あの技を・・・・避けることなど・・・・）ゆうすけ　　「終了のゴング鳴らしていいか？」謎のケンカ空手男　　（くぅ・・・・）　まだ起き上がることも声を発することも苦しい様子。　　（おれが・・・・このおれが・・・・・）こういち　　「動きの速い相手にモーションの大きい大技をぶつけるのは選択ミスだ。　　　ゆうすけ、帰るぞ。」　ゆうすけがうなずき、二人は夜の闇の中へと消えていった。謎のケンカ空手男　　（最高のスピードで蹴りに行ったんだぞ・・・・それを避けやがった・・・・　　　それに同じ技を繰り出してきやがった・・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ごほっ　　　このおれが見えない程のスピード・・・・で・・・・）　倒れたまま動けない謎のケンカ空手男。　しばらくすると、倒れた謎のケンカ空手男の元に一台の国産セダンが近づき、２人が　降りて来た。　２人は驚いた様子で顔を見合わせた・・・・。　その後、謎のケンカ空手男を２人で車に担ぎ込むとこの車も夜の闇の中へと消え去っ　て行った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第４９話　和恵姉さんと美咲の銀ブラ？へ　（今度は何っ！）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月03日

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第四十七話　　うごめく謎　（はい、またまた交換ですよ）

.　ガチャガチャ　　（氷水が入ってた器からタオルを出している音）利江　　「はい、また交換ですよ。」椿　　「すまないね、ありがとう。」利江　　「いぃえ～。。。♪」和恵姉さん　　「にしても、椿君がねぇ・・・・　　　うちのこういちとの一戦以来だわね、冷やす姿は。」　ここは夜の華夢on、お店の片隅で足を冷やす椿と、それを介護する利江の姿があった。椿　　「いや～、あの時とは比べられませんよ。　　　あの時攻撃していたのは私だったんですから・・・・。　　　攻撃してあのざま・・・・、御恥ずかしい限りです。」こういち　　「困ったことなんだよね・・・・」ゆうすけ　　「かもな・・・・。」和恵姉さん　　「ってことは、それだけ椿君の実力が上がったってことね。」ゆうすけ　　「別の見方をすればね・・・・・、だから困るんだよ。」こういち　　「あぁ、今の椿さんの反射神経とスピード、そうそう付いて来れる人はいない程に　　　までなっている。」ゆうすけ　　「なのに、それを上まわる相手が出て来たってことがね。」こういち　　「だけど・・・今日のあいつ、違うんだよ・・・・　　　普通の人と・・・・」椿　　「なんだって !? 」こういち　　「そう、違うんだよ。　　　普通の人って、目で見て、頭で判断して、で体動かしてって、　　　必要な最低限の時間ってあるよね。　　　必要な時間、あるいは掛かってしまう時間が。」ゆうすけ　　「車のブレーキがそうだ。　目で見て、実際にブレーキペダルを踏むまでの空走時間、　　　それに踏んでからブレーキが効いて止まるまでの制動時間。」こういち　　「うん、まぁそれだ。　　　目で見て、頭で判断して、体動かしてってこの時間が、あいつは常識で出来る時間よりも　　　うんと早いんだよ。　でもって、技のスピートもある。」ゆうすけ　　「おまえが言うなって・・・・(^ ^；」こういち　　「でも、その時間の違いに気が付くことが出来るのは、　　　あと姉ちゃんくらいだもん・・・・」和恵姉さん　　「こういちが言うなら間違いないわ。　　　この子も私も、子どものころから鍛えに鍛え上げ、磨ぎすまされた超一流の拳法家と　　　数え切れない程戦っているから。　ある程度の限界って感じ取れているかも。」こういち　　「その［時間］が・・・・・あいつは普通の人間じゃないんだっ」椿　　「どういうことだ。」ゆうすけ　　「つまり、こういちみたいのが他にも居る可能性があるってことか・・・・」こういち　　「ただ・・・・、おいらも姉ちゃんも、DNA が 4,000年分鍛え上げられているけど、　　　もしもだ、他にもそんな人が居るとしたら、先祖代々のどこかで遭遇していても　　　おかしくないよ。」和恵姉さん　　「そんな話し、聞いたことがないわね。」ゆうすけ　　「突然変異・・・・一言では語れないが、こんな言葉もある。」　ガチャガチャ　　（再び、氷水に入っていたタオルを出している音）利江　　「はい、またまた交換ですよ。」椿　　「すまない・・・。　　　だが、何故ヤツがうちの高校に・・・・」ゆうすけ　　「挨拶代わりとはいえ、通りかかった我々にもちょっかいを出したってことからすると、　　　必ずしも目的が浦羽高校の空手部員ということでもないのかもしれないです。」椿　　「すると他の高校にも同じことが起きている、または起きる可能性があるってことか。」ゆうすけ　　「現段階ではそこまでの推測しか・・・・・。」こういち　　「どこかで似たような話があったよな・・・・・」椿　　　!?　　「そういえば、我が古流柔道界に現れ、極秘事項になっている高校１年の行いだ。」こういち　　「なにか感じないかい？」ゆうすけ　　「強引かもしれないが、ケースとしては、かなり似ているかもしれない。　　　まさか、あいつが？」こういち　　「それは違うな。　得手が異なると思う。」椿　　「確かに、柔道に関しては素人と言って良いほどその防御は甘かったな。」利江　　「全くの別人かぁ・・・・・」ゆうすけ　　「別人かぁ。だが、全くの別件と決めつけるのも無理が有ると思うな。」利江　　「今後の動向次第ってこと？。」こういち　　「あぁ。　　　で椿さん、今後のひとつの目標が出来たんじゃない？」椿　　「うむ、そうだな。」ゆうすけ　　「なる程、古流の問題児は、今日のヤツと似たようなレベルかもしれないと予想し、　　　目標を今日の相手のスピードを想定したところに据えるってことか。」こういち　　「無駄であって欲しいけどね。」椿　　「だな。。。　　　だが、ここからのベースアップはそう簡単にすくすくとはいくまい。　　　地獄・・・・の特訓となるか・・・・。」ゆうすけ　　「あとは遭遇するまでに、どのくらいの時間があるのかってことか。」椿　　「幸い、交流試合は今のところ予定は無い・・・・が、試合の場だけ、　　　とは行かないかもしれない。　用心に越したことはあるまい。」こういち　　「さてっと、おいらちょっと散歩に行って来るね～♪」和恵姉さん　　「はい、夕食。。。どうぞ召し上がってね♪」ゆうすけ　　「あれ !? 　おれの分が無い・・・・」和恵姉さん　　「行ってらっしゃ～～い。　　　ゆうすけ君の分は帰ってきてからね(^ ^　はぃ、一緒に出動よ。　　　利江ちゃんは私が送るわ。」ゆうすけ　　「あちゃ～、そうくるか。。。　さすが姉弟だな、しゃ～ねぇ、散歩行ってきま～す。」利江　　「私は一人で帰れますよ。」和恵姉さん　　「夜一人でご両親のところに帰す訳にいかないわ。　　　それに、念のため・・・・ね。。。」利江　　「えっ !?　　あっ。。。」和恵姉さん　　「そっ、それ当たり～☆　段々慣れてきたのかなぁ。。。」椿　　「私には何のことやらさっぱり・・・・」和恵姉さん　　「利江ちゃんにも顔見られているでしょ。　襲われる対象になりうるって事。　　　まっ、冷めないうちに召し上がってちょうだいな。」椿　　「は、はぁ･･･。　　　では、遠慮無く。　頂きます。」～～～　一方、散歩に出かけた二人は・・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第４８話　謎のケンカ空手男へ　（それはあんたの見聞が狭いだけだ）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月02日

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第四十六話　　ケンカ空手 vs 裏柔道　（えへへ。。。♪）

.　浦羽高校、空手部の道場。　今、この道場には、一人の男が仁王立ちで道場の中央を締めていた。謎のケンカ空手男　　「ここの空手部も大したことないなぁ。　あっはははははははっ」空手部員（一）　　「くそう、とうとううちの有段者が全員やられちまった・・・・」空手部員（二）　　「残りは一年坊ばかりじゃな・・・・」椿　　「きさまっ、試合をやりに来た割りには、随分なやり方だな。」　柔道部員達が集まっていた集団の先頭に立ち、腕組みをして話しかけた椿。謎のケンカ空手男　　「ふっふっふ、強いヤツが居なきゃこうなるのさ。格闘技ってもんはな。　　　次ぎの相手はきさまか～？」椿　　「お望みとあらば、相手をしてやってもよいが、無法者め、　　　望みを聞く前に、こちらから指名してやるっ　　　わたしの得手は空手ではないがな・・・・」謎のケンカ空手男　　「誰でもよいわ、勇気があるならかかってこい。」　椿は、道場の真ん中に向かって歩き出した。　そして空手男の前で立ち止まり、身構える。　見つめる先は、突然部活道場に現れ空手部員達をケンカ殺法で、　次々と痛めつけた　謎のケンカ空手男。　その目を、刺すように強い視線でにらみ付けていた。謎のケンカ空手男　　「おれはいつでもいいぜ。」　その言葉をきっかけに、椿が出たっ椿　　「いくぞっ」　前代未聞の、ケンカ空手 vs 裏柔道の一戦が始まったっ！　　　　　とりゃーーっ　先制攻撃は椿、挨拶代わりの右のローキックから左の突きを放つっ　それを謎のケンカ空手男は、左足の膝を上げて受け、左にステップして避けた。　謎のケンカ空手男は、着地したと同時に続けざまに右のローキックを出したっ　椿は膝を曲げて受けた後、後ろにステップして間を空けた。謎のケンカ空手男　　「ふっふっふ。」椿　　「・・・・」　　（くっ、早いな・・・）　一瞬ニヤけた謎のケンカ空手男が、続けて攻撃に入ったっ　連続の打撃技が間髪入れずに椿を襲う。　椿は、それをしっかりと見極めてスウェーしたり、かがんだり、ヒジを曲げて顔の横で　受けたりと防戦一方。　とっ、謎のケンカ空手男のヒザが、椿の股間目がけて跳んできたっゆうすけ　　「ここだぁ。」武藤　　「うっ」利江　　「きゃっ」　道場に到着した３人の視界には、恐ろしい光景が飛び込んできた。　道場の周りに、倒れ込んだ空手部員達。　苦しそうにうめき声を発している者もいる。　中には、腕を骨折、目から血を出している者など、大けがしている者も多数いた。ゆうすけ　　「・・・・こりゃひどい・・・・」　状況がまだ良く飲み込めていない３人をよそに、中央では、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ガシッ★　椿は、それを両手で受け止め、突き放した。謎のケンカ空手男　　「ほほぅ、少しはやるようだな。」　椿の額からは、汗が吹き出していた。謎のケンカ空手男　　「貴様の得手がなんだか分からんが、次ぎで終わりだ。」椿　　（くそ、こいつ早過ぎる。打撃技だけでは武が悪いか・・・・）ゆうすけ　　「あっ、椿さんっ !! 」武藤　　「するとあいつが道場荒しか・・・・」利江　　「こういち君は？」ゆうすけ　　「ありゃりゃ、まだ来て無いのか・・・・迷ってやがるな、まったく・・・・」　その３人が見つめる中、椿から仕掛けたっ　　　　　　　　　　とりゃーーっ　空手で言う正拳突きを見せに使い、今までの動きの癖（クセ）で避けると思われる左側に　既にハイキックを繰り出している椿。　正拳突きを左に避けた謎のケンカ空手男は、続いて来たハイキックもかがんで避けた。ゆうすけ　　「あいつ早いっ」利江　　「あっ、あの人・・・・」　そこへ椿の後ろ向きのヒジ撃ちが飛ぶ。　それを右手で受け止めた謎のケンカ空手男は、後ろ向きの椿に対して左ヒザを当てに行く。　その気配を感じた椿は、右に体を転がして立ちヒザ姿で対じした。謎のケンカ空手男　　「まだだっ」　立ちヒザ姿の椿を正面から下から上へのキックで体制を崩した後、　避けたところへ回し蹴りをお見舞いする謎のケンカ空手男。　椿は両腕で受け止める防御。　そしてその体制のまま謎のケンカ空手男の足を払いに行く椿。　が、これも見事によけられた。　続けて椿が左回し蹴りを放つ！　そのハイキックも避けられて空振った勢いのまま右後ろ回し蹴りに行く椿。　謎のケンカ空手男はこれを右腕で受けて止め、そして曲げたヒジをそのまま延ばして　椿の目に向けて指をチョキの様に２本立て、目つぶしに行ったっ！　椿さん、顔を下にっ！！　道場入り口にこういちの姿がっ！　声の主に目をやる謎のケンカ空手男。　そして驚いた顔を見せた。　椿は間一髪頭を下げ目つぶしをおでこで受け止め、謎のケンカ空手男の一瞬のスキを逃さず、　素早く引き手と襟元をしっかりと握り、体落としを見舞ったっ！　更に、落下中に右ヒジを相手の喉元に押し当てたまま床に叩きつけたっ！　　　　　　　　　　　　　　　　　ぐわっ　謎のケンカ空手男が床にころげた。椿　　「最後はかわされたか・・・・不完全だ・・・・」　はぁ、はぁ、はぁ・・・・・　程なくして救急車のサイレンが聞こえてきた。謎のケンカ空手男　　「くそう、今日は引き上げだ・・・・」　　そういうと、横の扉から素早く立ち去ったのであった。　と、椿が急に倒れた。　柔道部員達が椿の元に歩みよった。　『椿さん、大丈夫ですか？　椿さん・・・・』こういち　　「最後の投げの時、ひざ蹴りを後ろから受けていたよ。」　『しっかりして下さい。』椿　　「大丈夫だ、少し経てば良くなる。　　　それにしても恐ろしいやつだ。物凄いスピードを持っていた・・・・・」こういち　　「椿さんだから相手出来たんじゃないかな、ちょっと他の人では・・・」椿　　「ヤツは、こういち君に動揺していたようだが・・・・・」ゆうすけ　　「我々もここに来る時にやつに襲われたんです。　　　武藤さんが狙われて・・・・・。　　　その時にこういちが、ヤツを上まわるスピードで武藤さんを助けたので、　　　きっと・・・・」椿　　「ヤツも驚いた・・・・か。」こういち　　「それよりも柔道部のみなさん、負傷している空手部のみなさんを救急車に運ぶのを　　　手伝って下さい。」柔道部員　　『よっしゃっ』ゆうすけ　　「にしても、あの早さ、こういち意外には見たことないや・・・・」こういち　　「おいらも今までにそうないよ、あのスピードは。」武藤　　「スピードだけじゃないわい。　蹴りも重いものがあったぞい。」ゆうすけ　　「この武藤さんを一撃だったからなぁ・・・・　　　油断していたとはいえ・・・・。」利江　　「椿さん、左足っ」　みんなの視線のその先には、謎のケンカ空手男にローキックを受けた椿の腫れあがった　左足があった。椿　　「くそ・・・・」こういち　　「利江ちゃん、濡れたタオルを用意してくれるかな。冷やさなきゃ。」利江　　「分かったわ♪」　　とってもなニコニコで応対する利江。　　　　（えへへ。。。♪　こういち君からの初めてのお願い事だったの～♪）　　ナレーター：なるほど・・・・・　この事件が、闇夜にうごめく恐ろしい企ての一端だったとは、この時に気づく者は　誰もいなかった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第４７話　うごめく謎へ　（はい、またまた交換ですよ）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年02月01日

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第四十五話　　闇討ち・・・　（シャドーになってますよ）

.　数日後の放課後、伊藤裕太君　　「おぉ～ぃ、こういち～っ！」　手を振りながら、こういちに向かって駆け寄る裕太。こういち　　「裕太君。。。」　校門を出て浦羽高校に向かういつもの４人。　こういちが、後ろを振り返り、笑顔を返す。伊藤裕太君　　「はぁ、はぁ、はぁ、やれやれ、やっと追いついた・・・・。」ゆうすけ　　「どうした？」伊藤裕太君　　「いや何ね、今度の球技大会のメンバーが正式に決まったものだから。。。」利江　　「そういえば、今日の放課後に、各学年、各クラスのメンバーが発表になるかもって　　　言ってたわ。」武藤　　「で？」伊藤裕太君　　「うん、こういちとオレはサッカーに決定☆　明日の放課後から、順番にグラントを借りて　　　練習が始まるんで、いちを知らせておこうと思ってさ。。。　　　１年の我々は、借りる順番早いんじゃないかな。」武藤　　「そういや明日から練習みたいだな。　　　うちら柔道部は道場の一時明け渡しがないが、グランドや体育館を使用する部活動連中は、　　　開始時間が毎日遅れるらしい。」こういち　　「ありがとう。練習にはちゃんと参加するさ♪　よろしく頼むね (^ ^」伊藤裕太君　　「こちらこそ～☆」ゆうすけ　　「なぁ、他の種目はどうだった？」伊藤裕太君　　「うちのクラスはまんま通ってたよ。　　　他のクラスでは５組の女子バレーが全員バレー部だったから、却下されてたけど････」武藤　　「するとわしはどっちボールか・・・・気が進まんのぉ・・・・」利江　　「そのドッヂボール、最近流行のスタイルでやるみたいね。」ゆうすけ　　「そういや人数少なかったな。」利江　　「周りは壁を立てるから、人数で囲まなくてもいいやつ。結構ハードみたい。」武藤　　「どのみちえらいことじゃなぁ・・・・」　困った顔で話す武藤。こういち　　「武藤さんにも、柔道の練習になるって♪　　　ドッジボールの球は数メール先から襲ってくる訳でしょ？　　　　　　　　今の練習は１ｍぐらいじゃない。　そう思えば、ちょろいちょろい♪」ゆうすけ　　「そうくるか。。。楽観的だが、スポーツに対する感覚は鋭いものがあるなぁ・・・、　　　まさにその通りだな。」武藤　　「なるほど、反射神経の訓練か。」　うなずき始めた武藤。伊藤裕太君　　「じゃ、ボクはこれで。。。」ゆうすけ　　「さんきゅ～☆」こういち　　「またね。。。」　武藤がなにやら想像しながら体を動かしている。ゆうすけ　　「武藤さん、シャドーになってますよ。　イメージ出来るじゃないですか♪」こういち　　「ポイントは、投げられたボールを恐がって、逃げ回っていてはダメってこと。　　　向かって行って、掴むか弾くイメージで武藤さんはいいと思う。」武藤　　「うむ、なるほどのぉ。」ゆうすけ　　「そういや、おれもドッヂボールだったな。　利江ちゃんは何やるの？」利江　　「私はバスケ。　小学校の時にミニバスやってたから♪」ゆうすけ　　「へぇ～、利江ちゃんもスポーツ選手だったわけか。。。」利江　　「まぁね♪」　とっ、その時っ !!こういち　　「武藤さん、しゃがんでっ !! 」　と叫んだこういちは、続け様に利江に飛びつき抱きかかえて転げるように道路脇にっ　　　　　　　　　シャーーーっ　スタン彡　　ズボ　かがんだ武藤の頭上を飛び蹴りのスタイルのまま空振りした男が着地し、続けざま、　武藤の腹に横げりを浴びせた。武藤　　「ぐおっ」　　腹を押さえて倒れ込む武藤。　その男は、続けて武藤にヒジ打ちを当てに行くっ　　もの凄いスピードだっ　　　　　　　　　　　　　　ガシっ★　攻撃に行く男の空中姿勢の時、蹴りで武藤へのその攻撃を阻んだこういち。　その拍子にころげた男は、すっくと立ち上がり、驚いたようにこういちをチラっと見つめ、　そのまま走り去っていった。こういち　　「武藤さん、しっかり・・・・」　　心配そうに武藤を抱き起こすこういち。ゆうすけ　　「なんだったんだ、いったい・・・・」こういち　　「利江ちゃん、大丈夫かい？」利江　　「えぇ、私は・・・・」こういち　　「初めから、武藤さんを狙っていたらしい・・・・。」ゆうすけ　　「ところが、横槍を入れたこういちに驚いた。　　　　　　『くそっ、邪魔が入ったか』ってところだな。　　　だが、それ以上に驚いていた・・・・・。」利江　　「しっかりして、武藤さん。」武藤　　「うぅ・・・・・だ、・・・・大丈夫・・・・だ。」こういち　　「溝うちに入ったからね、しばらくすれば回復するだろう。」ゆうすけ　　「にしても、すっげーー速さだったな。　人並み外れて。　　　それに鍛えていた武藤さんに避ける暇も与えず、一撃で倒すなんて・・・・」利江　　「あの男の人、胴着みたいのを肩にしょってたわ。」ゆうすけ　　「だな。つまり武藤さんは、誰かに間違われたか、それとも通り掛かってたまたま　　　ガタいの大きい胴着担いだ男を見かけて・・・・仕掛けてみた・・・か。」こういち　　「・・・・・・」　武藤の回復を待った後、椿特訓のため浦羽高校に向かう４人であった。～～～　４人がいつもの道場にたどり着くと、　道場はガラ～ンとしており、人っこ一人として誰も居ない状態で、　静まりかえっていた。ゆうすけ　　「あれれ？　どうしたんだろう・・・・」利江　　「誰も居ないわ・・・・」　こういちが、入り口の外を見た。　その時、駆け寄る一人の男がいた。柔道部員１　　「た、大変だぁーーーーーーーっ」　武藤、ゆうすけ、利江らも声の主に目をやる。柔道部員１　　「た、大変だっ、こういち君・・・・」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はぁ、はぁ、はぁ・・・・　とても慌てた様子の柔道部員。ゆうすけ　　「どうしたんですか・・・？　そして皆さんは・・・・」柔道部員１　　「そ、それが全員空手部の道場なんですよっ！」利江　　「なんでまた空手部の道場なんかに・・・・」柔道部員１　　「それが、道場破り・・・というか、突然殴り込みに来たんですよ。　　　うちの空手部に　他所者が・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はぁ、はぁ、はぁ、　　　ところが、簡単に５人が病院送りに・・・・寸止めも無く・・・・　　　あれじゃ、空手という名のケンカだよ。　　　それで、うちの椿さんに応援要請があって・・・・」　突然、無言で走り出すこういち。ゆうすけ　　「おれらも行ってみよう・・・・」　柔道部員を含むゆうすけら４人も、こういちの後に続いた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第４６話　ケンカ空手 vs 裏柔道へ　（えへへ。。。♪）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月31日

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第四十四話　　球技大会　（あなたもまだなのよ～）

.　キン～コン～カン～コォ～～ン♪ 　青蘭中学、午後のホームルームの時間。美咲先生　　「今日のホームルームの時間は、来月行われる、クラス対抗の球技大会の出場選手を　　　みんなで決めたいと思います。」伊藤裕太君　　「へぇ～、そんなのがあるんだ。」江藤淳一君　　「ぼくはスポーツ得意だから、大歓迎～☆」渡井ちかさん　　「私は運動苦手なのよね・・・・」美咲先生　　「この球技大会はね、毎年各学年ごとに行われるの♪　　　一年生は８クラスあるから、その８クラス総当たりでトーナメント方式で、　　　勝ち抜いた分のポイントが付いて、その総得点で優勝がきまるの。　　　渡井さん、残念ながら全員参加なのよ～♪　　　いくつかある種目に、必ずどれかには出ないといけないのよね。」渡井ちかさん　　「やだわぁ・・・・強制かぁ・・・・」江藤淳一君　　「渡井さん、噂だと、団体競技ばかりらしいから。。。　　　みんなで力を合わせてがんばろうよ♪」美咲先生　　「江藤君、えらいわね♪　そうね、　　　　　　　　　　みんな団体競技だから、基本はみんなで楽しく。。。」ゆうすけ　　「そうだよ、優勝しても賞金が出る訳じゃないし。。。」　あはははは　　クラスで笑いが起きる。伊藤裕太君　　「先生～、その種目を早く教えて下さ～～い♪」美咲先生　　「そうね、じゃ、これから発表するわね。」　そう言い終わると、黒板に、カツカツと書き始めた美咲先生。男　子　　　　女　子.サッカー　　　.　　　　　バスケットボール　 .伊藤裕太君　　「おぃ、サッカーだってよ♪　うちのクラス、優勝じゃねーの？」坂田鉄次君　　「うちら４人、小学校の時にサッカー少年団に在籍してたからな。」土谷敏彦君　　「裕太がフォワード、俺と鉄がミッドフィールダー、克ちゃんがディフェンダーと、　　　揃いも揃ってるからな。。。♪」岸川克司　　「あぁ。　だが、楽観視出来ないよ。　２組には、滝田小の６人が揃ってクラスメートだ。」伊藤裕太君　　「くそぅ～、そうか、やつらみんな２組だ・・・・・。」　カツカツカツ　　美咲先生のチョークが進む。男　子女　子.サッカー　　（11人）　バレーボール（9人）バスケットボール (5人)　.バレーボール　（9人）仁科優子　　「私はバスケかなぁ・・・・」　オレはバレー♪　　ぼくはサッカー　　私はバレーがいいわ　　　　男　子女　子　　　　.サッカー　　（11人）バレーボール（9人）ドッヂボール（5人）バスケットボール (5人)　.バレーボール　（9人）ドッヂボール　（5人）美咲先生　　「さぁこれがリストよ♪　みんなどれがいいか決めた～？」　わいわい　ガヤガヤ。。。美咲先生　　「選抜式に得意そうな人を選ぶか、個人の好みで枠を埋めて行くか、どちらにする～？」江藤淳一君　　「はい、ぼくは競技である以上、どの種目も勝ちにいくべきだと思います。　　　したがって、全種目はともかく、スポーツが得意な人を１つの競技に集中させて高い　　　勝ち点を狙いに行くことを提案します。」伊藤裕太君　　「私も賛成・・・・ですが、１種目だけ制覇しても総合ポイントで優勝が決まる訳　　　だから、ある程度は戦力を見定めて、振り分けることも提案しておきます。」美咲先生　　「ゆうすけ君、何か意見ないかしら。。。」ゆうすけ　　「あぁ、おれは誰がどのくらい能力持っているのかまだ良く分からないんでね、　　　同じ小学校出の人同士なら分かるだろう。　　　まず、自分の好みを聞いて一端振り分けてから、その後みんなで協議して最後の　　　出場枠を決めるってのはどうだ。　　　自分の望みも聞いてあげないとね♪」岸川克司　　「さすがゆうすけだ、おれもそれに賛成だな。」美咲先生　　「こういち君と武藤君・・・・は・・・・・^ ^;;; 」　みんなで声を合わせて。。。　『熟睡中で～～す♪　あはははは』ゆうすけ　　「二人は放っといて、残りに押し込みましょう。」美咲先生　　「そうね、先に進めましょう。。。　　　なんだけど、こんな話しもしなくちゃいけないの。　　　参加枠は男子25人、女子19人でしょ。　　　と・こ・ろ・が・、うちは男子23人と２人分、欠けてるのよ。　　　したがって、誰か二人が２つの競技に出れるんだなぁ～☆」土谷敏彦君　　「なら話は早い、サッカーにこういちをもらうよっ」美咲先生　　「土谷君、もらうって、まだあなたがサッカーって決まってないでしょ♪」伊藤裕太君　　「そ、それは困りますっ、敏はうちらサッカーに出てもらわないとっ！」美咲先生　　「ほらほら、伊藤君、あなたもまだなのよ～」　『あはははははは』　　クラスがどっとどよめく。美咲先生　　「でも話が早そうね、まず自分の好みを順番に言ってちょうだい。」　私はバレー　　ぼくはサッカー　　私はどれでもいいです・・・・・・　ガヤガヤガヤ　カツカツカツ美咲先生　　「ふぅ、一端の希望が出揃ったわね。　　　どれでも良いという人を外枠で待機してもらうと、第一希望志望者は、みんな入れる　　　みたいよ。」伊藤裕太君　　「よかった～♪　鉄、敏、克ちゃんと出来るな♪」土谷敏彦君　　「さて、本人は寝てるが、こういちをサッカー枠に入れて欲しいんだけど。」岸川克司　　「おれからもお願いしたいな。」坂田鉄次君　　「同感～☆」ゆうすけ　　「美咲先生、いいんじゃありませんか～？　どうせ本人、起きててもどれでもいいんだろう　　　から。　　　それに、２人がもうひとつに出れるんでしょ。　　　その一人はこういちになるんじゃな～い？」　クラスのみんなが、　『そうだよそうだよ～♪』美咲先生　　「みんなの推薦がでたので、サッカー枠にこういち君を入れましょう。。。　　　ドッヂボールの希望者が少ないわね・・・・」ゆうすけ　　「なら丁度４人枠空いてるから、おれとこういち、武藤さん、それと・・・江藤君、　　　これでどお？」江藤淳一君　　「おっ、オレも２つ競技して良いのか。。。」ゆうすけ　　「みんなが承諾してくれればお願いしたい。　余りものの寄せ集めだが・・・・^ ^;;; 」　クラスのみんなが、　『いいよぉ～♪』美咲先生　　「はい、了解♪　さてと、他は・・・・・」　こうして、球技大会のメンバーが決められていった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第４５話　闇討ち・・・へ　（シャドーになってますよ）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月30日

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第四十三話　　古流伝承者 vs こういち　（ちょいと心の休憩が必要じゃない？）

