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2012.05.25 楽天プロフィール Add to Google XML

「マンセッション」の時代、他人依存の殺伐した社会を改革せよテーマ
[ 経済 ]    

kawanobu日記/「マンセッション」の時代、他人依存の殺伐した社会を改革せよ;ジャンル=経済 画像1

 失業ほどやるせないものはないかもしれない。必死になって就職先を探し、それこそ何十枚となく履歴書と職務経歴書を書いても、報われなければ、人間精神は深く疲労する。ひどくなると、すべてが虚しくなり、就職活動を止めてしまう。

◎失業が疲弊・荒廃させる人間の心
 疲弊しきった人間精神は荒み、時にはたやすく暴力を振るい犯罪に走る。21日夕方、渋谷駅地下エスカレーターで中年男性にナイフで切りつけて重傷を負わせた32歳の男も、1年前に仕事先をクビになったアルバイトだった。
 幸いにしてリブパブリは、大学を卒業してすぐ就職して以来、失業経験はない。しかし身近に、そうした挫折をした30歳台の人間を何人も見ているので、その苦しさは良く分かる。冒頭の言葉は、彼ら、彼女らが実際に陥った症候群だ。
 ただ朗報は、ある。
 アメリカと日本で、この1年近く似た傾向をたどっているのが、失業率の微妙な低下傾向なのだ。特にアメリカは、今年が大統領選であるため、オバマ政権は失業率の帰趨に一喜一憂している。再選に挑む現職大統領が7%以上の失業率で再選に成功したのは、近年ではレーガン大統領だけであり、再選に失敗した現職大統領は、みな失業率に足を掬われた。下がり気味の傾向とはいえ、なお失業率が8%台に張り付いていることは、オバマ大統領にとって頭痛のタネなのだ。

◎アメリカなど先進国では男性の失業率が有意に高い
 失業率が低下傾向にあるとはいっても、これは数字のアヤに過ぎず、実態は深刻だという見方もある。失業率が低下すれば、仕事に就いている人たちの割合、つまり就業率は上がるはずだが、それが見られないからだ。むしろこちらも若干、低下傾向だ
 アメリカ経済を厳しく見るエコノミストは、失業率が下がっているのは、就職活動を諦めた人たちが多いからなのではないか、と疑っている。日米ともに失業率とは、就職活動をしながら仕事に就けない人たちの割合だ。仕事に就くのをやめ、生活保護やアルバイト、徒食人になっている人たちはカウントされない。
 さて、厳しい雇用実態を必ずしも正確に表していないと批判される失業率ではあるが、日米ともに共通するのは、失業率の性差である。
 どちらも、男性の失業率が女性のそれを上回る。いや日米に限らず、先進国はだいたい同じ傾向だ。1つには、女性は「結婚」という逃避先があるからだが(結婚して専業主婦になってしまえば失業者にカウントされない)、男女の就業構造の違いも大きい。

◎日本も失業率で性差が拡大
 ちなみにアメリカでは、男性の失業が深刻なことを表すのに、「mancession」という造語がある。男性(man)と不況(recession)を組み合わせたものだ。だいたい男性失業率の方が、1ポイントは高い(写真=長い列を作る男性求職者)。
 日本も、同じだ。直近の3月では男性が4.9%もあるのに、女性は4.1%だ。
 男性の高い失業率は構造的なものとも言える。例えば10年前と比べると、就業者数は、建設業で21%、製造業で16%も減った。
 建設業は、バラマキスト民主党政権で拍車がかかった「コンクリートから人へ」の政策で、公共事業が大削減されたからだし、製造業が減ったのは、やはりバラマキスト民主党政権になって顕著になった超円高傾向で(政権獲得直後、バラマキスト民主党政権の初代財務相になった藤井裕久は、円高誘導の口先介入を繰り返し、超円高の端緒を作った)、工場が海外移転してしまったからだ。
 この傾向は自公政権の時から現れていたが、バラマキスト民主党政権で拍車がかかったのは否定できない事実である。彼らの政策で、確実に雇用は失われているのだ。

◎激減した職種の建設業と製造業は男性優位の職場
 さて建設業も製造業も、基本的には男性の職場である。例えば建設業従事者の86%は男性だ。
 製造業も男性優位とはいえ、29%は女性だから、女性の職場も減っていることは間違いない。それでも女性の失業率が男性より有意に低いのは、女性就業者が75%を占める医療・福祉の就業者が10年前より48%も増えたからだ。絶対数は少なくとも、これが日本版「マンセッション」の理由となっている。ただし医療・福祉職は、とりわけ後者は低賃金の代名詞になっている。家族を養う立場の男性は、就業しにくい。
 以上のような男女別の就業構造が分かってくると、マンセッションは今後もさらに厳しさがつのるだろうという暗い見通しとなる。

◎男性失業率7%の時代もすぐそこ
 バラマキ福祉に予算を取られてしまっているので、建設業の仕事が増えるはずはないし、6重苦の上に電力不足まで加わっては、製造業の海外脱出もさらに拍車がかかるからだ。
 どう見ても、男性の失業率が低下する要因は見当たらない。男性失業率が7%を越えるのも、そう遠くない。
 これは、考えてみれば恐ろしい社会である。若い男性が仕事に就けない--となれば、世の中は殺伐としたものになるだろうし(老若を問わずすぐキレる男性が多い)、当然彼らは結婚ができないから、出生率も下げ要因となる。
 少子高齢化とは、バラマキ政党による間違った政策でも作り出されているのだ。
 自助・自立のための福祉への転換、そしてTPP参加など、改革は急務である。

◎しばらく日記を休載します
 さて、しばらく日記を休載します。毎年恒例ですが、海外に遊んできます。そのために普段から買う物も買わず、節約をしてきました。21日の金環食を観るために、最初に予定していたこの日の日程をキャンセルし、本日、夕刻に旅立つスケジュールにしました。
 いつまで? 当然、6月6日の金星の日面通過を観るために、それまでには帰国します。
 どこへ? それは秘密(^。^)。帰国してからのお楽しみ、です。
 なおいつもは「昨年の今日の日記」の後に、「昨年の昨日の日記」などをずらずらと並べますが、今回はあまりに長いので割愛させていただきます。

昨年の今日の日記:「『責任』というワードがないボケ菅政権の辞書」



Last updated  2012.05.25 04:56:11


2012.05.24

政治を操るアカゲザルの社会、低位のメスは生き地獄(後)
[ 生物学 ]    

 

kawanobu日記/政治を操るアカゲザルの社会、低位のメスは生き地獄(後);ジャンル=霊長類学、動物生態学 画像1

kawanobu日記/政治を操るアカゲザルの社会、低位のメスは生き地獄(後);ジャンル=霊長類学、動物生態学 画像2


 チンパンジー社会と異なり、アカゲザルでは群れで生まれた仔のうち、前回述べたようにオスが群れを出て行く。したがって劣位の母親から生まれたメスは、一生涯、劣位のままだ。
 流動性が全くないから、階層構造も固定されたまま、梯子状のヒエラルキーを登っていける機会は、ない。

