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★月・金曜更新:新!私的熱帯魚図鑑
★火・木・土曜更新:ここから始まるベタのお話 ★水・日曜更新:タイに行きタイ! ※その他の記事は随時不定期更新と言う事で・・・ それと、小生意気にもこのブログに掲載したピンボケ画像と駄文の著作権を主張いたします(笑)。無断での転用はかたくこれを禁止させていただいております。転用ご希望の方は事前にご一報くださいませ。 ![]() ひょんな事から始めてしまった副業のベタ通販専門店「おさかな逸品堂」の方も、物凄く暇で時間を持て余しちゃってる時にでもHPにお越しいただければ幸いです。 さかなおやじのひとりごと [全1131件]
![]() カージナル・テトラ ネオン・テトラの紹介が済めば、当然次はカージナルって事になるでしょう。それ位、この2種は良く似た外見をしていますし、熱帯魚の定番中の定番商品でもあります。カージナル・テトラ Paracheirodon axelrodi (Schultz,1956)は、南米のネグロ川やオリノコ河流域の細流に生息する、全長4cm程度の小型カラシンです。とくにかくその美しさは、淡水性観賞魚の中でもトップクラスでしょう。近縁種のネオン・テトラは体側部中央を走るメタリックブルーのラインの下部前方がシルバー、後方がピュアレッドに染まるのに対して、カージナルでは、メタリックブルーのラインの下は全部真っ赤に染まりますから、その点に注意してみれば両者を間違える事はないでしょう。 ネオンテトラ同様非常に温和で飼育しやすい魚です。本来の生息域では、かなり酸性の度合いの強い軟水に生息しているのですが、我が国の水道水を塩素中和した水で問題なく飼育できます。また、ネオンよりはやや高めの温度にも耐えるため、夏場はネオンよりもうまく乗り切れるのではないでしょうか。餌も人工餌を良く食べてくれますので、わざわざ生餌を用意する必要はありません。販売されている時はまだ若魚である事がほとんどですが、飼い込むとネオンよりも一回り大きくなり見栄えがします。また、寿命もネオンよりは長いように感じます。 カージナルにはいくつかのバリエーションが知られています。今日の画像の個体は、実は「ショートライン・カージナル」と呼ばれるタイプで、ノーマルのタイプではメタリックブルーのラインが、脂ビレ(カラシン特有のヒレで、背部の尾ビレ前方付近にちょこんと乗っかっています)の真下辺りまで到達するのに対して、ショートラインではその前方でラインが終わっています。まぁ、別に観賞価値の点からはまったく問題にならないレベルの話なので無視して構いませんが、カラシンマニアは結構こだわったりしてます。 また、本来黒褐色であるはずの背部が金色もしくは銀色に鈍く光る「ゴールデン」「プラチナ」タイプも存在します。これは、ネオンの時とは違い、改良品種ではなく野生種です。体内にある種のバクテリアが寄生する事によって、キラキラした光沢が出てくるもので、ゴールデン・テトラをはじめ、南米産のカラシンには時々見かけられる現象です。ちなみに「発光」する訳ではありませんのであしからず。こちらのタイプも観賞という観点からはノーマル個体より劣化している気もしますが、希少価値という点でマニアの間では珍重されております。また、アルビノタイプも存在します。こちらは正真正銘の改良品種ですが、やはり個人的には原種の方が数段美しい気がします。 飼育は容易なカージナル・テトラですが繁殖の方はかなり難易度が高い種類と言えるでしょう。飼育の際には問題にならなかった水質ですが、繁殖の際には酸性の軟水を用意してやることが最低条件となります。ピートやマジックリーフなどで腐食酸の豊富な水を作ってやるのが一番です。水質が合っていれば産卵までこぎつける事は可能ですが、孵化した稚魚はネオン同様非常に小さく、初期餌料として孵化したてのブラインシュリンプを使うことが出来ません。さらに、水質が酸性に傾いている為、ロカバクテリアの繁殖が抑制されており、「残餌ですぐに水質が悪化=稚魚全滅」と言うパターンに陥りがちです。