.　突然の大津波のように、こういちに襲いかかる北見（古流柔道伝承者）っ！　素早いスリ足で前後左右に体を寄せては引き、横に振ってはスキを伺い組み手を狙う。武藤　　「は、速いっ」　こういちもきちんと見極めて間合いをしっかりと変えずに付いている。　袖口や、襟（えり）を掴みにくる手をしっかりと叩いて防御している。ゆうすけ　　「まんま技を決めさせてくれないよな。　　　相手の教育上よくない（笑　それに、徐々にテンションも上げられるからな♪」利江　　「ゆうすけ君のお父さんも恐い程の動きをしているわ。」ゆうすけ　　「少し前の利江ちゃんだと、見ていられなかったかもな。　　　今は、それ以上に動きにも目が付いていき始めているんじゃない？」利江　　「どうだろう・・・・分からないけど、きっとそうかもしれない。」武藤　　「わしには速や過ぎて、ついていけんわい・・・・」椿　　「・・・・・」　怒濤のラッシュが止まり、ニヤける北見。北見　　「ふっ、やはりこの程度の牽制ではスキは全く作らないか・・・・」　すると、体位を入れ替え小刻みにトン、トン、トンと床を蹴り体を弾ませ始め、目付きが　鋭くなった北見。椿　　「ここからだ・・・・」　小刻みに跳ねながらチャンスとスキを伺う北見。　こういちは、北見の瞳から視線をずらさない。　北見は変則的に、右足過重にしたり左足過重にしたり、また、細かく前後、左右にと、　テンポや刻むスパンを変えたりと、いたる所に変化をつけている。　そして素早く間を詰めたかと思うと強烈なローキック　　　　　　バシっ　続いて奥襟をつかむ動作から左の膝蹴り　　　　　　　　　ドスっ　こういちは避けずにそのまま打たせている。　そのまま素早く内掛けを仕掛けた北見　がこういちはバク転から片手を付いて対峙した。　そこへ北見の顔面への横蹴り　　　　　　　　　　　　ガスっ　受け太刀せずに蹴り込ませたこういち、そのまま横に転げて距離を置き何事も無かったか　のようにゆっくりと立ち上がり対峙した。　目付きを変え半身になり間合いをとる北見。　トン、トン、トンと弾む足が、突然左前にステップしたっ！　反対にピョンと避けるこういち。　そのこういちの跳ねた着地地点に向かって、北見の右足が襲うっ！　着地間際に足をすくわれ、倒れかかる体をひるがえして片手で着地し、一本を逃れて対じ　するこういち。　その対じする瞬間を目がけて北見の左右の正拳がこういちのみぞおちをダブルで襲うっ！　　　　　　　ズゴズゴっ★　　凄まじい突きが決まり、こういちが前かがみになったっ　そこへ横から連続の中段蹴り　　ドスドスっ　　からの顔面へのハイキックっ！　ズコーン　続けざま、崩れかかるこういちの袖と襟元を掴んで払い腰で投げる北見っ！　さらに投げ切ったころに襟元を掴んでいた手を放し、その手でこういちの首にヒジを当てて、　畳に押しつけるように体を被せ押し倒したっ！！利江　　「っ !! 」武藤　　「速いっ」ゆうすけ　　「くっ」椿　　「モロだっ！」　　　　　　　ガツン★　トン☆　ゴロゴロ～　体育館道場が一瞬の静寂に包まれる。　なぜか、畳に叩きつけた北見の体のある地点ではない場所で転げて、あおむけになって　倒れているこういち。北見　　「・・・・・　　　なんて恐ろしい子だ・・・・。　　　攻撃を仕掛けているこちらが恐怖で凍りついたよ・・・・。　　　利江ちゃんが心配しているよ、こういち君。」　その言葉を聞くと、寝ていた体をピョンと蹴上がりでスタっと立ち上がるこういち。利江　　「ふぅ。。。」ゆうすけ　　「～♪」椿　　「なんと・・・・」北見　　「この子は、私の根身（こんしん）をこめた攻撃を全て避けることが出来るようだ･･･。　　　いつも目線は私の攻撃を読み取り、私が動かす次の一手を行う手足に注がれていた････。　　　何より攻撃する私の手足より先に視線は向けられていたのだから････　　　こんな経験は初めてだ。　　　今は打撃の試験だからな、全てを避けずにリズム良く打たせ・・・・　　　こちらの攻撃を誘導したようだ。　　　それに私もむきになって打撃ではしっかりと入れたつもりだよ。　　　ところが、その拳や蹴りがこういち君の体にめり込む感触がなく、　　　鉄柱に打ち込んだように・・・・　　　逆にこちらに痛みが走ったよ。　　　最後のは・・・叩き込む寸前できっちりと交わされてしまった・・・・。」こういち　　「大丈夫という事が、立証出来たかい？」北見　　「あぁ、我々では倒そうと思っても、丸で刃が立たないことがよ～く分かったよ。　　　きっと、どんな技でも全て交わし切れてしまうのだろう。　場合により受ける・・・・か。　　　そして相手の技が万が一にも打ち込めたとしても、　　　その鋼のような一瞬にして硬直させて鎧と化す筋肉で防いでしまう・・・・。　　　幾重にも身にまとっている防御システム。　　　まさに、人類最強のソルジャーってところだろうか・・・・。」こういち　　「南流超鋼筋さ。」ゆうすけ　　「それは瞬時に筋肉を鋼（はがね）のように堅くする術。。。　　　巨大熊の爪ですらこういちの体に傷１つ負わせることができなかったさ。」北見　　「南流・・・、やはり流派があったか。　　　きみのその強さ、見つめる先の相手はどんな強敵を想定しているのか・・・・。」こういち　　「・・・・・・」北見　　「まぁいい、それよりも椿君、見ての通りだ。」　冷や汗がほほを伝う北見。椿　　「私も改めて恐怖しました。　師範の技が完璧に決まっていましたから・・・・。　　　私は今まさに目の前で起きた現実と、これからこの最強の戦士と共に己を鍛えることが　　　出来る、そんな非現実と喜びとの間で、今は・・・心の整理に必至です。　　　が、少なくとも遠慮せずに打ち込めることだけは改めて知ることが出来ました。」こういち　　「古流に限らず打撃系格闘技の欠点は、本気で叩く相手はサンドバックだったりミット　　　だったり、良くてプロテクターやフェイスガード付けてだったり。練習試合でも寸止め　　　やらで生きた実戦の中で打ち抜く攻撃が出来ないからね。」ゆうすけ　　「武藤さん・・・・・、武藤さんってば・・・・・」武藤　　「あ、あぁ・・・・」　　はぁ、はぁ、はぁ、ゆうすけ　　「今の出来事が現実離れしていて、脳が受けきれていなかったようですね。　　　放心状態で息をしていませんでしたよ・・・・。」利江　　「私は・・・大丈夫・・・少し慣れが必要みたいだけど・・・・。　　　ちゃんと・・・、ちゃんと最後までこういち君を信じて見つめていられたわ。　　　なんだか私、不思議なの。　　　現実離れの光景が繰り広げられても、私は一歩、また一歩と、それが自分の現実として、　　　そう、それが現実の世界として気持ちと感覚がどんどん近づいているみたいで・・・・。」ゆうすけ　　「分かるよ、今の利江ちゃんの気持ち。。。　　　おれなんか、もう10年近く見せられているからな。　　　最初のセンセーショナルなインパクト、今でも忘れない・・・・。」北見　　「それは我々とて同じだ。　私は未だに信じられない気持ちで一杯だよ・・・・。」椿　　「まだ私はその点では緩和されているかもしれません。　　　一度真剣に対戦してましたから。」ゆうすけ　　「はぁ、なんだかこの道場にへんてこな空気が流れてるな。　　　おやじっ、ちょいと心の休憩が必要じゃない？・・・・」北見　　「そうだな・・・、まだ時間は早いが、今日はこれまでとしよう。　　　一晩掛けて心の整理だな。　明日から本格的に行くぞっ」椿　　「押忍っ」こういち　　「うっす。」ゆうすけ　　「うぉっす。」　まだ相変わらずの二人なのであった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第４４話　球技大会へ　（あなたもまだなのよ～）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月26日

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第四十二話　　サンドバック　（チャリン･･･チャリン･･･）

.こういち　　「お疲れさん。」椿　　「重量級の連続投げは、応えるなぁ」武藤　　「わしだって同じこと。　こんなに素早く連続で投げられることはないからのお。　　　こういちの言う時間、感じながらイメージも沸いてくるようになったわい。」ゆうすけ　　「お互いの練習になっているってことだな。」利江　　「ねぇ・・・、あのサンドバック・・・・レールが上に・・・・」北見　　「あぁ、これね、こういち君の提案でね、岩垣顧問に頼んで設置してもらったんだよ。　　　この休憩時間にみんなで遊・ん・できてはどうだい♪」こういち　　「武藤さん、おいでよ♪」ゆうすけ　　「利江ちゃん、見に行こう。」利江　　「うん。」　体育館道場の端には、ロープが一本ぶらさがっていた。　その隣にサンドバックがレールに　吊るされてくくりつけてあった。　普通の倍はあろうかというサンドバック、レールの一端は、カベに潜り込んでおり、　そこを支点にして反対側の先端が自由に振れる仕組みになっていた。　その先端になる端っこの二股に分かれた足の支え棒を円弧状にガラガラと道場中央に運ぶ椿。　続いてこういちがサンドバックを後ろから押しながらレール先端部のある道場の中央付近まで　ガラガラと押してきた。こういち　　「ゆうすけ、利江ちゃん、二人で押してごらん♪」　二人は顔を見合わせると、不思議そうにサンドバックに手を付いた。ゆうすけ　　「せ～の、　んっ」利江　　「ん～」　・・・・・・・・　ピクリとも動かない。ゆうすけ　　「って、ちっとも動かないや・・・・」北見　　「これを蹴りやパンチで動かすんだよ。　破壊力やパンチ、キックの重さが計れるから、　　　とっても素敵な練習道具さ。」こういち　　「レールからサンドバックまでの距離が長いと、揺れて終わっちゃうから、レールの高さを　　　低くしてもらったの♪」利江　　「柔道着が着せてあるわ。」椿　　「私の引き手の練習さ。　最初は動いてくれなかったよ ^ ^；　　　隣にあったあのローブも腕だけで登るためのもの。」こういち　　「武藤さん、体当たりしてみてよ。　椿さんの蹴りと動く距離の競争～☆」武藤　　「わしは体当たりでいいのか？」こういち　　「うん、蹴りの練習なんてしてないでしょ。　　　肩口から当たらないでね♪　鎖骨折れちゃうから。」武藤　　「うむ。」　一度サンドバックに歩み寄り、２、３度ポンポンと叩く。　その固さ加減と質量感を確かめるように。　そしてサンドバックを見据えながら後ずさりする。　武藤は一呼吸してから４～５歩の助走を付けて、肩と腕とで当たるように体当たりをしたっ！武藤　　「うぉりゃーーーっ！」　　ドスンっ★　サンドバックが滑車を支点に弧を描いて揺れ、レールにある滑車の位置は１ｍ程動き　振れた反動で30cm 戻されて揺れながら止まった。ゆうすけ　　「武藤さん、すごいやっ」椿　　「次ぎは私の蹴りか。」　椿は揺れるサンドバックを静止させてから１～２歩下がる。　そして一歩助走を付けて、椿　　「フンっ！」　　バシっ★　サンドバックが弧を描いて揺れて、滑車が 60cm 程動き振れた反動で20cm戻されまた　5cm進み揺れながら滑車は止まる。椿　　「中々いい距離を動いてくれないもんだな。」ゆうすけ　　「蹴りで動くだけ凄いやっ！」武藤　　「蹴りでこんなに動くのか・・・・」ゆうすけ　　「今度はおやじやってみてよ。」北見刑事　　「おれかぁ、椿君よりは動かさんとな。。。」　椿同様、サンドバックを静止させてから１～２歩下がり、北見刑事　　「フンっ！」　　バシっ★　サンドバックが弧を描いて大きく揺れて、滑車がスルスルっと 1mほど進み振れた反動で　30cm戻されまた10cm進んだところで揺れながら滑車は止まった。ゆうすけ　　「おやじ、やるじゃん～♪」　振り子のように揺れているサンドバック。北見刑事　　「ところがこれで喜んでおられんのだよ・・・・困ったものだ・・・・。　　　こういち君、しまってくれたまえ。」こういち　　「うん。」　こういちは片手で揺れを止めサンドバックの横に立ち、助走無しで蹴り抜いたっ！こういち　　「はっ！」　　ガシっ★　サンドバックが大きくしなったかと思うと、壁に向かって一直線っ！　引っ張られながら滑車がザーーーーーーと音を立てて、激しく動いたっ！　そして元あった隅の位置まで減速しながら転がると、振り子のような動きに変わり揺れる度　に壁側に少しずつ滑りを繰り返しそしてピタリと定位置に収まった。　　　　　　チャリン･･･チャリン･･･　大きく振れながらクサリのこすれる音がだけが耳に入ってきていた。武藤　　「なっ・・・・・!?」利江　　「すっ、凄～～いっ！」ゆうすけ　　「・・・・・・だな。」こういち　　「ゆうすけ。。。」　　（縛っといて～♪）ゆうすけ　　「はいはい。」北見刑事　　「我々はブランコのようにゆれる分しか押せていない。しかしこういち君のは完全に　　　サンドバッグが飛ばされている。　　　まったくをもってバケモノと言わざるを得んよ・・・・。　　　　　　さて、休憩もここまでにして、次ぎはいよいよ実戦練習だ。」椿　　「押忍っ」北見刑事　　「こういち君、悪いが頼むよ。」こういち　　「心配無用だよ。　椿さん、遠慮抜きで存分にね♪」椿　　「あぁ・・・だが本当に・・・・避けずに受け止めて大丈夫なのか？」こういち　　「どうも不安があるみたいだね・・・。　　　北見のおじちゃん、責任とって練習台になってよ ^ ^ｖ」北見刑事　　「わたしがか？」こういち　　「うん。　本当に大丈夫なところを見せないと、椿さんの練習にならないもの♪」北見刑事　　「・・・・・そうだな、分かった。　ではお相手願おう。」　北見刑事はジャージの上着を脱ぎ、ゆっくりと体をほぐし始めた。　柔軟体操、軽いランニング＆ダッシュ、軽いフットワーク。　さらに前方回転受け身と流れるように進める。　最後に腰をクイッ、クイッと数回回した後、ゆっくりと道場の真ん中に足を運び出した。　精神を集中するように。　そして自分に言い聞かせるように・・・・　それを見たこういち、同様に道場の真ん中に歩き出した。椿　　「これは見物だな。」ゆうすけ　　「おやじ、大丈夫かよ・・・・」武藤　　「現代に継承されている古流柔道の真骨頂が目の前で見れる・・・・」利江　　「こういち君・・・・」　それぞれの思いを抱きながら、視線は道場中央の２人に注がれた。北見刑事　　「こういち君、遠慮はせんぞ。」こういち　　「あぁ。」北見刑事　　「では、いくぞっ！」　身構えたこういちに、北見刑事（古流柔道伝承者）が襲いかかったっ！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第４３話　古流伝承者 vs こういちへ　（ちょいと心の休憩が必要じゃない？）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月25日

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第四十一話　　こういちの秘密　（その一）　（大丈夫って？）

.～こういち　　「どうでしたか、椿さん。」椿　　「どうもこうも、全て強烈な投げ技で・・・・受け身の手もシビレっ放しだよ。　　　で、その時間だが、感じたような、どうなのか・・・・良くわからん ^ ^;;; 」こういち　　「はい、内容を伝えませんでしたからね。　　　感じて頂きたい時間は、この時間です。　武藤さん。」武藤　　「よっしゃっ」　そう言い終わると、突然こういちをぶん投げる武藤。　　「そぃやっ！」　　　　　　　　　　タン★　トン★　スタっ　こういちは、投げられながら武藤の背中を叩いて体制を変え、　畳に片手をついてから対じするように着地した。こういち　　「椿さん、この時間です。」椿　　「投げられた後の・・・・回避する判断と・・・その実行のための・・・・か？」こういち　　「その通りです。　　　椿さんに先に伝えると、途中から実戦してしまいそうなので。。。」椿　　「今度は別の角度からの練習方法だな。　　　今までは、技の見極め、反射神経の向上、そして技へのスピード育成であったが、　　　今度は投げられた後・・・・の場合か。」こういち　　「おっしゃる通りです。　ですが、実はこれも好守一体なんです。　　　椿さんへの要求は、感じた時間の中で、回避方法の模索とその実戦。そしてその他に、　　　対じして着地をするか、または回避しながら逆に相手を投げて欲しいのです。」椿　　「簡単に言うが、実に恐ろしい練習だな。」武藤　　「わしもそう感じたわい。　出来るまではそうとうな鍛錬が必要じゃが・・・・　　　もし、全ての技に出来るようになったら・・・・無敵じゃな。」こういち　　「残念ながら、まだそう上手くいかないんですよ。　　　練習の場ならともかく、試合の場だと繰り出される技の体制と、受け手の体制や体重の重心　　　の位置などで、思い通りにいかないことが多いはず。」椿　　「だから、まず備える事、とっさの判断力、そして実行するという癖や思いを常に持つことが　　　大事。　ということだな。」こういち　　「うん、その通り。　　　で、この練習での武藤さんへのお願いです。　　　相手が投げられた後、イメージで回避を行って来ますが、投げる技はそれをも許さないよ　　　うな投げっぷりでお願いします。」武藤　　「つまりスキを作らないような投げ・・・ってことかな。」こういち　　「うん。。。」利江　　「なんだか凄いことになってきたわ・・・・」ゆうすけ　　「でもよ、椿さん、武藤さん、どちらの長所をも行かす練習になるな。　　　武藤さんはスピードを付けても、ちょこまかちょこまかと細かい動きは厳しい　　　だろうから、確実な技とする。　　　椿さんも、きっちりとした技の中で逃げ道を探ることになる。」　～　　　～　　　　　～　　「そぉ～りゃっ！」　　スパーン★　　「とぉりゃっ！」　　　タン　スパーン★　　「おぉ～りゃっ！」　　タン　トン　スパーン★こういち　　「はい、休憩。。。　　　おいらの受け持つ練習時間は今日はここまで。明日から今のをを導入しますね～♪」椿・武藤　　「おう。」　　「なんだか楽しみになってきたな。」　入り口から３人に向かって歩いて来る人物がいた。北見刑事　　「おっ、やっとるなぁ。。。」椿　　「押忍っ」こういち　　「おじさん、こんちは♪」武藤　　「初めまして、武藤です。」北見刑事　　「北見です。ゆうすけの父親でもあります。　　　実は、武藤君は私からある人物にお願いしていたのだよ。よろしく頼むよ。」武藤　　「うちの校長に・・・ですね。」北見刑事　　「その通りだ。だが、直接に・・・ではないのだが。　　　ま、その話は置いといて、今日の練習を始めるとしよう。」ゆうすけ　　「おやじ、利江ちゃんを送ってくるよ。」利江　　「今日はね、その心配が要らないみたいなの♪　　　両親から見学したければ、今日はゆっくりと見て来なさいってお許しがでてるの♪」ゆうすけ　　「毎日、きちんと自宅まで送っているから信頼されたのかな ^ ^ｖ」北見刑事　　「そうか、では気の済むまで見て行きなさい。ここの柔道部も練習を終えて引き上げる　　　時間だ。　　　ここからは、椿君オンリーのスパルタ教育になる。　驚かんようにな。」利江　　「はい。心得ているつもりです。」北見刑事　　「よろしい。　では始めるとしようか。　　　今日からは武藤君が合流してくれるので、次のステップに入る。　　　椿君、重量級の武藤君を各種さまざまな柔道技で投げ続けたまえ。」　　　　　はじめっ！椿　　「押忍っ」　　　　　　　　うぉりゃー！　パシっ★　　　とぉりゃーーっ！　パシっ★ゆうすけ　　「ハードだよな・・・・ろくに休まず投げて、投げられ・・・・」利江　　「夜の８時、これから夜間の部が始まるんですものね。」北見刑事　　「こういち君のお陰で、椿君に相当なスピードが付いて来たよ。」こういち　　「判断力も速くなってるね。」北見刑事　　「ここで一緒に練習をしていて、こういち君の凄さに驚くばかりだ。　　　何か一つぐらい秘密を教えてもらえないかなぁ・・・・」こういち　　「他言無用と教えられています。が、おじさん達になら１つだけね。　　　おいらが出来る鍛える時間なんて今までのたかだか１２年間だけ。　　　ところがおいらの体は、先祖代々からの DNA が異なるんだ。」利江　　「D、DNA !?」こういち　　「そ。　各代がそれぞれ半端じゃない練習を繰り返してきていたため、生まれた時からおいら　　　の体は基礎が出来ているんだ。　　　生物は、生きる環境において、どんどん進化することができるよね。　　　それをおいらの DNA は 4000年近く鍛え抜いて成長してるんだよ。」ゆうすけ　　「おれすら始めて聞いたよ・・・・」北見刑事　　「4000年鍛え抜いた DNA か・・・・。　人並みを遥かに超えている訳だな・・・・。　　　なぜにそこまで代々で鍛えた DNA を必要としているのだろうか？」こういち　　「今は答えるのは１つだけだよ。」北見刑事　　「そうだったな・・・・・　　　さて、今日の古流の練習だが、こういち君の手伝いならではの内容に切り替えたいのだが、　　　本当に大丈夫なのか？」利江　　「大丈夫って？」北見刑事　　「あぁ、実は・・・・」こういち　　「大丈夫さ。　遠慮抜きでやってよ。　引き受けた時から想像していたもんね♪」　　　　　　　　うぉりゃー！　パシっ★　　　とぉりゃーーっ！　パシっ★北見刑事　　「よしっ、やめーーっ！」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第４２話　サンドバックへ　（チャリン･･･チャリン･･･）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月24日

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第四十　話　　椿の特訓　その３　（ほぅ～、もしかして・・・・）

.　大きな夕日が地平線に隠れ、辺りが赤い照明に照らされている。　その横にそびえ立つ浦羽高校柔道部道場体育館。　その中では、いつものように柔道部員が練習で汗を流していた。　その一方では、椿の練習に付き合わされていたゆうすけの姿があった。ゆうすけ　　「本当に私でいいんですか？」椿　　「あぁ、ボクがきみを真似るし、私がバックするから。」ゆうすけ　　「たまには運動するか(^ ^；」椿　　「一つだけお願いがある。　　　左右前後に動く時に一歩だけの踏み込みだけではなく、　　　たまに２～３歩まで動く事を含めて欲しいんだ。」ゆうすけ　　「わかりました。」利江　　「ゆうすけ君、がんばってね～♪」　二人を見つめる利江。　ぎこちないと思われたゆうすけであったが、そこそこ機敏な動きを見せ、　椿に汗をかかせている。　大きな体育館を一周しては一休み、また一周しては一休みを繰り返していた。ゆうすけ　　「練習になってますか・・・？　不安だな・・・・。」椿　　「大丈夫だ。　こういち君の動きをずっと見て来たキミだから、慣れている感じがするよ。　　　それに、人が変わると癖も変わるから新鮮な感じがしてとてもいいよ♪」ゆうすけ　　「そんなもんですかね・・・・。」利江　　「来たわよ♪」　体育館の入り口に、武藤と姿を見せるこういち。　二人は岩垣顧問の元へ歩み寄る。武藤　　「岩垣顧問、御厄介になます。」岩垣顧問　　「うむ、青蘭中学の校長先生から打診があるとは思わなかったが、　　　椿君も重量のある選手とも段取りさせんといかんらしいからな。こちらも助かるよ。　　　よろしく頼む。」武藤　　「はい、こちらこそよろしくお願い致します。」岩垣顧問　　「こういち君、お待ちかねのようだよ。」こういち　　「はい。」ゆうすけ　　「おそいぞ～～～っ！」こういち　　「わりわり ^ ^；」ゆうすけ　　「む、武藤さん !? 」武藤　　「今日からこちらに合流らしい・・・・。　椿さん、よろしくお願いします。」椿　　「こちらこそよろしく頼む。」こういち　　「あいさつも終わったところで、みんな体もほぐれているようだね。　　　早速ですが椿さん、おいらと対じしての練習に入りましょう♪　　　その間武藤さんは、着替えて準備しておいて下さい。」武藤　　「わかった。」　こういちと椿は、２つある会場の空っぽの方に歩みより中央に立った。こういち　　「では、椿さんが仕掛ける側で。」椿　　「よし、行くぞっ」　掛け声と共に、椿は素早いスリ足でこういちに二～三歩近づいて、右に一歩体を移しこういち　の襟（えり）を右手で掴みに行く動作を行い、再びスリ足で二～三歩下がる。　更に次ぎは左右に体をゆするようなフットワークでこういちに近づき、　引き手を掴む動作と共に出足払いの動きを行い、続けざま、内股の動作に入った。　こういちは、一～二歩スリ足で下がり、　襟を掴む動作に対し、左手の甲をそれに宛う動きの後、一～二歩前に出る。　次に椿の左右の動きとは逆側に左右に体を逃がし、　引き手を掴む動作の時には右手を横に避け、出足払いの時には狙われた足を引き、　続けて繰り出された内股には、左足を横に出して避ける。　こんな攻防が５分近く繰り出されて、こういち　　「おっけ～。」利江　　「椿さん、あの練習試合の時よりも、数段スピードアップしているみたい。」ゆうすけ　　「だね。　仕掛ける時に余分な力が入ってないから、その分スピードが増している。　　　そして２つ先ぐらいまで連続の技のイメージも出来ている。　　　元々連続技は持っていても、交わされたことを考えたものではなかったから。　　　ことごとく避けるこういちのお陰で、交わされた後まで考えることが出来るように　　　なったみたいだね。」こういち　　「椿さん、次ぎは武藤さんを相手にやってみましょう。」武藤　　「わしのスピードで・・・・いいのか？」こういち　　「うん、いいの。　　　今椿さんの筋肉は乳酸が溜まってるので少し動き辛くなっているから。　　　それに椿さんの目がどのくらい、そして反射神経がどれくらい進歩したかも計れる　　　からね。　無論、武藤さんもだよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　武藤さん攻撃で続けて下さい。」椿　　「わかった。」　椿と武藤が、中央に進む。武藤　　「では参るっ」椿　　「うむ。」　武藤が数回フェイントのモーションを起こすが、それをしっかりと見定める椿。　そして仕掛ける武藤、交わす椿の攻防が続く。こういち　　「武藤さんもスピード付いてきてるね。」利江　　「そっかなぁ・・・・、　　　私には椿さんが余裕すぎる程たっぷりとした時間で交わしているようにしか見えない。」ゆうすけ　　「それはね、　　　利江ちゃんの目がこういちと椿さんの動きに慣れてきているからそう見えるんだよ。　　　おれも武藤さんのスピード感は感じたよ。」こういち　　「上手の相手とたくさん組んで、辛いそれに慣れることが上達の近道さ。　　　椿さんは今、自分の進歩の手応えを感じているはずさ。」　こういちの言うとおり、椿は感じていた。椿　　『技への筋道が読めるっ！　そして疲れているはずの体でもそれに付いてくるっ！』こういち　　「はいっ、そこまで。。。」武藤　　「ふぅ～。。。」こういち　　「筋肉が疲れているうちに、次ぎ行きま～す♪　　　今度は、武藤さんが椿さんをバンバン投げて下さい。」武藤　　「ほぅ～、もしかして・・・・」椿　　「もしかして？？」こういち　　「うん、当たり～☆　　　椿さん、たくさん投げられて下さい。　　　この役、私より武藤さんの方が格段に適してますから♪　　　んでね、武藤さんにお願い♪　３～４回は同じ技を・・・」武藤　　「続けるんじゃな♪」こういち　　「その通り。　　　で、椿さんにお願い♪　投げられて受け身を取るまでの時間を感じて下さい。」椿　　「時間・・・・をか？」こういち　　「そうです、時間をです。　ではお願いしま～す♪」　　「そぉ～りゃっ！」　　スパーン★　　「とぉりゃっ！」　　　スパーン★　　「おぉ～りゃっ！」　　スパーン★　道場の真ん中で、椿が次々と武藤に投げられ続けた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第４１話　こういちの秘密　（その一）へ　（大丈夫って？）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月23日

