「吾峠呼世晴 短編集」感想
「鬼滅の刃」で大ブレーク中の吾峠先生の以前の作品臭ですね。私はジャンプ本誌で掲載された「肋骨さん」が始めての出会いでした。ハガキなんて通常全く書こうとしない私がこれは出さなくてはと思ったんですよね。その時の感想はこちら。「鬼滅の刃」の連載が始まったのが2016年の11号で、最初の頃はあの岩を割るのを頑張ってたあたり、掲載順位が後半で心配だったんですよね。当時は本誌の全作品の感想を一言だけだけど掲載順に書いてたのでそれを見返すと鬼滅がどのあたりに掲載されてたかがわかるんですよね。気に入ってたからとにかく打ち切りラインに乗らないことを祈ってましたわ。では順に簡単に感想を。吾峠呼世晴短編集 (ジャンプコミックス) [ 吾峠 呼世晴 ]楽天で購入【内容情報】(出版社より)週刊少年ジャンプの俊英・吾峠呼世晴の軌跡──アニメ化も果たした連載デビュー作『鬼滅の刃』の前身となる『過狩り狩り』本書のカバーを飾る異色作『文殊史郎兄弟』、掲載当時も話題を呼んだ『肋骨さん』『蠅庭のジグザグ』の読み切り四作品を収録。鬼才・吾峠呼世晴の神髄、ここにあり!!過狩り狩り第70回(2013年)JUMPトレジャー新人漫画賞 佳作これ、ホント鬼滅の前身ですよね。珠世さんと愈史郎が既に作られていて、鬼というキーワードも登場。吸血鬼のようですが、これもまた面白そう。珠世さんのお着物姿も麗しく、惑血の技も素敵。絵は荒削りだけれど、私は全く気になりませんわ。ただ、連載に持って行くためににはもっと大がかりに人を動かさないといけないので現在の形はとてもいいですよね。主人公がちと淡々としすぎていてジャンプ層にはウケが弱いところを炭治郎という純真で熱い少年と家族思いの別嬪妹禰津子を産みだしたことで一気に少年誌の王道をいく作品になりましたよね。異形の鬼の姿形にもインパクトありましたし、その背景も哀しくて、絶望の中での救いが特徴的。善逸たち明るいキャラたちとのシリアスとギャグのバランスを生み出したのも凄くいいですし、なんと言っても敵キャラを美形にしたことは最大の功。文殊史郎兄弟少年ジャンプNEXT!!2014年vol.2連載予定で作られた作品なので、いずれまたこれを元にした作品に出会えるかもですね。吾峠先生が実は虫が苦手とのことなので無理かな・・・(^^;私は設定気に入ってるんですけどね。表紙の史郎は美形だし、凄く神経質そうなところも主人公として面白いです。依頼人の心臓の音が快か不快かで依頼を受けるかどうか判断するってのも自己中ぽくていいです。そしてやっぱり人助けしてるんですよね。肋骨さん週刊少年ジャンプ2014年39号 金未来杯アバラの身体や助けてもらった女の子の服の柄が着物のそれっぽいことと、作画は妙にざっくりなのに邪氣憑きの女の子の袖のレース部分へのこだわりが私の関心を惹いたんですよね。あと、人間の感情を視覚化させているところも面白いなと思いましたし、自分は価値のない人間だと思っていたアバラが自分の命を大事にしないことは自分を守って死んでいった人に失礼なことだと気づき、自分の一生懸命さの方向が間違っていたと気づくというストーリーにも惹かれました。世界は理不尽でありながらも吾峠先生は人間の根底は温かいと描いてるようで良いんですよね。人の恩に報いようとするところとか、大切なものを守ろうという気持ちの強さとかバリバリ描いて欲しい世界です。邪氣が浄化されるとメッチャかわいいホワホワさんになるのも気持ちよいです。キャラの表情やポーズ、決めコマなど、この頃から注目してました。蠅庭のジグザグ週刊少年ジャンプ2015年21号この時も娘と読み切り掲載を喜んだんですよね。好きでやってるわけではない人助け、呪いをとく解術屋。ジグザグ自身が人を殺さない、私利私欲のために力を使わないって呪いをかけられてるという。人を助けることを面倒くさがったりしながらもきっちり世のため人のためと仕事はするんですよね、って自分のためかw元々連載用に作られてたようなので色々設定もあるってことで、また機会があれば読んでみたいですね。主人公がイケメンなのはいいですv