チュニジアの政変は世界を大きく変えるかもしれない。
今日は、世界を大きく変えるきっかけになるかもしれないチュニジアの政変について、私なりに整理をしてみたい。そもそも,ことの発端は、昨年の12月に起きた、若者の焼身自殺だ。失業中であった彼が街で野菜を売ろうとしていたところ、無許可販売であることを咎められた。辱めを受けたこともあり、抗議の意をこめて自分自身に火をつけたとのことだ。この事件は、高失業率とインフレなどによる貧困に苦しむ多くの国民の同情を集めたようだ。そこに、ウィキリークスによる外務省の公電が暴露され、その中に、チュニジアの独裁者であるベンアリ前大統領及び側近等による腐敗・汚職を匂わす内容が含まれていた。フェイスブック等のソーシャル・ネットワークを通じて、これらの情報は瞬く間に伝播し遂にはデモの扇動へと変わっていったようだ。その後、大規模なデモが国内中で発生して、遂には、大統領がサウジアラビアへと亡命を図り、デモは革命へと昇華した。既に、同じような問題を抱えるエジプトやアルジェリアなどの近隣のアラブ諸国でも、チュニジアを意識した焼身自殺(未遂)による抗議等が発生しており、リビアやサウジアラビア等も含めて、独裁国家における革命のドミノ現象が起きる可能性もあるのではないかとの見方もあるようだ。今回のチュニジアにおける革命(「ジャスミン革命」)が、特に重要な意味を持つと思われるのは、欧米の対応姿勢の変化だ。従来、民主主義の権化のような国であるアメリカでさえ、新米政権である限りにおいては、アラブ諸国の専制君主たちによる専横を認めてきた。もちろん、この背景には、「航路の確保」、「石油の確保」、「イスラエルの保護」、「ソ連の牽制」、「反米アラブ諸国の牽制」など、より実利を伴う理由があっての妥協であったのだろうが、今回の革命において、オバマ大統領は、チュニジアの国民の勇気に賛辞を送る発言をしている。つまり、これまでは、まかりなりにもアメリカ(及びその同盟国)が、支持していると考えられていた独裁政権には、米国の後ろ盾はなく、民主主義を求める国民側に米国政権の支持があるということが、明確になったわけだ。ただ、アラブ世界に民主主義を持ち込むのは、それ程簡単なことではなく、それは幻想に過ぎないのかもしれないとの思いが強い。しかし、いずれにせよ、パンドラの箱が開いたかもしれない、のは事実だ。日本の報道ではおそらく、簡単な背景と邦人の安否くらいしかニュースになっていないんじゃないかも、と思ったので、勉強を兼ねて問題を整理してみた。こんな感じで、これからもブログを勉強の糧にしていこうと思う。応援有難うございます。以下は、ブログランキングです。 "励み"にしておりますので、ワン・クリックをお願いします! にほんブログ