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第三十九話　　椿の特訓　その２　（枝や鳥？）

.椿　　「こんな練習があったんだな。」こういち　　「反射神経の練習、それと慣れてくれば相手の筋肉の動きで先が読めるようになるよ。」椿　　「これを毎日か。　これだけでくたくたになるよ。」こういち　　「そうだね、瞬発力もそうだけど気を使うでしょ♪　　　でもね、余分な力が抜ければ楽になるんだな、これが。　　　相手の筋肉の動き、モーションの大きさで、動きの程度が分かる。　　　すなわち、必要最小限の動きができるから無駄な力を使わずに済むのさ♪」椿　　「なる程、奥深い練習だな。」こういち　　「守りに有効だけど、実は攻撃にも応用できるんだよ。」椿　　「こういちはこんな練習を一人でやってたのか？」こういち　　「うん、最初は木の枝や、鳥、昆虫だったけど。。。」椿　　「枝や鳥？」こういち　　「うん、枝が揺れたら横げり、一羽の鳥が見えたら後ろ回し蹴り、二羽だと・・・とか、　　　自分で決めるの。　で視界に見えた時に反応するみたいな。」椿　　「そんなこと・・・・出来る・・・のか、こういち君なら。」こういち　　「さてと、お次ぎは対じしてやるよ。　今度は動きをマネではなくて、交わしてね。」椿　　「良し。」　こういちは向き合った椿に対して、前に出ては引いて横に出て手を出したら引いて・・・　を繰り返し始めた。　椿も、それを攻撃と仮想してしっかりと避ける。受ける。を繰り返し始めた。利江　　「ねぇ、見てみて。　椿さんからは既に大粒の汗が噴き出ているわ。」ゆうすけ　　「見た目にはハードじゃないのに、瞬間で判断するから、集中力と瞬発力を要すのさ。」利江　　「でもこういち君は・・・・・。」ゆうすけ　　「まだ涼しい顔してるわな。。。　　　やつには軽いジョギングにもなっていないらしい・・・。」利江　　「それに、さっきと同じようにこの体育館の周りを回りながらやってる。」ゆうすけ　　「こういちだからバックしながら出来る。　　　普通の人だと、何回も後ろ確認しながらじゃないと、後ろ向きでジョギング・・・なんて　　　できないよ。」利江　　「更に前に後ろに横に・・・手も襲うようにしてみたり・・・・」ゆうすけ　　「こういちも後ろは一瞬見てはいるが、僅かな時間と回数で状況を把握しているのさ。　　　それに見て。　　　こういちが止まると椿さんは自分の歩行で一歩こういちに近づいてしまうでしょ。　　　空けていた間合いが急に詰まって相手の攻撃圏に･･･。　　　慣れたら今度は止まるだけでなく一歩戻ったら。」利江　　「手を出さなくても椿さんに当たるわ･･･。」ゆうすけ　　「そ、一瞬で間合いが変わるのさ。武術では恐ろしい事態だよ。　　　奥深い凄い練習ってこと｡｡　　　今度は椿さんの番だね。」椿　　「えぃっ、　てぃっ、　そぃやっ、　ふんっふんっ」　寸止めよりも、ずっと早くに手は引いているものの、こういちはその手の動きがどんな攻撃　への序曲なのかを適格に察知し、左右の手を受けに行くしぐさを見せては戻し、受けては　戻しを繰り返す。　だが、椿は思いの外後ろを見る回数が多い性か、スキがあると、避ける立場のこういちが、　椿にササッと間合いを詰め、寸止めのみぞおちや襟を掴んだ位置に拳を止めてみたりしていた。椿　　「これはかなりきつい練習だな・・・・、　　　スリ足で攻める練習。引き足での攻め、避け、どちらにも有効だ。」こういち　　「慣れてくれば、段々と後方を見る回数が減るし、攻撃の動作の時にも周りを見ることも　　　出来るようになるって。。。」椿　　「間合いも一瞬で詰まる･･･。　　　なのにこんなにこういち君とレベルが違うとは・・・・勝てる気がますます失せたぞ。」こういち　　「あはは♪　でもね、後半の部で技の練習をするけど、前半のおいらの好きにって時間で　　　毎日これやると、動きが変わるって♪」椿　　「そうだな、楽しみだ。　　　それと、ちょっと休憩にしていいか？　　　　　　　　　　　　　さすがのおれもちょいとシンドくてな・・・(^ ^；」　浦羽高校の体育館の脇を、大きな夕日が並ぶように顔を覗かせていた。　そして数週間が過ぎた。～武藤　　「こういち～♪」　放課後、いつものように浦羽高校に向おうとしていたこういち達に、武藤が呼び止めた。こういち　　「やぁ、武藤さん。」武藤　　「これからいつものところか？」こういち　　「うん、そうだよ。」武藤　　「忙しいとこ悪いんじゃが、うちの柔道部員の様子をちょっとだけ見てもらえんかな。」ゆうすけ　　「おれが先に行って、遅れる旨伝えてくるよ。」武藤　　「悪いのお・・・・ ^ ^;;;」ゆうすけ　　「マネージャーさん、先に行ってよう♪」利江　　「うん。」　武藤に連れられ、体育館奥の道場に足を運ぶこういち。　と、そこにはっ！こういち　　「へぇ～♪」武藤　　「どうじゃ、ちっとは驚いてもらえたかな。」　そこには、きびきびと動く部員たち。　それも部員数が３倍以上に膨れ上がっていたっ！こういち　　「武藤さん、凄いや～☆」武藤　　「お主のお陰じゃよ。　　　先日の練習試合でのことが、校内に噂として流れてな。　　　強いこういちの指導で、自分も強く成りたいと希望者が突然増えたんじゃ。」こういち　　「人数はともかく、みんな動きがいいね♪」武藤　　「やる気が違うんじゃよ。　この姿を一目見てほしくての。」こういち　　「素敵なことだね。うん、ちょっとだけ寄るよ。」　道場では、今椿が行っているのと同じ練習をこの青蘭中学の柔道部員も行っていた　のだった。橘　　「おぉ、こういち君♪」竜並　　「おっ、久しぶりだなぁ♪」こういち　　「みなさん、こんちは～」おじちゃん　　「キミかね、我が校に素晴らしい種をまいてくれたのは。」こういち　　「あれ？　おじちゃんは・・・・・こないだ・・・・ぶつかった時の・・・・」武藤　　「我が青蘭中学の、校長先生じゃよ。」こういち　　「こうちょう先生 !?　ありゃりゃ・・・・ ^ ^;;;」校長先生（おじちゃん改め）　　「スポーツが活気ずくのはとても良いことでの。　感謝しておるぞ、おちび君♪」こういち　　「お、おいらはなにもしてないや。。。 ^ ^；」武藤　　「今やっておる練習もな、みな楽しそうにやっておってな、反射神経も抜群にみな良く　　　なっておる。」こういち　　「そうだね、誰にでもできること。どんなレベルの人でもそれ相応の。。。　　　ができるからね♪」橘　　「こんなに楽しく、それでいて上達もめきめきなんてとっても画期的な練習だよ。」竜並　　「そう、これのお陰で、技を投げられる前、投げられている時に自分に時間が生まれ始め　　　ている。　　　即ち、以前こういち君が言っていたことに、気持ちと行動が少しずつ近づいてきて　　　いるんだよ。」こういち　　「そうだね。見てて分かったよ♪　凄いや～♪」武藤　　「そうだこういち、うちの一番のスピード自慢の竜並と２～３周回ってもらえんかな。　　　今じゃ誰も合わせられんのでな・・・・」こういち　　「いいよ～♪」　そう言うと、担いでいた胴着をひるがえして着替えを済ませたこういち。　竜並と対じして道場の中を回り始めた。橘　　「うちのスピード自慢も、本家本元にはまだまだ・・・・か。」武藤　　「まぁな、そうでなくては逆に困るがの。　　　上には上がいてもらわんと、そいつが伸びないわい。」校長先生　　「どうじゃな、武藤君。　今日辺りあのおちび君と一緒に浦羽高校に行ってみては。」武藤　　「えっ !? 」校長先生　　「大丈夫、心配は要らんよ、先方には既に話は通っておるわい。」武藤　　「わ、私が浦羽高校へ・・・・ですか？」校長先生　　「そうじゃ。　椿君と練習じゃよ。　いやじゃったかな？」武藤　　「と、トンでもないっ」　数周廻って戻ってきた二人。竜並　　「はぁ、はぁ、はぁ、さすがにこういち君相手だとくたくたになるなぁ・・・・」こういち　　「竜並さん、僅かな期間でよくこれだけスピードが付きましたね。凄いやっ♪」校長先生　　「ではおちび君、武藤君も一緒に浦羽高校に連れてってもらえんかの。　　　岩垣顧問には話をしてあるのでな。」こういち　　「それはいい～☆　武藤さんの為にも椿さんと練習した方がいいね♪　　　校長先生のおじちゃん、ありがとう～☆」武藤　　「なんだあいつ、自分の事のように喜んでおるわい。」橘　竜並　校長先生　　『あはははは。。。。』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第４０話　椿の特訓　その３　へ　（ほぅ～、もしかして・・・・）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月20日

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第三十八話　　椿の特訓開始　（マネージャーかぁ～）

.　キン～コン～カン～コォ～～ン♪　数日後、浦羽高校の放課後　いつものように柔道部員達が、大学生を交えて練習を開始していた。岩垣顧問　　「北見さんから事情は聞いたよ。　例の少年と特訓に入るんだってな。」椿　　「はい、よろしくお願い致します。」岩垣顧問　　「うむ、私は古流の関係は詳しく分からんが、うちの主将が更に強くなってもらえるので　　　あれば、私としても協力を惜しむつもりはない。　　　今まで通り、道場を使ってもらってかまわんぞ。」椿　　「ありがとうございます。」岩垣顧問　　「それにしてもあの少年、何者なんだろうな。　　　全国でも指折りの実力者の椿君に、全くさせない試合運びといい、　　　北見さんとまで繋がっているとは・・・・」椿　　「先日の練習試合で大将で試合をせずに済んだ少年の父親が北見さんだったのです。　　　それに、彼のお姉さんも並みのレベルを遥かに超えているようでした。　　　拳法か何かを？　と訪ねましたが、代々伝わる護身術らしきものとしか・・・・。」岩垣顧問　　「柔道は素人かもしれんが、基本や素が出来ている。　　　その応用だけであんな試合運び・・・・　そうそう出来るものではない。」椿　　「はい、組み手を取りに行った時もその素早さにも驚きましたが、実はその弾く腕や　　　手の筋力に衝撃を受けました。　　　まるで大木を相手にしているように、びくともしないです。弾かれる時はバットで叩かれ　　　ているよな・・・」岩垣顧問　　「並み大抵の鍛え方では・・・・ないということだな。」　その時、柔道部員１が走り寄って来た。柔道部員１　　「押忍っ、椿さん、こういち君が到着しました。押忍っ」椿　　「そうか、丁重に案内してくれたまえ。」柔道部員１　　「押忍っ、分かりました。押忍っ」　柔道部員１に案内されたこういち以下ゆうすけ、利江の３人が椿に歩み寄ってきた。椿　　「良く来てくれた。」こういち　　「こんにちは、椿さん。　顧問先生、お邪魔します。」ゆうすけ　　「こんにちは、オマケですが・・・・ (^ ^；」利江　　「オマケのオマケですが、よろしくお願い致します (^ ^;;; 」岩垣顧問　　「こちらこそ、よろしく頼む。　かわいらしいマネージャーさんだね。しっかりと頼むよ。」利江　　「は、はいっ♪」椿　　「夜になると北見さんが合流してくれるのだが、それまではこういち君のメニューで　　　やっててくれと・・・」ゆうすけ　　「おやじも適当だなぁ。。。でも、意外と得策かもね。」こういち　　「おいらのメニュー・・・でか・・・。　　　やり易くていいなそれ (^ ^ 」椿　　「では早速お願いするとするか。」こういち　　「おっけ～☆　　まずは普通に柔軟体操からだね。。。」　二人は、道場の片隅で、体をほぐし始めた。ゆうすけ　　「マネージャーかぁ～、ピッタリの表現だな。」利江　　「そうね、オマケのオマケから脱皮出来たわ♪」ゆうすけ　　「ま、まぁね。。。　　　でも、毎度利江ちゃんもここに付き合うのかい？」利江　　「えぇそうね♪　　　謎の青年を引っ張り出して、あのチビ少年か確かめたいし・・・・　　　それに、こういち君と居場所を共にしていると、なんだかほっ♪ としていられるし。。。」ゆうすけ　　「なんだか、あいつの話しをしてる時って、目がキラキラしてるよね。。。　　　さては惚れたかぁ～♪」　カァーーン★　　★o☆~゜（何故かここに、和恵の使うフライパンが ^ ^;;; ）ゆうすけ　　「な、なんでここにそ、それが・・・・・」　大きなたんこぶを作るゆうすけ　練習をしていた柔道部員も、目が点になって動きが止まっていた・・・・。利江　　「余計な事はいいのっ　　　それより、あの二人、面白いこと始めたみたい。」ゆうすけ　　「あれね、二人前後してランニング・・・・というより、前の人の動きと同じようにする　　　反射神経を鍛える動作かな。　　　今はこういちが前だから、椿さんが同じような動きをするって感じだね。　　　たまに止まってかがんだり、左右にステップしたり・・・・まだかなりゆっくりだな。」利江　　「すごく速く感じる・・・。」ゆうすけ　　「こういちはそうでも、椿さんにとっては真剣に判断、反応していかないと・・・・　　　椿さんももともとスピートのある人だから、確かに常人からすると素早いよね。　　　利江ちゃんもそのうちこういちのスピードに慣れてくるだろうから、ゆっくり。。。　　　に見える今のオレの感覚が分かってくるだろうな。　　　でもそんなあいつが本気になったらどうなるのか・・・・・　　　このオレですら、こういちの本気ってまだ一度も見たことないんだよ・・・・。」利江　　「一度も？」ゆうすけ　　「あぁ、そうだ。　　　おっ、今度は椿さんが前だよ、見ててごらん。　さっきの後ろにいた椿さんと動きが　　　こういちは全然違うだろ。」利江　　「うわ～っ、本当だ。　あれで椿さんの動きを見ながらやってるの？　　　まるで予め動き方を決めておいたように私からは同時に動いているように見える・・・。」ゆうすけ　　「だろう？　なのにあれでも流している程度なんだよ。　　　昔、幼稚園のころだったなぁ、確か。　　　オレがこういちの修行を見るために、一緒に山に登ったときのこと。　　　こういちが一人で体動かしているのを見学しているオレの後ろから、すっげーデカい熊が　　　現れたんだ。　　　こういちが熊の前に立ちはだかり、オレは、こういちの後ろに廻るように指示を受けた。　　　その熊は、本当にデカくて立ち上がると、オレらの身長ではそいつの膝（ひざ）にも　　　届かないくらい。　　　恐かったぜ～。　今でも思い出すと震えがくる程・・・・。」利江　　「それからどうなったの？」ゆうすけ　　「周りは岩がゴロゴロ。　少し後ろから森になっていたんだけど、足場が悪くてね。　　　その熊、しばらくこういちを威嚇（いかく）していたが、急に突進してきたわけ。　　　こういちはそんな足場が悪いところでも、今やっているあの練習をしていて、すっごく　　　動きは早かった。　　　だけど普通なら足がどんな早くても逃げるのが精一杯でしょ。　　　ところがあいつはその場から動かなかった。　　　最初に熊の手がこういちに襲いかかったけど、こういちは必要最小限の動きで交わしてた。　　　そして次の攻撃も・・・・。　　　ところがリーチが違い過ぎるのかやつの作戦か分からないが、中々懐に飛び込もうと　　　しなかった。　　　もっとも、飛び込んでも巨大な鋭い爪の餌食となってひとたまりもないけどな。　　　でもさあいつ、そんな状況も修行の１つにしちゃうんだよ。　　　オレの居ない方にじわじわと攻撃を避けながら巨大熊を導いて、そして・・・・　　　熊の攻撃が停まった時になにやら、気を集中していたような・・・・　　　なんか両手を円を描くように外から回して、自分前まで持って来ると、　　　ヒジを曲げて手で × を作るみたいに。　　　その後、こういちの体からなんかオーラみたいなものが見えたような気がする　　　けど・・・・」利江　　「それって、お姉さんも道場破りにされちゃったときに・・・・」ゆうすけ　　「そ、そうだっ、それっ！　　　その後、一直線に熊に突進していったよ。　　　それを見た熊は、こういちを前足で爪を立てて引っかきにいった。　　　オレは思わず目を伏せてしまっていた・・・・。　　　そしてそぉ～っと目を開いて、もう一度見ると・・・・・　　　あの巨大熊は、頭から血を流し倒れていた。　　　こういちはというと、恐ろしい形相で熊に背を向けて立っていた。　　　よく見ると、背中の３ヶ所が赤くなっているだけだった。　　　あの瞬間、熊の爪は確かにこういちを襲っていたはずなのに・・・・・　　　オレの推理では、こういちの動きが速くて熊の爪が間に合わず、かいくぐられた後に　　　当たったんだ。　　　それで背中に３つ、爪の後。　　　ところが傷はおろか、血すら出ていない。　　　　　　　　　　　　　　　こういちは一言、［南流超鋼筋だ］と。　　　それは瞬時に筋肉を鋼（はがね）のように堅くする術らしい。　　　そしてこうも言った。　　　　　　　　　　　　　［また本気になれなかった］と。。。　　　あいつは常識では考えられないスピード・筋力、これらを兼ね備えている。　　　どうジャンプしたってオレじゃー熊の頭に手も足も届かないよ。　　　それをあいつは平然とやってのける。　　　利江ちゃんは彼の動きはいつも夜しか見てなかったしな。　　　これからあいつと行動を共にするってことは、普通の事で驚いてられないのさ。　　　って・・・!?　　　利江ちゃん、あのねぇ、あの姉さんの使うフライパンは、こういちだからいいのっ!!　　　オレに使っちゃダメ～～～っ！！　」利江　　「あはは、そっか^ ^||| 　　　でも私、なんだ不思議と既に慣れてきているのかも・・・・。　　　動きとかはまだ無理、目で追うなんて到底無理。　　　でもね、今の話しを聞いても驚くことがなかったの。　　　ちょっぴり進歩したのかな♪」ゆうすけ　　「じょ、冗談じゃないよ、まったくどいつもこいつも・・・・。　　　幼稚園児があんなデカい熊倒せるかぁ～？」利江　　「普通ではね♪　　　でもこういち君なんでしょ♪　倒したのって。。。^ ^* 」ゆうすけ　　「な、なんか、素敵な理解力だなぁ～」利江　　「私、お姉さんが椿君と腕相撲するって辺りから、もうこんなことで驚いてられないって　　　思ったの。　この人達、普通じゃないって ^ ^ｖ　　　そう思ったら、すっごく気持ちが楽になったわ♪」ゆうすけ　　「そんなもんかね～。。。大したもんだよ、利江ちゃんは。。。　　　本当に成れるかもな、やつのお嫁さんに♪」　と、言い終わるとその場から回避するゆうすけ。ゆうすけ　　「!? 　あれ？　フライパンが来るタイミングだったのに・・・・」利江　　「えへへ。。。♪　もうね、ゆうすけ君には使わないことにしたの♪　　　そっ、普通の人にはね～☆」ゆうすけ　　「あはは・・・^ ^;;; 普通で良かったよ。。。」　カァーーン★　　（大きいお皿で）ゆうすけ　　「ほげっ・・・・」利江　　「その変わり、こっちにしたの　うふふ♪」ゆうすけ　　「なんだか姉さんに似て来たような・・・・・」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第３９話　椿の特訓　その２　へ　（枝や鳥？）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月19日

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第三十七話　　心当たりは　（余り物だけど。。。どうぞ♪

.～柔道部員４　　「おぃおぃ、高校生の今のオレにも出来ないぜ、そんな芸当・・・・・」椿　　「だな、この私にも無理だ。」北見刑事　　「ん・・・・・」　　腕組みをして考え事をする北見刑事。ゆうすけ　　「皆さんの知る中で、該当するようなガキ・・・じゃないや、チビちゃん、　　　知りませんか？」利江　　「年は私と同じくらい。または上に２つ・・・までかな？」椿　　「すると今は中学生？」利江　　「その当時ではそんな風に感じましたが、小さい人なら３つぐらいまでいけるのかなぁ？」ゆうすけ　　「にしても、今は高校１年生・・・・か。」椿　　「その最後の肩を壊す技、私の使う”破肩山”に似ていますね。」利江　　「はい・・・・、でも今日拝見しましたのが ”それ” なのでしたら、何か別のモノに感じ　　　ました。当時見たそれとは・・・・　　　私も幼い頃にたった一度しか見てなかったもので、自信はありませんが・・・・」北見刑事　　「柔道・・・・というよりは、柔術系かな・・・・。」　　　少なくとも古流柔道でその技は中学生には教えておらんし・・・・」椿　　「ですね、高校生でも使えるのが私ぐらいかもしれません。」和恵姉さん　　「ん・・・・、古流柔道でも薄いか・・・・。」北見刑事　　「ただ、気になる噂を耳にしたことがある・・・・」ゆうすけ　　「気になる噂？」北見刑事　　「あぁ、本大会のことではないので［噂］の域を脱しないのだが、　　　非公式の試合の時に、物凄い使い手の高校生、それも１年生の青年がいたらしい。」椿　　「それは私も初耳ですが。」北見刑事　　「うむ、この話は内密に・・・と口止めをされていてな、なんでも、相手選手を　　　ことごとく間接技で病院送りにしているとか。　　　口止めが浸透し過ぎていて、戦うまで噂の選手と分からないらしい。」椿　　「そんな使い手が高校生に !? 」北見刑事　　「らしい。だが、人の噂というものは、雪だるま式に膨らむのでな、我々も話し半分って　　　感じで聞き流しているのが現状だ。　　　だが、もしそれが尾ひれ、背びれが付かずにほぼ真実に近いとするならば・・・・」和恵姉さん　　「面白そうね。また一人、謎の少年らしき人物が浮上してきたわ。」北見刑事　　「だが困ったことに、その少年がどこの県に居てどこの団体に所属しているのかが全くの　　　不明なんだ。やられた選手も相手がまだ若い少年なので、恥と思っているのだろう。　　　一様に口を閉ざしていて、調べようが・・・・」　そのとき、　ガラガラこういち　　「ただいま～☆」とくさん　　「おかえり。。。」こういち　　「あれ !? 　みんなしてどうしたの？　　　利江ちゃんやこないだの４人の高校生、　それに椿さんまで・・・・」北見刑事　　「お邪魔しているよ。」こういち　　「おじさん♪　こんばんは。。。　なんか無気味だなぁ。。。」和恵姉さん　　「私が招待したのよ♪　　　明日から、椿君の練習相手をこういちがするようにって♪」北見刑事・椿　　「えぇっ !? 」こういち　　「そうなんだ、いいよ♪　ちょっとシャワー浴びてくるね～☆」　そう言うと、こういちは奥に消えていった。ゆうすけ　　「あいつは簡単に返事してるけど、良く即答できるよな・・・・」北見刑事　　「なんか、唐突な話ですな。」和恵姉さん　　「ここで今話している［謎のチビ少年］の話し、　　　こういちには内緒にしておいて欲しいの♪　お願いね♪」椿　　「私はうれしい限りです。　　　最高の練習相手ですから♪　でもなんでまた彼には内緒に・・・」和恵姉さん　　「それはね、目的が分かると彼、協力してもらえないかもしれないでしょ♪　　　その噂の高校生に椿君がいつ当たるか分からない訳だし、鍛えておいてもらわないとね。　　　その少年を引っ張り出す役を椿君にやってもらう訳だから。。。　　　いいかしら？」椿　　「ええ、無論そのつもりです。」利江　　「なんだか話が段々・・・・」　　話が大きくなることに、戸惑いを隠せない利江。ゆうすけ　　「利江ちゃん、　　　直接その目で見たのは利江ちゃんだけだし、それに・・・・　　　古流柔道の世界でも、口止めする程やっかいな人物ってことだよ。　　　お互いの目的は別々だけど、探し当てるという目指すところが一致しているからね。　　　心配ないって (^ ^ｖ」和恵姉さん　　「そこの４人っ！　分かったわね。　こういち以外にもよ。　　　漏れると行き着くところは利江ちゃんにまで被害がおよぶかもしれないの。」柔道部員１２３４　　「は、はいっ！　分かりました。内緒にしますっ」和恵姉さん　　「はい、よろしい～♪」～　　～　　　　～　しばらくして奥からこういちが火照った体で、湯気を発しながら赤い顔つきで出てきた。こういち　　「ふぅ～。。。」利江　　「はぃ、どうぞ♪」　　冷たい水の入ったコップを手渡す利江。こういち　　「あ、ありがとう。。。 (^ ^* 」ゆうすけ　　「なんだ、こういちもイっチョ前に照れることあるのか～ (^。^ 」とくさん　　「気の利く素敵なお嬢さんね♪」利江　　「い、いえ、そ、そんなぁ～ (*^ ^* 」　　顔を真っ赤にして照れまくる利江。　コップの水を一気に飲み干したこういち、こういち　　「で、みんなどうしたの・・・？」和恵姉さん　　「古流柔道の話をしていたの。　　　その世界に、なんだかイタズラしそうな選手がいるらしくてね。」こういち　　「ふぅ～ん、で、椿さんを特訓ってこと？」椿　　「そういうことになったみたいだ。　悪質なイタズラだ。　　　噂では選手を潰しまくっているらしい。」こういち　　「そうなんだ。　で、北見のおじちゃんはそれでＯＫなの？」北見刑事　　「なっ！　知っていたのか？　私と椿君とのことを・・・・・」こういち　　「知らないよ、でもね、身のこなしとか癖が一緒だったもの。関係してるなって♪」椿　　「そんなことまで分かるものなのか・・・？」こういち　　「そうだね、普段は分からないけどね。　　　おいらはいいよ♪　椿さんの相手。　　　中学生には使っちゃダメっていうの、おいらにはいいさ。　でさ、」椿　　「ん・・・？」こういち　　「椿さんに聞きたいんだけど、柔道と古流、どちらを鍛えたいの？」北見刑事　　「なにっ !? 」こういち　　「古流に力が入っているようだけど、柔道がおろそかになっている感じがして・・・・」椿　　「うっ。」こういち　　「柔道の組み手、引き手が少し弱いから、古流の技も 100% にならなくなってる感じで。　　　きっと椿さんは、ふたつを頭で分けてしまっているんじゃないかなぁ～。」椿　　「確かに････使って良い・ダメと区別していたのは確かだ･･･。」北見刑事　　「なんという子だっ !!　　欠点を見抜いている・・・・・」利江　　「余り物だけど。。。どうぞ♪」こういち　　「さんきゅ♪　うまそうだぁ～☆　頂きま～～す♪」ゆうすけ　　「利江ちゃん、こういちの奥さんみたい。。。(^ ^ｖ」　カァーーン★　　★o☆~゜（和恵の使うフライパンで）利江　　「もぉっ　(-、-*;;; 」ゆうすけ　　「くぅ・・・・、こっちからも飛んでくるのかよ・・・・」こういち　和恵姉さん　北見刑事　椿　　「あははははは。。。」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第３８話　椿の特訓開始　へ　（マネージャーかぁ～）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月17日

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第三十六話　　和恵 vs 椿の腕相撲　（いらっしゃい。　はぃ、いつものね♪）

.　ゆうすけの掛け声と共に、椿の手首、腕に力が入る。　テーブルが微かに振動している。　が・・・・　組んだ二人の手の位置が全く動かない。　二人の顔色の様子を伺っていたゆうすけが、ゆうすけ　　「椿さん、最初から本気でいかないと・・・・。様子見している場合ではないっすよ。」　ゆうすけのいう通り、椿の表情にはまだ余裕があった。　だが・・・・　和恵の表情はとても穏やかであった。椿　　「ん～っ」　力をもう一段込める椿。　和恵の表情は変わらない。椿　　「うぉーーっ」　　いよいよ渾身の力を込めて勝ちに行く椿。　一瞬、椿有利に腕が動くが、また中間位置に引き戻される。　椿が、和恵の左手をチラッと見てはっとした。　そして・・・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ダンっ★　手の甲がテーブルに付いたっゆうすけ　　「勝負有りっ！　姉さんの勝ち～☆」和恵姉さん　　「どうする？　泣きのもう一回をやる？」椿　　「いえ、やるまでもなく完敗です・・・・。　　　　　　　まるで鉄骨を相手にしているようだ･･･。　　　私は左手をテーブルの縁を握って両手で腕相撲に望んでました。　　　しかし、　　　お姉さんは、左手はテーブルの上。　大いに不利な片手で望んでいました。　　　それを見た瞬間に、これは勝てない・・・・と思いましたよ・・・・・」柔道部員１　　「うわっ、圧勝かぁ・・・・」柔道部員４　　「自分とやってもらえませんか？」和恵姉さん　　「いいわよ♪」柔道部員４　　「よっしゃーーっ」常連のお客［Ａ］　　「ガタイのいい兄ちゃん、がんばれよ～」　先程椿の座った位置に身構える柔道部員４、そして・・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ダンっ★ゆうすけ　　「秒殺で姉さんの勝ち～☆」柔道部員４　　「ば、化け物っすよ～～～～（＞o＜||| 」柔道部員２　　「どおりで前回、我ら４人があっという間に投げられちゃう訳っすね・・・・」柔道部員３　　「それもヒジや突きでみぞおち叩かれて・・・・　　　早過ぎて何も出来なかったっす・・・・あのとき・・・」ゆうすけ　　「あの日は歩いて帰れただけ良かったってことだな♪　　　姉さんが月１回のあれで、もし、虫の居所が悪かったら・・・・」　カァーーン★　　★o☆~゜（先程と同じフライパンで）和恵姉さん　　「余計なことはいいのっ」ゆうすけ　　「たんこぶ三兄弟になっちゃった・・・・・（；。；3 」椿　　「姉さん、その腕力といい、こいつらに何もさせずに倒す身のこなしといい・・・・　　　何か拳法でも？」和恵姉さん　　「我が家に伝わる護身術って感じかしら・・・・。　　　私は正当な流れをくんでないので、最後の詳細は伝授されていないの・・・・　　　こういちが伝承者だからね。　　　でもね、子供の頃から中国の一流の拳法家と毎日手合わせさせられていたわ。　　　こういちが生まれるまでは私が伝承者の立場だったので１０才まではこういちと同じこと　　　をやらされたの。　　　お陰で好む好まざるに関らず、身についてしまったわね。」利江　　「拳法・・・？　護身術なのにですか？」和恵姉さん　　「そうね、なにやら南家代々からの教えでね。　　　一代に一人ずつ受け継ぐことになっているの。　　　うちの代は私もかなりカジってしまったので、　　　似た能力が２人になってしまったけど・・・・」椿　　「すると、こういち君はお姉さんよりも腕が達つってことですか？」和恵姉さん　　「えぇ。　彼は最後まで教わっていたしね。私の中学時代よりも格段に強いわ。」椿　　「やはり・・・・、今の私では、きっと柔道ですらお姉さんに敵わないかもしれない。　　　今日、彼と戦った時、初めて試合中に早く時間が過ぎてくれって思いました。　　　今の腕相撲では自分からあきらめることが可能でしたが・・・・・」ゆうすけ　　「おれは幼い頃からこういちと一緒だったけど、　　　やつはいつも岩場や竹薮みたいなところから、　　　入ったら中々出てこないんだよね。　　　たまぁ～に見に行くけど、人間とは思えない光景ばかり目にしてきて・・・・・　　　今はもう慣れっこだからなんとも思わなくなったけど。。。」椿　　「人間とは思えない !? 」ゆうすけ　　「岩場ではデカイ岩を持ち上げたり、拳大の石をいくつも一度に放り投げては落下前に　　　全て蹴り砕いたり、竹薮では、手刀で・・・・」和恵姉さん　　「はぃっ、それまで～♪　　　その先は企業秘密ね(^ ^ｖ」　と、そのとき、　ガラガラ北見刑事　　「こんばんは。」とくさん　　「あら、いらっしゃい。」ゆうすけ　　「おやじっ」椿　　「師匠っ」ゆうすけ　椿　柔道部員１２３４　　「え゛ぇっ !! 」ゆうすけ　　「し、師匠～ !? 」椿　柔道部員１２３４　　「お、お父さん !? 」北見刑事　　「なんだ、ゆうすけや椿君までみんな揃って。」ゆうすけ　　「おやじっ、師匠ってどういうことだっ　聞いてないぞっ!! 」北見刑事　　「あぁ、それか。　　　我々警察官は、警察学校時代から剣道や柔道、またはどちらかを強制的に教わるんだが、　　　ある日、ある人に呼ばれてな。　古流柔道の道に入ったのだよ。　　　古流柔道を極めつつあった数年後、椿君の顧問先生から相談を受けて、　　　今は椿君に教えているのだ。」ゆうすけ　　「それで家に帰らない日が多いのか・・・・」北見刑事　　「いや、指導は平日の夜の仕事が終わってからだ。　帰りが遅い日がその日だよ。」椿　　「師匠のお子さんだったとは・・・・・」和恵姉さん　　「その御弟子さんと、うちのこういちが今日、柔道で試合をしたのよ♪」北見刑事　　「なんとっ！　それでこういち君は、無事でしたか？」椿　　「彼はなんともありません。　お恥ずかしながら私がこれなんです。」　手を持ちあげて見せる椿。北見刑事　　「ア、・・・アイシングか・・・・、組ませてもらえなかったか。　　　椿君は格闘家として上位に位置する。　なのに・・・・・　　　和恵さん、お宅はどういう姉弟なんですかっ。　　　腕相撲でこの私が和恵さん、　　　女性の、それも本気を出していないあなたにも勝てない程だし。」和恵姉さん　　「北見刑事も本気ではなかったでしょ♪」北見刑事　　「ほとんど全力に近かったですよ・・・・、そっか、　　　　　　　　　　　　　　　　　　椿君ですら敵わなかったのか・・・・。」椿　　「はい、私もお姉さんと腕相撲をして、改めて痛感した次第です。」北見刑事　　「勝てんだろう。　なんという姉弟だ・・・・。」とくさん　　「いらっしゃい。　はぃ、いつものね♪ 」北見刑事　　「あ、すいません。」和恵姉さん　　「腕相撲はね、椿君の弱点を教えてあげることでやってみたのよ。」北見刑事　　「ほぅ、弱点ね・・・・」和恵姉さん　　「そっ♪　引き手が甘いわ。　　　古流の打撃と関節技を多く練習に取り入れていると見えて、　　　柔道の大事な引き手が弱いの。　　　そして握力もね。。。　　　相手を崩すときに重要だわ。投げ技にもね。並みの相手には十分過ぎるけど。　　　足先で崩すことが頭に焼きついているみたいで。。。　どうかしら？」椿　　「言われてみれば・・・・・確かに・・・・」和恵姉さん　　「師匠さん、まだまだね。」北見刑事　　「うむ、図星だな。　　　だが椿程の選手を見て、それが分かるもんでもないのだが・・・・・」椿　　「お姉さん、今日はそれを伝えるためにわざわざここに・・・・ではないですよね？」和恵姉さん　　「そうね、他に聞きたいことがあって。。。　ゆうすけ、お願い。」ゆうすけ　　「うん、実はね・・・・・」　そう言うとゆうすけは、利江の幼少のころに起きた出来事と、謎のチビ少年の話しを始めた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第３７話　心当たりは　へ　（余り物だけど。。。どうぞ♪）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月16日

