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LUKEの日記

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2010年01月30日
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カテゴリ:読書について

カモメに飛ぶことを教えた猫

偶然の出会いだった。
借りた本を返しに寄った横浜市立図書館・山内図書館
いつものように書棚の間を回遊していた。

「海外の文学」棚の前を通り過ぎようとした時、
ふと、タイトルと「目」が合った。
・・・というより、棚から滑り出してきた感じだった。

程なく私の手の中に収まったこの本は
とても読みやすい大きさの活字だった。
冒頭の謝辞には、著者の子どもたちへ向けてのメッセージ。
これは面白そうと、そのまま貸出カウンターへ向かった。
この間、わずか数十秒。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
銀色のつばさのカモメ、ケンガーは、ハンブルクのとあるバルコニーに墜落する。そこには一匹の黒い猫がいた。名前はゾルバ。瀕死のカメモは、これから産み落とす卵をこの猫に託すことになる。が、その前に三つの厳粛な誓いをゾルバに立てさせるのだった。
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
セプルベダ,ルイス(Sep´ulveda,Luis)
1949年、南米のチリに生まれる。アジェンデ政権がクーデタによって倒れた際に、投獄され、およそ二年半の刑務所暮らしを余儀なくされる。その後アムネスティの働きかけで解放されたあとは、各地を旅してまわり、1980年からはドイツのハンブルクを拠点に、作家活動をはじめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

ハンブルグの港町に住む黒猫のゾルバとその仲間の猫たち。
それぞれ強烈な個性を持つキャラクターである。
この作品は彼らが創造された時点で、
ほぼ80%完成したのではないだろうか。
そのくらい、存在感があり物語を引っ張っていく。

物語の創作における登場キャラクターの出来は
物語の力、すなわち読者を作品世界に引きずり込む力に
決定的な影響を及ぼす。

想像で作ったとは思えないほど生き生きと活動する
この本の猫たちを追いかけているうちに
ファーストフードの店内にいることも忘れ、
他のお客がいたにもかかわらず声を立てて笑い、また涙した。

本との出会いも偶然なら、
その本がこんなに楽しかったというのは
もっとすごい偶然だ。
だから図書館はあなどれない。

利用頻度が低い本でも、発行年数が古くても、
一人一人が求める本は違うのだから
図書館や書店の選書はよくよく考えて欲しい。

今年は、国民読書年
電子ブックの隆盛で活字離れが拍車をかけている感じだが、
こんな時こそ、印刷の本はこんなにすごい、こんなに楽しい、と
本の魅力を一番よく知っている(はずの)図書館員や書店員が
声を大にして叫んで欲しい。
棚が語りかけ、棚から本が飛び出してくるような
すてきな棚づくりをして欲しいものだ。

ちなみに、電子ブックを読むことも「読書」だろうと
大方の人は思うだろうが、それはご自由に。
Lukeがそうとは思わないだけ。

だいいち、一番面白いヤマ場で電源切れたらどうすんの?
そんなの、まっぴらごめんです(笑)

【1/31追記】
この作品について大事なことが抜けてました。
それは、母カモメが死んだ原因。
船舶から原油が海に不法投棄され、
油にまみれて飛べなくなってしまったのです。

母カモメの油と格闘する姿、
猫たちが瀕死の母カモメを救おうとするシーンは
あまりに無惨で悲しい。
猫たちの人間に対する怒りのことばに込められた著者のメッセージは
深いものがあります。
環境問題に関心のある方、ぜひ読んでみて下さい。







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最終更新日  2010年01月31日 19時29分42秒
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