埋もれ火のアンソロジー

You tube製作　写真の天才　しっぽ２さん

うた　女泣かせコックン


（１人目のあなたの歌）

家をすて　故郷（くに）をすて　彼を追って横浜<へ
汽車に乗ったのは　いくつのころだったかしら
今はこうして　二人のこどものパパとママ
そんな私にも　おだやかに　朝はくりかえすだけ
ねえ　そこ行く人よ　信じることをやめないで
過ぎる季節に　耳をすましてみませんか・・・



（２人目のあなたの歌）　　

果てしなくつづく　道を選び　歩き出せば
そこは　見知らぬ　異国の空の下
ケーナこだまするペルーの町並み　空行く鳥の群れ
根こそぎの人生が　輝いて見えるのでした
ねえ　そこ行く人よ　生きていると言えますか
私と一緒に　大きな声で　泣き笑いしてみませんか



（３人目のあなたの歌）

ひねもすチェロの音（ね）に　つつまれていたいと思い
朝を目をこすり　迎えるのでした
あなたの頭の中には　星のような夢がきらめき
金沢の町には　眠るまでの思い出があった
ねえ　そこ行く人よ　何をそんなに急ぐのですか
私と一緒に　ワルツでも踊りませんか



（４人目のあなたの歌）

通り過ぎた　こどもたちの顔や顔
誰よりもあなたを知っているのは　彼らでしょう
でも本当のあなたは　あなただけのもの
背筋を伸ばして　正しくそして美しく
ねえ　そこ行く人よ　後ろを振りかえらないで
あなたの道を信じて　歩いていきなさい



（５人目のあなたの歌）

うつむきがちに　なに想う人よ
澄んだ瞳に　あどけない香りを残して
手をふる仕草や　うなずく午後のひと時
ただそこに　居るだけで　こころが洗われました
このまま　ありのまま　生きていてください
みんなと一緒にワルツでも踊りませんか
このまま　ありのまま　生きていてください
私と一緒にワルツでも踊りませんか

（１９８２・２．７）