カテゴリ:カテゴリ未分類
三洋電機がいよいよ半導体部門を売却するということが現実になってきたようです。現在の無能な経営陣のいかにも考えそうなことです。彼らは半導体部門は金食い虫の不採算部門と決め付けている節がありますが、とんでもない考え違いをしていると思います。
私は三洋電機の半導体部門は宝の山だと思っています。私に資金があれば買収に名乗りを上げたいくらいです。それぐらい三洋電機の半導体部門を高く評価しています。経営の舵取り一つでキャッシュ・カウ部門になるのは間違いないです。売上げ規模はともかく収益性という観点からするとNECエレクトロニクスよりもポテンシャルは上かもしれません。 三洋電機の半導体部門はほとんど親会社に依存していません。三洋電機向けの売上げはせいぜい10%程度で、シナジー効果はほとんどないです。負け組み家電メーカーと組んでもいいことはないので部品業者の判断としては極めてまっとうな判断です。嫌でもNECと付き合わなければいけないがNECエレとこの点で大きく異ななります。 それと三洋半導体部門の大きな特色はアナログ半導体に強いというテンがあげられます。半導体メーカーというとインテルや三星と言ったメーカーを思い浮かべますが、それらはディジタル系の半導体が主力で、毎年莫大な設備投資をしなければならない運命にあります。 それに比べるとアナログ半導体は最先端のプロセスは必要ありません。設備投資もディジタル系に比べれば数分の一で済みます。アナログ半導体はの全てはアナログの回路技術にかかっています。このアナログの技術というのは職人芸的な技術が必要で、台湾や韓国のメーカーがそう簡単には真似できないものなのです。 三洋半導体部門にはこのアナログ技術のスペシャリストがたくさんいます。日本で一番かもしれません。幸か不幸か三洋電機の半導体部門は群馬県の田舎に集結していたため、半導体部門が苦境になっても他社に比べ技術者の離脱が少なかったのです。 現在半導体部門が不採算部門と思われているのは過去数年前のトップの判断ミスによるものです。本来強みのアナログ部門に投資を集中すべきところを、他社と同じようなディジタル系の先端LSIを開発しようと大規模な投資や提携を行ったためです。 IBMと組んでシステムLSIを開発するため莫大な投資を行いましたが結局は成果はゼロで、無駄なお金を使っただけに終わっています。しかもその責任を誰もとっていません。 元々三洋電機の半導体部門は特機部門とあわせ東京三洋電機と名乗って、家電中心の三洋電機とは別会社で独立独歩で事業を展開していました。その頃の東京三洋電機は業界でのトップシェアを持つ事業を数多く抱えた優良企業でした。 ところが親会社の三洋電機が傾きかけた時に合併されてしまい、そこから悲劇が始まってしまったと言っていいと思います。今だったら経営陣でのMBOができたかもしれませんね。 話は戻りますがアナログ半導体というのは派手さはないものの凄く儲かるビジネスなのです。世界の半導体メーカーでも安定的に利益を上げ続けているのはアナログ半導体を主体としたメーカー群なのです。 テキサスインスツルメンツ、マキシム、アナログデバイス、リニアテクノロジー等々高収益企業がたくさんあります。私は三洋半導体部門はマキシム社以上の半導体メーカーになる素養は十分に備えていると思います。 親会社の三洋電機はおそらく足元を見られて格安でファンドかどこかに売ってしまうのだと思いますが、後々語り草になるくらいの事業売却の失敗例になると思います。ただ半導体部門が現在の三洋電機の一部門として存在する限りは大化けはできないという矛盾は抱えてはいるのですが・・・。 三洋半導体部門は今年度は黒字に転換します。来年度以降は着実に利益を積みまして行きかなりの高収益部門になるのは確実だと思われます。知り合いの三洋半導体部門の人と話をする機会がありましたが、大多数の人は一刻も早く三洋電機から離れたいというのが大勢のようです。 ホントは三洋電機の将来にとってはネガティブに働く今回の事業売却は、皮肉なことに半導体部門の人にとってはとてもハッピーな結末になるのです。それにしても半導体部門がなくなった三洋電機はどうなっちゃうんでしょうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|