カージナルの繁殖が出来るようならば、小型カラシンの繁殖テクニックは上級レベルといって過言ではないと思います。 あっそうそう、カージナルテトラの学名、正確には属名が以前のCheirodon属から、ネオンと同じParacheirodon属に移されたようです。・・・って、凄く当たり前の気がします。素人目に見ても、カージナルとネオンの属が別って言うのは明らかにおかしいかと思います。・・・実は、もう一種近縁種がいるんですが、そいつなんか以前はHemigrammus属と言う、ぜんぜん異なる属に区分されてましたからね~。確かに、学問的に分類となると外見なんかよりも骨格構造や鰭式、アイソザイムとかそっちが重要なんですけどね。それにしても、この3種はどう考えても、同一属だろうって言うのは、数十年前からアクアリスト達はみんな思ってたはずです。
![]() 形状による区分 ショーベタ デルタテール プラカットに関しては前回まででざっと形状による区分を説明したので、今日からはロングフィンタイプに移りましょう。もともと改良ベタの原種であるスプレンデンス種(Betta splendens)は、前述の様にプラカット同様ヒレが短いものでした。それが、アメリカでヒレの長い突然変異が個体されたのが、ロングフィンタイプの始まりとされています。もっとも、当時アメリカで愛好されていたりビィベタと言う系統と今の系統がまったく同じものなのかどうかはよく判りません。 現在、一般的な熱帯魚ショップで単に「ベタ」として、コップや小型容器に収容されているロングフィンタイプのベタを、古典的品種と言う意味から、ショーベタマニアは「トラディショナル・ベタ」もしくは「トラッド」と言う呼び方をします。このタイプは、ヒレがほぼ同じ幅のまま長く伸長するのが特徴です。中には、ヒレの中ほどがやや大きく広がって、ヒレ先に向かって再度すぼまっていくと言う形をしている個体もいます。 実は、本来「トラディショナル・ベタ」だけで一回分の原稿をって考えていたのですが、なんと!手元に「トラッド」の画像が一枚もありません(苦笑)。仕方がないので、この系統に関してはサラッと流してしまう事にしましょう。 これに対して、同じロングフィンタイプでも尾ビレが三角形の形になっているのを「デルタ・テール」と呼びます。一応、「ショーベタ」と言う名称を名乗れるのは、最低限この「デルタ・テール」からって言う事になるんじゃないでしょうか。 一般的には「デルタ・テールはトラッドが更なる改良を加えられて作出された」と言う説が支配的ですが、「元々、アメリカでロングフィンが作出された時からデルタ・テールであり、このタイプがベタの本家本元であるタイに逆輸入された後、トラッドの尾ビレの形状になった」と言う説を唱える人もいるようです。ロングフィンタイプ作出初期のアメリカのベタのモノクロ写真を見る限りでは、すでにデルタ・テールの様な気がしますし、個人的には後者の説の方は真実なんじゃないかなって思います。まぁ、いずれにしてもこのデルタとトラッドの関係は、グッピーで言う所のデルタとベールテールの関係みたいなもんじゃないでしょうか。 よく、トラッドを一段低く見る人がいますが、私個人はそうは思いません。バリバリの血統書つきの猫とその辺にたむろしている、尻尾がカタツムリ状にグルグルの野良猫と、可愛さに差があるとは思いません。所詮趣味なんですから、いつも言うように「本人が気にいっていればそれでよしっ!」だと思います。ただ、コンテストでは「ベタの尾ビレは開けば開くほど良い」と言う「共通認識」の下で互いに競い合うものなんですから、そこにお気に入りのトラッド持ち込んで、「なんで俺のトラッドの方が評価が低いっ!」って駄々をこねるのは恥ずかしいのでやめましょう・・・って、いないかそんな奴(笑)。 それと、この「トラディショナル」の血は余程強力らしく、最高レベルのハーフムーン個体であっても、このトラッドと交配すると、次世代は見事な程尾開きが悪くなり、しかも後々後世まで影響を受けます。ちょうど「坊主を殺せば七代たたる」みたいなもんです。どんなに優れたカラーリングの個体であっても、コンテストを目指す人はトラッドの血を導入するのは避けた方が無難です。それなら、プラカットを交配した方がはるかにましです。