◎メスは一生、生まれた時の順位のまま
 何たる不平等社会か、と怒っても始まらない。そういう社会構造が進化の過程で発達したのだから。それにマカクより知恵のあるチンパンジーですら、未来のことを考える能力はないので、最下位メスのアカゲザルが将来を悲観したりすることもない。
 一般に社会性動物では、成長すると必ずどちらかの性が群れから出て行く。それがオスになるかメスになるかは種によって異なるが、群れを出るのは近親交配を回避する知恵である。
 マカク社会では、オスは生まれた群れを出て、遊離オスとなるが、機会があれば別の群れに入り、さらに機会があり、才覚さえ備えていれば、オスの中で順位を上げ、場合によってはアルファオスになることもできる。オスは、まだ「努力」の余地があるのだ。

◎政治的同盟を結んで序列を上げるオス
 もちろん群れに入り込んだ離れオスは、最初は下積みからスタートするのだが、他の劣位オスと政治的同盟を組んで、順位を上げることは可能だ。そして同盟を固めて、4番目、3番目、2番目という序列のオスを追い抜いていけば、ついにはアルファオスと対抗する地位も得られる。最終的にはアルファオスと決戦し、勝てば自分がアルファオスの地位に就くことができる。追い出されたアルファオスは、通常、年をとっているので、もはや奪権は不可能で、だいたい闘いで負傷した怪我がもとで死ぬことになる。
 アルファオスの最大の特権は、アルファメスのみならず、群れのすべてのメスと交尾できることだ。つまり自分の遺伝子を最も多く残せる特権を持つ。
 もっともだからといって、群れで新しく生まれた仔がすべてアルファオスの遺伝子を持っているとは限らない。

◎アルファオスの目を盗んで間男する下位オスも
 5頭のオスと30~40頭のメスから成る群れを観察したある研究者の調査では、アルファオスは交尾可能のすべてのメスと交尾し、6カ月後にたくさんの仔が生まれたが、遺伝子調査の結果、どの仔の父親でもなかったという驚嘆すべき事実がある。
 生まれた仔の大半は、アルファオス以外の4頭のうちの3頭の仔だった。最も最下位のオスでさえ、2頭の仔の父親だった。厳格なヒエラルキー制でも、群れの目を掠め、群れからお気に入りのメスを短時間だけ連れだし、こっそりと交尾するという離れ業をやっていたのである。
 政治的同盟を作るように、それも賢いから可能なのだ。ひょっとすると永田町の「政治屋」よりも政治的で利口かもしれない。

◎自分の遺伝子を残すべくオスの子殺し
 アカゲザル社会では子殺しは稀だが、離れオスが群れを乗っ取る社会構造を持つ動物種では、乗っ取ったオスがハーレム内のメスを発情させ、自分の遺伝子を一刻も早く残そうと、追い出したオスの仔をほとんど殺す。
 マカク属の上位分類群であるオナガザル科を同じくするインドのハヌマンラングールの子殺しを初めて学界に発表したのは日本人研究者の杉山幸丸氏である。ハヌマンラングールで子殺しが行われるのは、上記のシチュエーションで、だ。また同じ霊長類では、1頭のオスに複数のメスがいるゴリラでも、離れオスが群れを乗っ取る時は、子殺しが行われる。
 霊長類ではないが、ネコ科で唯一、プライドと呼ばれる群れを作るライオンも、同様だ。ライオンの仔の死因1位は、父親でない離れオスによって殺されることである(11年11月13日付日記:「百獣の王ライオンはなぜ群れを作る? ネコ科動物唯一の群居性の謎(続)」を参照)。

◎目立たないが子殺しはする
 アカゲザル社会で子殺しが(行われていても)目立たないのは、厳格なヒエラルキー制度に守られて、離れオスがいきなり群れを乗っ取れないからだろう。離れオスは何年も何年も隠忍自重し、政治的同盟者を獲得しつつ少しずつ順位を上げ、その間、アルファオスの目を盗んでは同等か自分より下の順位のメスにちょっかいをかけ、「不義の仔」を作り、ある時、一気にアルファオスに決戦を挑む。その間、自分の遺伝子を持たない子ザルは成熟し、オスは群れを出ているし、メスは自分の交尾相手になる。
 ただ例数は少なくとも、アカゲザルでも、そしてニホンザルでも子殺しは行われる。個体ができるだけより多く自分の遺伝子を残したいとなれば、子殺しは必然なのだ

◎飼育員の休日も把握するほど賢い
 霊長類に共通する特徴だが、アカゲザルも頭がいい。実験動物として様々な大学・研究機関でケージ内飼育されているが、飼育員が週休2日だということ、しかも毎週必ず2日の休暇があることを学習する。だからケージ内での出産風景を研究者が見ることは、通常できないそうだ。見られることを嫌う懐妊したメスは、必ず金曜日の夜以降に出産するという。
 賢くて適応力・繁殖力が旺盛だから、何かの拍子で飼っていた個体群が外に抜け出すと、容易に土着化してしまう。ニホンザルとアカゲザルのハイブリッドが出来るのも、上記を見れば容易に納得できるだろう。
 写真は、アカゲザルの親子と毛繕いするアカゲザル。毛繕いは、彼らにとって最も親密なコミュニケーション手段である。

昨年の今日の日記:「溶解するバラマキスト民主党、逃亡者相次ぐ中、千葉県議選浦安市区ではやっとこさ当選」

Last updated  2012.05.24 05:11:52

2012.05.23

渋谷のミニシアターに『ムサン日記~白い犬』を観に行く
[ 映画 ]    

 

kawanobu日記/渋谷のミニシアターに『ムサン日記~白い犬』を観に行く;ジャンル=映画、現代史 画像1

kawanobu日記/渋谷のミニシアターに『ムサン日記~白い犬』を観に行く;ジャンル=映画、現代史 画像2

kawanobu日記/渋谷のミニシアターに『ムサン日記~白い犬』を観に行く;ジャンル=映画、現代史 画像3


 見終わって「救いのない映画」だと、ただ重い気分になった。東京では渋谷のシアター「イメージフォーラム」でだけ上映されている『ムサン日記~白い犬』を見終わってのことである。そのシアターは狭く、全部で100数十席しかなく、トイレは、男女ともたった1つずつしかない。

◎脱北者のスンチョル、ソウルのなじめない日々
 韓流ブームと言われて久しいが、リブパブリは韓流映画もドラマも観ない。筋立てだけで判断する限りワンパターンの焼き直しが多そうで、日本映画全盛期の50年前の再現に近いから、観たいという意欲が全くわかないのだ。日本で大ヒットし、韓流映画ブームに火を点けた『冬のソナタ』など、日本の半世紀前のメロドラマのいいとこ取りした焼き直しに過ぎない。
 しかしこの韓国映画だけは、わざわざ渋谷まで出かけ、宮益坂を10分近くも登って観に行った。その結果が、この重い気分とは--。
 ソウルで暮らす脱北者の主人公チョン・スンチョルを中心に、資本主義韓国になじめない脱北青年たちの閉塞感を、終始、明るさも希望もない暗いタッチで描く。いくら筋が進んでも、スンチョルに明るさが展望できない。流行遅れの服を着たおかっぱ頭のスンチョルの表情はずっと凍り付いたままで、笑顔をついに見ることがなかった気がする。