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第三十五話　　集会所［華夢on］　（いや、まずいっす）

.和恵姉さん　　「利江ちゃん、これお願いね～♪」利江　　「は～ぃ♪」　　ピンクのエプロン姿が良く似合っている。和恵姉さん　　「ゆうすけ君はこれね。」ゆうすけ　　「おっけ～☆」　　なんとこちらはネジリはち巻き姿のゆうすけ常連のお客［Ａ］　　「なんだか今日はちびちゃんのお手伝いさんが多いんだなぁ・・・」とくさん　　「なんでも和恵さんが召集したらしいのよ。」常連のお客［Ｂ］　　「そっかぁ～。活気があってたまにはいいね。」和恵姉さん　　「あら、それじゃぁ普段は活気が無いってことかしら。」常連のお客［Ａ］　　「違いますよ。普段は色っぽく、大人の雰囲気ってこと。なっ♪」常連のお客［Ｂ］　　「そう、そうですってば・・・・(^ ^;;;」　ガラガラ椿　　「今晩は。　遅くなりました。」柔道部員１２３４　　「押忍っ」常連のお客［Ａ］　　「うわっ、か、彼等はこないだの・・・・・」和恵姉さん　　「私が呼んだのよ♪　　　椿君はあっちの席に、そこの４人は前回お客さんに迷惑掛けたお詫びの印でお店の　　　お手伝いよ。　　　そのアルバイト代としてお食事はご馳走するわね。　いいかしら？」柔道部員１２３４　　「お、押忍っ」椿　　「あはは、それはいいや。やつらにはいい薬でしょう。」和恵姉さん　　「私は許したけど、お客様にも詫び入れなきゃね♪　　　不快感を持ったのはお客様の方だから。。。」とくさん　　「突っ立ってないで、これをあちらのお客さんに運んでちょうだいね。」柔道部員１２３４　　「押忍っ、分かりました、押忍っ」和恵姉さん　　「手を洗ってからよ～。　　　　　　　　　エプロンも付けてね。」柔道部員１２３４　　「押忍っ、分かりました、押忍っ」　四人は隅に荷物を置き、お手洗いで順番に手を洗う。　そしてエプロンをかけて、　　「押忍っ、失礼します！　お待ちどう様です、押忍っ」　　「押忍っ、先日は大変失礼致しました、押忍っ」常連のお客［Ｂ］　　「あわわわわ・・・・、は、はい、どういたしまして・・・・。」ゆうすけ　　「椿さん、あの［押忍］の掛け声、なんとかなりませんか・・・、このお店には・・・・」椿　　「あ、そうだな、ここでは無用とするか ^ ^；」柔道部員１２３４　　「押忍っ、分かりました、押忍っ」椿　　「だからここでは・・・・・^ ^;;;」柔道部員１２３４　　「あっ、押忍・・・・ではなく、はぃっ、分かりましたっ！」利江・ゆうすけ・椿　　「ははははは」　すでに意気投合し、なごやかな雰囲気である。和恵姉さん　　「さて、準備が出来たら夕食を始めましょうね。」利江・ゆうすけ　　「はぁ～ぃ♪」椿　　「これはまた豪華な晩飯ですね・・・・」和恵姉さん　　「男４人分の稼ぎですからね♪　それに胃袋は８つでその内の５つは特大みたいだし ^ ^ｖ」椿　　「は、はぁ・・・、突然のお招きの上、こんなに豪勢な膳までとは・・・・　　　ありがとうございます。」和恵姉さん　　「まずは乾杯からよ♪　ジュースとお水でね ^ ^；」利江・ゆうすけ・椿・和恵姉さん　　「乾杯～☆」ゆうすけ　　「こいつぁ～凄いやっ！　いっただっきまぁ～す♪」　カァーーン★　　（小さいブリキのコップで）和恵姉さん　　「こぉ～ら、目上の人が手を付けるまで年下・各下は待ってるのよ。」ゆうすけ　　「は、はぃ・・・・-_-|||」椿　　「お姉さん、お先にどうぞ。」和恵姉さん　　「私は店の人だからいいのよ、どうぞ召し上がって下さい♪」椿　　「そうですか、それではお先に失礼します。」ゆうすけ　　「よっしゃ～、次はオレっ！」　カァーーン★　　（大きいお皿で）和恵姉さん　　「まぁ～～だ、レディー・ファースト、利江ちゃんが先でしょ。」ゆうすけ　　「・o・；ﾄﾎﾎ・・・・・」利江　　「すいません、頂きます♪」　パクパク。。。椿・利江　　「美味しい～♪」ゆうすけ　　「行きま～す♪　いっただっき・・・・まぁ～～すっ !! 」和恵姉さん　　「は～ぃ、どうぞ♪」　パクパクパク。。。ゆうすけ　　「うっ、うまいっ !!　　　姉さんのはいつもいつも美味しいやっ♪」和恵姉さん　　「ありがと。。。♪　　たくさん作ったから、遠慮せずにみんな食べちゃってね。。。　　　そっちのお手伝いさん、２人ずつ交代で食べていいわよ♪」柔道部員１２　　「押忍っ・・・・あっ、は、はいっ」　店内に笑いがおきる。　にぎやかで、そして楽しく会話が進む。　柔道部員達は、常連のお客［Ａ］［Ｂ］とも仲良くやっていた。常連のお客［Ａ］　　「おにいちゃん、どうだ、一杯やっちゃわねぇ～か。(^ ^* 」柔道部員３　　「いじめないで下さいよ、先日のことは悪いと思ってますから・・・・　　　ここでは飲めませんって・・・」　そう答えた後、当時和恵が投げた包丁の刺し跡が残る柱に視線を移した。常連のお客［Ｂ］　　「こっちのお兄さんはガタイいいなぁ。柔道強いだろ。」柔道部員４　　「いゃ～、そんなことないっす・・・。まだまだなんですよ・・・・」　ぐぅ～～～～　お腹が鳴く常連のお客［Ａ］　　「あはははは。　お腹は正直でよろしい。　どうだ、これ摘まんでみなよ。」柔道部員３　　「いや、まずいっす。　お客さんのに手を出しては・・・・」常連のお客［Ｂ］　　「まずくないって、うまいのよ、ここのは。」柔道部員４　　「いや、そっちの［まずい］ではなくって・・・・」常連のお客［Ｂ］　　「分かってるって、お金払うおれが許す。　ひとついっちゃえ～～♪」　顔を見合わせる柔道部員３・４。　そして和恵と目が合う。　　ウインクする和恵柔道部員３４　　「すんません、ではお言葉に甘えさせて頂きます。」　そういうと、お皿の上のおでんの大根をつまようじで突いて一口で食べる　柔道部員３・４常連のお客［Ａ］　　「どぉよ。」柔道部員３　　「熱ぢぃーーーーーっ」柔道部員４　　「うっまぁ～～いっ！」常連のお客［Ａ］［Ｂ］　　「あははは。」ゆうすけ　　「だから、あのとき私が出てても椿さん相手じゃ始めの合図とともに、秒殺です　　　って・・・・」椿　　「ハハハハ。　始めたばかりではね。　　　実は私も今日は勉強になったのだよ。　始めは乱取り稽古感覚だったんだが、　　　やはり中学生とはいえ、武藤君はズバ抜けているからね。　　　対じするといつも本気になってしまって・・・」和恵姉さん　　「本気といっても、手を抜かないって感じでしょ。」椿　　「はい、最初はそうなんですが・・・・」和恵姉さん　　「後輩の見ている手前、圧勝しないと・・・・かな。」椿　　「図星です。　一辺のミスも見せてはならないと・・・・。　　　ですが、対じして肌を合わせると・・・・とても気楽な気持ちでは試合に望める相手では　　　ありませんね。」和恵姉さん　　「で、古流技がつい・・・ってことね。。。」椿　　「はい、無意識に・・・・です。」和恵姉さん　　「それは本能からきてるものね。　　　　　　　　　　　　　　　。。。ねぇ、私と腕相撲しようよ♪」椿　　「えっ !? 」和恵姉さん　　「あなたの弱点を教えてあげるわ。　だ・か・ら・♪」椿　　「しかし・・・・」ゆうすけ　　「遠慮は要らないぜっ、姉さんに勝てた人を見たことがないよ。　　　女ぢゃないって、その強さ。」　カァーーン★　　★o☆~゜（こういちの時と同じフライパンで）利江　　「きゃっ」和恵姉さん　　「一言多いわ。。。」ゆうすけ　　「こんなんでこういちは大丈夫なのかよ・・・・いてててて・・・・・　　　おれはたんこぶでけた・・・・」和恵姉さん　　「勝てると思わないことね。」　椿は三角巾から腕を外し、アイシングを解きながら、椿　　「そうですか。　すいません、では遠慮なく・・・・」　利江がテーブルの上のお皿をどかす。　　　和恵との手際が分かって来た様子の利江。和恵姉さん　　「泣きのもう一回は、何度でも受けるわよ。」椿　　「なんの、一回で決めてみせます。」　　二人はテーブルを挟み対じし、腕を差し出した。和恵姉さん　　「世の中そううまく出来てないのよね。　ゆうすけ。」　　片ひじついてお互い手のひらを合わせる。ゆうすけ　　「ラジャー。　おれの掛け声で始めます。　　　いいですか・・・・　　　レディ～～～　　　ＧＯっ！」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第３６話　和恵 vs 椿の腕相撲　へ　（いらっしゃい。　はぃ、いつものね♪）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月13日

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第三十四話　　和恵の過去その３　（私はね、本気と言ったの）

.　どよめく報道陣。　だが、すくっと立ち上がる和恵を見た報道陣が違うどよめきに変わり始めた。　そして和恵のその形相が今までの和恵と異なり、険しい表情に変化し始めていたのだった。和恵ちゃん　　「これで最後だっていうから打たせてあげたの。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　期待したのに、こんなもんなの・・・・。　　　少し実力試させてもらったけど、現役チャンピオンがこんなに甘チャンじゃ、　　　先が見えるわ。」チャンプ　　「なにっ、あ、あれを受けてまだ立ち上がるのか・・・・・」　驚いた表情で青ざめるチャンプ。和恵ちゃん　　「悪いけど、私がこれまで受けて来た練習の比ではないわ。　　　覚悟しなね、私もちょっぴり本気出させてもらうわ。」　すると、外側から輪を描くように、ゆっくりと両手を大きく回し、体の真ん中までくるとヒジ　を曲げてクロスさせ、下向き加減で［気］を集中する和恵。　その姿には、メラメラとオーラのようなものが後ろに立ち上るのが見える程であった。　報道陣は、初めて見るその出来事にカメラのファインダーから顔をそらし、その和恵の姿を　直接その眼（まなこ）で受け止め、ただただ目の前で起きている姿をぼー然と眺めていた。和恵ちゃん　　　ハァ～～☆★。、::。.::・'゜☆。.::・'゜★。、::。.::・'゜　そして目を開け、眼光鋭く上目使いにチャンプをにらむ和恵。チャンプ　　「本気だとぉ～、こしゃくなっ」　むきになって、攻撃を再開する。　　　　　　たぁー　とりゃ　そりゃ　てぃっ　おりゃ　そいやーーー　猛烈な連続攻撃で再度倒しにかかるチャンプ。門下生［Ｂ］　　「は、速すぎる・・・・・こ、殺されるぞ、あのこ・・・・・」　だが、　　　　　　サっ　ササっ　ヒョイっ　サっ　パシっ★　　鬼神に優るチャンプの攻撃を、全て紙一重でことごとく交わしたのち、　最後の一撃をガッチリと受け止めたっ和恵ちゃん　　「私はね、本気と言ったの。」　そう言うと、掴んでいた足を投げるように解き放った。チャンプ　　「くそっ」　　そのスキを突いてでたチャンプっ　今度は激しい連続突きを見せたっ　速く、そして重い正拳突きっ　それをいとも簡単に体の外側、外側へと受け流す和恵。　チャンプは、膝へのローキックで和恵の注意を下半身に向けた後、　意表を付く、飛び上がっての後ろ回し蹴りに出たっ　次の瞬間、サブ道場の中にいた全員が氷ついたっ！　後ろ回し蹴りに行ったチャンプを、左回し蹴りでチャンプを上まわる速さで迎え撃つ和恵っ！　チャンプが前を向いて蹴りにいく瞬間に和恵の蹴りが先にチャンプの顔面にヒット☆　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ガシっ★　さらに蹴りに行った足が吹き抜けた後、続けて右後ろ回し蹴りがヒット☆　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ガツっ★　そして後を追うようにまた左足の回し蹴りがコマのように連続で跳んできて、またまたチャンプ　の顔面をヒット☆　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ズカっ★　完全に意識を失い倒れ始めたチャンプをまだまだとばかりにその左手を後ろに背中で　ロックし、　膝(ひざ)をチャンプの後ろの首に当てて、顔面から叩き落とし、ロックしていた　手を上方に持ち上げたっ！　　　　　　　　　　　　　　　　グシャ★　グギっ★　バキっ★門下生［Ｂ］　　「うわっ」　報道陣はカメラのシャッターを押す暇もなく、今起きた出来事に何がなんだか分からず　ボー然としていた。_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/　　　って感じ。。。　　　つまりね、あの時代の実力のある道場すらそんな様ですもの。　　　おチビちゃんにそんなに実力のある子なんて居なかったわ。」利江　　「お姉さん、そのチャンプさんは・・・・・」和恵姉さん　　「顔面強打、首の骨が折れ、肩も砕けたわ。　再起不能・・・・というよりは・・・・」ゆうすけ　　「即死・・・・ですね。」和恵姉さん　　「本気になると、手加減しないから・・・・」ゆうすけ　　「道場は？」和恵姉さん　　「翌日から閉鎖してたわ・・・。」利江　　「道場潰しちゃったんですか・・・？」和恵姉さん　　「結果、そうなっちゃったみたい・・・・。　　　その後マスコミがその謎の少女をちまなこになって探したみたいなの。」ゆうすけ　　「ですよね、道場の最実力者が外部の人に倒された訳ですから・・・・・」和恵姉さん　　「利江ちゃん、普通はあなたを助けたみたいに車に穴なんて開けられないわ。」ゆうすけ　　「そうなると私の中では姉さんかこういち意外に・・・・いよいよ居ないですよ。」利江　　「お姉さんもそんなに強いんですね・・・・もしかして・・・・・」和恵姉さん　　「残念、私でもないわ。そのころ中学生よ。　おチビちゃんにはとても見えないわよね♪」利江　　「・・・ですよね・・・・・」ゆうすけ　　「利江ちゃん、そうがっかりするなよ。　　　ぼくらのまだ知らないところに居るのかもしれないんだし。。。　ゆっくりと探そうよ♪」　!!　と、その時、３人の行く手を塞いだ胴着姿の数人の男たち。ゆうすけ　　「なんだっ!?　　あっ、こいつら・・・・」和恵姉さん　　「あら、また腕相撲をやりに来たのかしら？　お酒は20歳を迎えてからよ～♪」　笑いながら話す和恵の前にいた数人の男の後ろから、なんと　先程の浦羽高校柔道部主将、椿が現れた。　ゆうすけと利江は、和恵の後ろに身を潜めた。椿　　「今日は、わざわざ試合の見学と応援、ありがとうございました。」ゆうすけ　　（ありり・・・）　語り始めた椿のその両手は、アイシングで冷やされており、その廻りを落ちないように　がっちりとテーピングされていた。椿　　「もっと早くに報告を受けていればこんなに遅れずに済みましたが、　　　こいつらから先程聞いたもので。　　おぃっ」　押忍っ　　椿がそう言い終わると、返事をした後４人が和恵の前で正座した。　そして、柔道部員の４人　　「先日は、お店で大変失礼を致しました。　　　またご教訓を賜り感謝しております。今後は二度と致しません。　　　申し訳けありませんでしたっ！」　そして両手をついて深々と頭を下げた。和恵姉さん　　「了解したわ♪　偉いわね、それでこそ体育会系のりっぱな姿だわ。」椿　　「うちの柔道部員の非礼。　主将の私からもお詫び申し上げます。」　そう言うと、椿も土下座してあやまりだした。ゆうすけ　　「やっぱ椿さんって大したものだ。　　　どうせこいつらは、仕返しのお願いをしたんだろうけど。」柔道部員１　　「すいません、まさにその通りで・・・・」柔道部員２　　「お恥ずかしながら・・・・」和恵姉さん　　「そのくらいの負けん気がなきゃ格闘技はできないわ。　　　でもね、それを自分でやらなきゃ。。。　　　腕磨いて、もう一度チャレンジ☆　人に頼んではダメね。」柔道部員３　　「おっしゃる通りです。」柔道部員４　　「でも、お姉さんとやるつもりはもう起きませんから・・・・」和恵姉さん　　「あら、私はいつでも相手になるわよ♪」柔道部員４人　　「もぅ勘弁して下さい～～っ！」椿　　「大変申し訳けありませんでした・・・・。」和恵姉さん　　「いいわよ、あの日のことは表できちんとけりをつけたつもりだから、既に許してるわよ。　　　もう体起こして♪　　　それにしても椿君、痛々しい姿ね。　どうだった？　弟と対戦して。。。」椿　　「弟さんでしたか・・・・」柔道部員４人　　「あわわわ･･･」　　　　「弟かぁ･･･」　　　　　　「そういや見覚えが･･･」　　　　　　　　「･･･店の奥に居たかもしれねぇ･･･」椿　　「はい、私も腕には自信がありました。　　　これでも全国高校大会で、個人戦３位になった程です。　　　それに・・・・・」和恵姉さん　　「古流柔道ね。」椿　　「やはりご存じでしたか・・・・。　弟さんも口にしてました。　　　それを知る人は大変少ないのに・・・・。　　　弟さんですが、私の究極の技を、難なく交わしてしまいました。　　　知っていても交わせるものではないと思います。　　　最後の技はさせてもらえませんでした。　　　その後は組み手も掴ませてもらえず、この様です。　　　更に困ったことに、弟さんは、一度も私を投げにきませんでした。　　　あのスピードで攻められていたら・・・・・　　　中学生とはとても思えません。　恐らくはあのスピードと眼力・・・・　　　うちの師匠でないと太刀打ちできないか、あるいは・・・・・」和恵姉さん　　「ありがとう。　　　　　　　　　　で、椿君はその相手に再び挑むのかしら？」椿　　「痛いところを突かれました。　　　今の私では、どれだけ修行をしても彼には到底敵わぬ、そう思っています。　　　ただ、同じ人間、自分もあのレベルに近づけれたらなと・・・・・　　　僅かですが思うところもあります。　　　精神的に復活までは日数必要でしょうが、また精進するつもりです。」和恵姉さん　　「それでいいわ。　その回答が聴きたかったの。。。　　　あなたのスピードとセンス、磨けばもっと開花するわ。　　　古流の技を要所要所に使って全国大会３位なんでしょ？　　　使わずにそこまでのレベルにならなきゃ。　　　　　　　　　　　　　　　　　使ったら優勝できないとね。。。」椿　　「おっしゃる通りです。」和恵姉さん　　「そうだ椿君、練習終わったらうちのお店に来てくれないかな～。　　　ちょっと聞きたいことがあるんだけどな♪」椿　　「えぇ、構いませんけど。」和恵姉さん　　「ゆうすけ君と利江ちゃんもよ♪」利江　　「は、はい・・・。」和恵姉さん　　「じゃ、決まり～♪　先に行ってみんなで待ってるわね。　　　そこの４人、ちゃんと椿君を案内してきてね♪」柔道部員１２３４　　「お、押忍っ」和恵姉さん　　「私は利江ちゃんのお母さまにお願いしに行かないと。。。　　　まだ中学生ですものね。夜間の外出だから。　　　ゆうすけ君は先に行ってとくさんに伝えて来てね♪」ゆうすけ　　「わかりました。」　　（姉さん。。。）　そして数時間後、夜の［華夢on］に、続々とみんなが集結していた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第３５話　集会所［華夢on］　へ　（いや、まずいっす）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月12日

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第三十三話　　和恵の過去その２　（はぃはぃ。。。どうぞ御自由に♪）

.門下生［Ｃ］　　「きさまが道場破りかっ」　道場破りという言葉と行動に過敏になっている門下生。和恵ちゃん　　「ぃゃ、あのねぇ・・・・・」門下生［Ｃ］　　「師範代を呼ぶまでもないっ　まずは私が相手をしてやる。」和恵ちゃん　　「だから違うって・・・・・」門下生［Ｄ］　　「次は私だ。」門下生［Ｅ］　　「その次は私だ。」　腕を組んで仁王立ちで和恵をにらむ門下生達　　その数約30人ばかり和恵ちゃん　　「なんなの、いったい・・・・・」門下生［Ｃ］　　「問答無用っ　　いくぞっ」和恵ちゃん　　「もぉーーーっ　あったまにきたっ！　どういう道場なのよっ　　　そんなに私を道場破りにしたいわけ？　いいわよ、相手してあげるわ。　　　こっちは体を動かしたいだけなのにーーーっ」　とりゃーー　　和恵に襲いかかる［Ｃ］　　　　　　ガシっ　えぃっ　ズコっ★　上段蹴りにきた［Ｃ］の足を左手一本で受け止めて、逆に気合いと共に上段蹴りをみまう和恵。　その一撃でたたみに倒れ込む［Ｃ］。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ドサっ★門下生［Ｄ］　　「くそっ、次は私だっ」　　　　　　　サっ　はいっ　ズコっ★　襲いかかる［Ｄ］をサっと交わし、裏拳一発で沈める和恵。和恵ちゃん　　「めんどくさいわね、のこりはまとめて掛かってらっしゃいっ」　『くそー』　『おのれー』　　　　『覚悟しろ』　『こんのー』　『生意気な』　『やったるぜ』　　　　　　はぃっ　えぃっ　はぃっはぃっ門下生［Ｂ］　　「師範代、こっちですっ」　師範代を連れてサブ道場入リ口で指を指して叫ぶ［Ｂ］門下生［Ｂ］　　「うわっ！」師範代　　「こ、これは・・・・・・」　そこにはうめき声を上げながら、転げている 30人近い門下生の姿がっ！師範代　　「きみ一人でやったのか・・・？」和恵ちゃん　　「そうよ♪　人を道場破り扱いにするんだから。」師範代　　「立派な道場破りだな、これじゃ。　　　理由は聞かん。　私が相手をしてやる。」和恵ちゃん　　「なんでこうなっちゃうのよ。　まっ、いいわ。この際だからとことん付き合うわ。」師範代　　「見たところ、まだ若い女の子ではあるが、遠慮はせんぞっ」和恵ちゃん　　「はぃはぃ。。。どうぞ御自由に♪」師範代　　「行くぞっ」　たぁー　サっ　　　おりゃー　そりゃ　サっサっ　　　とりゃー　サっ♪　師範代の連続技を、ことごとくかわしてしまう和恵。師範代　　「なにっ」門下生［Ｂ］　　「し、師範代の技がかすりもしないなんて・・・これは大変だ・・・」　再びその場を離れる［Ｂ］和恵ちゃん　　「鍛え方がね違うのよ、あんた達とはね。　　　女だと思って遠慮してるでしょ。　踏み込みが甘いわ。本気出しなさいよ。」師範代　　（踏み込みが甘いだと・・・・くそっ、かすりもしない・・・・）　　「ならば、遠慮せずにいかせてもらおう。」　うぉーーーりゃ　師範代中段蹴り、　和恵は左ヒジを当てに行くがその蹴りが一度止まってハイキックへと変わったっ！　だか和恵は左腕をすかさず立てて、それを手の甲で受ける。　そのまま和恵は師範代のわき腹に右足膝蹴りっ！　さらにその膝を引いて続けてハイキックを顔面に浴びせたっ！　和恵の流れるような一連の足さばき、それもかなり素早いっ　　　　　　　　　　ガシっ　ドスっ★　ズガっ★師範代　　「ぐわっ」　２ｍは飛ばされただろうか、頭からたたみに叩きつけられた師範代。　立ち上がることすら出来ない。和恵ちゃん　　「油断してるからよ。　　　　女、それもこんなちっちゃい子供だからと思っているでしょ。　　　悪いけどね、そんな甘い考えで望んでいたら、本当に道場取られちゃうわよっ！」　　　　　パンパンパン♪　　入り口外で拍手した一人の男。男　　「お嬢ちゃん、いや、道場破りさん。　　　息も切らさずに軽く30人抜きとは、　見事な腕前だねぇ～」和恵ちゃん　　「ん・・・？」　その男の後ろには、報道陣が群がっていた。門下生［Ｂ］　　「この御方はな、この鬼劉館（きりゅうかん）の　　　全国大会　無差別級のチャンピオンだ。泣きを見るなよ。」チャンプ（男改め）　　「そういうことだ。　　　さらに師範代を油断していたとはいえ倒すとは、大したものだな。　　　今日は取材だったので丁度いい、報道陣の前で私の腕をご披露するとするか。」　話終わると、報道陣が一斉にサブ道場の一辺を埋めつくした。和恵ちゃん　　「・・・・・」チャンプ　　「さて、私がお相手しよう。　鬼劉館もなめられたものだなぁ。」和恵ちゃん　　「そうね、私は入門に来たの。　　　あそこに倒れている人がスケベ根性だすのが悪いんだけど、　　　その結果でこれじぁね。　入門するのは止めたわ。」チャンプ　　「それが懸命だな。　入門しても毎日半殺しの目に遭うだけだ。　　　やるだけの事をしたんだ、このまま帰れると思わんことだな。」　羽織モノをサラっと脱いで、胴着姿になるチャンプ。　その体はキッチリと引き締まり、筋肉は鋼鉄のようにピリピリしていた。和恵ちゃん　　「ごたくはいいわ、来るならさっさといらっしゃい。」チャンプ　　「さぁて報道陣の皆さん、これからこの道場破りを血祭りにあげますが、　　　くれぐれも、私が子供をいたぶった、などと書かないで下さいよ。　　　状況は見ての通り、この道場の真剣勝負ですから。　　　お嬢ちゃん、おれを恨むなよ。　まずは挨拶代わりだっ　行くぞっ！」　とりゃっ　そぃっ　そぃっ　とぅー　チャンプがいきなり打って出たっ！　軽くローキックからクルッと後ろ回し蹴り、そして回し蹴り、横蹴りと軽やかなステップワーク　で和恵を攻めたてたっ　受ける和恵もステップ軽く、右左にかわし、かがんだ後、後ろに引いて見せた。チャンプ　　「ほぅ、やるねぇ。」　　　　　　　　　　　ではこれでどうだっ！　師範代と同様に中段蹴りを見せるチャンプ、　和恵は左ヒジを当てに行くがその蹴りが一度止まってハイキックへと変わったっ！　和恵は再び左腕をすかさず立てて、それを手の甲で受ける。　ガシっ★　ところが、　その後、伸び切った右足を膝で折りたたみ、今度は横蹴りで和恵の腹を蹴り込んだっ！　　　　　ドスっ★　ｸﾞｷｯ　　にぶい音がする。　うっ　3m 程後ろに飛ばされて、お腹を抱えている和恵。チャンプ　　「ほぅ、よく交わしたなぁ。　痛くない腹押さえて演技するのはよせ。　　　当たる瞬間に自分で後方に飛んだだろうに。　手応えがなかったよ。」和恵ちゃん　　「あらそぅ、手応えがなかったの。ふぅ～ん。」　お腹を押さえるのをやめる和恵。チャンプ　　「行くぞっ」　　そう言うと、和恵に向かって数歩ステップを踏んだチャンプが足の支えが効かずに、　突然転んだっ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ぐわっ　転げた後、しきりに右足首を掴んで痛がるチャンプ。和恵ちゃん　　「鈍い足ね。。。時差がずいぶんとあったわ。。。」チャンプ　　（くそ、このガキ　デキる・・・・。　　　あれを交わすだけでなく、ヒジ打ちでも入れたのか・・・・）　　「どうやら私も舐めていたようだ。本物の格闘家さんよ。　　　だが、本気になったこのおれの攻撃、交わしきれるかな。」　見る見ると顔の形相が変わるチャンプ。門下生［Ｂ］　　「うわぁ、チャンブが本気になったぁ・・・、　　　　　　　　　　　大会でもこれで何人が病院送りになったことか・・・」チャンプ　　「い、く、ぞ～っ！」　素早いステップで和恵に近寄ると、今度は左中段蹴りっ　和恵は右ヒジを当てに行くが、同時にチャンプの右ハイキックが跳んできたっ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　チャンプ得意の連続攻撃っ！　避けてては間に合わないと判断した和恵、左手甲で受けに行く・・・が、　その手を弾き飛ばされてしまった。　さらにチャンプの華麗な足技が続き、その素早さで避けてはいるものの、胴着のズボンや　Ｔシャツが刃物で切られたように所々裂けていた。　そして、チャンプ　　「これで終わりだっ」　　そういうとチャンプは数歩駆け寄りジャンプして飛び蹴りに行くっ　　ヒラリと体を横に向け交わした和恵に、着地後、後ろ回し蹴り、　　そのまま右回し蹴りをコマの様に回転して３連続で見舞ったっ！　ドスっ★　ドスっ★　ドスっ★　和恵は後ろ回し蹴りを更に身をひるがえして避けたが、その避けた方に右回し蹴りが　襲って来たため、最初は左腕で受け、次は弾かれ、最後の一撃を頭部に食らってしまっ　たっ！　一斉に報道陣のカメラのフラッシュがたかれる。門下生［Ｂ］　　「は、速いっ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第３４話　和恵の過去その３へ　　（私はね、本気と言ったの）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月11日