![]() タイ人気質 その2 キーキア 前回のキーワードである「マイ・ペン・ライ(=気にすんなよぉ)」からもお判りのように、タイ人は基本的にゆるい人達です(笑)。よく言えばあまりくよくよしない、悪く取ればいい加減な所をたぶんに持ち合わせている気がします。もっとも、自分にだけでなく他人にも甘く優しい人達ですから、居心地いいんですよね~。 そんなタイ人を仕事で使っている在タイ法人の日本人管理職の方とお話をすると「彼らは本当にキーキア(=怠け者)だ」って良く聞かされます。確かに、一部の人間を除けば仕事もマイペースです。日本ならば「上司が一を言えば、十を行う」レベルのバリバリのビジネスマンがゴロゴロいますが、ここタイランドでは「十の指示をしないと、一つの仕事も終えられない」連中が結構普通レベルで存在しています。もっとも、海外での仕事が多い私からしてみると、日本人の勤勉さの方が少々異常なのかとも思います。まぁ、同じレベルかもと感じられるのは、せいぜいドイツ人位でしょうか。しかし、彼らとて「家庭を犠牲にしてまで会社に尽くす」なんて考えはこれっぽっちも持ち合わせていません。バリバリ仕事をするのは、あくまでも自分や家族の生活の為って割り切っています。 話をタイに戻すと、この「キーキア」っていうタイ語の意味が我々日本人とタイ人の間では認識にズレがある気がします。我々日本人が「キーキア」って使う時、対象となるタイ人はほとんど仕事もせずサボってばかり、しかも頻繁に無断欠勤をするレベルの極めつきの「怠け者」と言う意味です。しかし、タイ人の知人達は「今日、買い物に行こうと思ったんだけど、雨が降ってきたから行くのやめちゃったよ。キーキアだよな」みたいな感じです。つまり、タイ人の使う「キーキア」は「めんどくさい」位の感覚です。もっとも、私の友人達(タイ人の)にとっては「今日、めんどくさいから仕事行かない」って言うのは、「怠け者」の範疇に入らないみたいです。どちらかと言うと、前回の「マイ・ペン・ライ(=細かいこたぁ、気にすんなよぉ)」レベルに過ぎません。管理職にとってはたまんない人達です。 そんなタイ人達が本当にだらけちゃうと、これはもう「ユー・チューィ・チューィ」と言う事になります。これは、日本語に訳すと「何にもしないもんね」って言う意味です。こうなった状態のタイ人は本当に見事です。冗談抜きで、一日中ただぼんやりと佇んでいたりします(笑)。傍から見ていると、「こいつ、一種のトランス状態じゃないのか?」って言う位見事です。 先月もバンコクを訪れた際、昨年末の水害でかなりの数のベタショップがファームに大ダメージを受け開業不可能な状況になっていました。そんな中、ベタショップが多く集まる市場の一角に行ってみると、閉店状態のベタショップのオヤジ達が所在なげに地べたにウンコ座りしてました。 「オィッ、お前のファーム大丈夫だったのか」 「いやぁ~、壊滅的被害を受けちまった!ベタなんて大水と一緒にどっか流れていっちまった。エヘヘ」 「それで、復旧の見通しは?」 「判んねぇなぁ~・・・エヘヘ」 「じゃあ、今何の仕事してんだ?」 「いやぁ~、何にも。ただ、家にいても暇だから市場に来て見ただけだよぉ。エヘヘ」 「それじゃ、収入ゼロになっちまうじゃないか。何か働けば?」 「いやぁ~、めんどくせぇし。こういう時はユー・チューィ・チューィだよ。エヘヘ」 これが、壊滅的被害を受けたショックでの事ならば理解できます。まぁ、それでも日本人ならば東北大震災直後の被災地の方々の様に、復興の意欲を全身にたぎらせているもんです。でも、彼らは本当に「悲壮感ゼロ」です。まぁ、「マイ・ペン・ライ」なんでしょうねぇ。また、それでもなんとか生きていけちゃう豊かさがこの国にはありますから。私も、仕事に失敗して一文なしで日本から逃げ出しても、この国なら何とか生きて行ける気がしますもん。実際、かなりの数の日本人がパスポートの期限が切れちゃっても、そのままバンコクに不法滞在してるって話です。
