ライブドアの粉飾より国家予算の粉飾の方が問題だぞ!
新円切替 国家破産で円が紙くずとなる日 Kobunsha paperbacks 036著者/訳者名 : 藤井厳喜/著 出版社名 : 光文社 (ISBN:4-334-93336-X) 発行年月 : 2004年05月 サイズ : 239P 19cm 価格 : 1,000円(税込) たかが数十億円のライブドアの粉飾が大問題になっている。だったら日本政府の予算に関する何百兆円もの粉飾はどうしてくれるのか。規模が数百兆円にもなり、日本人の大多数が巻き込まれることが確定している財政破綻に比較したら、ライブドア問題など屁みたいなものだ。最近になってやっと一般会計以外の特別会計が人口に膾炙するようになったが、この本によると、財務省の「複雑怪奇な操作」は一向に改善されることがないという。一暴力団員だか右翼構成員だかに刺殺された民主党の石井紘基議員は、この国家予算のカラクリを地道に調査し、公表しようとしたから殺されたのだと本書は主張している。財政投融資によって、たとえば道路公団へ融資が行われ、それが事実上回収不能であるのにもかかわらず、財務省は「一切の不良債権は存在しない」という見解を表明している。つまり帳簿上は負債がないことになっている。もちろん、これは道路公団以外の諸々の特殊法人などの負債に関しても同様である。とにかく、現在の日本は「お前はすでに死んでいる」状態であることを積極的に認識したかったら本書を読むべきだ。もちろん、この手の本は「おどかし」の文体で書かれているのだが、「最悪の事態を想定して」「石橋を叩いて渡る」方法も考えておいたほうが良い。でなければ、突然政府が預金封鎖を宣言し、新円切替を発表したとしても面食らうことはないだろう。とはいえ、本書では、もし国家破産が起これば、数十億円以上の資産を海外に移していない一般庶民は「なすすべなし」であると断言している。1億円程度の資産を日本国内に持っていてもダメなのだそうだ。私もたぶんそう思う。なので私もなすすべがないままその時を迎えることになるのだろう。