減量に比べると、増量というのはイマイチ理解されにくいことだと思います。
しかし『増量』とは体重を増やすこと自体が目的ではなく、筋肉をつける過程で一緒に脂肪もついてしまう、という半ば宿命めいたことで、
なので減量の対局に位置するように思われますが、
実際は筋肉/脂肪比を高くすることが目的という点で共通しています。
また、世の中には痩せにくい人同様、筋肉が付きにくい人もいます。
きちんとトレーニングしているのに筋肉がつかない、
そういうハードゲイナーがどうするべきか、そんな基本をまとめます。
1,カロリーオーバーの食事
これは絶対の法則です(成長ホルモンの多い10代後半は例外)
どうやっても消費カロリーより摂取カロリーば多くなければ筋肥大はしません
ただし摂取カロリーは計算できても消費カロリー計算は容易ではないので、やや多めの摂取を心がける必要がある。
理論上、完璧に摂取カロリー=消費カロリーにしてトレーニングを行えば筋肥大と体脂肪減少が出来そうだが、前提条件がまず不可能だろう。
具体的な目安は
一気に増やしたい場合(3ヶ月以下)
体重×45kcal (トレーニング日)、 体重×40kcal (休養日)
ゆっくり増やしたい場合(期間6ヶ月以上)
体重×40kcal (トレーニング日)、 体重×33kcal (休養日)
基本的に増える筋肉と脂肪の割合は、余剰カロリーが増えるほど脂肪に傾きます
ゆっくり増やしたほうが筋肉の割合は大きくなります……が
その後の減量する期間を考えるとある程度ペースを早めたほうが効率はいいです。
なので、一概にどのくらいがいいとは言えないけれど、筋肉と脂肪が1:2位で増えてれば十分だと思います。
1:1は理想ですが現実的な目標ではないかと
2,十分なタンパク質
最低体重×2g、出来れば3g程度はほしい。
蛋白質は基本的に多ければ多い程良いが、
・1g当たりの値段が一番高い
・蛋白質だけでは思うほど効果が得られない(2倍とれば2倍効果があるわけではない)
などの理由から3g程度にしておくのが無難
なお、腎臓に負担がかかる、というのは腎臓病患者が蛋白制限をすることから来たデマであり、健常者の腎臓を高タンパク食が痛めるというは一切目にしたことがない
肝臓についても同様で、完全に肝機能がダメになれば低蛋白にするが、少し衰えた状態ではむしろ高タンパク治療が行われる
言ってみれば、足を骨折している人間にジョギングをさせてジョギングが脚に悪い、と結論するようなものである。
↑の二つが超基本、これが出来ていなければ増量は不可能です。
ここからはちょっとしたテクニック
・蛋白質を炭水化物と一緒に取る
高タンパクの食事は成長ホルモン分泌を促しますが、筋肥大においてインスリンが最強のアナボリックホルモンであり、同時に脂肪がついてしまうというデメリットを差し引いても、ハードゲイナーは炭水化物を利用すべきです。
目安は蛋白質:炭水化物=1:2
(同時に摂取する目安)
この割合がインスリン分泌をより促します。
・高GIの炭水化物
通常は避ける高GIのカーボですが、ハードゲイナーに限っては大いに利用すべきです。
高GIとは血糖値の上がりやすい、インスリンを刺激しやすい、ということで
具体例では
ブドウ糖、麦芽糖などの単純炭水化物です。
砂糖(ショ糖)はブドウ糖と果糖の二糖類なので思われているほどGIは高く有りません
(ただし果糖は直接中性脂肪になる)
御飯はさほど高くも低くもなく、中途半端なので使いにくいですが、ハードゲイナーの場合、量で補えば問題ないでしょう。
GIは、料理法でも変わるので、より消化の良さそうな料理法にすればGIは簡単にあがります。逆に固めるような料理法だとGIは下がります。
・寝る前に炭水化物を取る
通常は寝る前に炭水化物は厳禁ですが、どうしても筋肉がつかない、という人は最後の手段として
無脂肪乳を飲む、というのもありですが、水分が多いので難しいかもしれません。スキムミルクを利用するのがいいと思います。 スキムミルクはカゼイン蛋白8割、割合低GIの炭水化物で就寝前には最適だと思います。
そして、スキムミルクを摂ってもまだダメだ、という人はより高GIのカーボに変えてみましょう。例えば脂身の少ない肉+御飯、のように。
僕の場合はハードゲイナーの逆、太りやすい体質なので、寝る前にはカーボは摂りませんが。
太りやすい人 → 蛋白質のみor蛋白質+少量の脂質
普通の人 → 蛋白質:低GIカーボを1:1で
ハードゲイナー → 蛋白質:高GIカーボを1:1で
・脂質の利用
脂質は蛋白質や炭水化物の2倍以上のエネルギーを持つ。
ハードゲイナーの中には胃腸の問題で大量に食べられない人もいる。
その場合は少量でエネルギーを摂取できる脂質摂取量を増やすといい。
よくある誤解に脂質がダイレクトで脂肪になるというものがあるが、脂質は一度血中に取り込まれ、余剰分が脂肪になるのである。
そして、脂質は血中の滞在時間が長く、エネルギーレベルを長時間高めてくれる。
良質の脂肪酸――脂の乗った魚、くるみなどのナッツ類、オリーブオイル、亜麻仁油などを利用して、最低限1の条件、十分な摂取カロリーを満たすことが必要だ。
また、魚は基本的に高タンパクのため、魚を沢山食べるのは特にデメリットが見つからない。強いて言えば、コストがかかること(魚は基本的に高い)
そして、生物濃縮された有害物質が蓄積されている可能性ぐらいか
(こちらは適切な産地を選べばある程度回避できるだろう)
基本的に最初に挙げた1,2の条件を満たすことが大切ですが、
それでも筋肉がつかない、という人は下の方法を試して下さい
ただし、自分でハードゲイナーだと思い込むのは危険なので、通常の方法で2~3ヶ月行い、それでも変化がない、という人だけが試すといいと思います。
間違い指摘、質問、要望、議論、反論、大歓迎です。
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