![]() さかなおやじ今月のお気に入り個体=売れ残り確定?(涙) その2 がんばってめげずに、この風評が本当なのか検証を続けてみたいと思います。今日紹介するのは、今回私がバンコクで仕入れたプラカットの中で一押しの個体です。以前はトリカラー・マーブルと言えば「赤・青・白」の所謂フレンチカラーが基本でしたが、最近では「青・白・黄」のマスタードライクな個体が急増しています。もっとも、鑑賞に堪えうるレベルの外見の個体はまだまだ希少で、大部分の個体は「単に薄汚い」だけです(苦笑)。 今日の画像の個体の一番の売りはなんと言っても、頭部に存在するピュアイエローの発色だと思います。ヒレ部分に鮮やかなイエローの発色がある個体は何とか入手できるのですが、ここまでボディ部分が見事に発色している個体はめったにお目にかかれません。 頭部以外のボディにはまだそれほど鮮やかな発色が見られない事から、この個体のピュアイエローの発色は、かつてのブルー&ホワイト・マーブルの頭部に見られた鮮赤色の発色が、「赤の発色を抑える遺伝子」の存在で黄色くなったと考えるのが妥当かもしれません。 ちなみに、この「赤の発色を抑制する遺伝子」は、本来赤く発色すべき部分を黄色やオレンジに発色させると言われており、マスタードガスの作出には不可欠とされています。・・・って、個人的に確認した訳じゃなくて、海外文献の単なる知識の受け売りなんですけどね(苦笑)。ただ、ソリッド・ブルーとソリッド・イエローの交配では通常(共に純系と思われる両親からはと言う意味)マスタードガスは作出できない事を考えると、この遺伝子の存在はかなり信憑性が高いと思われます。 そうそう、話が脇にそれてしまいましたが、ここで問題にしているのは「この個体が売れたのか?」って言う事でした(笑)。それが、なんと!今回仕入れたプラカットの中では、事前予約の個体を除けば一番最初に売れたのがこの個体でしたぁ~っ!!うーん、やっぱり私と価値観を共にする愛好家の方はちゃんと存在したんだねぇ。・・・って喜んでいたら、家族の冷たい一言が・・・「私にゃぁ、その人の今後の人生が心配だねぇ~。変な方向に向かわなければいいけど」・・・
![]() 形状による区分 プラカット バランス悪し 最近バンコクのプラカットの中に妙な個体を良く見かけます。今日の画像の様な個体で、どこが変かと言うと尻ビレだけが妙に伸長しちゃってます。最初は「プラカット×ショーベタで生じた、ヒレの伸び具合の今一なショーベタ」って考えていましたが、念のため入手した個体を数ヶ月飼い込んで見ましたが、尻ビレ以外のヒレはいつまでたってもプラカットそのものでした。つまり尻ビレだけが伸長する系統って事なんでしょう。 どこか特定のヒレだけが通常よりも伸長するのは他の観賞魚でも良く見かけます。セイルフィン・プラティとかね。この尻ビレだけが伸長するプラカットがどの様な経路で出現したのかは判りませんが、かなり頻繁に目にする以上、遺伝形質と考えてよさそうです。でも、セイルフィンとかの場合は、なんだか素敵なフォルムになるのに、なぜか尻ビレだとアンバランスに見えちゃうもんです。少なくとも私は好みません。 サンプル的な購入以外は、意識して仕入れないよう心がけているので、逸品堂でこの系統が出回る事はほとんどありません。・・・ほとんどって書いたのは、若い個体等では通常のプラカットと区別が付きにくい為、稀に仕入れてきちゃうことがあるからです。もちろん、気が付いた際は販売しない様にしていますが、どうもこの「尻ビレ伸長」は、その程度に幅があるようで、通常よりもちょっとだけ長いって言う個体もいるので、判断に苦しみます。まぁ、このフォルムの是非は飼育者個々が判断すればよい事であって、闇雲に否定するべきではないとは思いますけどね・・・ この特徴はオスだけではなくメス個体でも見られるので、おそらくは常染色体上の遺伝なんでしょうね。さらに驚くべき事に、この特徴はショーベタにも出現するようです。最近のショーベタの中には尻ビレだけが通常よりもさらに伸長する個体が結構良く見られます。「ショーベタ=ロングフィン」だから、ヒレが長い方がよいかと言うとどうもそうでもない様で、全体のバランスが悪く美しいフォルムにならないので、あまり好まれない傾向にあるようです。ただ、バンコクのベタブリーダーの多くは、尻ビレだけが特に伸長する事について特に問題視していないようなので、これからもこの系統は増え続ける気がします。