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第三十二話　　和恵の過去　（良く分からないの）

.～ゆうすけ　　「こんなことがあって・・・・」和恵姉さん　　「なる程ね、　　　それで似た技で武藤君を病院送りにした相手、椿君をその少年かもしれないと。。。」利江　　「はい。」　浦羽高校から徒歩で帰る三人。　ゆうすけから、利江の幼児体験の話を聞かされた和恵。和恵姉さん　　「その判断はゆうすけ君には無理ね。　似てるだけでは本人と断定出来ないもの。　　　実際に見た利江ちゃんに聞かないとね。」ゆうすけ　　「ですよね、おれじゃ分からないです。もう椿さんじゃないかと思ってるくらいですから。」和恵姉さん　　「そうよね。。。　　　で、利江ちゃん、どうだった・・・？」利江　　「う、うん・・・・良く分からないの・・・・・」ゆうすけ　　「なんだって !?　」利江　　「良く分からないの。　最初に武藤さんがあの技を掛けられた時、かなりの衝撃だったわ。　　　でも・・・でもね、なにかピンと来なかったの・・・・・。　　　良く分からないけど、これじゃ、これではないっ、この人じゃないって感じたの」和恵姉さん　　「そぅ・・・。　　　似ててもね、技には個人差があるわ。抱える手の添え方や、利き手の使い方、スピード。　　　実際に目にした本人がビンと来ないってことは。。。残念、別人かもね。」ゆうすけ　　「でもさ、そんな化けモノみたいなチビが、そんなにごろごろと居るとは　　　思えないんですよ・・・。」和恵姉さん　　「つまり、こういちではないかと・・・？」ゆうすけ　　「はい・・・・。　ですがそのころこういちは・・・・」和恵姉さん　　「そう、こっちには住んでいなかったわ。　私がこっちに上京してきたころ・・・か。」ゆうすけ　　「姉さん、何か心当たりでも？」　利江が何かを期待するかのように和恵を見つめた。和恵姉さん　　「ゴメン、笑っちゃうくらい何も無いわ。残念ながら。　　　だってね、・・・・・・あっ、利江ちゃんにはお話ししちゃうわね、　　　　　（和恵の上京当時の話が始まった。）　　　私が上京したときにそれまでずっと体鍛えてきたから、こっちでもこのまま体動かすなにか　　　やりたいなって、そう思って近くの空手道場に通ってみよ～って思ったの。　　　本屋さんとかで調べたら、うまいことに近くに１つ見つかったのよ。　　　そこはね、実は日本でも有数の空手道場だったみたい。　　　でね、訪ねたところまでは良かったのよ。　　　ところが当時はまだ女性に対する門が狭かったのね。　　　それでね。。。_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/￣_/和恵ちゃん　　「こんにちは～♪　誰か居ませんか～？」　・・・・・・・和恵ちゃん　　「失礼しま～す」　　　　（電気が点いてるんだから誰か居るはずなんだけど・・・・・）　　ズカズカと奥に入り込む和恵。門下生［Ａ］　　「おぃっ、きさまっ、そこでなにしてる。」和恵ちゃん　　「あっ、こんにちは。実は入門したくて訪ねてきたんですけど、誰も居ないので探していた　　　ところです。」門下生［Ａ］　　「入門？今日はうちのチャンプにＴＶの取材が来ていてみんな忙しいんだ。」　　（よく見りゃ、なんか美人さんじゃねぇか。。。）和恵ちゃん　　「そうなんですか、ではまた日を改めて・・・・・」門下生［Ａ］　　「ぃゃ、まて、このおれが入門にふさわしいかどうか試験をしてやる。　　（かわいがってやるか。へへへ。）　　　上にあるサブ道場に来い。」和恵ちゃん　　「わぁ～ぃ、ありがとうございま～す♪」　そう言うと、和恵を２Ｆに連れて行く門下生［Ａ］門下生［Ａ］　　「そこで着替えな。　胴着は・・・・」和恵ちゃん　　「えっと、胴着なら持ってますので、今日は自分のを使います。　　　着替えって・・・・ここの隅っこでですか？」門下生［Ａ］　　「そうだ。」和恵ちゃん　　「更衣室とかないんですか？」門下生［Ａ］　　「テスト生用の更衣室は無い。ここで着替えろ。」和恵ちゃん　　（なんかやな感じ・・・・・・）　　「分かりました。じぁ・・・・」　つい立も何も無いサブ道場の隅っこで、着替え始める和恵　それをニタニタしながら見つめる門下生［Ａ］和恵ちゃん　　「終わりました。」　そこには、汚れで黒ずんでボロボロの胴着を来た和恵の姿があった門下生［Ａ］　　「おい、空手始めてじゃないのか？」和恵ちゃん　　「経験はありません、始めてです。」門下生［Ａ］　　「そうか、まぁいい。」和恵ちゃん　　「よろしくお願いします。」門下生［Ａ］　　「さて行くぞっ」和恵ちゃん　　「えっ、いきなり組み手ですか・・・？」門下生［Ａ］　　「そうだ。能力あるかのテストだからな。」和恵ちゃん　　「・・・・・・、分かりました。　お願いします。」門下生［Ａ］　　「そぉーりゃーっ」　いきなり和恵のみぞおちめがけて正拳付きを繰り出す門下生［Ａ］　ヒラリ☆　　右肩を後方に下げて避ける和恵。　続けざま、左手で和恵の胴着を掴み掛かる門下生［Ａ］　和恵は目で追いながらされるまま放置し、捕まれてしまう門下生［Ａ］　　「そぉ～ら、胴着を脱がしてやる～」　　無理やり胴着を脱がしに掛かった門下生［Ａ］和恵ちゃん　　（なによ、掴みにくるのって空手に無かったはず・・・・）　払いのけて回避する和恵。　そして胴着を正している和恵の後ろから羽交い締めにして、　再び胴着を脱がせにかかる門下生［Ａ］和恵ちゃん　　「ちょっと、なにすんのよっ」　が、胴着を無理やり脱がされてしまい、上半身はＴシャツ１枚の和恵。門下生［Ａ］　　「空手はな、殴って蹴って、胴着を脱がせばいいんだ、くっくっく」和恵ちゃん　　（こいつの狙いは分かったわ）　　「そういうこと、なら遠慮無くやらせてもらうわよ。」門下生［Ａ］　　「くっくっく、次はそのＴシャツもだっ」　再び掴みにかかる門下生［Ａ］　だが、やる気モードに切り替わった和恵、全てをヒラリ　サラリとかわしまくる。　そして、再び正面から掴みにくる［Ａ］を右に避けながらクルッと時計周りに回転し、　しゃがみながらのヒジ撃ちを［Ａ］のみぞおちに決めたっ　はぃっ　ドスっ★　言葉にならないうめき声を上げてたたみにひざまずく［Ａ］門下生［Ｂ］　　「おぉぃ、［Ａ］はいるかぁ・・・？」和恵ちゃん　　「このすけべやろうがっ」　門下生［Ｂ］がその声に振り向くと、そこにはボロボロに使い込んだ胴衣を着た人の前で［Ａ］が苦しそうに倒れている姿が飛び込んできた！門下生［Ｂ］　　「うわぁーーーー、道場やぶりだぁぁぁぁ」　サブ道場の入り口でその光景を見た［Ｂ］、そう叫びながらその場から立ち去った。和恵ちゃん　　「おぃおぃ、入門に来たのに道場破り扱いかよ・・・・・」　そして身なりを整えていた和恵のいるサブ道場に、ドヤドヤと他の門下生が集まってきたっ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第３３話　和恵の過去その２　へ　（はぃはぃ。。。どうぞ御自由に♪）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月10日

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第三十一話　　こういちの受け身　（今、60kg になってるね♪）

.　そのころこういちは、学校に到着して武藤ら柔道部員達と道場にいた。武藤　　「こういち、すまないがこいつらにこういち流の受け身を教えてはもらえんかな。」こういち　　「構わないけど・・・・・同じようには行かないと思うよ・・・・」武藤　　「うむ、その入り口というか・・・　　　考え方や、どんな練習をすれば良いかなど、その程度からでよいんじゃが。　　　おぬしの柔道を見ていると、異質な感じがしての。　　　これから我らにも取り入れられるところは積極的に取り入れてみようとおもうて。」こういち　　「そんなことなら簡単さ。　行動は大変だけどね。」　道場の真ん中で、こういちの講義が始まった　円陣を組んで、座って聞く柔道部員達。　その真ん中で語り出すこういちこういち　　「柔道の受け身ってさ、自分の体を保護するって感じですよね。　　　ケガしないように、というのは基本だけど、それは投げられた後の話し。　　　投げられてしまったら終わり・・・っていう気持ちを、捨てちゃうの♪　ぽぃって。。。」武藤　橘　竜並　　「ふむふむ、、、」　今日の試合ぷりを見て、みんな真剣な眼差しで聞き入っていた。こういち　　「心構えとして、投げられた後、　　　続けて繰り出されてくる相手からの、更なる連続技からの防御、　　　そしてこちらは次の攻撃への準備ってことかな。」武藤　橘　竜並　　「ふむふむ、、、」こういち　　「まずは見てみて♪　橘さん、おいらを投げてみて下さい。」橘　　「よし。」　橘は立ち上がり、ポッカリと空いた中央に歩み寄る　そしてこういちの袖、襟を掴んで投げて見せた。　　　　　　そりゃっ　　　　　　　　　　　　バシっ★　　こういちは普通に受け身を取る。こういち　　「これがみなさんが普段見慣れている光景ですよね。」武藤　橘　竜並　　「ふむふむ、、、」こういち　　「この場合、投げられる瞬間って　　　［あっ、投げられてしまう］と心で思う一瞬の時間があると思うんだ。　　　それと自分が投げられている最中の滞空時間が存在してるでしょ。」武藤　橘　竜並　　「ふむふむ、、、」こういち　　「この二つの部分で、自分で何かすればいい訳♪　橘さん、もう一度お願いします。」橘　　「うむ」　橘は再びこういちの袖、襟を掴んで投げて見せた。　　　　　　そりゃっ　　　　　　　　　　クルっ　スタっ　　こういちは空中で一回転して着地した。こういち　　「まず、［あっ、投げられてしまう］と思った時に、おいらは投げられてしまうのではなく、　　　相手の力を利用して、自分で着地出来るように、自ら跳んでるんです。　　　ここで大事なのは、　　　その一瞬を感じる反射神経と、相手の力を利用するためのかわし方のひらめき。」武藤　橘　竜並　　「ふむふむ、、、」こういち　　「そして２つ目、　　　相手が素早い技の場合、投げられる瞬間に行動が取れない時もあるので、　橘さん。」橘　　「もう一度だな。」こういち　　「はい、今度はその瞬間には何もしません。投げられてしまいますが。。。　　　その後を見ていて下さい。」　橘はこういちの袖、襟を掴んで再び投げて見せた。　　　　　そりゃっ　　　　　　　　　トン　スタっ　こういちは投げられている空中で、橘の背中を左手で叩いて体を自ら回転させ、　対じするように着地した。武藤　橘　竜並　　「おぉ。。。」こういち　　「今度のは、［自分が投げられている最中の滞空時間］を利用して、相手の力に逆らわず、　　　且つ、違う力を加えて自分の姿勢を変える試みをした場合です。」武藤　　「なるほど、お主には２度チャンスがあったって訳か。」こういち　　「うん、　　　更に最高なのは、相手の力を利用して交わす・・・だけで終わらず、　　　次にこちらが攻撃できる体制に着地、　　　または相手の力を利用してこちらもその体制に身を置いて相手を投げることかな。」武藤　　「常に攻撃をイメージして・・・・か。」こういち　　「うん。まだ投げは教わってないけどそれをやってみますね。　橘さん。」　橘はこういちの袖、襟を掴んで再び投げて見せた。　　　　　そりゃっ　　　　　　　　　トン　　シュっ　　パシっ★　こういちは橘に投げられたまま、体を小さく丸めて橘の前に両足で着地し、橘の右腕を　引き込み前にかがむ様にして、そのまま伸び上がり橘をモノの見事に一本背負いで投げた。武藤　竜並　　「おぉっ」　橘の袖を掴んだまま、こういち　　「これが投げられてしまったけど着地してそのままこちらの投げって感じ。　　　相手も投げた勢いの重心の移動、体制の乱れがあるので、　　　それを利用してこちらの反撃ってこと。」橘　　「簡単にやってるが、こっちは完全に投げたと思ったぞ。　　　そして次の瞬間何故か受け身を取っていた・・・・。」　立ち上がりながら話す橘。こういち　　「これが、　　　　　　　　　武藤「好守一体ってことか。」　　　うん。。。　　　だけどね、その前に組ませないことが大事だけど。　　　それもこうです。　今度は武藤さん、お願い出来ますか。」武藤　　「うむ。」　　のっしと立ち上がる武藤。こういち　　「試合と同じように組み手を狙って下さい。」武藤　　「わかった。」　武藤は、ジリジリとこういちに近づき、右手左手でこういちの袖、襟を狙いに行く。　　　　　　ピシっ　サッ　　　ピシっ　サッ　こういちは、掴みにくる手を内側から叩いて、そのまま武藤の襟、袖を掴んで見せた。武藤　　「うっ・・・」こういち　　「相手が組み手を狙う手を組ませないのは従来通りだけど、普段のみなさんは、　　　跳ね返す、掴ませないだけで防いで終わり。やれやれって感じでしょ。　　　そして離れてまた仕切り直しになっていると思うんです。　　　そうではなく、そのまま弾いた手で、素早く相手の袖や襟を狙うんです。」武藤　　「守った上で、そのままこちらの攻撃・・・・か。」こういち　　「その通りです。　　　掴ませないだけではなくこちらが次に相手を掴み易いような弾き方をするんです。　　　弾き方も掴みに来る相手の手・腕の［下から］［内側から外へ］［外側から内側へ］何通りかあります。　　　弾いて守る・・・・、でもその実はそのままこちらの攻撃だったりします。自分が掴む狙い場所への近道のルートでね。相手のフェイントだってあるでしょう。その後の動きのパターンを見つけておけば一つの動きで次も防ぐ土台にもなったりもすると思うよ。　　　柔道素人のおいらだけど、こんなところが考え方とそして今後の練習に・・・かな？　　　こんなんでいいですか？　武藤さん。」竜並　　「強烈に入って来たよ。」橘　　「南君と同じ様に出来ないながらも、明るい御光が射して来た気分だ。」武藤　　「わしは素人だとは思ってない。　柔道の経験が無い・・・・だけじゃろな。　　　ありがたい、素晴らしい講義だったぞい。　　　お主の強さのことは聞かん、今日は色々と助かったわい。感謝しとるぞ。」こういち　　「投げられて分かることが多いよ。　　　武藤さん、なんかおいら照れ臭いや・・・・・^ ^*」武藤　　「お主は素早いだけではなさそうじゃの。弾かれる腕がまるで丸太で叩かれたような･･･。腕の筋肉が半端ないわい･･･。　　　もしかしてあの隅においてあるダンベル、ベンチプレスだが上げられるか？」こういち　　「ベンチプレス・・・か、どれどれ。。。」　道場の入り口脇のスペースに、ベンチプレスのセットが置いてある。　そこに向かってツカツカと歩き出したこういち。こういち　　「今、60kg になってるね♪」武藤　　「おっと、わしが使ったままじゃ。悪い悪い、重量を減らさせるわい。」こういち　　「あっ、いいよ、 60kg なら片手でもいけるから。。。」武藤　　「なっ、なに!!」こういち　　「ベンチだと今は 500kg でやってる。。。　　　今はまだ中学生だからって、姉ちゃんがそれ以上やらせてくれないの・・・・」橘　　「ご、ごひゃ、ごひゃく～～　＠。＠|||」武藤　　「お、おぃ・・・・・・」竜並　　「ま、まじかよ・・・・」こういち　　「いいよ、セットできる 150kg で。。。」武藤　　「・・・・・、セットしてくれ。」橘　竜並　　「お、オッス！」　　（い、いくらなんでも無理たろう・・・）　（そ、そうだよな・・・・）　奥から普段使用しない重りを引っ張り出し、左右各 75kg をセットする。武藤　　「準備出来たようじゃ。　　　こんな荷重をセットするのは初めてだ･･･。」こういち　　「おっけぇ～☆」　そう言い終わると、ベンチに横になるこういち。　周りの部員たちは半信半疑でこういちを見つめる。武藤　　「二人、左右から介添えしてやれっ」こういち　　「あっ、要らない要らない。　毎朝の日課だからさ。　いつも一人だよ。」　いい終わる間もなく　カチャ　と音を立ててゆっくりとダンベルが空中に浮いたっ　唖然とする部員たちを尻目にこういち　　「いち、に、さん、し、・・・・・・・」　カチャ　カチャカチャカチャ････　ゆっくりと上げ下げするこういち。　武藤を始め、言葉を失う部員達・・・・・(@o@|||　途中から片手だけで持ち、こういち　　「十一、十二、・・・・・」武藤　　「も、もういい、ありがとう・・・・・　　　それをま、毎朝・・・・何回やっとるんか？」こういち　　「20回を50セットかな。。。　　　（立ち上がったこういち、　　　　片手で持ち上げ肘を胸に付けて手首だけで上下させながら）　　　　　　カチャカチャカチャ････　　　ダンベルは楽でいいよ、握るところがあるから♪　　　ちっこいときは山に住んでいたんで、岩場に行って　　　手ごろな岩を見つけてやってたんだ。持つとこないから大変 ^ ^」　再び部員一同唖然・・・・・(*o*|||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第３２話　和恵の過去　へ　（良く分からないの）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月06日

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第三十話　　練習試合　その５　（お、おい、あれ見ろよ）

.和恵姉さん　　「さぁ、ここからよ」美咲先生　　「なんだか恐いわ・・・・」和恵姉さん　　「椿君が真剣になるから、その殺気が伝わってくるのよ。」ゆうすけ　　（自分がやるより緊張するぜ・・・・）　こういちがチラっ、チラっとゆうすけと、そして利江を見た。　四角いジヤングルの中央では、椿がトン、トン、トンと跳ねていた速度を早め、そして目付きが　変わったっ椿　　「遠慮なく行くぞっ」　そう言うと、素早く一歩踏み出した後、もう一方の足でこういちの足を払いに・・・・　というよりローキックの様に蹴りに行く椿　それを無造作に飛び上がって避けるこういち　　彡ぴょん～椿　　「もらったっ！」　蹴りを避けさせた椿は、空中に浮いたこういちを左手で逆襟を掴み上へ引き上げたっ！　そして腰を沈め右手拳をまるで空手の正拳突きのように、こういちのみぞおち目がけて鋭く　繰り出したっ！ゆうすけ　　「くっ」　だがこういちは、待ってましたとばかりに飛んで来た椿の右拳を、左手で払う。　すかさず、掴んでいた左手を放し、時計廻りに体を回転させ、右ヒジをこういちめがけて　繰り出す椿。椿　　「とりゃーーっ」　　気合いの一撃っ！　それをこういちは右ヒジで上からたたき落とし、　左足で椿の背中を蹴ってその反動で後ろに空中回転して対じするように着地した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　スタっ和恵姉さん　　「まったく。。。誘った訳ね。。。」利江　　「えっ？」和恵姉さん　　「あのローキックはね、普通左足を後ろに引いて避けるか膝を曲げて受けるの。　　　あのこなら、蹴ってきた右足の内側をカウンターで蹴り返すぐらい出来たわ。　　　それをわざわざ上に跳ねちゃって。。。　　　つまりね、相手の技を誘ったってことなの。。。　　　今の攻防で、椿君の顔を見れば一目瞭然よ。　　　連続技を全て交わされちゃったんですものね。」　和恵の言う通り椿は、青ざめた顔で　ボー然と立ちすくんでいた椿　　（あ、あれを交わすだと・・・・）浦羽高校顧問　　「な、なんてことだ・・・・・」ゆうすけ　　「やっぱ役者が違うってことか・・・・」椿　　「くそ、これならどうだっ」　蹴りに行くと見せかけて、低い姿勢からタックルのようにこういちに襲いかかる。　こういちを抱えるように掴み、裏投げのようにそのまま後方へ投げたっ　その時、こういちの首に椿のヒジが当たられていたっ　このまま着地すれば、命を奪うことも出来るっ　　　　　　　　　　　　　　　　　　クルっ　　ズガっ★　椿　　「なにっ！」　無情にも椿の技は、己のヒジだけがたたみに撃ちふせられ、こういちは投げられた反動を　利用し、空中で一回転して着地し椿と対じするように片ひざで椿を見つめていた。こういち　　「椿さん、まだ時間はあるよ。」椿　　「くっ・・・・・」　我に返った椿は、再び猛然とこういちに襲いかかったっ　　　　　　パシっ☆　サッ　パシパシっ☆　ガシっ☆　パシパシパシ☆　掴みにくる手という手、蹴りに来る足という足をことごとく跳ね退け、払い落とし、　目は椿を見つめるこういち。　今度は掴ませることすらゆるさない。椿　　（な、なんてやつだ・・・・・）　椿の猛攻は尚も続くっ　　　　　　パシパシっ☆　ガシっ☆　パシっ☆　サッ　パシパシパシ☆　引いては組み手を狙い、再び引いては左右からと組み手を必要に狙う椿に対し、　一切の組み手を組ませず払いのけるこういち　時折正拳突きのような攻撃も見せる椿だが、はたいたり、身をひるがえして交わすこういち。審判　　「それまでっ」椿　　（はぁ、はぁ、はぁ・・・・）久子ちゃん　　「ふぅ～、終わったのね・・・・」相ちゃん　　「凄い試合だったわ。」こういち　　「中学生相手に、もう使っちゃダメだよ。」椿　　「あぁ、お陰で実力の程を思い知ったよ。　もっと技を磨かないとな。　　　少し天狗になっていたようだ。」　戦い終えたこういちの元に駆け寄る青蘭中学柔道部員達。竜並　　「南、よくやったな♪」橘　　「おまえさん、凄げ～なぁ」武藤　　「大したものだ。だが、なんで攻撃しなかった・・・・。」こういち　　「だって柔道の技、教えてもらってないから知らないんだもん」竜並　橘　　（あららら・・・・）　　ずっこける二人武藤　　「そ、そう言えば、教えたのは受け身だけだったわい。　　あっはっはっは♪　　　よくやったな。　小さな恩人君。」　　こういちの頭をポンポンと叩く武藤。こういち　　「なんか照れ臭いや。」　一方の浦羽高校側では、顧問　　「上には上がいるようだな。」椿　　「はい。今後も精進を重ねます・・・・・」顧問　　「高校の全国大会個人戦３位のお主が、　　　それも禁じ手開放しても刃がたたたないとはのぉ・・・・」　控えにいた選手の１人がつぶやいた。浦羽高校控え選手１　　「お、おい、あれ見ろよ。」浦羽高校控え選手２　　「ん・・・？」浦羽高校控え選手１　　「あの後ろにいるチャイナ服の女性だよ。」浦羽高校控え選手２　　「・・・・、うわっ、あ、あの人だっ」浦羽高校控え選手１　　「あの時の居酒屋の・・・・」藤枝　　「つ、椿さん・・・その手・・・・・」椿　　「あぁ、終始仕掛けた側がこれだよ・・・・　　　あいつ、自分から技を仕掛けてこなかったしな。」　椿の差し出した両手は、真っ赤に腫れあがって、まるでグローブのようになっていた。ゆうすけ　　「おれ達は、自宅が近いから歩いて帰るよ。」武藤　　「わかった、お疲れさん。気を付けてな。」ゆうすけ　　「利江ちゃん、一緒に帰ろう。。。」利江　　「う、うん・・・・。」久子ちゃん　　「利江ちゃん、また明日ね～♪」相ちゃん　　「ゆうすけ君、たのむわね♪」ゆうすけ　　「あぁ。。。」和恵姉さん　　「私も御一緒していいかしら？」ゆうすけ　　「えぇ、構いませんが・・・・こういちは？」和恵姉さん　　「武藤君に誘われてたわよ。一緒に学校に戻るみたい。」ゆうすけ　　「そうですか。」　青蘭中学の一行を乗せたマイクロバスが去って行った。　テクテクと街中を歩く３人ゆうすけ　　「あぁ助かった、出番なくてほっとしたぜ。」和恵姉さん　　「公式の試合じゃないでしょ。勝つ必要がなければやってみた方がよかったのに。。。　　　受け身はバッチリみたいだし♪」ゆうすけ　　「武藤さんや、相手の椿さんのような柔道見せられると・・・・・　　　体育係りはこういちだし ^ ^；　　　それより姉さん、いいチャンスなのでちょっと聞いてほしい話があるんです。　　　実は利江ちゃん、おさない時にこんな経験があったんだそうです。」　そういうと、延々とちび利江の受けた話し、それを助けた謎のちび少年の話しを始めた　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第３１話　こういちの受け身　へ　（今、60kg になってるね♪）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2006年01月05日

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第二十九話　　練習試合　その４　（あら、ごめんなさい）

.久子ちゃん　　「なになに・・・なにがあったの？」相ちゃん　　「わ、分からない・・・・・」　ゆうすけが利江を見る。　そこには、ボー然と立ちすくむ利江の姿が。和恵姉さん　　「古流柔道。。。か。」美咲先生　　「こ・り・ゅ・う・・・・柔道・・・？」和恵姉さん　　「そ、本来の柔道の姿ね。　　　禁じ手が有る現在の柔道が主流だからなじみが無いのも当然だけど、　　　本来の柔道ってね、間接技に加えて打撃技も含まれているの。　それが古流柔道って訳。」ゆうすけ　　「き、汚ねぇぜ。　打撃は禁じ手、それに・・・・・」椿　　（こ、こいつ、おれをここまで蹴り飛ばしたあげく、武藤のクッションに・・・・・）こういち　　「む、武藤さん・・・・お、重い・・・・・・」武藤　　「あ、あぁ・・・・」　　お腹を押さえ、もっそりと起き上がる武藤　そしてこういちも起き上がる。こういち　　「椿さん、本来なら反則負けじゃなぁ～い？」椿　　「くっ・・・・」こういち　　「みぞおちへヒジを当てたよね。でも審判からは見えない。　まっ、それはいいや。」椿　　（こ、こいつ、あれが見えていたのか・・・・・）こういち　　「で審判さん。　行為に相手を傷つけることは反則だよね？」審判　　「あ、あぁ。」こういち　　「椿さんの最後の技、あれは行為だよ。そのまま落ちてたら武藤さんの腕が折れてたよ。　　　でもね、おいらが乱入したことでこちらも反則。　どちらも反則負けってことかな。　　　とすると、練習試合は浦羽高校が５人とも終わったから勝負有りで終わり。　　　でね、椿さん。ちょっと消化不良でしょ。　　　　　　　　　　だからさぁ、おいらが相手するよ。　それも禁じ手無しでさ ^ ^ｖ」椿　　「なんだとっ !? 」こういち　　「ここからはただの乱取りの稽古だって思えば。。。ねっ、審判さん♪」和恵姉さん　　「あらあら。。。」こういち　　「たださぁ、乱取りとはいえ４分の試合形式にしてほしいんだけどな。」　審判が椿と目を合わせる　　うなずく椿。審判　　「うむ、練習試合はこれまでっ」　双方の選手が向き合い一礼をして退場する。　そして試合会場であった畳の四角いジャングルには、　椿とこういちが向かい合って立っていた。久子ちゃん　　「どうなっちゃったの？」和恵姉さん　　「説明するわ。　　　練習試合は一端終わり。　　　で、こういちと相手高校の主将椿君と一対一で試合するみたいね。」相ちゃん後　　「こういち・・・・ってことは・・・・」和恵姉さん　　「あら、ごめんなさい。　自己紹介まだだったわね、こういちの姉の和恵です。」利江　　（こういち君の・・・・・お姉さん・・・・・・）久子ちゃん　相ちゃん　　「よろしくです。。。」利江　　「あのぉ・・・、私今野利江と申します。　　　えっと・・・・こういち君とゆうすけ君には・・・・・・」和恵姉さん　　「和恵よ、よろしくね♪」利江　　「は、はぃ。。。」美咲先生　　「始まるみたいよ。」審判　　「では試合形式の乱取りを始める。　二人前へ。」　一礼したのち、中央部分に足を運ぶ二人。椿　　（あの身のこなし・・・・・こいつ・・・・しかも禁じ手無しでだと・・・・）橘　　「武藤、禁じ手無しで素人の南君とやらせてしまっていいのか？」武藤　　「分からん・・・・、だが、わしが投げられている時に急に腹部に激痛が走ってな・・・・　　　それをこういちは見えていた。　そして自分で禁じ手を開放して試合を・・・・・　　　それにやつの身のこなし、常人ではない。　　　なんかわからんが、ここはこういちの思うままにまかせようと思うんじゃ・・・・」　　　　　（命も救われた感じだしな）橘　　「うむ・・・・」審判　　「お互いに、礼。」　たたずを飲んで見守る利江　　握り拳で見つめるゆうすけ。審判　　「始めっ」　審判の声が高らかに響いたっ　椿は様子を見ながらジリジリと間合いを詰める　が、竜並　　「お、おぃ・・・・」　こういちは構えることなくスタスタと椿に歩み寄る。椿　　「・・・・」　　素早くこういちの襟、袖を掴み、こういちを投げたっ武藤　　「ぐっ」橘　　「うわっ」　　　　　タン☆　スタっ　　誰から見ても鮮やかに決まったと思われた投げ技であったが、こういちは一端片手でたたみ　　をつき、椿に対じするように身を反転させて着地した。竜並　　「ば、ばか、練習じゃないんだ、簡単に組ませなくていいんだぞっ」椿　　「やるなぁ」　　そう言うと、続けて攻撃に入る。　様々な投げを次から次へと繰り出す椿　　　　　　　タン☆　スタっ　　トン☆　スタっ　　クルっ　スタっ　藤枝、武田、海原　　「おぉ・・・・」浦羽高校顧問　　「・・・・・・・」　その技を難なく受けて見せた。　そして再び椿に対じするこういち武藤　　「試合では、相手に組ませないことから始まるんじゃっ」　横目で武藤をチラっと見て、微笑むこういち　そして椿を見て、こういち　　「だとさ。　さぁ椿さん、そろそろ体も暖まったころでしょう。　　　古流柔道、始めてもいいですよ。」椿　　「ふっ、とぼけたやつだ、知っていたか。　だが身をもってその恐さを知るがよい。」　すると椿は目付きが変わり、今までのスタイルから一転し小さくトン、トン、トンと　跳ね始めたっ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第３０話へ　練習試合　その５　（お、おい、あれ見ろよ）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月28日