◎高嶺に咲く百合のスギョン
 それでも救いを求めてか、日曜日にはカトリック教会に通う。そこで美しい女性スギョンに惹かれるが、脱北者の引け目で声もかけられない。ストーカーのように後をつけていき、彼女が違法カラオケ店を独りで切り盛りしていることを知り、入口に張られた求人募集の張り紙を見て、その店に時給4000ウォンで雇われる。ちなみに時給4000ウォンとは、日本円換算で300円くらいである。
 それでも正義感は人一倍だから、転がり先の住まいの詐欺と盗みで生計を立てている脱北の先輩とも軋轢を起こし、カラオケ店も客ともめ事を起こしてクビになる。その前には、生業にしていた違法ポスター貼りの仕事すら「トロい」という理由でクビにされてしまう。
 そのポスター貼りでは、仕事をくれる親方にいつも怒鳴られ、クビにする、と脅され通しだった。ポスター貼りでは、繁華街で貼る場所のシマを荒らしたと、やはり違法ポスター貼りをして不良に袋叩きにされ、先輩に買ってもらったダウンも切り裂かれる。

◎心を許せるのは「白い子犬」のペックだけ
 
韓国では誰とも心を開けなかったスンチョルの唯一の「友だち」は、拾った白い子犬「ペック」だった。ペックだけが心を許せる友だちだったが、そのペックも居候する脱北先輩に捨てられてしまう。必死になって夜のソウルの中心街を探し回り、奇跡的にゴミ漁りしていたペックを探し当てる。だが、そのペックがスンチョルの未来を暗示していた。
 こうした延々と続く救いのないシーンばかりだが、それだけではない、きっと明るいロマンスもあるのだろう、と期待するのだが、密かに思いを寄せるスギョンは、しょせんはスンチョルの雇用主だし、高嶺の花だった。
 教会での告解で、ムサンという中国の国境に近い辺境の村でトウモロコシをめぐって友だちを殺してしまい、脱北したことを告白し、根は優しいスギョンから再びカラオケ店店員に雇われ、期待は高まる。
 しかし、それも束の間の「息継ぎ」だった。最後は、あまりにも残酷な結末を迎える。
 そして、車の行き交う道路のど真ん中で突っ立ったままのスンチョルのシーンが数分間も続いた後、突然、映画は終わり、最後に「故チョン・スンチョルに捧ぐ」という字幕が出て、完となる。ちなみに主人公は、監督の大学時代の後輩をモデルにしたという。

◎脱北者の救われなさ
 リブパブリがわざわざ携帯で2度も場所を尋ねて訪ね当てたミニシアターに、この映画を観に行った理由は、脱北者の多くが自由の国の韓国に溶け込めない実態を見てみたかったからだ。
 首都平壌はいざ知らず、北朝鮮の田舎では資本主義国家に必須の教育は受けられない。教えられるのは、金日成、金正日らの捏造された歴史だけだ。そのような虚構の国、上級からの命令に従い、創意工夫は邪魔、不要とみなされている国、パソコンなど見たこともない国で育った若者が、厳しいグローバル競争に揉まれている資本主義国にしてIT国家の韓国に行っても、社会に受け入れられ、溶け込めるはずはない。脱北者にとって同じ民族の国の韓国は、別の星の国なのだ。

◎残るも地獄、去るも地獄の犯罪国家の罪深さを描いた?
 だとすれば、生きるために犯罪に走るしかない。スンチョルを居候させていた先輩も、まさにそうだった。その先輩は、中国の脱北者に送る不正送金する金を横領し、仲間の脱北不良青年から追われる身となる。スンチョルは、最後はその先輩も裏切る。金を横取りし、おかっぱ頭を散髪し、服装も整えるのだが、それでスンチョルの世界が変わるわけではない。
 重苦しい、救いのない思いは、まさに現在の韓国でひっそりと暮らし続ける脱北者の思いのだろう。北朝鮮に残るも地獄、運よく韓国に入国できるも地獄、という彼ら
 金王朝一族と一握りの取り巻きを支えるためだけに存在する北朝鮮という犯罪国家の存在は、それほどに罪深いのだ。
 自らスンチョル役を演じた監督のパク・ジョンボムが『ムサン日記』を創った狙いも、実はそこにあるのだとすると、かなりの高等技術と言えそうだが。

昨年の今日の日記:「メガソーラーのユートピアと電気料金7割アップの現実」

Last updated  2012.05.23 04:46:32

2012.05.22

昨日の金環食と関電大飯原発の揺れ動く「処遇」
[ 経済 ]    

 

kawanobu日記/昨日の金環食と関電大飯原発の揺れ動く「処遇」;ジャンル=経済 画像1

 昨日朝の金環食、奇跡的に数十秒間、観望できた。かなり欠けだした7時頃から家の内外を出たり入ったりの繰り返しだった。右端から太陽が欠け始めた6時台は雲が切れている時が多かったのに、途中から雲が厚くなり、いよいよ日本の西端で金環食が始まりだした7時10数分になっても、まだ厚い雲が太陽を覆い隠していた。

◎わずか数十秒だったがこの目で金環食を観望!!
 
ところが金環食が始まった7時32分頃に、切れ間から太陽光が差し始め、日食グラスで右上がやや狭くなったオレンジのリングがはっきりと見えた。その後も雲が差したり切れたりしながら、7時34分頃かに真円に近いリングが観望できた(写真
 初めての金環食の観望である。感激はひとしお、だ。
 晴れていれば5分は見えたはずだが、雲の切れ間からの金環食はトータルで数十秒だった。それでも、自宅で観望できたことは幸いだった。
 なぜならリブパブリは、なぜか天気の運が悪い。砂漠のラスベガスで降雨と積雪に遭い、オーストラリアの乾燥した原野の立つ一枚岩のエアーズ・ロックでも雨に降られた男である。
 その後、午後は天気予報が外れてピーカンになったのは、恨めしい。もっと早くに晴れていれば。欲を言っても始まらない、か。

◎夏だけの一時再稼働?
 ところで話し変わって、大阪市の橋下市長は、決断できる政治家としてリブパブリも好きだが、唯一いただけないのは、人気取りのあまりか大都市の電力需給を無視して性急な脱原発を唱えていることだ。電力大消費地の首長なら、今夏、約15%も足りなくなると試算される関西、就中、大阪市の具体的な電力需給見通しを明確にし、産業界と市民を安心させねばならないはずだ。
 その橋下氏が、初めて関電大飯原発の一時的再稼働に言及した。19日に開かれた関西広域連合の会合で、夏の電力需要ピーク時にだけ再稼働させるプランに言及した
 ようやく事の深刻さに気がついたのであろう。