![]() さかなおやじ今月のお気に入り個体=売れ残り確定?(涙) その1 以前からこのブログをご覧いただいている方はご存知ですが、現在本業の傍ら「おさかな逸品堂」と言う、ベタ専門の通販ショップをサイドビジネスとして展開しております。まぁ、その為に、毎月の様に本業で欧米に出張した帰路にわざわざバンコク立ち寄って新しいベタを仕入れてくるんですけど。 その仕入れの際、私自身が「これだぁ~!!」って思う個体は、ほぼ確実に「おさかな逸品堂」で売れ残る、と言うジンクスがありまして・・・つまり、人気がないんですけどね(涙)。家族に言わせれば、「さかなオタクが、自分の好みで選んだベタなんて、気持ち悪くて他の人は手を出さない」って事らしいんですが、このジンクスが本当かどうかをいくつか事例を挙げて実証してみたいと思います。 まず最初に登場するのが、「ショーベタのオス部門」のお気に入り個体!うーん、実に素晴らしい個体です(笑)。オレンジベースの地色でブルーのマーブルパターンと言う、今までお目にかかったことがない様な絶品個体です。あっ、ちなみに私の興味の対象はもっぱらカラーリングなんで、ハーフムーンじゃないとかOHMじゃなくちゃとか言う意見は、ここでは一切無視させていただきます。そもそも、ここまでの絶妙なカラーリングの個体で尾開きとかこだわったら、それこそ合格点の個体なんてこの世にに存在しませんから。「ハーフムーン信奉者」はソリッド系にでも走っちゃってください。 一体どの様な両親から生まれてきたのか想像も出来ないような素晴らしいカラーリング・・・って、結局の所買い手が付いておりません。・・・って事は、やっぱり「私の好み=売れ残り」って言うジンクスは健在ジャン(苦笑)。どうやらしょっぱなからいきなりジンクスの立証が済んじゃったみたいですね~。うーん、納得できんっ!!
![]() ネオン・テトラその3 ニュー・ゴールデン・ネオン 今日の画像の個体は「ニュー・ゴールデン・ネオン」と言うネオン・テトラの改良品種の一つです。しかし、一体何が「ニュー」なんでしょう?・・・実は、以前香港で作出された「ゴールデン・ネオン」と言う品種が存在していまた。こちらは、前回紹介したプラチナ・ネオンの粗悪版みたいな感じだったので、あまり人気も高くなく、まもなく市場から姿を消してしまいました。でも、一応「ゴールデン・ネオン」と言う名前で流通していたものですから、画像の品種の名称を付ける際に「ニュー」って冒頭につけたんでしょうねぇ(笑)。 しかし、別にどう見ても「ゴールデン」ではないこの品種になぜあえて「ゴールデン」」と言う名前を付ける事にこだわったのか、さっぱり理解できません。どちらかと言えば、ボディは白いんですけど??そもそも「ニュー・なんちゃら」って言うネーミングのものにはあまりたいした物はない気がします。ホテルの名前とか・・・。一見すると、アルビノにも見えますがこちらはアルビノではなく「白化個体」、つまり普通種の中から黒並びに赤の色素胞の存在しない個体を選別して固定化したものです。したがって眼はアルビノの様に赤くはありません。また、アルビノの場合はメラニンを生成出来ないんですけど、「ニューゴールデン」の場合は、たまたま存在しないだけです。 しかも、こんな訳の判らない名前付けちゃうもんだから、後発の品種もこの影響を思い切り受けてます。「ニュー・ゴールデン」には原種の持つ、体後方下部の赤い発色がないんですが、ここが赤く発色する改良品種が作出され「ニュー・レッド・ゴールデン・ネオン」・・・って、このネーミング聞いてどんな改良品種かおおよそ想像出来る方を、別の意味で私は尊敬いたします。