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塾講師ママ中学受験サポート国語-合格だけでいいんですか-

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2015年05月17日
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中学受験指導の塾で、国語の授業の中で記述問題の指導もします。
論説文の主旨をまとめたり、物語文の登場人物の状況や心情をまとめたり、また志望校によっては、エッセイのようなものまとまった文章を書く必要のある場合もあります。

公立高校入試の小論文も、配点が大きくなり、自分の意見を述べる力を育てていこうという形で公の教育も方向としては進んでいます。

作文や文章のお仕事としては、
・小学生の読書感想文指導
・中学生の高校入試の小論文指導
・高校生の大学入試に向けての小論文指導
・短大生の入学前教育や就活支援講座としての文章力養成
・就活生の自己PR文章や志望動機、小論文試験対策
・公務員試験の小論文試験対策
・テストの採点

と、幅広い年齢を対象に採点や添削指導をしています。

高校生、大学生のはずなのに小学生のような完成度のものも多々見受けられます。

・「気もち」「大じょうぶ」などのかな混じり表記。

・800字程度の文章なのに「そして」が5回。

・「がんばります」「思います」「絶対」「最悪でした」「最高でした」の連発。

・主語述語がかみあっていない。

・不自然な位置の「、」「。」

・10行を越える1文。

・段落分けなし。書き始めの1マス目も空けていない。

・誤字「精神」が「精心」、「成績」が「成積」は見慣れすぎてしまいました。


留学生の書いたものだと思い込んで読んでいたものが日本人のもので、
日本人のものだと思っていたら中国からの留学生のものだったということも珍しくありません。

こういうものには、けっこう免疫ができている方だと思っていました。
主語も目的語も抜けている文でも、きっとこういうことを言いたいのだろうなと改善案を考え、書き込みして直しています。
未完成な文章をたくさん読んで、その改善案を書き込むことをしているうちに、私もずいぶん鍛えられたようで、先日芸能人や一般の人が作った俳句や短歌をプロの先生が手直しするという番組を見ていて、先生が言う前に「私ならここをこう直す」と言ったことが、その先生のおっしゃる内容と一緒ということが増えてきました。


ですが、まだまだ上(?)がありました。

まず何行か読んでも、意味がつかめないのです。
文としての形を見つけられません。

何度も読み返して気づきました。

…縦書きの原稿用紙に、縦書きで書いているのに、左から右に書かれた文章だったのです。

自然にこうなりますか?
無意識にこのような形で書ける18歳。
これまでの文章を書いた機会で一度も注意されたことはないのでしょうか。
文章を書く機会はすべて横書きだったのでしょうか。
縦書きの本は読んだことがないのでしょうか。
いや、教科書の国語は縦書きだったはずです。

衝撃でした。

こっちから書いているのかー!と発見して、その方向で読み進めましたが、
いろいろと抜け落ちた言葉があるようで、しっかりとその意味をつかむのは至難の業でした。
添削スタッフ数人がかりで読みました。

暗号か。私らこれ、「解読」に挑戦してるのか。

ラインやメールがコミュニケーションのど真ん中にある人になると、単語で意思疎通したり、イラストで補ったりしますから、こういう学生が出てきてしまうのも自然なのかもしれません。



内田樹さんの文章「『矛盾』と書けない大学生」をうんうんと深くうなずきながら読んだ数日後のことでした。

~「矛盾」を「予盾」と書くのはわかる。知識を正確に再現できていないというだけのミスだから。
 しかし「無純」と書く学生に出会って衝撃を受けた。~
と、その背景を考察し、雑誌などの例を挙げながら「読みとばして、理解できるところだけつまみ食いするような読み方」となっているのではないかと、そして若者に、文章はその程度のつきあい方でよいと思わせてしまっている大人にも問題があるという指摘がありました。

私も、重要性を認識させるきっかけとなる大人として学生と接するように努めます。


一方で、偏差値的にはそう高くない学生対象でも、文章の講座を数回受け、そのポイントを伝えていくと、みるみると別人のように説得力のある文章が書けるというのも事実です。

スポーツ推薦で合格した某大学の学生30名ほど、勉強は大嫌いだけどスポーツをやってきたことで体験的に学んだことのある学生さん達です。

・下書きや構成のコツ。
・文章の中に自分らしさを出すための分析。
・具体例やエピソードの深め方。
・表現の無駄を徹底的に削る。
・自分のこだわりの部分は熱くとことん細かい情報までメモを書き出して語る。
・他人の目で読み返して、情報の取捨選択をする。

劇的ビフォーアフターです。
仕上がった文章は、私たち講師があれこれ口出ししたものではありません。
元々ルールを理解し、試合中の自分の状況を判断する客観的視点を持っているからスポーツでも活躍できている学生さん達です。そのスポーツで培った部分をうまく文章のルールへ応用できるように説明すれば、しっかりと使いこなせます。

講義の最後に、発表会をしました。

…私涙目になりました。
最初の幼稚な文章から発展させたとは思えない、「説得力」「本物感」。

彼ら自身も、自分の中にぼんやりと存在していたものを、明確に言語化したことによって自己肯定感を大きくしたようです。後日、親に読ませたら泣いてたよ~っていう学生もいました。うん、あれは、泣いちゃうわ。

「伝え方」の技術だけでは、完成度はそこまで上がりません。
一生懸命何かに取り組んだことのある人だけが持つパワー、エネルギー、そういうものが文章を通して伝わってきます。
価値観が知らず知らずに出ますからね。大きく言えば、「生き方」。
技術だけに頼った文章はつまらないですものね。
また、せっかくの語彙力を、人の批判やできない言い訳に使う大人もどうかと思いますし。

勉強は、「生き方」磨きの一つの方法であると再認識です。






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最終更新日  2015年05月18日 01時42分08秒
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