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第二十八話　　練習試合　その３　（あっ！）

.橘　　「うりゃっ」　　両腕を高く上げ、気合いを入れる橘海原　　「はぁっ」　　気会いと共に前に出る海原っ　しばらく有利な組み手を二人は激しく手を、体を動かす。　そして　奥襟を狙いに来た海原の手をはたこうとした橘の右腕をかわし、その袖を掴んだ海原　そのまま引きつけて逆の手で襟を掴み投げに出たっ！　　　　バシッ★　審判　　「技有りっ！」　橘は、とっさに半身で受け身を取り、一本は免れた　海原はそのまま寝技に持ち込む　そうはさせじと橘も身をもがいて逃げるが・・・・　審判のジャッジは無情にも押え込みのジェスチャー　橘はもがき続けるが刻々と時間が過ぎる　そして20秒が過ぎたところで技有りが決定し、合わせ一本勝ち審判　　「一本っ！！　それまでっ」ゆうすけ　　「うっ」和恵姉さん　　「残念。」久子ちゃん　　「あ～ん、負けちゃった・・・・」相ちゃん　　「相手は高校生だもんね・・・・」美咲先生　　「次は武藤君ね・・・・」審判　　「次、前に。」　顔を２つ３つ叩いて気合いを入れてから、立ち上がる武藤久子ちゃん　　「武藤さん、がんばれーー！」相ちゃん　　「がんばって～！」　歓声が上がる体育館審判　　「お互いに礼。　　始めっ」武藤　　「うぉぉぉっ」　　気合いを入れる武藤　一試合終えている海原だが、疲れを見せずジリ、ジリっと武藤に近づく　襟を掴みに行く武藤、それを後方に一歩下がって避ける海原　だが、下がるのを予知していたかのように、すかさず体を寄せていき、　武藤がすばやく外側から足をからめ、ガッチリと襟を掴んで押し倒すっ！審判　　「一本っ！！　　それまでっ」久子ちゃん　　「やったぁ～」相ちゃん　　「きゃ～～♪」美咲先生　　「いいぞ～武藤君♪」ゆうすけ　　「やったぜっ」　ここから武藤の快進撃が始まったっ　次の武田を押え込み一本っ！　続く藤枝も内股一本っ！　またたく間に試合を決めて行く。椿　　「あの大将、相変わらず大したものだ。　全国大会個人戦優勝も伊達ではない。　　　それに、やつの狙いはこのオレだからな。」和恵姉さん　　「いよいよここからね。」ゆうすけ　　「ここからか・・・・」こういち　　「あぁ。」　ゆうすけが利江の方を振り向く　それに気づいて深くうなずく利江久子ちゃん　　「いいぞぉ～♪」相ちゃん　　「武藤さん、その調子～♪」　大歓声が館内に響き渡る審判　　「次、前へ。」椿　　（やはりこいつらでは歯が立たない・・・・か。）　浦羽高校主将椿が立ち上がる　均整のとれた体格。　武藤よりは一回り小さいが引き締まった体つきをしている美咲先生　　「武藤君、がんばって～」　『武藤君～』『あと一人だぞー』　応援席の声援が一段と盛り上がりをみせる。審判　　「お互いに礼。」　ゆうすけがまたまた握り拳を更にギュっと握る　利江も視線を釘付けで椿を追い続ける　それそれの熱い想いを乗せた視線が二人に集中する審判　　「始めっ」　再び歓声が沸き起こる　そんな中、二人はジリジリと歩み寄る　武藤が椿の袖を掴みに行くっ　それをサッと後ろに下がって避ける椿　すかさずそれを逃すかっとばかりに追いかける武藤っ　だが、さらに身軽に横に身をひるがえし、かわす椿和恵姉さん　　「身軽ね。」　武藤は押し寄せる津波の如く、間髪入れずに次々と組み手を狙いに行くっ　それを難なくかわす椿　　こんな攻防がしばらく続いた。　そして椿の出足払いに武藤がバランスを崩した瞬間っ　掴んでいた袖を引き、襟を巻き込み、大きく足を払い、武藤の体を空中高く舞いあげたっ　そして審判の死角を利用し、襟を掴んでいた手を一瞬放して・・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シュっ　武藤の顔が、一瞬苦痛の表情を見せるゆうすけ　　「うっ！」　再び襟を掴んで武藤の頭からたたみに叩き落としに行く　さらに落下する武藤の左腕を逆に取り、空中で腕ひしぎ逆十字の体制に入ったっ！！ゆうすけ　　「あっ！」　武藤の脳裏に、あの昨年のことが駆け巡った　　腕を決められ、受け身が取れずに落下する武藤っ　　　　　　　　と、その時っ！　　　　　　　　　　　　シューーー　ガシっ★　　ドサ★　場内は一瞬静まり返った。　そこには、武藤の体から離れたとこに飛ばされた椿の姿　そして、武藤の下敷きになっていたうつ伏せのこういちの姿があった　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第２９話へ　練習試合　その４　（あら、ごめんなさい）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月27日

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第二十七話　　練習試合　その２　（まだ未熟だな・・・・）

.ゆうすけ　　「い、いってぇ～～～」浦羽高校柔道部員［Ａ］　　「おぃおぃ、あのちびちゃん達、まるで素人だぞ・・・・」浦羽高校柔道部員［Ｂ］　　「まだ中学生だからな・・・・それにやっと人数合わせって感じだ・・・・。」ゆうすけ　　「無茶すんなよぉ～、試合前に体壊れちゃうよ・・・・・」　文句タラタラのゆうすけこういち　　「大丈夫さ、ゆうすけまで廻らずに試合は終わるよ。」　こういちの目線の先は、二面の中央を見つめていた　そこには、これらから行われる試合の組み合わせ表が貼り出されていた。　　［大将］　［副将］　［中堅］　［次鋒］　［先鋒］　｜　　　---------------------------------------------------------┼---------　　　椿　　　藤枝　　　武田　　海原　　　工藤　　｜　浦羽高校　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　　　北見　　　南　　　武藤　　　橘　　　竜並　　｜　青蘭中学和恵姉さん　　「やはりね。」美咲先生　　「やはり・・・？」　　不思議そうに和恵を見つめる美咲先生和恵姉さん　　「そっ、あの表を見るとね、うちの作戦が良く分かるの。　　　柔道はね、まず先鋒から始める訳。その後は今日は勝ち抜き戦。　　　高校生相手にゆうすけ君は無理と踏んで、大将、一番最後に当てたのね。　　　こういちも同じように考えられているわ。　　　つまり、先鋒、次鋒の橘君、竜並君がどこまで踏んばれるかによるけど、　　　後は武藤君が受け持つ内容だわね。」ゆうすけ　　「なるほどね・・・・。これが武藤さんの作戦か・・・・・」こういち　　「武藤さん、一人で数人相手にするようになるね。」ゆうすけ　　「ちょいと調べたんだが、大将の椿、あいつが実力者だ。」　　こういちに伝えつつ、利江にも目配りをするゆうすけ利江　　（えっ、あの人がそうなの・・・・!?）　　うなづくゆうすけ　利江は刺すような視線で相手大将の椿を見続けた。審判　　「では練習試合を始めますので、選手諸君は両サイドに。」武藤　　「みんな、練習試合ではあるが、数少ない絶好の試練となる。　　　精一杯がんばってくれ。」　オッスゆうすけ　　（いよいよだぜ・・・・）利江　　「いよいよね。」美咲先生　　「始まるわ。」審判　　「先鋒、前にっ」　オッス　　竜並が返答する　審判が副審二人の準備を目で確認する　　うなずく副審二人審判　　「お互い、礼っ」　ゆうすけは手のひらをグッとにぎっている審判　　「始めっ！」　始めの合図と共に、青蘭応援席から歓声があがる竜並　　「おりゃー」　　気合いを入れ、相手と対じする竜並　背格好は相手と大きく変わらない。　浦羽高校工藤がフェイントをかけながら竜並の襟と袖を狙っている　それを嫌うように手ではねのけたり身を引いたりして交わす竜並。　続けて組み手を狙う工藤が前に出たっ　そこへ待ってましたと竜並が工藤のスキを突いて出足払いっ！　よろけて倒れる工藤審判　　「効果っ！」久子ちゃん　　「おしいっ」　すかさず竜並は寝技に持ち込むが場外。浦羽高校工藤　　「中学生とはいえ、さすがに全国大会出場だけのことはあるな・・・・」　審判が二人を中央に戻す。審判　　「始めっ」　少し慎重になった工藤　竜並はスキを伺いながら様子を見ている。　工藤が仕掛けるっ　竜並がかわすっ　工藤の立て続けの攻撃に、竜並は防戦一方。　工藤が奥襟を掴んで投げに入ったっ　が、不完全・・・・　場外に出たので審判が止めて二人を中央に戻す。審判　　「教育的指導っ」　　竜並に向かって発した。和恵姉さん　　「これで並んでしまったわね。」美咲先生　　「技じゃないのに・・・？」和恵姉さん　　「そ、指導１回で［効果］に相当するの。受け身に廻って積極性が無かったからよ。」審判　　「始めっ」　竜並、工藤が積極的に攻め出したっ　しかし、せめぎあいが続くも・・・・・審判　　「それまでっ」ゆうすけ　　「時間切れ・・・・か・・・・」　　拳をキツく握り締めて汗ばんでいるゆうすけこういち　　「今から力入っちゃうと、疲れちゃうよ？」武藤　　「竜並、よくやった。」竜並　　「オッス」　　はぁはぁはぁ・・・　一方の浦羽高校では椿　　「まだ未熟だな・・・・」　　目線を工藤に合わせずに語る椿工藤　　「押忍っ」　　はぁはぁはぁ椿　　（うちはオレ以外は二軍・・・・が、それでも次鋒からは違う。。。）審判　　「次、前にっ」武藤　　「やつからは格が異なる。　橘、油断するなよ。」橘　　「オッス」審判　　「お互い、礼。　　始めっ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第２８話へ　練習試合　その３　（あっ！）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月26日

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第二十六話　　練習試合　その１　（ギャーーーーーーっ！！）

.美咲先生　　「あっ・・・」　　和恵に助けられた当時のことを思い出した美咲和恵姉さん　　「私たちはね、生まれて間もない頃から骨を太くする、筋肉を付けるための食事療法をさせら　　　れたの。　　　そしてよちよち歩きを始めたころから手首、足首にウエートを着けてたわ。　　　自分のは覚えてないけど、こういちを見てて分かったの。」美咲先生　　「まぁ・・・・拳法でも教えこまれたの？」和恵姉さん　　「最初は長女の私しか居なかったので私が。でも、　　　８年後に長男こういちが生まれてからはこういちが受け継ぐことになってね。　　　私は親元から離れて生活しなくちゃならなくなって・・・・・　　　で中学からこっちに出てきたの。　　　今はこれ以上話せないわ・・・・。　南家に伝わる護身術みたいなものね・・・・・」こういち　　「はぃ、もう一丁～お届け～♪」　まじまじとこういちを見つめる美咲先生こういち　　「美咲先生、どうかしたの・・・？」美咲先生　　「う～ん、なんでもない♪　でももう食べきれないわ。」こういち　　「大丈夫♪　心配要らないよ、余ったらゆうすけとおいらで片づけるから♪」美咲先生　　「そうだ、明後日の試合、和恵も見に来ない？」和恵姉さん　　「私はお店があるから・・・・・」とくさん　　「夜までは掛からないでしょうから、こちらはやっておきますよ。」　　　カウンターから声かけるとくさん。ゆうすけ　　「えぇぇっ、美咲先生が見に来るんですかぁ～？」　　アタフタするゆうすけ美咲先生　　「そっ、担任としても教え子の活躍を見てみたいな♪　　　　それに応援があると、張り合い出るでしょ♪」ゆうすけ　　「張り合いっつっても・・・・」和恵姉さん　　「じゃ、ゆうすけ君のために、考えておくわね♪」ゆうすけ　　「そ、そんなぁ・・・・」　　グゥ～～～　　ゆうすけのお腹が鳴く美咲先生　　「はぃ、決まり！　まずは夕食取って腹ごしらえしないとね♪　一緒に食べましょ。。。」ゆうすけ　　「なんかえらいことになってくなぁ・・・・・」　ワイワイガヤガヤと、華夢ＯＮの夜はふけていった。　そして試合当日の午後。　♪キンーコンーカンーコォーーン♪♪美咲先生　　「はい、今日の授業はここまで。　宿題、次回までにちゃんとやっておいて下さいね。　　　さぁ、これから武藤君率いる柔道部が、高校生のところに行って練習試合をするら　　　しいので、時間のある方は、一緒に応援に行きましょう～♪　　　　それに、南くんと北見君もピンチヒッターで出場するらしいわよ♪」ゆうすけ　　（あわわわ・・・・、そんなに宣伝しなくても・・・・・）武藤　　「よっしゃー、気会い入れていくぞぃっ！」こういち　　「うん♪」美咲先生　　「今日はなんでも校長先生がマイクロバスをチャーターしてくれたそうです。」ゆうすけ　　「うげっ、そんな余計なことしなくても・・・・・　　　おっと、利江ちゃん迎えにいかなきゃ。」　そして一行を乗せたマイクロバスは、試合相手である浦羽大学付属高等学校に到着する。久子ちゃん　　「うわ～、大きな高校。」相ちゃん　　「さっすが付属高校って感じよね。」利江　　（あのちびちゃんなのかどうか、この目で確かめるわ・・・・・）　青蘭高校の一行がバスから降りる。　浦羽付属高校の柔道部員らしき男が案内をしていた。部員　　「選手のみなさんはあちらへ。　応援をされる方はこちらにどうぞ。」武藤　　「部長の武藤です。ご案内恐縮です。本日は宜しくお願い致します。」部員　　「こちらこそ。　さっ、どうぞ。」　応援団が案内されたのは、体育館の中。　中央に２面、たたみがひかれた会場があり、そこでは、柔道部員達が練習に汗を流していた。和恵姉さん　　「へぇ～、付属高校だけあって、大学生も来てるのか。」美咲先生　　「ここの高校、聞くと県大会では敵無しらしいわ。　大学生と練習していたからなのね。」利江　　（どこ、どこにいるの・・・・・・）　奥の扉から、青蘭中学柔道部の選手達が着替えて出て来た。久子ちゃん　　「利江ちゃん、彼、ゆうすけ君が出てきたわよ♪」利江　　「う、うん・・・・」　　全く別のところを見つめている利江　武藤が相手高校の顧問の先生の所に歩み寄る。武藤　　「先生、本日は御忙しいところ、お時間を割いて頂きありがとうございます。」浦羽高校顧問の先生　　「うむ、心配にはおよばん、休憩時間の合間に試合するだけだからな。　　　今日は団体勝ち抜き戦方式で良かったんだよね。　　　それより準備が出来たら言ってくれ。　隣の一面を使ってもらってかまわんよ。」武藤　　「ありがとうございます。お言葉に甘えまして使わせて頂きます。」浦羽高校顧問の先生　　「あと15分後ぐらいでよいかな？」武藤　　「はい。」浦羽高校顧問の先生　　「ではよろしく頼む。」武藤　　「よぉ～し、体ほぐすぞっ。　いつもの練習始めっ」　オッスこういち　　「うっす。」ゆうすけ　　「うぉっす。」　　相変わらずの二人。　二人１組みで柔軟体操を始める。久子ちゃん　　「あら、あのこ・・・・」相ちゃん　　「あぁ、本当だ、入学式の時の～」久子ちゃん　　「ゆうすけ君と廊下でも一緒にいたわよね。」相ちゃん　　「うんうん、あのこも出るのかぁ。。。二人だけちっちゃいわね。」こういち　　「ゆうすけも、ずいぶんと体が柔らかくなってきたなぁ」　足を前に出して座るゆうすけを後ろから押すこういち。ゆうすけ　　「まだおまえみたいに［ペタン］なんて訳にはいかないって・・・・・」こういち　　「どれどれ。。。」　　少し強めに押すこういち♪　　　　　ギャーーーーーーっ！！　　体育館に響き渡る悲鳴　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第２７話へ　練習試合　その２　（まだ未熟だな・・・・）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月22日

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第二十五話　　モデル級の３人　（夜そんなとこ出歩くんだから。不良だよねぇ～～）

.美咲先生　　「まぁっ、命をですか・・・・？」とくさん　　「えぇ・・・、銀座のクラブのママをしていたころ話しです。　　　この方があの場に居なかったら、私はこの世の人ではなくなってましたもの。　　　それで今こうして、その恩返しとしてお手伝いさせて頂いております。」和恵姉さん　　「あの時はたまたま通りかかったの。　ちょっと虫の居所が悪くてむしゃくしゃしてて。　　　今となってはこの店を出す時とかね、とくさんの御教授あってのことなの。。。　　　とても助かってるわ。。。」こういち　　（夜そんなとこ出歩くんだから。不良だよねぇ～～）　　またまた指差してニタニタするこういち　ゴォーーーん★　★。☆~（特大の中華なべで）　両手で顔を覆って驚く美咲先生　でも、指の間からこういちを見ていたとくさん　　「先生、早く慣れて下さいね。　ほんと、いつものことなのよ。　　　さ、どうぞ召し上がって下さいな。　　　こうちゃん。。。」　　（気を利かせてあげてね♪）　目配りをするとくさんこういち　　「はぁ～ぃ♪」　　返事をすると、炊事場に入るこういち和恵姉さん　　「でも久しぶりね～　元気そうでなによりだわ。。。」美咲先生　　「ほんとっ、ビックリよ。。。」　ガラガラ～常連のお客［Ａ］　　「いらっしゃいました～♪」常連のお客［Ｂ］　　「同じく～♪」とくさん　　「いらっしゃい。」こういち　　「おじちゃん、いらっしゃい♪」常連のお客［Ａ］　　「あれ？　今日は和恵ちゃんは・・・・・」　こういちが和恵と美咲先生の居るテープルに目線を送る　そのテーブルには、　チャイナ服姿で裾がしっかりと割れたスリットで綺麗な脚を強調している和恵と、　教師としてキリっとした清楚なスーツ姿で、着席姿の美しい美咲先生の姿があった。常連のお客［Ｂ］　　「あらら。。。今日はこっち側の席なんだ。」　　（てか、い、色っぽ～～い・o・*）こういち　　「おいらの担任の先生なんだ♪」常連のお客［Ａ］　　「こうちゃんの担任の先生って、お姉さんに負けず劣らず、すっごい美人さんだねぇ♪」常連のお客［Ｂ］　　「雑誌のモデルさんレベルが今日は三人もいるお店かぁ。。。」常連のお客［Ａ］　　「今日はお酒が美味しく飲めそうだな。。。」常連のお客［Ｂ］　　「とくさんだって、スーツビシっと決めたらおれ惚れちゃうよ。。。　　　クラブのママに見えるだろうな。」とくさん　　「あらあら、誉めても出るのはお通しだけよ。。。　はぃ、どうぞ。」常連のお客［Ａ］　　「なんか凄いお店だよな。　梅サワーね。」常連のお客［Ｂ］　　「だから通っちゃうんだよね～　　生中。。。」　ガラガラ～ゆうすけ　　「こんばんは～」とくさん　　「あら、いらっしゃい♪」ゆうすけ　　「とくさん、こんばんは♪　　あれ・・・？　姉さんは？？？」　こういちが目線を送るゆうすけ　　「うわぁ、み、美咲先生っ！」　　おったまげるゆうすけ　会話をしていた二人がゆうすけを見る和恵姉さん　　「あら、ゆうすけ君いらっしゃ～ぃ♪」美咲先生　　「まぁ、北見君。」和恵姉さん　　「そっか、紹介は要らないって訳ね♪」ゆうすけ　　「な、なんで美咲先生がここに・・・？こういち　　「臨時家庭訪問らしいよ。　帰りに一緒になってさ。通り道だったみたい。。。　　　ゆうすけも今日はこっちっ！」ゆうすけ　　「なっ・・・」　　炊事場に引っ張り込まれるゆうすけゆうすけ　　「おぃ、なんで姉さんと・・・・」こういち　　「知り合いだった見たい。おいらもビックリだよ。」ゆうすけ　　「・・・・なるほどね、で久しぶりに逢って募る話しが。。。か。」こういち　　「そっ、話し早いじゃん♪」とくさん　　「ゆうすけ君、これお願い。　こうちゃんはこれを奥の二人に♪」こういち　　「はぁ～ぃ♪」ゆうすけ　　「り、了解・・・^ ^;;; 」　（なはは・・・冴えない姿だぜ・・・・）こういち　　「はぃっ、美咲先生♪」美咲先生　　「あらあら、お構いなく・・・・・」和恵姉さん　　「今日は特別な日、遠慮しないでどうぞ♪」美咲先生　　「そう言えばこういち君、明後日柔道の試合があるんですって。」和恵姉さん　　「二人共出るみたいね。　どっちにも向いてないわぁ・・・・」美咲先生　　「お姉さんとしたら心配・・・・かしら？」和恵姉さん　　「そうね、こういちが切れないことを願うだけだわ。」美咲先生　　「まぁ、それが心配事なの・・・？」和恵姉さん　　「そう、ゆうすけ君の方は、たぶん試合はしなくて済むと思うけど、こういちは相手の　　　大将格、実力者と当たるでしょうから。。。」美咲先生　　「なら尚更・・・・・」和恵姉さん　　「相手は高校生でしょ。　試合にならないわ。」美咲先生　　「でも・・・・」和恵姉さん　　「私の中学生の時の姿を見たでしょ。　　　今のあのこはね、その時の私より遥かに実力が上なの。」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第２６話へ　練習試合　その１　（ギャーーーーーーっ！！）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月20日

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第二十四話　　学校の帰り道　（女じゃないみたいだったでしょ）

.　日が沈みかけた夕方。　学校から帰宅する美咲先生が夕日を背に、影を長く延ばしながら歩いている。　その影に後方からもう一つ現れた一回り小さい影が重ろうとしたとき、こういち　「美咲先生～♪」美咲先生　「あら、こういち君。」こういち　「美咲先生、今帰りなの？」美咲先生　「えぇ、クラス別の進め方とか、もうすぐに迫ってる中間テストのこととかでね。」こういち　「ち・ゅ・う・か・ん・て・す・と・・・？」美咲先生　「そ、中間テスト。小学校の時には無かったわね。　　一学期って、夏休みまでなの。その終わりに行うのは期末テスト。　　そして始まりと終わりの半ばに行うのが中間テストって訳。」こういち　「テストだらけなんだね・・・・」美咲先生　「そうね、お尻叩かないとみんな勉強してくれないでしょ♪　　それにね、高校受験という大仕事も控えてるのよ～。３年生になると。」こういち　「ふぅ～ん。」美咲先生　「学ぶことに慣れてもらわなきゃいけないのよ。　　義務教育っていうのはね、いうなれば人生の［基本］って感じかな？」こういち　「基本かぁ。」美咲先生　「そぅ、基本。スポーツもそうでしょ。これだけは知らなきゃ。　　これだけは出来なきゃっていうのが。　　それだけじゃないわ。自分が大人になったときに、何をやりたいかのヒントにもなるの。」こういち　「あぁ、ゆうすけも同じこと言ってたなぁ・・・・」美咲先生　「へぇ～、ゆうすけ君って考えが大人なのね。」こういち　「あいつはちっさい時からそうなんだ。なんでも知ってるって感じ。　　おいらじゃ、考えてたら体が動かなくなっちゃうよ・・・・・」美咲先生　「あら、何か部活でも始めたの？」　　こういちが肩から帯で縛ってぶらさげてる胴着を指差して話す。こういち　「武藤さんのお願いなの。　入学式の時にお世話になっちゃったからさ。」美咲先生　「へぇ、律義なのね。　ってことは柔道ってこと？」こういち　「うん。　楽しいよ♪」美咲先生　「あの子の柔道にかける情熱はモノ凄いわよねぇ。」こういち　「うん、凄い！　おいらたちは期間限定なんだ。」美咲先生　「あら、達・・・ってことは・・・・、もしかしてゆうすけ君もなのね。」こういち　「当たり～♪　　あっ、明後日がその試合の日なんだよ、放課後。　良かったら美咲先生も見にきませんか？」美咲先生　「明後日ね。分かったわ、教え子の活躍を担任としては見なくちゃね♪」こういち　「わぁ～ぃ♪」美咲先生　「こういち君達も出場するの？」こういち　「みたいだよ？　なんでも人数足りないんだって。　・・・・話すと長いみたい ^ ^;;; 　　あっ、おいらん家ここなんだ♪　美咲先生、少し寄っていきませんか？　　姉貴がやってるお店なの。」美咲先生　「そうなんだ。ん・・・・、じゃ、臨時家庭訪問ってことで。。。ちょっとだけね♪」　ガラガラ～こういち　　「ねぇちゃん、ただいま～☆」和恵姉さん　　「お帰り。」　　奥で仕込みをしている和恵こういち　　「お客さんだよ。」美咲先生　　「こんにちは、初めまして。　こういち君の担任をしております渡辺美咲と申します。」和恵姉さん　　「あらあら、担任の先生。」　　奥から手を拭きながら歩いてくる和恵。　カウンターから出て来て挨拶をする和恵姉さん　　「これはこれは先生、いつもこういち大変お世話になっており・・・・・・・!?　　　　（美咲先生の顔を見て驚く和恵）　　　み、美咲～!? 」美咲先生　　「え・・・、あっ、・・・・、か、ず、え・・・・？」　　やっとこさ思い出す美咲。和恵姉さん　　「やだぁ、美咲じゃない～♪　久しぶりね。。。」美咲先生　　「和恵かぁ。。。元気そうね♪」和恵姉さん　　「なんとまぁこういちの担任とは。。。大変ね♪　よろしくね。。。」こういち　　「なんだ、ねえちゃんと美咲先生は知り合いだったの・・・？」　ぽか～んとしながら二人を見るこういち美咲先生　　「そう、　私がまだ高校生だったときに、良く通学路ですれ違っていたの。。。　　　ある日の夕方、学校からの帰り道で、私がモデルへの勧誘に遭ってて・・・・　　　その時和恵が助けてくれたの。」和恵姉さん　　「通りかかるといつも見る女子学生が、急に数人の男に車に引っ張り込まれててね。　　　本当にモデルの勧誘か怪しいもんだったわ。　　　で見ちゃうと黙ってられなくて ^ ^* 」美咲先生　　「大の男４人相手に・・・・凄かったわよっ！」こういち　　「女じゃないみたいだったでしょ」　カァーーーん★　☆o☆（いつものフライパンで）美咲先生　　「だ、大丈夫～？」　　驚く美咲。和恵姉さん　　「そんなやわじゃないわ、この子は。」こういち　　（この人もだよ。。。）　　ニタニタしながら和恵を指差すこういち　カン　カァーーーん★　☆o★（いつものフライパン往復で）美咲先生　　「そ、それがきっかけでお友達なったの。　和恵はまだ中学生だったわ・・・。　　　　本当に大丈夫なの？」とくさん　　「世間は狭いものよ。　どうぞ、おかけになって下さいな。　　　ご心配無く、いつものことですから。」こういち　　「ふぅ～ん。ほんと、狭いや。。。」和恵姉さん　　「あっ、紹介するわ、こちらとくさん。」とくさん　　「初めまして、徳子と申します。とくと呼んで下さい。　　　実は私も以前、和恵さんに救われましてね・・・・・この命を・・・・」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第２５話へモデル級の３人　（夜そんなとこ出歩くんだから。不良だよねぇ～～）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月19日