ここまで来ると、「このこっぱずかしい品種名つけた人間出て来いっ!」と言いたくなるレベルです(苦笑)。 ちなみに、ネオンテトラには「アルビノ・ネオン」も存在します。こちらの外見は「ニュー・レッド・ゴールデン・ネオン」そっくりですが、アルビノなので眼が赤くなっています。 どの改良品種も、元はネオンですから、飼育方法や繁殖方法は原種に準じます。ちなみに、ネオンの繁殖は結構難しいです。産卵させるだけならかなり簡単なのですが、孵化した稚魚が小さく初めから孵化したてのブラインシュリンプを摂取できないので、この時期を乗り切るのが大変です。商業的な繁殖でないのであれば、産卵床にウィローモスなどの水草を用いる事で餌となるインフゾリアの自然発生に期待し、初期の段階を乗り切るのが無難でしょう。この方法ならば、10尾前後であれば確実に稚魚を得る事が出来ます。 ペアの判別は容易で、成魚になればオスはほっそりでメスはでっぷり(笑)、さらにメスの腹部にはうっすらとオレンジ色に卵が詰まっている事が外見からも判断できるようになります、。30cmほどの小型容器に前述のウィローモスを適当にぶち込んだ産卵用水槽にペアを導入すれば、ペアはウィローモスの茂みに100個前後の卵を産み付けてくれます。ちなみに、ペアは産卵終了後自分たちの卵をパクパクいっちゃいますので、産卵終了した時点でペアは水槽から取り出しておきましょう。また、卵は強い光を嫌いますので、産卵後は照明は消しておきましょう。 水温にもよりますが36時間から48時間程度で孵化が始まり、その後数日で稚魚は遊泳・摂餌を開始します。もっとも、この時期の稚魚には水槽内に勝手に湧いてきたゾウムリシとかワムシを食べて貰う訳ですから、飼育者としては黙って観察しているだけの事です。ただ、ある程度の時期からは、極少量のパウダーフードを水槽内に投下したりした方が稚魚の歩留まりは良いようです。また、この様な手抜き繁殖方法の場合、給餌開始時点で1~2匹のレッド・ラムズホーン(巻貝)を水槽内に入れておくと、残餌を食べてくれますので水質管理に役立ちます。遊泳開始から10日もすればいくらなんでも稚魚達は孵化したてのブライン摂餌できるようになります。ただ、極少量のブラインシュリンプを毎日沸かすのは結構根気の要る作業です。めんどくさいと感じる方は、最後までパウダーフードで押し切るのがよろしいかと。 カラシンの仲間の繁殖に関しては、後の方で詳しく紹介する予定でおりますので、ここではざっとあらましを述べるに留めて置きます。
![]() 形状による区分 プラカット スペードテール プラカットの尾ビレは通常は半円形。つまり縁が円を描くように丸みを帯びているものです。これは、改良の元になったスプレンデンス種(Betta splendens)がそうなんですから、当たり前と言えば当たり前の事です。しかし、今日の画像のように、後縁中央付近が突起したスペード型の尾ビレを有するプラカットをバンコクでは時折目にする事があります。 10年ほど前から、ほぼ毎月の様にバンコク入りし、その度に数百尾のベタを持ち帰ってすべての個体を撮影している訳なので、手元には数千個体分の画像のストックがあります。改めて確認してみると、この様なスペードテールのプラカットは圧倒的に黒~黒褐色の地色の上にメタリックな輝点が散在するカラーパターンの品種が多いようです。また、大部分の個体は通常のプラカットに比べてやや細身の体型をしているようです。その理由として一番妥当なものは、「ブラックボディにメタリックなスポットと言うパターンを非常に好むブリーダーの所でたまたまその様な尾ビレを有する系統を維持しているから」って言うものでしょう。 ・・・でも、これじゃあ夢がないって言うか、つまんないんですよね~。これが研究者だとうっかり推測で物を言えない訳ですが、私ってば「単なる一愛好家だもんね~」(笑)。あくまでも根拠レスの個人的見解に過ぎないのですが、このスペードテールを有するプラカットの作出には品種改良のある時点で、スプレンデンス種以外の血が導入されているんじゃないでしょうか。 