幼稚園の思い出
娘は、途中で幼稚園を変わっています。最初に入園したのは、地域で一番人気の「遊びを中心にしています。」という幼稚園でした。園舎は新しくオシャレで、園庭の遊具も充実していて泥んこ遊び専用のスペースもあり、行事もたくさんで楽しそうに思えたのですが・・・。娘には全然合わなくて、様子がおかしくなってしまいました。今ならわかります。全ての事が、行事を中心に園の都合(大人の都合)を優先して動いていたのです。泥遊びも、「さあ、泥遊びの時間ですよ。」と、子供のその時の気持ちなど関係なく、全員一斉にさせられます。行事の練習も、保護者に対して成果を示さないとダメですから、子供の気持ちなど無視して行われます。作品展など、個性のない、どれがどの子の作品かわからないような物が並んでいました。(後で知ったのですが、絵は上手に書けるように、後ろから先生が手を持って書かせていたらしいです。)情けない事に、その頃は、それが当たり前だと疑問にも思っていませんでした。心のどこかで違和感を感じながらも、こんなもんだと思いこんでいました。娘の様子に、無理だと思った私達は、運良く、モンテッソーリ教育のカトリック幼稚園に出会う事が出来ました。転園してから、娘の本当の幼稚園ライフが始まりました。転園後のある日、娘の言葉に胸が詰まりました。「おかあさん、あたらしい幼稚園はね、運動会の練習でならんでるときでもね、トイレに行ってもいいんだよ。」信じられませんでした。涙が出ました。最初の園で、そこまで酷い管理のされかただったとは・・・。行きたい時にトイレにも行かせてもらえない。そんな状況でも、子供はそれが普通だと思っていたんです。それしか知らないから。なんという無理をさせていたのだろうと、心の底から娘に詫びました。カトリックの幼稚園では、全ての事が子供のペースで、子供を中心に動いていました。朝、ノートにシールを一枚選んで貼るのにでも、納得するまで悩んで選びます。誰も子供をせかす人はいません。朝10時に一旦クラスのお集まりの時間があるのですが、先生は静かに席に座って待っているだけです。気づいた子が、一人・二人・・・それまでしていたお仕事の道具を片づけて席に着きます。お仕事に熱中していて、お集まりに気づかない子は、そっとそのまま別の先生が見守っています。園庭を元気に走り回り、教室に入らない子もいます。そんな子達にも、また別の先生が付き添って見守っています。決して腕を引いて無理に席に着かせたりしないのです。春に新入園児が入ってきて、全員が10時に席につくということが出来るようになるまで、毎年、1ヶ月かかるそうです。なんて気の長いことでしょう。家ではマネできないわ~なんて、その頃は思っていました。(ダメダメですね。)でも、そんな幼稚園に下の子と合わせて5年間も通ううちに、我が家ではリセットが自然に出来、どんぐり倶楽部に出会う下地が出来たのかな…と、今は思います。(カトリック幼稚園でのエピソードはたくさんあります。のんびり・ゆっくり・子供のペースで…良い経験をさせていただきました。ボチボチと書いていきたいと思います。)