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第二十三話　　試合形式を見学　（お、おれの相棒が）

.　校舎の前にある花壇。　春らしく、様々な花たちが色とりどりの演出をし、その周りでは蝶々がひらひらと舞っている。　その横で、用務員風の一人のおじさんが草むしりをしていた。こういち　　「こらまて～っ」用務員風のおじさん　　「ほぅほぅ、元気のいいことだ。」ゆうすけ　　「だからちょっとタンマだって～～っ」　逃げるゆうすけは、花壇の前を通り、花壇の分かれ目の通路を曲がった　ゴツン★　　　しゃがんでいた用務員風のおじさんとぶつかる。ゆうすけ　　「うわっ」　　ぶつかった勢いで、そのまま見事にヘッドスライディングっ！こういち　　「セーーフ♪」　　ゆうすけの頭の前に立ち、両手を横に広げてジェスチャーする用務員風のおじさん　　「あいたたたた・・・・」　　こういち達に背を向けているこういち　　「おじさん、大丈夫～？」ゆうすけ　　「おじさん、ごめんなさい」用務員風のおじさん　　「あぁ、大丈夫だ。。。元気がいいのは良いが、気をつけんとな。。。」ゆうすけ　　「いてて・・・、お、おれの相棒が・・・・スレちまったぜ・・・・・」　大事なところをなでなでしながらゆうすけ　　「こんのぉぉぉぉぉっ、こういちーーーーーーっ！！」　今度は、えらいけんまくでこういちを追い始めるゆうすけ　二人が走り去る後ろ姿を見ながら独り言を言う用務員風おじさん用務員風のおじさん　　「ほぅほぅ、あれが入学式のときの。。。こういち君かね。。。」　にこにこしながらつぶやいてた。～　うぉりゃ　　パシっ★　　　そりゃ　　パシっ★　体育館裏の道場では今日も稽古する掛け声が響いていた。　その中に、来る日も来る日も二人の姿があった。武藤　　「そろそろ投げられた後の受け身が取れるようになったじゃろ。」ゆうすけ　　「そうですね、投げられた後に体が自然とその体制になってくれますね。」　袖で顔の汗を拭いながら答えるゆうすけこういち　　「試合の日がもう目前だから、試合形式でやってるところ見せてくれない？」武藤　　「そうじゃな、礼儀作法のこともあるしな。　　　よし、実際と同じ場面をやらせよう。　二人も入るかね？」こういち　　「いぇ、見てます。技までの過程も見てみたいので・・・」武藤　　「分かった。では見てるがよい。　　　５ vs ５に分かれて試合形式の練習を始めるっ」　そう言うと、部員から１０人を選抜し、左右に分かれさせた。　道場は試合形式で進み始めた。ゆうすけ　　「まずはここで礼か・・・・」審判役　　「はじめっ」　うりゃ　　うおっ　気合いを入れて一歩、また一歩と二人の距離が近づく。　手や足でお互い牽制している。　絡み合ううちに１人が相手の襟を掴んだっ　と同時にその手を引きつけ体落としの体制に入るっ　バシっ★審判役　　「一本っ！　それまでっ」ゆうすけ　　「早っ、掴んでからが素早いですね。」武藤　　「相手の体制が崩れていたり、こちらの体制が良かったら少ないチャンスだけに素早く攻撃を　　　仕掛けるのじゃ。」こういち　　（・・・・・・）審判役　　「次ぎ。前に出て　　　礼っ　　　始めっ」　次々と試合が進む。こういち　　「勝つと同じ人がまたやるんだね。。。」武藤　　「団体戦の勝ち抜き方式ではそうじゃな。　個人戦では一試合ずつじゃがな。」こういち　　「ふぅ～ん。。。」　　　　　　　　　　　バシっ★審判役　　「一本っ！　それまでっ」ゆうすけ　　「終わったら身なりを整えてからお互いに "礼" ね。。。」　礼儀作法を覚えるのに夢中のゆうすけであった。審判役　　「次ぎ。前に出て　　　礼っ　　　始めっ」　こういちは、ずっと対じする二人の様子に釘付け。武藤　　「この二人は長引くな。。。」こういち　　「長くなるとどうなるの？」武藤　　「制限時間があってな、そこで終わりじゃ。そして副審も交えて判定になる。」こういち　　「ふぅ～ん。。。」　二人の長い攻防を見つめ続けるこういちとゆうすけ審判役　　「それまでっ」武藤　　「今日は副審役を付けなかったからこのまま引き分けじゃな。　　　どうじゃ、少しは勉強になったかの。」こういち　　「うっす。」ゆうすけ　　「うぉっす。」　　返事はまだまだの二人であった　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第２４話へ学校の帰り道　（女じゃないみたいだったでしょ）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月16日

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第二十二話　　柔道を見学　（てっめぇ～洗う前の手だったろぉ～！）

.　延々と続く武藤の話しこういち　　「細かいのは一度に全部は覚えられないよ・・・・」ゆうすけ　　「要点は、型にある投げで決めるってことだ。　不完全だとポイントになったりする。」こういち　　「それは勝つ場合でしょ。　負けないためには・・・？」ゆうすけ　　「型にある投げで投げられないこと。投げられても背中から落ちないこと。　　　寝技も決められてから30秒未満に回避。」武藤　　「簡単にはそうじゃな。　あとは反則も積み重なるとダメなんじゃ。」こういち　　「例のポイントってやつか・・・・」武藤　　「うむ、そうじゃ。無論逃げ回っていてもポイントが相手に付くんじゃ。」ゆうすけ　　「なんだか、どうしていいか分からなくなってきたぜ・・・・・」こういち　　「簡単だよ。ケガしないようにっていう受け身をしないで済めばいいんでしょ？」武藤　　「まぁそういうことかな。」こういち　　「ねぇねぇ、どんな投げ技掛けられると、どんな受け身になるか見せてよ。」武藤　　「そうじゃな、よし、それを二人に見せよう。」　　そう言い終わると立ち上がり、部員二人を呼んだ武藤。武藤　　「おぃ、橘、竜並、こっち来てくれ。」　　オッスオッス　　返事をして武藤の元へ来る二人武藤　　「二人に紹介しよう、２年生だが主力メンバーの橘と竜並だ、よろしく頼む。」　オッス　二人同時に返事するこういち　　「うっす。」ゆうすけ　　「うぉっす。」　　まだぎこちない二人であった武藤　　「では橘、竜並で柔道の技を見せてやってくれ。」　　オッス　二人同時に返事する　すると二人は向き合って、双方相手の両襟に手を掛けた。武藤　　「まずは、出足払いっ」　　　　　　　　　　　うりゃ　パシっ★武藤　　「もう一丁っ」　　　　　　　　　　　そりゃ　パシっ★武藤　　「次ぎ、内股っ」　　　　　　　　　　　うりゃ　パシっ★武藤　　「もう一丁っ」　　　　　　　　　　　そりゃ　パシっ★武藤　　「次ぎ、大外刈っ」　　　　　　　　　　　とりゃ　パシっ★武藤　　「もう一丁っ」　　　　　　　　　　　そりゃ　パシっ★こういち　　「襟を持つ手の引きつけと、それで崩したあとに足絡めて転ばすって感じだね。」ゆうすけ　　「ふむふむ・・・・」武藤　　「次ぎ、一本背負いっ」　　　　　　　　　　　うりゃ　パシっ★武藤　　「もう一丁っ」　　　　　　　　　　　とりゃ　パシっ★武藤　　「払い腰っ」　　　　　　　　　　　おりゃ　パシっ★武藤　　「もう一丁っ」　　　　　　　　　　　そりゃ　パシっ★　　うりゃ　パシっ★　　　そりゃ　パシっ★　　とりゃ　パシっ★　　おりゃ　パシっ★　食い入る様に見つめる二人　中でもこういちはまばたきをしていない程、しっかりと上～下、右～左と忙しく見続けていた武藤　　「次は寝技じゃ。」こういち　　「ちょっと待って。」武藤　　「どした。」こういち　　「ちょっとトイレ～♪」　　急に駆け出すこういちゆうすけ　　「お、おれも～～」　　それに続くゆうすけ武藤　　「うはは、そりゃそうじゃな、ちょっと休憩にするか。」　男子トイレでは、二人が並んで用足ししていたこういち　　「ふぅ～」ゆうすけ　　「やれやれ・・・・」こういち　　「武藤さんも真剣だね♪」ゆうすけ　　「だな、念願叶うだけにな・・・・。」　　　　　（武藤さんを倒したっていうヤツをこの目で見るんだ）こういち　　「うん、」ゆうすけ　　「おぃ、その＜うん＞、どっちの＜うん＞だ？」こういち　　「強い人を見てみたい～♪ って方。。。」　　　　　　　　ポカっ★ゆうすけ　　「ば～か、そんなところまで分からなくていいってば。」こういち　　「あぁぁっ、ゆうすけ、てっめぇ～洗う前の手だったろぉ～！」　　目が恐いこういち（#￢ _￢）　気配を察知したゆうすけがその場から逃げ出した！ゆうすけ　　「うわ～、追いかけて来るなぁ～～」こういち　　「こんのぉ～～～」ゆうすけ　　「バ、ばか～、まだおれ閉まってないんだってば～～～っ！！」＜ナレーター　：　(・o・|||　・・・＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第２３話へ　（お、おれの相棒が）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月15日

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第二十一話　　美咲先生の授業　（どぅだーーーっ！　一本っ！）

.　♪キンーコンーカンーコォーーン♪♪　日が登って翌日の学校。　まじめ？に授業を受ける二人の姿が。。。理科の先生　　「今日は光と音について勉強しましょう」ゆうすけ　　（うちの担任は理科の先生だったのかぁ～♪）美咲先生　　「光と音、速度はどちらもとても速いですよね。」武藤　　（ZZzz......）こういち　　（ZZzz......）　　ふ～わん　　鼻チョウチンの音　美咲先生　　「さて、どっちの方が速いと思いますか？」ゆうすけ　　「はぁ～い♪」　　ニッコニコの笑顔で手を上げるゆうすけ美咲先生　　「はぃ、ゆうすけ君。」ゆうすけ　　「はい♪　簡単に考えるのは［雷］でいいと思います。　　　大気の短絡で光を放ち同時に音も発しますから。　で、近くだと・・・・・　　　　　　　　ポカっ★　～☆　　こういちを叩くゆうすけ　　　このようにある事で、音と光が発しても我々への到着速度は同時に感じます。」こういち　　「ん・・・？」　　もっそりと起き上がるこういち　クラスで笑いが起きるゆうすけ　　「ところが、この二つはうさぎとカメの例えがあるように、比較にならないほど速度は異なり　　　ます。　　　光は視覚的に、音は聴覚的に我々は捕らえることができます。　　　この距離では違いが感じませんでしたが、雷の場合、　　　数キロ以上離れてますから、光ったのが見えてから数秒後に音が届きますよね。　　　つまり光の方が速い事がわかります。　　　音は一秒間に約344m進みます。我々の感覚では早く感じて当然です。　　　車やバイクの示す時速にすると、約1,240km/h となりますから、未体験ゾーンとなります。　　　新幹線、レースカーですら足元に及びませんから。　　　一方の光、こいつは飛んでもないです。　　　真空状態ですと、一秒間で実に約 299,800 km も進むんですよ！　　　時速だと・・・・分かりづらいのでやめます。　　　光は電磁波としての性質を持つので、紫外線・赤外線など、目では感じない波長の　　　電磁波も含めて［光］と呼ぶみたいです。　　　光はある媒体で屈折することがあり、音は波動なので媒体を通じて耳に入りますが、圧力や　　　密度・・・・・」美咲先生　　「もう、それくらいでいいわ。ありがとう。」　　　　　（しばらく聞き入ってしまったわ・・・・・）こういち　　（なんで起こすんだよ・・・・）ゆうすけ　　（寝てなきゃなんない程、疲れてないだろうに・・・・たまには授業受けろよ・・・・）こういち　　（なんだよ、今日は珍しいことを言うなぁ・・・・）ゆうすけ　　「だって美咲先生の授業だぜっ！！」美咲先生　　「そうよ、今は私の授業。。。どうかしたの？」　クラスでまたまた笑いが飛び交ったゆうすけ　　（あほ、恥かいちまったじゃねぇ～か・・・・・）　　赤く照れるゆうすけ武藤　　「どぅだーーーっ！　一本っ！！」　　自分の寝言で起きる武藤。　ここはどこ？　私はだぁ～れ？　と言わんばかりに辺りを見渡す。　クラス中が笑いの渦と化した。。。　♪キンーコンーカンーコォーーン♪♪　放課後、二人の姿は体育館裏の道場にあった　　くるりっと　　ぺたん。　　くるりんと　　ぺたん。　　くるんと　　　ぺたん。　　くるりんと　　ぺたん。　　くるんと　　　ぺたん。　シュっパシっ★、シュっパシっ★、　　　　　シュっパシっ★、シュっパシっ★、シュっパシっ★　　くるりっと　ぱしっ。　　くるりんと　ぱしっ。　　くるんと　　ぱしっ。　　くるりんと　ぱしっ。　　くるんと　　ぱしっ。　シュっパシっ★、シュっパシっ★、　　　　　シュっパシっ★、シュっパシっ★、シュっパシっ★　　クルっ　ばしっ★　　クルっ　ばしっ★　　クルっ　ばしっ★　　クルっ　ばしっ★　　クルっ　ばしっ★　シュっパシっ★、シュっパシっ★、シュっパシっ★、　　　　　シュっパシっ★、シュっパシっ★　　クルっ　バシっ★　　クルっ　バシっ★　　クルっ　バシっ★　　クルっ　バシっ★　　クルっ　バシっ★　シュっパシっ★、シュっパシっ★、　　　　　シュっパシっ★、シュっパシっ★、シュっパシっ★武藤　　「ほほぅ～、ずいぶんと良くなってきたじゃないか。」ゆうすけ　　「えぇ、段々体が勝手に動いてくれるようになってきました。」武藤　　「こういちは相変わらずじゃな。　よし、今日はルールを教えてやろう。」　汗だくのゆうすけと平然としているこういちが練習を止めて、武藤の元に歩み寄った武藤　　「まずはだな・・・・・・・」　その後延々と続くルール説明　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第２２話へ　（てっめぇ～洗う前の手だったろぉ～！）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月14日

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第二十話　　スレンダーな和恵　（チッチッチッ）

.ゆうすけ　　「あぁ。今日も厄介になりにきたぜ♪」　二人はゆうゆうと会話する　　が、他のお客は高校生４人と和恵姉さんに釘付けだった。和恵姉さん　　「コップ割ったら弁償してもらうんだから。　　　他のテーブルや食器もダメよ♪　高いのよぉ～～。。。」　和恵姉さんは左手をカウンターに置くとふわっと軽やかにカウンターを越えた。　なんとミニスカート姿をしていたのだった　スタイル抜群！　スレンダーで脚もモデルさんのように綺麗っ！　とてもセクシーな姿　　　　＜ナレーターも＠o＠|||＞　　　そして高校生４人の元へと歩き出したゆうすけ　　「おまえの姉さん、いくつだ？」こういち　　「８つ違うから・・・二十歳かなぁ・・・」ゆうすけ　　　　　ポカっ★　　「色っぽ過ぎるぜ・・・・」こういち　　「なんでおいらが・・・・ T T」和恵姉さん　　「さ、あんたたち、どうしたい訳～？」高校生の客２　　「な、なんだとぉぉぉぉっ」　拳を振り上げ和恵姉さんに殴り掛かる高校生［２］！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　パシっ☆　高校生の振りかざした拳を平手で受け止め、平然と話す和恵和恵姉さん　　「だからぁ～、ダメって言ったでしょ？　　　日本語分からないの？　お店の中ではダ・メ・♪」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　チッチッチッ　人差し指を立てて、左右に振ってみせた和恵和恵姉さん　　「表ならぃぃわよ～♪　　　そうだ　私に勝ったら今日はタダ飯にしてあ・げ・る・♪　　　当店のオリジナルメニュ～～なんてね♪　　　　　　　　　　　　　但し、負けたら食べた分、普通に払ってちょ～だいね。。。」　顔を見合わせる高校生４人和恵姉さん　　「どぅ？　悪い話しじゃないでしょ♪　勝てばタダになるのよ～♪」高校生の客３　　「お、おもしれぇ～な。　勝ちゃタダだとよ。」和恵姉さん　　「そっ、負けても普通に払うだけ～♪　分かったら外に出なさい。　　　こういち～、洗っといてね♪」　そう言い終わると、刺さっていた包丁を引き抜き、こういち目がけて投げた和恵っ　　　　　　　　　　　　　　　　　シュッ→→→　　－→パシっ☆こういち　　「はぁ～い ^ ^ 」　なんなく柄の部分を掴んでキャッチ☆　お皿やお箸と一緒に洗いだすこういち。ゆうすけ　　「うん、この刺し身、んっまいや～♪」こういち　　「おいらにも分けてよ・・・・」　　　　　　　　ポカっ★ゆうすけ　　「ダメ～～～～！　これおれのっ！」　店内のお客は、あっけにとられていた常連のお客［Ｂ］　　「なんだか酔いが冷めちゃったみたい・・・・」常連のお客［Ａ］　　「お、おれもだ・・・・・」常連のお客［Ｂ］　　「とくさん、悪いが今日は帰るよ、おあいそ。」とくさん　　「はいはい。」　外から帰って来る和恵和恵姉さん　　「彼等、ちゃんとお金払ってくれたわ～♪　あらお二人さん、もうお帰り？」常連のお客［Ｂ］　　（えっもぅ？）常連のお客［Ａ］　　「う、うん、今日はこれで帰るよ・・・・」和恵姉さん　　「そう、残念ね。　気を付けてお帰りになってね。」常連のお客［Ｂ］　　「ま、また来ますね・・・・」　　　　　　ガラガラ～　　店を出る二人常連のお客［Ａ・Ｂ］　　「うっ」「げっ」和恵姉さん　　「気にしないで～♪　腕相撲に負けただけだから～。。。」　そこには、口から泡を吹いて重なる様に寝ている高校生４人の姿があった。常連のお客［Ａ］　　「これって腕相撲かぁ～？」常連のお客［Ｂ］　　「ら、らしいですよ・・・・。」常連のお客［Ａ］　　「う・・・うん・・・・」常連のお客［Ｂ］　　「でも・・・なんか今日は得した・・・みたい・・・・だね？」常連のお客［Ａ］　　「あ、あぁ・・・・」常連のお客［Ｂ］　　「でも色までは分かんなかった・・・・」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ポカっ★　何回も振り返りながら店を後にする常連客［Ａ・Ｂ］であった　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第２１話へ　（どぅだーーーっ！　一本っ！）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月13日

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第十九話　　華夢on　（くっ、わからずやが）

.　夕方開店の居酒屋『華夢on』（カモン）　まだ六時だというのにいつものお客で既ににぎわっていた。常連のお客［Ａ］　　「とくさん、熱燗もう一つ追加～♪」とくさん　　「はいはい。」常連のお客［Ｂ］　　「あっ、それ二合にして～。」和恵姉さん　　「あら、今日は日本酒付き合うんだ。珍しいわね♪」常連のお客［Ｂ］　　「たまにはね・・・。そんなときもあら～ね。」常連のお客［Ａ］　　「なんか無気味だなぁ。。。会社でなんかあったんだろう。」常連のお客［Ｂ］　　「ピンポーン♪　・・・・って明るく言いたいだけどさ、どぅもね・・・・。」常連のお客［Ａ］　　「あっ、やだねぇ～。悪い酒になるんだよ、そんなときに深酒やると・・・・。　　　何があったかしらんがな、今日は程々にしとけよ～？　話は俺が聞いてやるから。」常連のお客［Ｂ］　　「かぁ～、泣けるね・・・・、　　　いい友を持った俺は幸せなのか、仕事で失敗して不幸せなのか・・・・」　　ブツブツ　ガラガラ～ゆうすけ　　「こんちは姉さん♪　こんちは～とくさん♪」とくさん　　「あら今日も元気ね～、いらっしゃい。」和恵姉さん　　「いらっしゃい♪　今日は一人なの？」ゆうすけ　　「うん、おやじは今夜も勤務みたい。」和恵姉さん　　「大変ねぇ・・・」ゆうすけ　　「大変なのはうちの昨日からのご飯なんですよ～。」和恵姉さん　　「どうしたの？」ゆうすけ　　「聞いて下さいよおやじったらさ、　　　残り最後のお米だからって残さないようにいつもより多く炊いたんですよ。　　　そしたら、お水が少なくて出来上がりがパサパサ・・・・。食えたもんじゃない。　　　その日は沸騰したお湯で温め直すウクレレカレー。　　　カレーのルーでなんとかごまかして二人で食べたけど二日連続で食べられた　　　もんじゃないんで。おやじのやつは食わなくて済むし・・・・」和恵姉さん　　「あらあら・・・・。でもね、そんなときはチャーハンにするといいわよ♪」ゆうすけ　　「さっすが姉さんだっ♪　なるほどね　^ ^」客？　　「だから言っただろうっ」客？？？　　「うるせぇ、ダメなものはダメなんだって言ってんだろ～がよっ」　店の隅っこのテーブルの４人のところがとてもにぎやか。ゆうすけ　　「こういちは？」和恵姉さん　　「今、シャワー浴びてるわよ。　何か始めたの？」　　まな板で野菜を切りながら話す和恵。ゆうすけ　　「うん、訳あって一時（いっとき）だけ柔道なんぞを二人で。。。」和恵姉さん　　「あら、二人には不向きなのに。。。」ゆうすけ　　「こういちはなんだか楽しいって言ってるけど、おれには不向きですよね。」和恵姉さん　　「体が小さいからじゃないわよ。それに小さい時からゆうすけはこういちと　　　駆けっこしてたでしょ。体力付いてるんじゃないかしら？　　　それに動体視力もあるでしょ。　　　こういちの繰り出す動きが結構見えてるんじゃないかなぁ～♪　　　　　　　そんなんじゃなくて、ゆうすけは頭で考えて行動するからよ。」　まな板を水で洗う和恵ゆうすけ　　「ん～、さすが姉さん、的を得てるなぁ。。。　　　で、なんでこういちにも不向きなんですか？」和恵姉さん　　「あの子はね、たたみの上で寝転ぶことに喜んでいるだけなのよ。　　　体動かすときに、体を地面に着けないようにしてきたから・・・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　不向きなのは、ルールよ。」　　　　　キュっ　　水道の蛇口を止める和恵ゆうすけ　　「ルールが・・・　ですか？」和恵姉さん　　「そっ、ルールがね。」　　まな板の上に、魚を乗せる和恵。和恵姉さん後　　「柔道は競技でしょ。　掛けた技が決まればそれでいいのよね。」ゆうすけ　　「た、たしかに・・・・」和恵姉さん　　「ところがあの子はね、掛ける技や審判の判定は問題にしないわ。　技で倒すのが柔道なら、　　　あの子は息の根を止めて倒すっ！！」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　!!　ガシっ★　まな板の上の魚を、持っていた包丁で勢いよく頭を落とした和恵。常連のお客［Ａ・Ｂ］　　（うわっ !? ）ゆうすけ　　（ゴク・・・）　　息を飲むゆうすけ和恵姉さん　　「なんじゃないかなぁ～♪　　　本気にならないんならまだしも、本気にさせる相手に出会ったら反則負けに　　　なっちゃうわね♪　　　だ・か・ら・♪　最低でもルールを叩き込ませることね。。。　　　　　　で、ゆうすけは頭を通過させずに反応出来るように体に覚え込ませる事♪」ゆうすけ　　（いつもながら姉さんは鋭いや・・・・）客？　　「そうじゃねぇってっ」客？？？　　「くっ、わからずやが・・・・・」客？　　「どっちがだ・・・、まぁいい酒でももらおぅぜ。」客？？？　　「おぉぅ、ねぇちゃん、ビールくんねぇ～かぁ～？」　ゆうすけがちらっと店の隅っこの４人に目をやる。和恵姉さん　　「ダメよっ、あんたたち高校生でしょ、食事だけならいいけどね。」　切った魚の刺し身をお皿の上に並べながら話す和恵。高校生の客３　　「金払えばいいんじゃんよぉっ」高校生の客４　　「おぅよ、今日はパチンコで勝ったからよぉ、金ならあんだよっ」和恵姉さん　　「うちの店は高校生にお酒は飲ませないの。お水でガマンしなさい。」高校生の客１　　「うっせぇ～んだよっ」　　そう言って立ち上がると、持っていたガラスのコップを投げつけようとモーションに入った　高校生［１］だが　　　　　　　　　　　シューーーーーっ→→→　スコン→★　手にしていた包丁を投げつけた和恵　　その包丁が今まさに投げんとする高校生［１］の　コップを持つ腕と顔の間を通り抜け、後ろの柱に刺さったのだった。こういち　　「ゆうすけ、来てたのか♪」　　にこにこしながら現れるこういち　湯上がりで顔が少しほてっていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第２０話へ　（チッチッチッ）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月12日

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第十八話　　受け身　（くるりっと・・・・ぺたん）

.武藤　　「はっはっは、固いのぉ・・・・」ゆうすけ　　「笑い事じゃないですよぉ～。。。　こいつがぐにゃぐにゃ過ぎるんですよ・・・・」こういち　　「ぐにゃぐにゃ～～」　　おどけて見せるこういち武藤　　「よぉ～し、そろそろほぐれてきたからな、いよいよ受け身の練習に入ろうかの。」こういち　　「うっす。」ゆうすけ　　「うぉっす。」　　相変わらずぎこちない二人武藤　　「柔道で大事なのは、受け身じゃ。　早い話が自分がケガしないようにする為の転び方。」　言い終わると、後ろから二人の背中を強く押した武藤。　こういちは、すぐさま片手を着いて身をクルっと反転させ、武藤に対じした。　一方のゆうすけは・・・・・　　　　　ぐしゃ★　うつ伏せのままつぶれていた・・・・・武藤　　「ほぅ～、こういちは身軽じゃな。　ゆうすけは・・・・・」ゆうすけ　　「・・・・どうせつぶれたカエルみたいですよっ」　つぶれた体制のままふてくされて話すゆうすけ武藤　　「ゆうすけ、それが普通なんじゃ。」　ゆうすけの手を取り引き上げて起こす武藤武藤　　「倒れ方を知らないとそんな風に、まんまの体制で倒れていってしまうもんじゃよ。　　　恥じることはない。」ゆうすけ　　（普通・・・かぁ・・・物理学的にはエネルギー保存の法則ってことだ・・・・）　　一人でブツブツ言ってるゆうすけ武藤　　「ところがじゃ、柔道は投げ合う競技なんでな。　いつも投げる側とは限らん。　　　そこで受け身を体得せねばならんのじゃ。　受け身とはこうじゃっ」　武藤は、自分から前方に倒れていった。　そして手を少し輪っかを作る様にすこし丸くし、その中に頭を丸める様にしながら　クルっと前方回転をして見せた。　回転する体が上を向く時に・・・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　パシっ！　大きな音と共にたたみを叩いた！武藤　　「これが受け身じゃ。　前方回転受け身というがの。」　もっそりと起き上がった武藤今度は前方から二人を強く押したっ　こういちは、押された力を利用して空中で一回転して着地スタっ彡、再び武藤と対じした。　一方のゆうすけは・・・・・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ドテっ★　尻もちをついていた武藤　　「ゆうすけよ、それも普通の事じゃよ。」ゆうすけ　　「慣性力がもっと強いと、尻もちどころか後頭部を打ちますね・・・・。　　　たたみに着いた手も骨折するかも・・・・」武藤　　「その通りじゃ。　受け身を取る事によって倒れる力を逃がし、体へ受ける衝撃を最小限　　　にするわけじゃ。」ゆうすけ　　「なるほどね。。。　それとあのパシっ！ってのは？」武藤　　「あれは手の置きどころが悪いと骨折しかねんのでな、腕の動きに癖をつけるんじゃ。　　　それにな、　　　叩くことによってお腹などに自然と力がはいるじゃろ。それも保護の１つになる。」ゆうすけ　　「それに反作用もぶつけてるから、衝撃もやわらげるってことか・・・・」武藤　　「うむ、難しくいえばそうもするかな。」こういち　　「頭で考えるよりも、体で覚える方がいいね♪」武藤　　「その通りじゃ。　が、こういちのは受け身とも異なるのぉ・・・・」こういち　　「体を保護するのは大事だけど、受け身？で終わると次の攻撃を受けちゃうでしょ。　　　こちらも攻撃できないし♪」武藤　　「なるぼと、それでいつも対じする姿勢になる訳か。。。お主センスよいのぉ。。。」こういち　　「なんて考えてないよ、自然とそうなっちゃうの・・・・。」ゆうすけ　　「こいつは何故かそうなんですよ・・・・考えないで出来るなんて・・・ねぇ？」武藤　　「確かにな。　じゃが、柔道の場合、技が一本決まるとそこでひとつの区切りとなり、　　　続けざまの次の攻撃はないのでな。」ゆうすけ　　「まずは体で覚えることにしよう。。。」武藤　　「よし、では先程わしがやったように、前方回転受け身をやってくれ。　　　起き上がったら続けてな。　　　右前方に倒れて受け身。起き上がったら次は左側にと、交互に続けて。　　　それを道場の反対側までじゃ。」ゆうすけ　　「よっしゃ～」　　はりきるゆうすけ　　（右斜め前にころげて・・・・）　　くるりっと　　・・・・　　ぺたん。　　（次は左斜め前にって・・・・）　　くるんと　　・・・・　　ぺたん。武藤　　「いいぞぃ、その調子♪　腕もちゃんと出来てるから形にはなってるぞぃ。」　　くるりっと　　・・・・　　ぺたん。　　くるりんと　　・・・・　　ぺたん。　　くるんと　　　・・・・　　ぺたん。武藤　　「反対側にいったらちょっと待っててくれ。　次ぎこういち。」　　　　手を上げて合図する武藤こういち　　「うっす。」　返事をするやいなや　　　　　　シュっパシっ★、シュっパシっ★、　　　　　　　　　シュっパシっ★、シュっパシっ★、シュっパシっ★武藤　　「んなっ!?」　あっというまに反対側に到達するこういちゆうすけ　　「待つのはちょっとなんてもんじゃないぜ・・・・・^ ^;;;」こういち　　「こりゃ楽しいや～♪」　二人の練習は、道場内の部員達の注目をまたまた集めていた　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第１９話へ　（くっ、わからずやが）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月09日

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第十七話　　練習開始　（もういっちょ　　ぐぇーーーーーーっ）