◎夏だけ原発は危険でないのか
 
だが橋下氏が捻り出した夏場だけの再稼働のアイデアなど、ナンセンスだ。夏場だけの再稼働を容認すれば、「危険だ」と言っていた従来の立場にそもそも矛盾するではないか。夏場に、原発の過酷事故が起きず、秋や春の不需要期だけに起こる、なんて神さまの思し召しみたいなことはありえない。
 第一、いったん休止した原発を再稼働させ、出力をピークにもっていくには1カ月半くらいかかる。夏場だけ動かせば、かえって様々な危機に負荷をかけ、劣化を早め、それだけ安全性は落ちていく。卑近な例をあげれば、電球も蛍光灯も、頻繁な点滅を繰り返せば寿命が早く尽きるのと同じだ。数百万点にも達する部品が、頻繁な起動-休止の繰り返しに耐えられるとは思えない。

◎原発の経済性を否定する短期運転論
 それに、これでは原発の経済性が全く否定される。原発は、あらゆる発電所に比べて建設費は高い。原子炉そのものが堅固な設計だし、1つ、2つの危機、システムがダウンしても、安全に停止できるように、設備と設計に何重もの安全網が加えられているからだ。 その代わり継続運転すれば、燃料費が相対的に安くなるので、経済性が向上する。短期間の運転では、経済性は悪名高い太陽光発電よりも悪くなるだろう
 だから選択肢は2つしかない。ただ不安だという非科学的情緒論を排し、安全性を極限まで高めた原発を運転し、電力不足の不安を払拭するか、計画停電まで覚悟し、真夏の猛暑の2カ月半を耐えるか、だ。市民はそれでもいいが、産業界にはそういかないところがあるので、コスト高を招き、それだけ日本経済の足を引っ張る。
 そんな現実的リスクを容認できるほど日本経済は好調ではない。
 現下は、ギリシャ不安の再燃で、円高・株安が進んでいる。関西には製造業の拠点が多い。これに電力不足が加われば、いよいよ生産拠点の海外脱出に拍車がかかる。

◎使用済み核燃料を放置しておけば、運転せずとも危険
 ところで利口な反原発論者は決して口にしないが、原発は止めてもそれで地震と津波から安全になるわけではない。なぜなら各原発サイトのプールには、使用済み燃料棒が合わせて数千・数万本単位で貯蔵されているからだ。現在、再処理もされず、行き場も決まっていない使用済み核燃料は全国で1万4000トンほどもある。
 この使用済み燃料棒は、福島第1原発4号機のように常に水の中で冷却されて、超ウラン元素の崩壊熱を冷却されている。原子炉を運転していようがいまいが、冷却機能が失われれば、4号機建屋が水素爆発を起こしたように、クライシスは来る。
 原発を停止さえすれば安全だというのは、原発を知らない一般人を欺くデマである。確かに原子炉から核燃料が除去されているけれども、その核燃料は、冷却プールにあるのだ。冷却機能が失われれば、どのみち同じである。
 あくまでも安全を、というなら、全国の原発の使用済み燃料棒を直ちに地下深くに永久隔離するしかない。それすらせずに、ただ運転だけ止めても気休めにしかならないのだ。

昨年の今日の日記:「原発全部の廃炉を織り込みつつある? 東電以外の8地方電力株も激下げ」



Last updated  2012.05.22 05:59:54

2012.05.21

政治を操るアカゲザルの社会、低位のメスは生き地獄(前)
[ 生物学 ]    

kawanobu日記/政治を操るアカゲザルの社会、低位のメスは生き地獄(前);ジャンル=霊長類学、動物生態学 画像1

kawanobu日記/政治を操るアカゲザルの社会、低位のメスは生き地獄(前);ジャンル=霊長類学、動物生態学 画像2 

kawanobu日記/政治を操るアカゲザルの社会、低位のメスは生き地獄(前);ジャンル=霊長類学、動物生態学 画像3 
 昔、信州山ノ内町の地獄谷野猿公苑で、温泉に入るニホンザルを見たことがある。周囲が雪で、そこに母子で入りに来るニホンザルは本当に暖かそうだった(写真上。5月6日のNHK「ダーウィンが来た!--老ニホンザルの越冬記」で、いきなりその温泉入浴光景が出てきて、てっきりそれを放送するのかと思ったら、ただの導入部だった。

◎適応力に優れたマカク属
 いわゆる「絵になる」シーンだからイントロに入れたのだろうが、番組は下北半島の「北限のサル」で推定年齢30歳以上の老猿「ハギ」ばあちゃん(写真中央)を主人公にして、厳冬の下北の冬を生きるニホンザルの逞しさを描いたものだった。
 下北半島のサルは、これまで繰り返し放送されたからとりたてて目新しいところはなかったが、孤高の「ハギ」に寄り添う1頭の娘ザル「ムギ」の思いやりにはホロリとさせられた。高齢のゆえに活動力は衰えているが、生活の知恵は豊富で、群れが「ハギ」に従って餌探しに移動するのは、さすが、と思った。
 ニホンザル(Macaca fuscata)の含まれるマカク属は、もともとは熱帯性の動物だが、ヒトを除けば最も適応力に富み、また繁殖力の旺盛な霊長類である。だから時には零下10℃にも下がる下北の冬にも生き延びられる。その代わり下北のサルは、もっと南の房総半島などに棲むサルよりも、フカフカした冬毛をまとい、それで寒さをしのぐ。

◎ニホンザルの近縁なアカゲザル
 山ノ内町の雪の中のサルは、温泉に浸かって寒さを防ぐが、「最北のサル」の下北のサルは、防寒用の体毛を発達させて寒冷地に適応しているのだ。その適応力は驚異的である。
 ニホンザルは、東南アジアに広く分布する同じマカク属のアカゲザル(英名はRhesus macaque、学名はMacaca mulatta)と近縁であり、いちおう別種とされているが、自然状態で交配することが確認されている。
 両種は50万年前頃に地理的隔離され、それ以来、遺伝的交流が絶えたのだが、日本国内に持ち込まれて飼育されたアカゲザルが後に逃げ出し、ニホンザルと自然交配していることが確認されているので、厳密な意味で別種とは言いがたい。

◎中米プエルトリコ島沖の「サルの島」
 さて、ニホンザルに近縁なアカゲザルであるが、今でははるか離れた中米にも棲んでする。プエルトリコ沖のカヨ・サンチャゴ島、別名「サルの島」とも呼ばれる小さな無人島に、数百匹の群れが繁殖している。もともとは20世紀前半、インドからアメリカの研究者によって持ち込まれたものだが、天敵もいない熱帯の島なので楽園だったらしく、以来、1世紀近く、代を重ねて大繁殖している(写真下)。
 アカゲザル社会の著しい特徴は、母系制であることだ。アルファメスを頂点にした厳格な階層構造が存在している。「ダーウィンが来た!」のハギばあちゃんは、高齢個体なのであからさまな権力をふるう場面はなかったが、いくつかのシーンから彼女がアルファメスであることは確かだ。
 1つの群れは、通常は血縁関係で構成される数十頭から100頭前後の集団を作って暮らすから、カヨ・サンチャゴ島ではいくつかの母系群がある。アカゲザル社会の特徴は、群れの中にも優劣があり、その順位は群れの個体数で決まるのだ。

