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カテゴリ:H18司法試験総決算!
今日は択一試験(刑法)No.44について書きたいと思います。
■択一試験(刑法)No.44■ <論 点>「共同教唆と再間接教唆」 <正答率>59% <知 識>特になし <解答順><思 考>参照 <思 考>Aの発言から、Aは再間接教唆を処罰しない考えを採っていることが分かるので、Aは見解βを採ることが分かる。Dの発言から、Dは共同教唆犯という概念を否定していることが分かるので、Dは見解イを採ることが分かり、Bは見解アを採ることが分かる。そうすると、Cの発言から、Cは見解アを採ることが分かる。さらに、BとCが見解アを採る以上、Aは見解イを採ることが分かる(見解の組合せはアα・アβ・イα・イβの4通りがあるところ、問題文柱書に「各学生が採る見解の組合せはいずれも異なっている」とあるので)。さらにさらに、今までの検討から、Aは見解イβを採ることが判明しているので、Dは見解イαを採ることになる。そうすると、Dと真逆の見解の組合せを採るCは見解アβを採ることになる。最後に、Bが残った見解アαを採ることが分かる。 <感 想>思い出深い問題です。試験当時は「なんて難しい問題なんだ」とプチパニックに陥ったことを覚えていますが、今になって解いてみると「そこまで難解な問題ではなかったのかな」といった感じがします。こういった問題に相対したときは、とにかく冷静になることです。そして、コツコツと一歩一歩ヒントを解きほぐしていくという姿勢が大事でしょう。いきなり全体を見てすべてを理解しようとしないで、今、自分の読んでいる発言だけをまずは理解しようと努めてください。そういった構えで挑めば、解答し得る問題だと思います。この問題を解いたときは図を書いてとりあえず各見解の組合せからのあてはめを考えたのですが、実は本問を解答するためにあてはめは不要だったようです(もちろん、あてはめが正確にできれば、Bの発言もヒントとして利用することができるので、より正解に行き着きやすくなるのでしょうけど)。しかし、この手の問題が出たら、大半の人がまずはあてはめをすると思います。そういったことからしても、この問題は難問の部類に入るんでしょうね。ただ、要求されている知識は特にないといっていいと思います。強いて言うなら、「再間接教唆なんてのが確かあったな」程度の知識です。あとは、問題文で提示された条文と学生の発言から、現場でウンウンと考えるだけで、答えが出るといった類の問題といえます。つまり、知識では差が付かない問題なので、いかに現場で頭が冴えるかが要求されているということですね。こればかりは何かを覚えればいいというものではないので、類似の問題を過去問(や予備校模試)で訓練するしかないですね(※予備校問題に否定的な僕ですが、直近の試験で初めて登場したような形式の問題に関しては過去問に同じものがなく過去問では対応できないので、予備校問題を利用せざるを得ないわけです)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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