本来、異種間交雑をするとDNAの相違などから様々な障害が生じ子供世代は取れても、孫世代は生まれてこない(生殖的隔離)って言うのが通説です。ライオンとトラの合い子であるライガーとか、ロバとウマの交配種であるラバとかみたいに。そうする事で、自然界で異種間交雑が万が一発生しても、その度に新たな種が生じないような仕組みになっているんですね~。自然の摂理って奴なんでしょうか。 じゃあ、「スプレンデンス種×近縁種のベタ=スペードテールって言うのも品種としては成立しないじゃん!」って言う事になっちゃうんですが、なぜかスプレンデンス種とその近縁と考えられているインベリス種やスマラグディナ種との交雑は、異種間交雑にもかかわらずその後も累代繁殖できる事が判っています。・・・って、これって別種じゃないってことなんじゃあ?まぁ、常識的に考えればこの3種のベタは別種ではなく、亜種レベルの相違と考えるのが妥当だと思います。外見の違いなんて種の区別には何の役にも立ちませんからね~。ダックスとセントバーナードが犬と言う同一種だなんて外見からは絶対に判らないのと同じです。 でも、一応この3種のベタは「別種」と言う事になっています。まぁ、当然研究者の方々が外見的特長・遺伝的特徴・地理的条件などあらゆる角度から検討し下した判断なんでしょう。別種ならば、それぞれの記載者の名前が種小名の後に記載されるけど、亜種だとその亜種記載した研究者の名前は後世に残らないから別種の方がいいっ!とか言う、事情じゃないって事を信じたいもんです。 それでもって、本題に戻ると「スペードテールのプラカット」を作出する際にうってつけと思われる、スプレンデンス種の近縁ベタがいるんですよっ!バンコク近郊の都市マハチャイ周辺に生息する「ベタ sp. マハチャイ」って奴です。ちなみ「sp.=(speciesの略)」って言うのは未記載種って言う事です。つまり、「まだ新種なのかどうか正体ははっきりしないけど、ひとまずこんな奴がいましたぁ!それでもって一番最初に発見したのは俺だからねっ!!」と言う、研究者の学会に対するお手柄の自己申告みたいなもんです。もっとも一般的には「カラシンsp.」みたいに、未記載種かどうかではなく単純に扱う側が学名判らない時に使っちゃったりしてますけどね。ショップで販売する際に「なんちゃらsp.」って言った方が高く売れるしね(笑)。 この「sp.マハチャイ」って奴はなんとスペード型の尾ビレ持ってますし体型もスレンダーなんです。しかも、私の知る限りでも数人のブリーダーが日常的にプラカットとの交配してますから、こいつが「スペードテール・プラカット」の先祖の片割れである可能性は否定できないと思います。
![]() ネオン・テトラ その2 プラチナ・ネオン ネオン・テトラは観賞魚としての歴史が古く、また早くから人工繁殖が盛んに行われていた魚だけあって、様々な改良品種が存在します。今日登場のプラチナ・ネオンもその一つです。原種では、背中部分が黒褐色、中央部にメタリックブルーのライン、そして腹部前半がシルバー、後半がピュアレッドと言う配分でしたが、プラチナ・ネオンでは体の前半部分がブルーシルバー、そして後半がピュアレッドと言う様に、微妙にカラー配置が異なっています。改良品種と言うのは、往々にして「改良ではなく改悪」だったりする事が多い中では、結構キレイな「改良品種」だと思います。それでも、個人的には原種の方が好きですけどね。 このプラチナ・ネオンと言う品種がどの様にして作出されたのかはよく判りません。ただ、近縁種であるカージナル・テトラやグリーン・ネオンにも「プラチナ」の名の付く変異個体が存在しますが、これらとは根本的に違います。カージナルやグリーン・ネオンの場合は、体にある種のバクテリアが寄生しその部分が金属光沢を持つようになった物で、ゴールデン・テトラと同じく、あくまでも野生種です。ちなみに、このバクテリアの事を「発光バクテリア」としている文献を見ますが、実際には発光する訳ではなく、光を反射する事でキラキラしているだけです。