◎劣位の群れの劣位個体は悲惨
 個体数が最大の母系群が最優位の群れとなるから、彼らは餌の豊富で日当たりの良い、(天敵のいる本国なら)天敵に襲われにくいよい場所を占拠できる。その母系群の中で、メスの集団がアルファメスを頂点に、梯子状のヒエラルキー構造を構成する
 なぜメスが頂点に立つかというと、ニホンザルを含むマカク属の社会では、群れで生まれたオスは、成長すると群れを去っていくからだ。メスは生涯生まれた群れに留まるので、自然に優位なメスが群れの頂点に立つことになる。
 小さい個体群は、いくつかの母系群の中で劣位になる。その劣位母系群の中にもヒエラルキーがあるから、最下位のメスは、劣位の群れの中の劣位の個体となり、惨め極まりない。いつも餌は後回しとなり、群れの端にしか居場所がないから、天敵のいる祖国では最初に天敵に喰われる。
(この項、続く)

昨年の今日の日記:「発見! 宇宙をさすらうホームレス巨大惑星」



Last updated  2012.05.21 04:56:51

2012.05.20

腐敗中国最大の汚職「アモイ事件」の主犯が無期判決で、習近平ら政治局常務委3人は逃げ切り

 

kawanobu日記/腐敗中国最大の汚職「アモイ事件」の主犯が無期判決で、習近平ら政治局常務委3人は逃げ切り;ジャンル=現代史 画像1

 薄熙来の失脚と取調に象徴されるように腐敗を極めるスターリニスト中国で史上最大級の汚職事件とされた「アモイ事件」の主犯の「アモイ遠華集団」元社長、頼昌星(53歳)に、福建省、アモイ市中級人民法院(地裁に相当)は18日、無期懲役を言い渡した。

◎収賄罪摘発は64人だが大物は含まれず
 アモイ事件は、日本ではなじみが薄いが、共産党前総書記の江沢民ともつながっているとされた政商の頼昌星は、1991年から権力との結託を背景に多額の密輸と脱税を繰り返し(判決による認定額は、密輸額で日本円換算で約3400億円、脱税額は同約1750億円)、それを見逃してもらう見返りに党と国家の幹部に多額の賄賂を贈っていた事件だ。まさに今日の腐敗国家・中国の前触れとも言える、そして公安から摘発された希有な事件である。
 判決で認定された頼昌星からの賄賂を受け取った党・政府の幹部は64人。しかし、それはあくまでもトカゲの尻尾切りであって、党の要人は不問に付されていた。
 そうした中の最大の大物は当時、党総書記を務めていた江沢民であった。

◎賈慶林の妻と親密な関係をひけらかす
 そして頼が直接、つながっていたのは江沢民の手下で、当時、福建省党委書記だった賈慶林(現在は中国共産党ナンバー4の党政治局常務委員で人民政治協商会議主席)だった。実際、賈慶林の妻も、事件に深く関与していたと香港メディアなどで広く指摘されていた。頼自身、香港メディアに親密な関係であったことをひけらかしていた。
 妻が夫の党の権威を笠に政商と結託して不正を重ねるというのは、まさに薄熙来のケースと重なる(薄熙来のその妻の汚職と不正蓄財については、本年4月23日付日記:「汚職なんて可愛いもの、失脚した薄熙来の殺人、不正蓄財の桁外れ」を参照)。

◎収賄の下っ端役人の何人かはすでに処刑
 ところが、この事件で摘発された収賄側は、当時の公安省次官やアモイ副市長、アモイ税関庁ら下っ端ばかりであり、賈慶林も妻も訴追は免れた。そして哀れにも、下っ端の10人は死刑判決を受け、何人かはすでに死刑執行されている。
 その贈賄側で主犯の頼昌星がなぜ死刑を免れ、無期懲役刑だったのか、三権分立の確立した日本などの民主主義国に住む我々には納得いかないのだが、いかにもその処理は「人治主義」で司法が党の下級機関でしかない実態をさらけ出したものと言える
 その前に、まずなぜ今頃になって主犯の頼昌星の地裁判決となったかだが、実は頼は事件が公になった1999年8月にいち早くカナダに逃亡していたのである。この時、事件が自分に波及してくることを恐れた党中央幹部の便宜供与があったと信じられている。
 カナダに渡った頼は、ビザが切れた後、カナダ官憲に移民法違反容疑で逮捕されたが、中国に送還されれば拷問や死刑の恐れがある、と申し立て、身柄の保護を求めた。そこで、カナダの裁判所が審査していた。

◎党幹部が「死刑にしない」と約束したから、地裁は無期判決
 それでも昨年7月、カナダは頼昌星を中国に強制送還する措置をとった。これには01年に江沢民がカナダ政府に頼昌星の身柄引き渡しを求めた際、死刑にしないと当時のカナダ首相に約束したことが大きかったようだ。07年には中央規律検査委幹部も頼昌星を死刑にしないと明言した。
 そうしたやりとりをへて、カナダと中国政府の間で密約が出来たと見られる。なぜならカナダの法令では、容疑者が送還先で死刑の恐れがある場合は出国させてはならないと定められているからだ。
 誰のためかは分からないが、そうした国家の方針が末端の地裁の処分にダイレクトに反応した、というわけだ。頼から賄賂をもらって死刑に処せされた党と政府の小役人は、これでは浮かばれない。

◎習近平、賀国強も事件当時は福建省の要職
 前述したように、アモイ事件当時、福建省のトップの党書記を務め、密輸と脱税に深く関与していたと思われる汚職まみれの賈慶林は、これで無事に逃げ切った。
 また、江沢民閥に連なり、次期党総書記が確実な習近平と中央規律検査委書記で政治局常務委員(党序列8位)である賀国強も、である。習近平も賀国強も、アモイ事件当時、福建省で要職にあったのだ。中国の「汚職互助会」のネットワークからすれば、2人が手を汚していなかったはずはない。
 かくてスターリニスト中国の建国以来の大疑獄に発展しかねなかったアモイ事件は、主犯が因果を含められて無期刑に罪一等減じられ、「臭いものに蓋」となったのである。
 写真は、昨年11年7月、カナダから中国に送還され、北京国際空港で逮捕状に署名する頼昌星。

昨年の今日の日記:「野党の非力と選挙怖さのバラマキスト民主党議員で延命するボケ菅政権と日本の不幸」

 追記 中国の盲目の人権活動家、陳光誠氏(40歳)と妻子3人が、昨日の19日午後5時半(日本時間午後6時半)過ぎ、北京発の航空機でニューヨークに向けて出国した。
 陳氏は同日午後、自宅脱出の際に転倒して骨折していた右足の治療を受けていた北京市内の病院を退院し、向かった北京空港でアメリカ大使館員から、留学ビザを添付したパスポートを手渡された。
 空港で、陳氏は自由の身になれる喜びを語る一方、実家に残した母親など親族を気遣い、不安も漏らした。甥が故意殺人罪で逮捕されており、精神的にはなお虜囚の身に近いことの一端を垣間見せていた。



Last updated  2012.05.20 05:49:48

2012.05.19

世紀の天文ショー「金環食」まであと2日、6月6日の金星の太陽面通過(第2の金環食)もお見逃しなく
[ 天文学 ]    

