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 思春期の君たちへ 

 思春期の君たちへ 

わたしメッセージ


親業をするには、親の欲求を妨げるような子どもの行動を取り扱う、

うまい方法が必要である。

結局、親も自分の欲求を持っていて、

生きるべき自分の人生と生活を持ち、

生きることから喜びと満足を得る権利を持っている。

ところが、多くの親は、家庭内でのいい立場、楽な立場を、

子どもたちに許してしまっている。

そういう子どもは、自分の欲求を満たすように要求はしても、

親の欲求にはまったく無頓着である。

そして親の方は苦い思いを噛み締め、

「恩知らず」「利己的な」子どもを、強く拒絶するようになる。


(親業 トマス・ゴードン)


「学校でイヤな事がある」

「○○先生がイヤだ」

「お友達が○○してきてイヤだ」

「勉強がわからない、どうしよう…」


というような話が出てきた場合、これは

『子ども自身の問題』です。

こういう時、親は、ああしたら?こうしてみなよ等と

『指示』や『提案』をしたり、

あなたにも問題があるんじゃないの?努力が足りないのよ等と

『説教』したりせずに、

ただ黙って話を聞いてやる事で、

子ども自身が問題の本質に気づき、

自分なりの解決策を見出していくものなのです。


次に、子どもの行動が自分にとって『受容しがたい』場合です。

例えば、子どもがリビングに自分の物を広げたまま片付けない、

家事をするのに邪魔だし、イヤな気持ちがする。

あるいは、貸してあげたものを、

元の場所に戻さず放っておく事に怒りを感じる等です。

これは、前途の『子どもの問題』ではなく、

『親の問題』になります。

私が嫌な思いをしているので、この問題の所有者は『私』です。

そういう時にどうやって「子どもが受け入れる話し方」をするか?

それは『わたしメッセージ』を使う事です。

『わたし』が主語になります。

相手を責めるような、あなたが主語の言葉、

『あなたメッセージ』の言葉ではなく、

自分がどう感じているかを素直に伝える『わたしメッセージ』を使うのです。


私が初めてわたしメッセージを試した時のことです。

    ↓

ドロシーに貸した、私のレターセットが、

そのままリビングのテーブルの上で、他の物に紛れて放置されていました。

いつになっても片付ける様子はなく、

その上に次から次へとドロシーが自分の物を重ねていきます。

洗濯物を干す時に、そのテーブルを使うので、

それらの物を片付けて欲しいと思うし、

また、人が貸してあげた物を、元の場所に返さないばかりか、

扱い方もひどい事に腹が立ちます。

これはたまたまの事ではなく、毎日の事なのです。


『ちょっとドロシー、片付けてよ~ 洗濯で使うから』といつもは言いますが、

素直に片付けた試しがなく、結局、私が片付ける事になり、

私のストレスががたまるという状態でした。


そしてその日は、親業で学んだ「わたしメッセージ」を使ってみました。


『ドロシー、ファンレター書き終わったんだね^^良かったね』

『うん^^』

『でもお母さんね、貸してあげた物が元の場所に戻されていないと、

 とても哀しい気持ちになるし、嫌なの』

『・・・・』


ちょっとだけ待って、もう一度、


『おかあさん、今からこのテーブルを使うから、貸した物を元の場所に戻して欲しいんだ』

『もう~ 今、Mちゃんへメールを打っていたからだよ~』

と言いつつ、サッと立ち上がって、キレイに片付けました。

しかも、レターセットだけではなく、テーブルの物全てです。

そして、その直後(1秒後位)ニコニコして、話しかけてきました。

ファンレターを書いたアイドルの事、その日泊まりにくるMちゃんの事・・・

もし、いつものように「あなたメッセージ」を使った場合、

無視して片付けないか、万が一片付けたとしても、

テキトーにしか片付けないし、まず間違いなく、不機嫌になります。


すごい!本当だ!! と私は驚きました。

毎回うまくいくとは限りませんが、相手を責めるのではなく、こんな風に、

『わたしの気持ちをそのまま伝える』ようにすれば、

子どもは素直に行動を変えてくれるんだなぁと思いました。








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