一方、プラチナ・ネオンに関しては改良品種であり、当初はヨーロッパブリードでしたが、今では東南アジアで大量に繁殖されているようです。 飼育などに関しては、あくまでも「ネオン・テトラの改良品種」ですから、ノーマルタイプとまったく同様で構いません。原種と共に、温和で丈夫な理想的な観賞魚の一つだと思います。 実はこのプラチナ・ネオンにはかなり良く似た改良品種が以前存在しました。その名を「ゴールデン・ネオン」と言ったのですが、体前半部分のシルバーの輝きが鈍く、下手をするとネオン病に羅病した個体に見えかねないのであまり人気がなかったと見え、今ではまったくその姿を見る事はありません。 あっそうそう、ネオン・テトラや近縁種に特有の病気として「ネオン病」って言うのがあります。なんだか体の色彩が絵の具を混ぜ合わせるような感じでぼんやりと薄れていってしまう、実に不気味で奇怪な病気です。以前は結構良く見かけたのですが、最近ではほとんど見かけることはなくなりました。魚病薬で治療も可能とされていますが、ネオン・テトラのようにサイズが小さい魚は基礎体力がないのか、治療を施してもあえなく昇天って言うパタンがほとんどです。また、他の個体に感染する率も高いので、その様な個体が収容されている販売水槽からは、魚を購入しない方が無難です。ネオンはほぼ常時ショップで見かけることが出来る魚ですから、その様な場合は迷う事なくパス1です。
![]() 形状による区分 プラカット ダブルテール 前述の様に、ベタの尾ビレにはシングルテール(ST)とダブルテール(ST)が存在します。ダブルテールとしてよく見かけるのはショーベタを初めとしたロングフィンタイプですが、もちろん他のカテゴリーでもダブルテールは存在します。 逸品堂の主力商品であるプラカットにもダブルテールは存在しますが、その絶対数はショーベタタイプに比べると希少なのが現状です。やはり全体のフォルムが円形に近い長楕円形になるのが理想とされているショーベタに比べて、元々フォルムは円形にはならないプラカットだけに、ダブルテールのメリットの一つである「広い背ビレ」が、左程のプライオリティをもたないと言う事なのでしょうか。 ただでさえ希少な存在なのに、脊椎骨異常の件もあって私自身がダブルテールをあまり好まない事から、逸品堂にプラカットのダブルテールが入荷する事は非常に稀です(笑)。でも、今日の画像レベルの個体となると話は別です。たとえダブルテールであろうと、たとえ尾ビレ上葉が少し欠けていようと「ゴールドにオレンジダルメシアン」なんて言う、いまだかつて見た事がないようなカラーリングの個体眼にしちゃあ、コレクターとしての血が・・・・ 従来、店主である「私の好みで仕入れた魚は売れないっ!」と言うジンクスがあるのですが、さすがにこの個体は販売開始直後にオーダーが入りました(笑)。現在の逸品堂は、仕入れたプラカットの50%以上が会員の皆様からの事前オーダー、つまり入荷時点で既に売約となっており、逸品堂ホームページの方にはこれらの個体は姿を見せることなく闇から闇へ(笑)流通して行っちゃいます。でも、さすがに事前オーダーの常連さん達も、今日の画像の様な個体は想像出来なかったらしく、販売終了後も何人もの常連様から「あの個体と同じ品種はもういないのか」とか「なんでもっとたくさん仕入れてこないっ!」と言うお問い合わせを頂戴しました。その後も事前オーダーのリクエストにたびたびこの品種があります。でも、後にも先にもバンコクでこの品種見かけたのこの1個体だけなんですよね~。 この個体を購入したブリーダーのファームも昨年末にバンコク近郊を襲った大水害の際に壊滅的ダメージを受けたらしく、ブリーダーの行方も判らなくなっちゃったし(涙)。そんな状況では、例えブリーダーが復帰してもこのタイプの種親保存していない可能性の方が断然高いでしょうから、今後も残念ながら期待薄です。 |一覧| |
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