.武藤　　「お・・・・おぃ・・・・・」こういち　　「あれ!?　みんなどうしたの・・・？」ゆうすけ　　「破っちゃまずかったですか？」武藤　　「ぃゃ・・・・・そんなことはないんだが・・・・・お、おまえらそ、それ・・・・」ゆうすけ　　「あ、あぁこれ・・・・」　　ゆうすけは空気を感じ取った。　　　　（おっと、やべーやべー）　　　こ、ここが少し切れてて・・・・あはは、すぐにやぶれたみたい・・・・^ ^；」武藤　　「そ、そうか・・・・・・」　　（常識では破るなんてことは考えられんからな・・・・・）　他の柔道部員も、やや冷や汗をかきながらだが納得した様子武藤　　「よぉ～し、みんな集まってくれ。」　柔道部員に声を掛ける　素早く集まる部員達武藤　「みんなに紹介する。」こういち　　（あれ!?　武藤さんって、部長さんだったんだ？）ゆうすけ　　（どうやらそうみたい・・・・^ ^；）武藤　　「今日から数日間、ここで一緒に練習する南と北見だ。みんなよろしく頼む。」　オッス！　　柔道部員が返答するこういち　　「おいらこういち、南こういちってんだ。」ゆうすけ　　「私は北見ゆうすけっていいます。よろしくお願いします。」　オッス！　　再び柔道部員が返答する。武藤　　「よぉ～し、挨拶が済んだらいつものように練習始めてくれっ　　　こういちとゆうすけは別メニューでわしが付くことにする。」こういち　　「うっす。」ゆうすけ　　「うぉっす。」　　ちょっとぎこちない二人であった　他の柔道部員たちはストレッチ体操の続きを始めた。。武藤　　「さて、二人はこっちだ。」　　道場の端の方に連れて行く武藤。武藤　　「最初はストレッチからだ。　体をほぐさないで始めると、スジを傷めたりするからな。」　はいっ　　二人、とっても良い返事武藤　　「ははは、ここでは＜オスっ＞と返事してくれたまえ。」こういち　　「はぃっ♪」　　　　　　　　ポカっ★ゆうすけ　　「だから～、それも＜オスっ＞てこと。。。」こういち　　「うっす。」武藤　　「まぁいい、しっかりとほぐしてくれよ。」　他の柔道部員が行っている姿をみてマネする二人　なんだかラジオ体操に見える。武藤　　「次は二人一組になって、一人は足を前に投げ出して座り、もう一人は背中を押してあげてく　　　れ。」こういち　　「うっす。」ゆうすけ　　「うぉっす。」　　まだ、ぎこちない二人　こういちが座り、ゆうすけが後ろから押すゆうすけ　　「よいしょ♪」　　　　　　　　　　ペタン♪ゆうすけ　　「うわっ、やっぱおまえやらかいなぁ。。。」　　　　　　　　　　ペタン♪　ペタン♪ゆうすけ　　「おれ要らないじゃねぇーか・・・・・」　　手を放すゆうすけ　　　　　　　　　　ペタン♪　ペタン♪ゆうすけ　　「大したもんだ。。。」こういち　　「次はゆうすけな♪」ゆうすけ　　「あぁ。　よっこいしょ・・・・と。」こういち　　「いくよ♪」　　ほぃ♪っと　　　　　　ギャーーーーーーーーーーーーっ！！　道場に響き渡る悲鳴ゆうすけ　　「ば、ばか、手加減しろよ・・・・・い、いってぇ～～～」こういち　　「加減してるよ、ゆうすけが固すぎるのっ　ゆっくりやるよ、」　　　　それっ　　ギャーーー　　　　　よいしょ　　うわーーーーー　　　　　　もういっちょ　　ぐぇーーーーーーっ！！　二人の練習？　はそれなりに道場内の部員達の注目？？　を集めていた。＜ナレーター大汗；＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第１８話へ　（くるりっと・・・・ぺたん）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月08日

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第十六話　　武藤大介の頼み　（うぉぉぉぉっ　そりゃ困るわいっ）

.武藤　　「わしも好きな柔道で、オリンピックで金を取るのが夢なんでな。」　　表情が一変する武藤武藤　　「わしが目指すのは無差別急じゃ。となれば、学年、体重なんて関係ない。　　　従ってその高校生と、もう一度試合したい・・・・のじゃが・・・・」ゆうすけ　　「どうしたんですか？」武藤　　「うむ、日取りが決定したとたん、うちの部員が恐がりだしてな。　　　練習試合とはいえ出来なくなりそうなんじゃ。」ゆうすけ　　「練習試合ではなく、乱取りの稽古を付けてもらいに行く・・・・　　　ではダメなんですか・・・？」武藤　　「あぁ、ダメじゃった。相手も全国大会の入賞を目指しておってな、　　　中学生に稽古付ける暇はないと。」こういち　　「ですよね・・・・。」武藤　　「なんとか説得して２人までは練習試合に出てくれると・・・・。　　　わし入れて３人。団体戦だからあと２人足らんのじゃ。」ゆうすけ　　「ふ、二人～ !? 　こういちだけじゃ足りないじゃないですかっ」　武藤とこういちの視線がゆうすけを見つめたゆうすけ　　「あわわわわ・・・・、　　　　　　こういちならともかく、わ、私ではむ、無理っすよ・・・・*o*||| 」こういち　　「おいらにだって無理さ、じ・ゅ・う・ど・うなんてやったことないもん。」武藤　　「たしかに無茶だ。じゃが、公式競技で勝たねばならぬ試合とは異なるでな、　　　目的はうちらの部員の強化と、そしてわしの願いのためよ。　　　人数が揃えばそれで良い。　　　それに団体戦じゃからの。。。うまくすれば全員が試合をしないで済むこともある。」ゆうすけ　　「なるほど。　団体戦の勝ち抜きだから・・・・ですね♪」武藤　　「その通り。それなりに考えはある。」こういち　　「おいらはいいよ♪　武藤さんたってのお願いだもの。」ゆうすけ　　「私は体育係りじゃないんですけどね。。。　　　こういちがそう言うなら。。。気が進まないけど・・・・」武藤　　「おぉ、引き受けてくれるか♪」ゆうすけ　　「こんな私でよろしければ・・・・・」　　　（その相手の人・・・、おちびちゃんかもしれねぇ・・・・接するチャンスだっ）武藤　　「くぅ～、ありがたい。泣けてくるぞぃ。」　　片腕を両目に擦りつける武藤ゆうすけ　　「で、武藤さん。　その練習試合の日はいつなんですか・・・？」武藤　　「うむ、そんなに余裕がない。　来週の水曜日じゃ。」ゆうすけ　　「一週間と無いじゃないですか・・・・・」こういち　　「おいら達は勝たなくていいんだもん。日程は関係ないよ。　　　それだけあれば、受け身をしっかりと練習できるよね♪」武藤　　「ほほぅ～、話が早いのぉ、その通りじゃ。　　　受け身だけは練習してもらわないと万が一のときはケガするでな。　　　こういちよ、お主大したものだな。　センスがいいぞぃ♪」ゆうすけ　　「うへ～～、こ、これから毎日・・・・？」こういち　　「だよね♪」武藤　　「そうだ。」ゆうすけ　　「どっひゃ～～～!! 　　　　　（目を白黒させるゆうすけ）　　　でもさ、なんで私たち・・・・なんですか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　他にも大勢候補者がいるでしょうに････」武藤　　「うむ、普段の二人の身のこなしがちと気になってたもんでな。」こういち　　「あぁぁっ」ゆうすけ　　「どした？」こういち　　「早く戻らないと、給食が無くなっちゃうよっ」　そう言い終わると、校舎に向かって走り出したっ！武藤　　「うぉぉぉぉっ　そりゃ困るわいっ」　武藤も走りだすっ！ゆうすけ　　「ま、まてよぉぉぉぉっ」　　ゆうすけも後に続いた。。。～　♪キンーコンーカンーコォーーン♪♪　その日の放課後　グラウンドでは野球部がバッティング練習、片側半分を土ぼこりを巻き上げサッカー部が　シュート練習に汗を流していた。　その外周を陸上部が走り、それぞれの活動を始めていた。　メイングラウンド横のスペースではテニス部がラケット片手に素振りの練習。　更にその横ではバレー部がネット張りをしている。　その奥の体育館では、男女のバスケットボール部が反面ずつ使用し、　その中二階では卓球部がいた。　体育館の更に奥に、中学では珍しくたたみ張りの平屋があり、　小人数の柔道部が体のストレッチをしている。　その中に、あの二人の姿が。。。ゆうすけ　　「この格好、なんだか様になんないや・・・・それにこういち、おまえ・・・・」　　　　　ドテ★こういち　　「ズボンが長過ぎて歩けないよ～」　　再びドテ★ゆうすけ　　「おれだってこれじゃ袖から手が出ないぜ・・・・。」　　手をめいっぱに広げて見せるゆうすけでも袖先がダラ～んこういち　　「うん、おてもやんかやっこ凧みたい。。。」ゆうすけ　　「そう言うおまえも遠山の金さんだぜ♪」こういち　　「この桜吹雪が、目にへぇ～らねぇ～か！」　　　　　　　シュッ　とズボン下を前に出す　　　　が、ドテ★武藤　　「あはは、すまんすまん ^ ^;;;　それしか今は無いんだ、急だったからな。　　　近くピッタリのサイズを調達するよ。」こういち　　「いいよ、これ使うよ。長いところは短くすれば。。。」　えぃっ！　　　　　ビリビリ～　自分の長いズボン下を破り切ったこういち　　そして、こういち　　「ゆうすけのも～♪」武藤　　「なはは、袖の部分は頑丈に出来てるから、そりゃ無理・・・・・」　　　　　ビリビリ～～　　ビリビリ～～武藤　　（なっ・・・・・ @.@||| ）　　ポカンと口を開けたまま、あっけに取られる武藤こういち　　「これで良しっと。。。♪」ゆうすけ　　「さんきゅ～♪　すっきりしたぜ。。。」　他の柔道部員もその光景を見たまま固まっていた　(* ．*)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第１７話へ　（もういっちょ　　ぐぇーーーーーーっ）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月07日

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第十五話　　武藤大介、留年の訳　（おまえらに言われたくないわい）

.社会の先生　　「・・・・で、ある幕府ができました。」ゆうすけ　　（弱わったなぁ・・・・あんなんで利江ちゃんの夢、支えられるのかなぁ・・・・）社会の先生　　「・・・・その幕府の出来た年号と名称はなんでしょう。」こういち　　（おぃ、ゆうすけ、）社会の先生　　「それを・・・・南君、答えて下さい。」こういち　　「げっ、」　　（おぃっ、ゆうすけーーーーっ、教えろって・・・・）ゆうすけ　　（い・い・よ・め・もらおう・・・美咲先生だな・・・）こういち　　「えっと、（い・い）１１・・、（よ・め）４？　ん・・・めっ？？　美咲先生？？？」　わはははははは　　クラスで笑いが起きる社会の先生　　「美咲先生は、社会担当ではありませんよ。」　あはははははは　　再び笑いが響くこういち　　（て、てめぇゆうすけっ！）ゆうすけ　　（い・い・く・に・つくろう）こういち　　「１１９２年、」ゆうすけ　　（大泉内閣・・・・大変そうだ・・・・）こういち　　「大泉内閣・・・・って・・・ぉぃ・o・||| 」社会の先生　　「年号はいいのですが、それは今の総理大臣ですっ」　うははははははは　場内大爆笑 ^O^こういち　　「こんのぉ、ゆうすけぇ～～っ！！」ゆうすけ　　（ん・・・？　どした・・・・？）社会の先生　　「南君！　北見君の性にしないようにっ！　北見君はずっと黙っていたようだしな。」ゆうすけ　　（うんうん、その通りだぜ♪　^ ^ｖ　しゃ～ねぇ、）　　「先生♪　こいつ頭が便秘みたいなので、保健室に連れていきますね。。。　　　こういち、さぁ来いっ」こういち　　（んなっ）　こういちの手を取り廊下に連れ出すゆうすけこういち　　「なんだょ～、人の頭を便秘扱いして～！」ゆうすけ　　「まぁそ～言うな、一時退却できただろうに。」　ところ変わって体育館の裏。　体育館脇にある入り口へ上るための高さ１m 程のコンクリート製の階段に、　二人並んで腰かけていた。ゆうすけ　　「学校ってのは、なんでこ～も退屈なのかねぇ。。。」こういち　　「ゆうすけがモノ知り過ぎるんだよ。」ゆうすけ　　「だけど義務教育だろ？　　　おれが思うに義務教育ってのは、成績なんてどうでもいいんだよ。　　　色々な分野に触れさせて、自分はこれが好き。これに興味がある。　　　へぇ～なるほどねってさ、今後自分の進む道、やりたいことが見つかればいいのさ。　　　で、おまけで最低の知識は頭に入れるって感じだな。」こういち　　「そんなもんか。。。」ゆうすけ　　「あぁ、成績が良くて一流の大学に進む。親が気にするところだ。　　　世間体、就職における有利性、就職後の給与待遇、これを気にしてね。　　　まぁそこまではいいんだが・・・・」こういち　　「ふむふむ、」ゆうすけ　　「ところが、就職して困るのが自分なんだよ。　　　親の引いたレールの上を進んでみたはいいが、いざその場になると、　　　なんか違う・・・・　　　おれのやりたいのはこれじゃないって・・・・思うようになったりする。　　　その結果、一流大学卒業した人が、ＴＶで漫才やってたり、　　　脱サラしてラーメン屋さんやったり・・・・」こういち　　「なるほどね。」ゆうすけ　　「自分でやりたいことを見つけなきゃさ。。。　　　イヤイヤやってるような人生なんてつまらないだろうにさ。」？？？？　　「わしは、日本代表でオリンピックに出たいのぉ～」　　こういちの後ろにデカい人影が。ゆうすけ　　「武藤さん♪」こういち　　「あれ？　授業は・・・？」　　　　　　ポカッ★武藤　　「あほっ、サボってるおまえらに言われたくないわい。　今は昼休みだ。　探したぞ。」　コンクリートの階段に座るこういちの隣にドッカと座る武藤。ゆうすけ　　「探したって・・・・、どうかしたんですか？」武藤　　「あぁ、ちょいと相談があってな・・・・。」　　深刻そうな顔をしている武藤ゆうすけ　　「聞かせて下さい。何かお力になれるものなら。なっ、こういち♪」こういち　　「そうだね、同じクラスメイトだし、こないだはお世話になっちゃったし♪」　ニタニタしているこういち　　　　　　ポカッ★武藤　　「年上なのに同じクラスだからな。」　　武藤の留年の話が始まった。武藤　　「実は、全国大会で優勝した昨年の夏、　　　その後の練習の一環で中学生レベルでは相手にならないので、　　　高校生を相手に試合を申し込みに行ったんじゃ。　　　相手は県大会で優勝している強豪でな。　　　その中の１人が飛んでもねぇ化け物でな・・・・・　　　体はわしよりもちっこいのに。」　くいいる様に武藤の話を聞く二人武藤　　「技を打っても打っても交わされてな、　　　最後はわしもムキになって大技を繰り出したんじゃ。　　　ところがものの見事に返されてな、無理な体勢から逆にこちらが一本取られたんじゃ。　　　そのとき、顔から落ちて首の骨を折ってな、　　　更に腕を逆に決められた上に落ち方が悪く、肩も骨折じゃ・・・・　　　結果、５ケ月の入院生活。出席が足りず留年だ。」　　※ この学校では義務教育でも留年制を採用ゆうすけ　　（なにっ !? ）　　驚いたように武藤の顔を見るゆうすけ　それもそのはず、利江を昔助けた謎のちび少年の使用した技にそっくりだったからだ。こういち　　「高校生とはいえ、武藤さんを顔から落とすなんて・・・・」ゆうすけ　　「で、武藤さん。私たちに頼みっていうのは・・・？」武藤　　「あぁ、そのことなんだが・・・・」　話し辛らそうにしている武藤。　うつむき加減で暗い表情をしていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第１６話へ　（うぉぉぉぉっ　そりゃ困るわいっ）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月06日

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第十四話　　真相は　（あんなに冷たいんだぜ？）

.　チュン、チュン　朝日がまぶしい清々しい朝　青蘭中学の生徒が今日も元気に登校している生徒a　　「おはよう～」生徒b　　「あっ、おはよう。」　明るく声をかけ合っている数人の生徒が歩く歩道の後方に、利江の姿があった　ちょっと笑みをこぼしながら。利江　　（昨夜のことで、胸の突っかかりが取れたような気がするわ♪）　通勤途中のサラリーマンが、小走りで利江の横を抜いて行く利江　　（うふ♪　いつもなら男の人の足音ってだけで大きく避けて振るえていたのに。。。　　　今日から大丈夫みたい～♪　あの二人のお陰ね♪）ゆうすけ　　「よっ、利江ちゃん、おはよう。。。」　ポン♪　と後ろから肩を叩くゆうすけ。利江　　「あら♪　ゆうすけ君、おはよう～♪　昨夜はありがとう。。。」　二人は並んで歩き出すゆうすけ　　「礼なんて要らないさ。」利江　　「ねぇねぇ、教えてほしいの♪」ゆうすけ　　「何を？」利江　　「昨日のこと♪　私の前から走って逃げちゃったでしょ？　あれって作戦か何かだったの？」ゆうすけ　　「あぁ、ああいうやつらは、大体仕返しにくるものなのさ。　　　痛い目にあったら次は人数増やしたりでね。　　　そんな時、敵の戦力は分散に限るのさ。戦術の基本だね♪」利江　　「こういち君とは打ち合わせしてたの？」ゆうすけ　　「全然(^ ^|||　でもあいつも同じこと考えてたからそのうち来るなって。。。　　　おれ一人じゃあれじゃ無理・・・。　　　あいつが来ることを予測した上での作戦さ。約束なんてしてないよ。」利江　　「そんなもんなんだぁ。。。」ゆうすけ　　「あぁ、やつとはそんなもんだ。不思議と言葉が要らないことが多いんでな。」利江　　「ふう～ん」ゆうすけ　　「そぅそぅ、それよりもさ、」利江　　「なぁに？」ゆうすけ　　「例のおちびちゃんの事なんだけど・・・・」利江　　「あぁ、昔助けてくれたちびちゃんね。。。」ゆうすけ　　「うん、でさぁ、利江ちゃんがそいつとこういちが似てたかもって・・・・」利江　　「よく分からないけど、そんな気がするのよ。。。」ゆうすけ　　「それなんだけどもさぁ、昨夜帰ってから考えてみたんだよ・・・・」利江　　「へぇ～、ゆうすけ君もそう思うわけ？」ゆうすけ　　「ところがだ、　　　こういちとおれってガキのころからいつも一緒にいたんだよ、物心付く前から・・・・　　　確かに行動とか、おっそろしくつえぇってとこなんざおれも同感なんだけどさぁ・・・・」　　じっとゆうすけの話しに聞き入る利江ゆうすけ　　「困ったことに、おれ達、そのくらいの年齢の時ってここいらに住んでなかったんだよ。」利江　　「なんですってっ！」ゆうすけ　　「つまり、別人ってことさ。」　落胆し、黙り込む利江ゆうすけ　　「ナイト様、約束したおちびさんは別にいるってことになる・・・・・」　半べそぎみになる利江利江　　「約束を思い出して・・・・やっと、やっと逢えたと思ったのに・・・・・；；グスン」ゆうすけ　　「その・・・夢はまだ終わっちゃいないよ。探せばいいんだよ、その別人を。。。」　再び黙り込む利江　　しばらく沈黙が続く・・・・　　・・・・・・・　　　　　・・・・・・・利江　　「・・・私ね、ここ数日の二人を見ててね、そのナイト様が　　　　こういち君ならいいな　　　　　　　　　　　きっとこういち君なんだわ　　　　　　　　　　　　　　　　　うん、こういち君よね。。。　　　って、自分に言い聞かせたの。だから・・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だから・・・・・」　しばらく考えたゆうすけゆうすけ　　「同一人物であってほしいなっていう気持ちが心の中で働いちゃうんでしょ。」利江　　「うん・・・・」ゆうすけ　　「でも別人・・・・また見つけないとね。」　　腕組みをして考えるゆうすけ　（おれが考えても、どう見てもあいつ意外に考えらんねぇ。　　あんな化け物があっちこっちにごろごろと居るとは思えない。　　ところがあいつではないとすると・・・・・　　その別人ってのが、やけに気になるな・・・・・ゆうすけ　　「そのおちびちゃん、おれも探すの協力するよ♪」利江　　「ほんとに～♪」ゆうすけ　　「あぁ、いいよ♪」利江　　「ありがとう。。。」ゆうすけ　　「それとは別にあいつも気になる・・・・のか？」利江　　「うん。。。」ゆうすけ　　「あんなに冷たいんだぜ？　おれじゃ性格変えらんないけどな。。。」　腕組みをしてから、ゆうすけ　　「但し、１つ約束してくれないかなぁ。」利江　　「なぁに？」ゆうすけ　　「おれもそのおちびさんが気になってしょうがねぇ。　　　あんな化け物が二人も居たんじゃ世の中変わっちまうんでね。　そこでだ、」利江　　「うん、」ゆうすけ　　「おれはおれで、そのおちびちゃんの正体を見つけてみようと思うんだ。　　　お願いってのは、二人の思惑一致の共同戦線ってこと。」利江　　「いいわよ♪」ゆうすけ　　「おけ。　で、もう１つ。」利江　　「１つって言ったじゃない・・・・」ゆうすけ　　「関係してるのさ・・・・確認・・・・もあって。」利江　　「・・・・・？」ゆうすけ　　「もし・・・・もしもだよ、　　　その別のおちびちゃんが見つかってだ、あの日の約束を忘れていたら・・・・　　　利江ちゃんはどうするの？」　またまた沈黙する利江　そこへＨちゃん　　「利江ちゃん、おはよっ♪」Ｉちゃん　　「おっはぁ～♪」　ふと我に返り、二人を見る利江利江　　「ん？　あら、久子ちゃんと相ちゃん。おはよう～」久子ちゃん　（Ｈちゃん改め）　　「お二人、仲がよさそうね♪」相ちゃん　（Ｉちゃん改め）　　「そちらさんのお名前は？」利江　　「あぁ、ゆうすけ君よ。」久子ちゃん　　「ゆうすけ君ね。了解～♪」相ちゃん　　「朝から熱いのね、ゆうすけ君、利江をよろしくね～☆」久子ちゃん　　「私たちはおじゃまだから先に行くわね～♪」相ちゃん　　「応援してるわよ♪」　小走りに先に行く二人ゆうすけ　　「お、おぃ、そんなんじゃ・・・・・」利江　　「あっちゃ～、昨夜一緒のところでも見られたのかな。それに今日もだし。。。」ゆうすけ　　「や、やばいなぁ・・・・」利江　　「あら、私はいいわ♪　そう思いたい人達にはそれで。かえって好都合だわ。　　　悪い虫が付くの追い払ってね♪　　　それにおちびちゃん探すのにも行動が一緒になるんだから♪」ゆうすけ　　「うはは・・・・そりゃまぁ・・・・そうだが・・・・」利江　　「はぃ、じゃ～決まり♪」ゆうすけ　　「ぃゃ、決まりって、あ、あのさぁ・・・・」　　　　　　　　　　　　　　　　　　なんか妙に明るいんだよなぁ・・・・(^ ^;;;　何か完全にふっ切れたように、言い終わると爽やかに走り出す利江利江　　「ほぉ～ら、そんなにのんびりと歩いてると、遅刻するぞ～～♪」　振り向いて口元に手を添えて呼びかける利江、　その際のふわっとなびく髪がキラキラと輝いていた。ゆうすけ　　「お、おぉ～ぃ・・・・・」　あちゃ～～ ^ ^；　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－つづく－第１５話へ　（おまえらに言われたくないわい）　　※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。　　　　また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

2005年12月05日

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■ ドラマ 永久の彼方へ

[第一章 001 ～ 060 話] カテゴリの記事

z009話 志 02 （木と喧嘩なんだよ）

第六十 話 球技大会 二日目 （あら、学校さぼってたの？）

球技大会 得点ボード 準々決勝

第五十九話 ビル倒壊っ その晩 （バカバカバカーーっ）

第五十八話 ビル倒壊っ その２ （遅刻だぞぉ～～～～っ！）

第五十七話 ビル倒壊っ （山ちゃん・・・・）

第五十六話 こういち、事態をを救えっ！ （けっ、あいつめ。。。♪）

第五十五話 球技大会 その２ （ヘックショーーーーン !!）

球技大会 得点ボード 準々決勝（前半戦）

第五十四話 球技大会開始♪ （アユっち で～す♪）

第五十三話 綉榠餡（しゅうめいかん）の裏 その２ （今日に限った話しじゃないよね）

第五十二話 綉榠餡（しゅうめいかん）の裏 （このバカヤローーっ！）

第五十一話 中華 綉榠餡（しゅうめいかん） （足が言うこと聞かないんだよ・・・・

第五十話 ブッチー浜田 vs 腕相撲チャンピオン （ナンダー！ナンダー！ナンダーーーー！）

第四十九話 和恵姉さんと美咲の銀ブラ？ （今度は何っ！）

第四十八話 謎のケンカ空手男 （それはあんたの見聞が狭いだけだ）

第四十七話 うごめく謎 （はい、またまた交換ですよ）

第四十六話 ケンカ空手 vs 裏柔道 （えへへ。。。♪）

第四十五話 闇討ち・・・ （シャドーになってますよ）

第四十四話 球技大会 （あなたもまだなのよ～）

第四十三話 古流伝承者 vs こういち （ちょいと心の休憩が必要じゃない？）

第四十二話 サンドバック （チャリン･･･ チャリン･･･）

第四十一話 こういちの秘密 （その一） （大丈夫って？）

第四十 話 椿の特訓 その３ （ほぅ～、もしかして・・・・）

第三十九話 椿の特訓 その２ （枝や鳥？）

第三十八話 椿の特訓開始 （マネージャーかぁ～）

第三十七話 心当たりは （余り物だけど。。。どうぞ♪

第三十六話 和恵 vs 椿 の腕相撲 （いらっしゃい。 はぃ、いつものね♪）

第三十五話 集会所［華夢on］ （いや、まずいっす）

第三十四話 和恵の過去 その３ （私はね、本気 と言ったの）

第三十三話 和恵の過去 その２ （はぃはぃ。。。どうぞ御自由に♪）

第三十二話 和恵の過去 （良く分からないの）

第三十一話 こういちの受け身 （今、60kg になってるね♪）

第三十話 練習試合 その５ （お、おい、あれ見ろよ）

第二十九話 練習試合 その４ （あら、ごめんなさい）

第二十八話 練習試合 その３ （あっ！）

第二十七話 練習試合 その２ （まだ未熟だな・・・・）

第二十六話 練習試合 その１ （ギャーーーーーーっ！！）

第二十五話 モデル級の３人 （夜そんなとこ出歩くんだから。不良だよねぇ～～）

第二十四話 学校の帰り道 （女じゃないみたいだったでしょ）

第二十三話 試合形式を見学 （お、おれの相棒が）

第二十二話 柔道を見学 （てっめぇ～洗う前の手だったろぉ～！）

第二十一話 美咲先生の授業 （どぅだーーーっ！ 一本っ！）

第二十話 スレンダーな和恵 （チッチッチッ）

第十九話 華夢on （くっ、わからずやが）

第十八話 受け身 （くるりっと・・・・ぺたん）

第十七話 練習開始 （もういっちょ ぐぇーーーーーーっ）

第十六話 武藤大介の頼み （うぉぉぉぉっ そりゃ困るわいっ）

第十五話 武藤大介、留年の訳 （おまえらに言われたくないわい）

第十四話 真相は （あんなに冷たいんだぜ？）

■ ドラマ　永久の彼方へ

z009話志 02　（木と喧嘩なんだよ）

第六十　話　　球技大会二日目　（あら、学校さぼってたの？）

球技大会　得点ボード　準々決勝

第五十九話　　ビル倒壊っ　その晩　（バカバカバカーーっ）

第五十八話　　ビル倒壊っ　その２　（遅刻だぞぉ～～～～っ！）

第五十七話　　ビル倒壊っ　（山ちゃん・・・・）

第五十六話　　こういち、事態をを救えっ！　（けっ、あいつめ。。。♪）

第五十五話　　球技大会　その２　（ヘックショーーーーン !!）

球技大会　得点ボード　準々決勝（前半戦）

第五十四話　　球技大会開始♪　（アユっちで～す♪）

第五十三話　　綉榠餡（しゅうめいかん）の裏その２　（今日に限った話しじゃないよね）

第五十二話　　綉榠餡（しゅうめいかん）の裏　（このバカヤローーっ！）

第五十一話　　中華綉榠餡（しゅうめいかん）　（足が言うこと聞かないんだよ・・・・

第五十話　　ブッチー浜田 vs 腕相撲チャンピオン　（ナンダー！ナンダー！ナンダーーーー！）

第四十九話　　和恵姉さんと美咲の銀ブラ？　（今度は何っ！）

第四十八話　　謎のケンカ空手男　（それはあんたの見聞が狭いだけだ）

第四十七話　　うごめく謎　（はい、またまた交換ですよ）

第四十六話　　ケンカ空手 vs 裏柔道　（えへへ。。。♪）

第四十五話　　闇討ち・・・　（シャドーになってますよ）

第四十四話　　球技大会　（あなたもまだなのよ～）

第四十三話　　古流伝承者 vs こういち　（ちょいと心の休憩が必要じゃない？）

第四十二話　　サンドバック　（チャリン･･･チャリン･･･）

第四十一話　　こういちの秘密　（その一）　（大丈夫って？）

第四十　話　　椿の特訓　その３　（ほぅ～、もしかして・・・・）

第三十九話　　椿の特訓　その２　（枝や鳥？）

第三十八話　　椿の特訓開始　（マネージャーかぁ～）

第三十七話　　心当たりは　（余り物だけど。。。どうぞ♪

第三十六話　　和恵 vs 椿の腕相撲　（いらっしゃい。　はぃ、いつものね♪）

第三十五話　　集会所［華夢on］　（いや、まずいっす）

第三十四話　　和恵の過去その３　（私はね、本気と言ったの）

第三十三話　　和恵の過去その２　（はぃはぃ。。。どうぞ御自由に♪）

第三十二話　　和恵の過去　（良く分からないの）

第三十一話　　こういちの受け身　（今、60kg になってるね♪）

第三十話　　練習試合　その５　（お、おい、あれ見ろよ）

第二十九話　　練習試合　その４　（あら、ごめんなさい）

第二十八話　　練習試合　その３　（あっ！）

第二十七話　　練習試合　その２　（まだ未熟だな・・・・）

第二十六話　　練習試合　その１　（ギャーーーーーーっ！！）

第二十五話　　モデル級の３人　（夜そんなとこ出歩くんだから。不良だよねぇ～～）

第二十四話　　学校の帰り道　（女じゃないみたいだったでしょ）

第二十三話　　試合形式を見学　（お、おれの相棒が）

第二十二話　　柔道を見学　（てっめぇ～洗う前の手だったろぉ～！）

第二十一話　　美咲先生の授業　（どぅだーーーっ！　一本っ！）

第二十話　　スレンダーな和恵　（チッチッチッ）

第十九話　　華夢on　（くっ、わからずやが）

第十八話　　受け身　（くるりっと・・・・ぺたん）

第十七話　　練習開始　（もういっちょ　　ぐぇーーーーーーっ）

第十六話　　武藤大介の頼み　（うぉぉぉぉっ　そりゃ困るわいっ）

第十五話　　武藤大介、留年の訳　（おまえらに言われたくないわい）

第十四話　　真相は　（あんなに冷たいんだぜ？）