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テーマ:海外生活
カテゴリ:ひとりごと
今日帰宅したら、イタオヤが友人のニーノさんと長電話をしていた。 あとで話の内容を聞いて、私はうなってしまった。 ニーノさんの家庭はかなり裕福で、会計事務所を2社経営している。 ニーノさん宅では家政婦さんを2人雇っているのだが、 1人のルーマニア人女性が帰国することになり、そのあと紹介で 25歳くらいのフィリピン人女性を雇うことになった。 もう1人の家政婦さんはSさんという、イタリア人女性で 年齢も50歳後半のベテラン家政婦さんである。 フィリピン人のレズリーはその当時、どういうわけかとんでもないDVの イタリア人と結婚していて別居中だった。 それまでは養ってもらっていたのだが、別居となると自活しなきゃならない。 でもイタリア語も満足に話せないし、特殊技術を習得しているわけでもない。 そんなわけで、生活に困っていた時、福祉関係の施設にお世話になって その機関を通してニーノさん宅に家政婦見習いとして働き始めた。 家政婦見習いとはいえ、アイロンかけもできない。 掃除の仕方もよく分からないととんでもない状態だった。 そこをニーノさん家族が我慢強くサポートしてあげたわけだ。 週3日、午前中4時間掃除をするというのが仕事だったのだが、 週12時間だと収入にもならないからと、ニーノさんの娘が経営している 会計事務所の掃除も週4日くらい仕事を入れてあげたりした。 レズリーがDVイタリア人と離婚する時も、弁護士を探したりするのを ニーノファミリーが手伝ってあげたし、外国人労働者としてのビザの手続きも ニーノファミリーがしてあげた。 そして家政婦として、正式に労働者として登録もしてあげたのだ。 イタリアだけじゃないけれど、家政婦さんとか、庭師とかという仕事は 現金払いにして、税金を払わないようにすることがよくある。 イタリアでは 「Lavoro nero」=直訳、黒い仕事、 と呼ばれていて 正規社員じゃないので、病欠したらその分は収入がないし 有休休暇なんてもちろんないから、1週間休んだらその分の手取りが 少なくなる。 正規社員になると、もちろん税金を払わなくてはいけないが もちろんメリットもあるのだ。 さて、 レズリーの叔母さんが市内に住んでいるそうだ。 でもその事実は何故かレズリーはニーノファミリーには言っていなかった。 今日の長電話の内容の一部なのだが、 レズリーがフィリピンに帰ることになったということだ。 どういうわけで帰ることになったのかは知らないが、 この叔母さんや他のフィリピン人友人達から、 「イタリアでは税金を払ったらバカだよ。 そのニーノファミリーに利用されてるんだよ、あんた。」 というようなことを言われたらしい。 レズリーが話す相手は、この叔母さんかフィリピン人の知り合い、友人だけのようなのだが 彼らのほとんどが家政婦の仕事をしているが、正規契約の労働者ではない。 そのため、何の保障もなく、低賃金でイタリア人にコキつかわれているわけだ。 この件でレズリーはニーノファミリーに不信感を持ち始めたらしい。 そして今回、帰国するということになっただが 飛行機代さえ持っていないことがわかったので、 ニーノが1000ユーロ、退職金の一部の前払いとして 払ってあげようとした。 もちろん領収書にレズリーが署名しなくてはならないのだが、 なんとその署名することを拒否したらしい。 ここまで話を聞いて、あまりにもひどい、ウソみたいな話なので すぐに理解できなかった。 ええええーーーっと、外国人、低学歴、特殊技能なし、言葉もイマイチの身で 正社員にしてもらったら、 「上手く利用された。」 っていう風に一体どうやったらたどり着くんだろう。 正社員なら退職時に勤務した年数によって退職金が出るが、 その前払いをしてくれるっていうのに、 「署名はしない。」 って、あんた、すっごい勘違いしてませんか? 話のおまけで、ニーノがイタオヤにちょっと愚痴ったそうだが 家政婦を始めた頃、レズリーはアイロンかけもできなかったので、ニーノファミリーが 「ベテランのSさんからアイロンかけを習ってね、 そしたら掃除だけじゃなくて、他のこともできるようになるでしょう?」 と言ったら、アイロンかけはしたくない、 とハッキリ断ったそうだ。 オイオイ、アイロンかけって仕事じゃなくて 自宅でもしなきゃいけない家事じゃないの?? それもできないのに、習うのイヤって、あんた・・・・・ 以前レズリーの話を聞いた時、DVのだんなに家を追い出された・・・ とかって聞いていたので、かわいそうだなって思っていた。 でも今回ありとあらゆることが明るみに出て、 アイロンかけもできない奥さんを養うダンナも大変だぁ・・・・ と思ったのも事実である。 外国人労働者を低賃金で奴隷のようにコキつかうイタリア人家庭が多い。 その中で、ニーノファミリーはかなり良心的で、 レズリーを助けるために、ありとあらゆる事をしてきたように思う。 恩をあだで返すだっけ、 まさに今回の件はそのまんまで、話を聞いているだけで 胸くそが悪くなった。 そして多分、レズリーには悪気はないのかもしれない、 これはあまりにも想像を超えた、「無知」 が原因なのかもしれない と思った。 あまりにもひどい結末になってしまったが、 こんなどーしょーもない女子をよくもまぁ、ニーノファミリーは サポートしてあげたもんだ、とため息が出てしまう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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