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 世紀の天文ショーである金環食まで、いよいよあと50時間ほどに迫った。幸い、当日21日の天気予報は雲も出るが、関東はおおむね晴れ、だ。旅行の予定をわざわざ先延ばしした甲斐があるというものだ。

◎平安時代以来、約1000年ぶりの規模
 金環食については、本日記ではすでに2月5日付の日記「あと金環食まで4カ月弱!! 生きているうちに観られる最後の機会かも」で述べた。
 今回の金環食は、おそらく考えられる最高の条件である。まず、金環食帯が日本列島南半部を横断するから、日本人の3分の2に当たる8000万人以上が観測可能という規模の大きさ。これほどの人の見られる観測機会のある金環食は、めったに起こらない(写真上)。
 ちなみにこれほどの規模の金環食のあったのは、今から932年前の平安時代の西暦1080年以来なのである。NHK大河ドラマの主人公、平清盛が生まれるずっと前、だ。
 昨年は1000年に1度という超巨大地震が東日本を襲ったが、この金環食も約1000年ぶりというものなのだ。

◎東京の金環食は7分も続く
 しかも何という巡り合わせなのか、東京は金環食帯のど真ん中になる。だから東京は全国でも最も長い6分間という観望機会となる。午前7時31分に金環食が始まり、7時37分まで続くのだ。当然ながら太陽の欠け始めはもっと早く、午前6時18分頃から始まり、部分日食は午前9時過ぎまで続くのだ。実に3時間、というのも、堪能するのに十分な時間だろう。
 これを見逃すと、次は2030年の北海道だ。

◎東京で見られるのは300年後!!
 しかし東京で、となると、絶対に今の世代は見られない遠い未来の話になる。もし東京という大都市が残っていたとして、現在の東京の地で金環食が再び観望できるのは、ぴったし300年後の2312年4月8日のことである
 だからリブパブリが旅行の予定を繰り延べたのも、お分かりいただけるだろう。そのために、ちゃんと観望用眼鏡を買った。
 粗悪品でないことは、念のために普通の日にこれをかけて太陽を見て、強烈な日光を十分に遮光できることを確かめた。粗悪品や曇りガラス程度で直接、太陽を見ると、日食網膜症で網膜を痛める。
 直接観望の場合は、ちゃんとした眼鏡をかけて、といくら注意しても、行き届かないのが世の常だ。一部には、全国で数千人規模もの日食網膜症を起こす人が出るだろう、と憂慮されている。朝だから学童たちにも観望できるから、観望させる場合には親は十分な注意が必要だ。

◎太陽面を黒いパチンコ玉のような金星が横切る現象
 さて、この世紀の天文ショーが終わると、息つく間もなく次なる天文ショーがカウントダウンとなる。こちらは、金環食ほど有名ではないが、これを観望できるのも、そうチャンスがない。
 金星が太陽面を通過するのだ(「金星の日面通過」Transit of Venus)。これが来月6月6日に起こる(6月4日の部分月食があるけれども、これはさして珍しいイベントではない)。金星の日面通過は、言うならば金星による「金環食」、第2の金環食、である。つまり太陽面を月が通って隠すのが日食で、見かけ上、月が太陽より小さい場合に金環食が起こるのだが、金星の日面通過は、金星が太陽面を横断する。
 金星の日面通過の写真(写真中央=後述の2004年6月8日に起こった例)で見ると、金環食というよりも、巨大な太陽面を黒いパチンコ玉が通過するようなものだ。このように金星の日面通過は、04年6月8日以来のことだが、実はこの時は日本は夜で観望できなかった。

◎国内観望できるのは130年ぶり
 それなら国内で観望できた金星の日面通過の記録はというと、実に130年前まで遡る。1874年(明治7年)12月9日以来のことなのだ。この時、欧米の観測隊が、明治初期の日本にわざわざやってきたほどだ。意義の分からなかった明治新政府は、観測隊の派遣の申し出に当初は当惑したようだが、欧米の進んだ科学技術を吸収する好機会と、便宜を図ったという。
 そして次に国内で見られるのは、1世紀以上も後の2117年12月11日のことになる。
 金星の日面通過もまた、世紀の天文ショーなのである。気がかりなのは、この頃、梅雨に入っていた場合、太陽が雲に隠れて見られない可能性もあることだ。ただ救いは、金環食が最大で7分だったが、金星の日面通過は最大で6時間以上も続くことだ。よほどの悪天候でない限り、その間、ちょこっとでも雲間から太陽が顔を出すかもしれない。
 東京では、始まりは7時5分頃からであり、完全な終わりは午後1時25分頃だ。この間、金星が太陽面の内側に完全に入るのが、前記のように6時間ちょっとということになる。

◎8年ごとに6月と12月に起こる
 ところで、過去の金星の日面通過の起こった月と将来の起こる予定の月を見て、敏感な方なら気がついたはずだ。いずれも6月と12月である。
 金星の日面通過は、金星と地球の軌道位置関係が、地球から見て金星がちょうど太陽を通過する時に合致する必要がある。これが、8年ごと、しかも1年に6月と12月の2回、対になって起こるのだ(正確には、もっと長い周期がある)。
 日食と違って、金星の日面通過は、普通なら日が陰ったりしないので、昔の人にはあまり気付かれなかった。

◎観測されたのは意外と最近の17世紀
 この天文現象に注目し、初めて金星の日面通過を予測したのは、ドイツの天文学者のヨハネス・ケプラーだった。ところが当時はまだ計算が十分に行えなかったので、実際に起こったのは予測より数時間遅れだった。しかも12月だったので、ヨーロッパでは既に日没となっていた。だからこの時は、地球上で誰も観測しなかった(前述のように当時は、ヨーロッパ以外の地の人たちでも金星の日面通過を気がついた人すらいなかったろう)。
 だから人類による最初の観望は、1639年12月4日と遅くになってからであった。この時、イギリスの天文学者のエレミア・ホロックスと、友人の同じ天文学者のウィリアム・クラブトリーがイングランドで別々に観測した(写真下=太陽を室内に投影して観測するクラブトリー)。
 わずか400年弱の観望の歴史しかない、この希有な天文ショーも、ぜひ見てみたい。幸い、クラブトリーの時代と異なり、金環食観望用の眼鏡もあることだし。

昨年の今日の日記:「ユッケ中毒死を引き起こした病原性大腸菌O-111の進化学的考察」

Last updated  2012.05.19 04:30:06

2012.05.18

年収3000万円以上の吉本の芸人の実母が生活保護、堕落した生活保護制度は改廃せよ
[ 社会 ]    

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 吉本興業のお笑い芸人の実母が、本人の年収が3000万円以上なのに5年以上前から生活保護を受けていた事実が、週刊誌でいっせいに報じられた。

