ストリートアートが伝えること
だんなさんが仕事で観たおススメDVDを時折一緒に見せてもらいます。本でも映画でも、実話が好きです。ストリートアートのドキュメント。「Exit through the gift shop」ストリートアートは、もともと違法行為にあたるのでアンダーグラウンドな映画です。夜中に壁に描いたりメッセージを書いたりするストリートアートの世界。警察官につかまらないようにドキドキしながら行われます。そんな世界のドキュメントと同時にちょっとおかしなおじさんが一夜にしてアーティストになるという一攫千金的な実話が絡みます。彼がアーティスト界で一躍有名になるまでに師匠たちの好意が悪気なく思ってもみない形で使われます。誰も他人の想いを理解することも予測することもできません。今やマドンナのCDジャケットも手掛けるアーティスト界で有名なMBWこと主人公のおじさんティエリーの撮影した映像を人生哲学を交えたタッチでクールに編集するのは主人公の師匠だったバンクシーというロンドンでは有名なストリートアーティスト。お金の価値とは芸術とは経済とは情熱とは才能とは人生とは人間関係とは好意とは師とはそんなことを考えさせられる作品でした。私たちには及ばないところで抗えない何かの力が働いているようなそんなことをつい考えてしまう複雑なカルマの絡み合う現実の人間ドラマ。インドの叙事詩、ラーマーヤナやマハーバーラタのドラマでは師を敬う、友人を大切にする、愛とは誠実さとは人間が生きる上で大切にしなければならないこととはなどがトピックとしてあります。善と悪がわかりやすいキャラクターが登場するのでどの人をお手本にするかがわかりやすいのでよく講話で取り上げられるしインド人が何千年も愛する物語。この映画で描かれる現代アートの世界での人間模様は情熱という何か突き動かされているかのような力を感じます。悪気なく、何かを一生懸命する人間の性があります。私たちが無意識に一生懸命やっていることはなぜ一生懸命するのかもわからないのではないかと思うほど全てが運命のいたずらのようにも見えその才能があるかないかが成功につながるとも限らず人の運命、人生というものは私たちが思う以上に複雑で神秘的だということを思い出させてくれます。