今夜、先月下旬から公開されている『ドリーム・ホーム』を観に
行きました。
お話は、2007年10月、香港のビクトリア湾が一望できる高級
マンションの管理人室で、警備員が殺害された。そして、その後
も次々と住民が無差別に殺害されていった。犯人はOLのチェン
(ジョシー・ホー)であった。彼女は昼間銀行のコールセンターで、
夜は中古ブランド店と掛け持ちで働いていた。彼女が働きづめ
な理由は、ビクトリア湾を眺められる高級マンションの部屋を買
う為であった。1990年代初め、子どもだったチェンは古いアパ
ートが建ち並ぶ一角で一家で暮らしていたが、再開発の為に地
上げが横行していて、徐々に古い街並みが崩壊していた。ブル
ーカラーの父親からも「お前は勉強して広い家を手に入れろ」と
言われていた為、その時から将来は海の見える広い家に住む
事を夢見ていた。90年代の末、家計を支える為に大学を辞め
たり、母親が他界したりと生活が変化していくが、地価が上昇し
ている事で更に広い家に住む夢が膨らみ、持病が悪化してしま
った父親を見殺しにして保険金を手に入れるまでとなっていた。
そして、以前から交渉していた不動産屋に部屋を買う旨を伝え
るのだが・・・という感じに進んでいきました。
公開に併せて監督のパン・ホーチョンの別作品の上映イベントも
組まれたりと前々から気にはなっていたのですが、バイオレンス
作品である為にグロい描写に耐えられるかが不安だったので、
観に行くかどうか悩んでいました。
確かに、かなり露骨な描写ではありました。でも、事前に構えて
いたせいか、思っていたよりは落ち着いた気分で観る事ができ
ました。昨年公開された『殺人犯』やジャッキーの『新宿インシ
デント』などで、少しは免疫ができていたのかもしれません。
それに、ジャンル自体の否定になってしまいますが、物語自体は
この20年の香港の住宅事情がテーマになっていますし、文化の
面からも興味深い内容だったので、過激な描写を前面に出さなく
ても良かったのでは?という感じもしました。
(K)