◎扶養すべきなのに、なぜ税金から、なのだ!?
 吉本興行側は現在は受給していないと反論しているが、それは不正がばれそうになったから、なのかもしれない。「やっぱり」というのが、一貫して現行の生活保護制度を批判してきたリブパブリの感想だ。
 民放テレビを見ないので、このお笑い芸人のふざけた芸名を初めて知った。しかし年収3000万円以上というなら、けっこうな売れっ子なのだろう。
 ちなみに生活保護制度では、扶養できる親族がいる場合、そこからの援助をしてもらってから、が大前提だ。働ける実の子がいれば、老親の扶養義務があるので、この芸人の場合も、まず自分で扶養しなければならない。

◎事実上、フリーパス
 吉本興行側は、芸人は浮き沈みが激しいから、とも弁解しているようだが、沈んだとしてもある程度の収入があれば、扶養しなければならない。母の生活費を税金から出させて、本人が一切支援しないというのは、生活保護制度の趣旨を逸脱した話なので、事実なら本件の場合、すみやかに保護は打ち切られ、悪意があったと認められれば、返還の義務と詐欺罪による訴追の可能性もあるケースである。
 ちなみにこうした高額所得者の親族が生活保護を受けているというのも、この事例だけではないはずだ。今は福祉事務所に相談・申請に行けば、簡単な審査だけでほとんどフリーパスで保護が認められるからだ。
 こうした無秩序な生活保護制度は、直ちに厳格化に梶を切り直さねばならない。自民党の片山さつき議員らは、問題を国会に持ち出す構えだが、曖昧決着を許さず、真相を究明してほしい。

◎華字紙で「ハウ・ツー・生活保護」の特集
 生活保護制度では、外国人の流入も目立つ。この一端については、2010年7月1日付日記「『生活保護天国』の大阪市に見られる究極的モラルハザード、不良中国人も生保受給」で触れた。年老いた残留孤児の介護をすると称して中国福建省から「親族」を称する中国人が多数入国し、彼らがこぞって生活保護を受けているという日本の税金が食い物になっている事例であった。
 この例が特殊ケースでない証拠に、在日中国人向けのフリーペーパー華字紙に、具体的にどうやったら生活保護を受けられるかを事細かに書いた特集記事が載っていることからも明らかだ(写真)。
 本来なら、彼らは日本国の生活保護を受ける前に強制退去処分にされて然るべきものだ。
 外国人にまで食い物にされている生活保護制度は、日本国の財政を悪化させるばかりか、日本人のモラルハザードを確実に引き起こしているので、もういい加減に見直すべき時だ。

昨年の今日の日記:「脱原発の果てに、日本はどこへ目指すのか?」



Last updated  2012.05.18 05:13:59

2012.05.17

クマはなぜ愛される? ホッキョクグマとツキノワグマ偏愛考
[ 生物学 ]    

 

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 「テディベア」は、20世紀初め以来、万人から愛される可愛らしいクマのぬいぐるみである。ちなみに「テディ」とは、第26代のアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトの愛称だ。

◎時には人を殺すクマは、なぜか一番人気
 狩りに出たセオドアが、傷ついて捕らえられたアメリカクロクマに最後のとどめの一発を勧められたのに、スポーツ・ハンティングを楽しむ者の倫理に背く、として拒否した逸話から、セオドアの愛称をとって売り出されたクマのぬいぐるみが、アメリカばかりか世界中で有名になった(=1902年のワシントンポスト紙に載った漫画)。現在も、多くの人たちから愛されている古典的なキャラクターである。
 テディベアは、グリズリーでもホッキョクグマでもなく、前2者より小型で性格温順なアメリカクロクマである。
 かつてイエローストーン国立公園を放浪していた時、若いアメリカクロクマが道路に出てきて、その周りにビジターたちがワッと集まり、道路は時ならぬ大渋滞になった機会に遭遇したことがある。リブパブリも、数メートルまで接近して見ることができたが、危険を案じたレンジャーに、後退するように制止された。野生のクマを見るのは、これがただ1度の体験である。
 時には人を襲って殺すクマも、姿を見せただけでビジターが集まってくる人気者なのである。

◎温暖化でホッキョクグマの遊泳距離が伸びている
 さて先月、ホッキョクグマとヒグマの分岐年代を話題にとりあげたが(4月26日付日記:「ホッキョクグマ、ヒグマと別れたのは約60万年前に大幅繰り上げ;ジャンル=進化生物学、動物生態学」)、地球温暖化で北極海の海氷が縮小しているために、ホッキョクグマの永遠距離が伸びていることが分かった(写真中央=北極海を泳ぐホッキョクグマ)。
 アメリカ地質調査所が、アラスカ北部に棲むホッキョクグマのメス52頭に全地球測位システム(GPS)の発信器の付いた首輪をつけて追跡調査したところ、ホッキョクグマは実に150キロの「超遠泳」をしていたという。東京-大阪間より長い計687キロを10日間もかけて泳いだケースもあった。
 オスが調査対象にならなかったのは、首が太すぎて首輪をはめられなかったからだ。ただそのオスでも、2004~09年に距離50キロ以上の遠泳が20頭で合計50回観測され、1回の平均は3.4日間で距離154キロだった。

◎海棲動物ではないのに......
 小さな氷の上で休息したとみられるケースもあったが、ほとんどは連続した移動だった。
 ホッキョクグマは、アザラシ猟で生きるように進化してきたから、クマの中では水泳が得意だが、それにしても凄い距離を泳いだものだ。ただクマは、そもそも海棲動物ではない。地球温暖化の影響で氷が解けて海が広がり、遠泳を強いられているだけで、中には力尽きて溺死する個体もある。
 いくらホッキョクグマがタフでも、限度がある。ホッキョクグマの強いられた水泳がこれ以上、伸びないことを切に願う。
 オスは仔グマも食い殺すほど凶暴だが、北極圏の欠くべからざる猛獣であり、進化生物学でも重要な種であるから。

◎九州でツキノワグマの生息調査へ
 さて、次は国内のツキノワグマの話題である。3年以上前のあるブログで、九州では野生ツキノワグマが絶滅している、と書いたことがある。
 しかし、その定説を疑うロマン溢れる人たちが、九州の大分、宮崎県境の祖母山一帯で6月、25年ぶりに本格的な生息調査を実施する。周辺で正体不明の黒い動物が相次いで目撃されているためで、絶滅した動物に憧れる人たちの願望も含めて、NGO「日本クマネットワーク(JBN)」が、生息の確認に挑む。
 周知のように、氷河期はともかく、本州には現在、ヒグマはいない(氷河期には生息していた証拠に、各地でヒグマの化石が見つかっている)。一方で北海道にツキノワグマは生息せず、その代わりに本州各地に分布する。その数は、推定1万頭弱。他に四国に数十頭だが、細々と生息している。

◎九州では半世紀前に絶滅した説
 本州と四国に生息しているから、九州にももともといた。ところが九州では、1957年に大分、宮崎県境の山中でツキノワグマの仔グマの死体が見つかったのを最後に、野生のクマは確認されていない。大分県はレッドデータブック(2001年版)でツキノワグマを「野生絶滅」と記しており、宮崎、熊本両県も同じ見方だ。
 ただ、1987年に現在の大分県豊後大野市の山中でツキノワグマが射殺された(写真下=射殺されたツキノワグマの剥製)。最後に仔グマの確認から30年たっていたわけで、射殺された成獣個体の素性が問題である。
 DNAを調べて、福井、岐阜両県に生息するツキノワグマの特徴があると判明した。近畿と中国地方を飛び越えて、野生状態でいきなり九州に来られるわけはないので、この個体は九州の外から持ち込まれた可能性が高い、とされた。「九州で絶滅」の説は動かなかった。

◎個体群が維持されていない難点
 それでもなお、JBNが調査に乗り出そうとすることにしているのは、目撃情報が絶えないからだ。例えば昨年10月、同じ豊後高田市の祖母山中、標高約1400メートルの登山道で、登山者がクマらしい物を目撃した。その生き物は、体長約1.5メートルの黒い体をしていて、2本脚で立ったという。
 ただ「目撃情報」の不確かさは、何度ヒマラヤの雪山で挑んでも「雪男」を確認できない例のように、繰り返すまでもない。
 生物学の常識で言えば、繁殖相手を見つけて代をつないで種を維持していくためには、遺伝的多様性が保たれる意味でも、個体数が数十頭では心もとない。四国では、だから悲しいことだが、絶滅は時間の問題と思われる。
 しかし九州では、1957年以来、もう半世紀以上も野生ツキノワグマが確認されていないのだ。少なくとも数十頭いれば、確認されていて当然だ。
 JBNの皆様の尽力に期待したいが、だからリブパブリは九州での生息には悲観的に考えている。

昨年の今日の日記:「脱原発は空論、よく言っても理想論の現実」

Last updated  2012.05.17 05:31:25

2012.05.16

大地震予言は、現代の「ミュンヒハウゼン男爵」か、はたまた「カサンドラ」か
[ 社会 ]    

 

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 あえて言えば空想的なカタストロフィーが、現代日本の各地を揺るがせている。内閣府の有識者検討会が南海トラフ沿いでマグニチュード9.1の超巨大地震が起こると、最大で25.3メートルの津波が押し寄せると想定した静岡県下田市は、4月11日、市役所庁舎を市街地から離れた標高50メートルの高台に移転することを決めた()。

◎下田市は市役所を2キロ内陸移転に変更
 標高2.5メートルの今の場所で建て替える案もあったが、利便性よりも、「安全や危機管理を優先した」のだという。
 市役所は、伊豆急下田駅近くの市中心部にあり、港から約700メートルしか離れていない。築55年と老朽化が進んでいたから、もともと現在地で建て替える案が検討されていた。そこに、昨年3月の東日本大地震が起こり、市は高台移転も模索した。市郊外の高台への移転案も加えていた。ただ郊外移転なので、市の商店会連盟が今年2月、「市街地のにぎわいがなくなる」などと、高台移転に反対する要望書を市に提出した。
 そこにさらに検討会が3月末、南海トラフ沿いの巨大地震が発生すると、最大で25メートルを超える大津波が短時間で到達するとの想定を発表した。
 市の11日の新庁舎建設検討委員会での移転決定は、これを受けたものだが、建設地は、市街地から2キロも離れた高台にある公園の一角だ。今度は、商店会からの反対意見は出なかったという。新庁舎は2017年春の完成を目指す。市役所に出向かねばならない市民は、不便を強いられるだろう。

◎1000年に1度が既定事実として独り歩き
 内閣府検討会の想定は、1000年に1度という無視できるほどの低確率での「念のために」というものであったはずである。しかも検討会は、「次に起こる地震の予測ではなく、近い将来発生する恐れが高いわけでもない」と、わざわざ注釈もつけている。
 それなのに下田市の例に見られるように、懸念したとおり、現実に既定事実のように市民生活に影響を及ぼし始めた(この想定に対する批判は、本年4月2日付日記:「東京湾北部地震に南海トラフ沿い超巨大地震、我々に何をしろと言うのか--空疎で有害な恫喝予測を批判する」を参照)。
 有識者検討会が、責任を負わされないように上手く逃げをうっても、連日、NHKや新聞で既定事実のように報道されれば、このような反応が具体的に出てくるのは世の常だ。ちょっとした批判にもナーバスに反応する役所なら、過剰反応した結論も出すだろう。

◎高知県黒潮町など全国でてんやわんや
 さらにこの超巨大地震により「最大で34.4メートル」の津波が襲うかもしれないとご託宣を垂れられた高知県黒潮町(写真=町役場)も、実際に大地震に見舞われたように大揺れだ。ここも東日本大震災を受けて、町役場の新築移転先を高台に変えたばかりだった。ところがそこですら海抜20メートル前後なのだから、大騒ぎとなっている、のだそうだ。こちらも移転計画の練り直しだろう。
 この有識者検討会の「空想的」な予測は、選挙でも最大限に利用された。
 4月15日に行われた中部電力浜岡原発の地元の御前崎市長選では、この予測結果を基に反原発の陣営では、「浜岡原発は福島と同じような事態になる可能性が非常に高い。危険な浜岡原発の永久停止、廃炉に向かうべきだ」と、市民を恫喝し、自陣営に票を取り込もうとした。幸いにもこの候補は、最下位のボロ負けとなったけれども、特定党派の選挙にも政治利用されているのだ。

◎バカバカしいほどの空想的予言を真に受けて
 こうした悪意あるデマで増幅され、中部電力は浜岡原発再稼働に向けて今年12月完成を目指している防波壁の嵩上げの検討を始めねばならなくなっている。防波壁は、数百年に1度の大地震による津波高15メートルも防げるように、高さ18メートルで建設されるが、有識者検討会の想定では21メートルの大津波が襲う、とされたからだ。総額1400億円の建設費が、さらに嵩む。
 繰り返すが、この想定は、1000年に1度に起こるかもしれないマグニチュード9.1という、およそありそうもない前提での予測して出したものだ。「次に起こる地震の予測ではなく、近い将来発生する恐れが高いわけでもない」。
 こんな空想に右往左往するなんてバカバカしい、と考えるのは、地震予測の曖昧さ、完璧な不完全さが分かっているごく少数の人だけで、大多数のおじちゃん、おばちゃん、ママちゃんは、「福島と同じになる確率が非常に高いから、危険だ、移転だ、原発は廃炉だ」と反応するのだ。

◎これまでの理論が崩壊したから「ともかく過大に」なのか
 こうなると、学者なる者たちの予測は、世間を不安に陥れる陰謀に近い、とさえ言える。そこまで言うのが酷とすれば、世界最先端の機器を設置し潤沢な資金を受けながら、東日本大地震を想定もできず、しかもその大地震がそれまで地震学者が築き上げていた理論をあっけなく崩壊させてしまったために、「ともかく過大な見積もりを出しておこう」という保身主義からの予測なのではないかとさえ思う。
 地震は、実際の地殻変動で起こるものの他に、無責任なマスメディアとそれに迎合したかのような一部学者によっても起こされるという好例、という思いが強い。
 災害への警戒心は必要だ。しかしカタストロフィーと過剰反応するのは、愚かである。

昨年の今日の日記:「脱原発で起こる日本の製造業の大脱出、そして脱原発とは実は反環境政策であること」

Last updated  2012.05.16 05:21:23


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