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カテゴリ:サーヴィスの理論と哲学
行って来ました~。テーブル・マナー講習会。
「お務め、ご苦労様です。」 …違うって、私が出所したのでは無いです。 当日は小雨の振る中、会場へと向かいました。ロビーで厚生課の課長と待ち合わせです。 しばらくすると、課長が現れて今日のマナー講習の段取りを打ち合わせしました。最初に20分程テーブル・マナーの概要を説明して、その後食事に進みますので、食事の進行に合わせてのお話を。 で、その時初めて聞いたのですが、今日講習を受けられるのは現在警察学校で訓練を受けられている生徒の方々。この春に高校や大学を卒業されて警察学校に入学。今日は警察署の各施設を見学に回っている間の昼食の時間をフルコースのランチに充てて、そこでテーブル・マナーを同時に学ぶという行程だそうです。 現役の方は同席されないとの事で、若い方々ばかりになります。正直、緊張感も和らいで、少々ホッともしたのですが、逆に用意してきた講習の内容ではやや重たいかも。 いよいよ会場に案内されました。会場の皆さんは私以上に緊張のご様子。進行の方に私を紹介頂き、講習会が始まりました。 「皆さん、こんにちは。今日は、テーブルマナーの講師としてこちらの会場にお招き頂きました。普段、あまり大勢の方の前でお話することもありませんので、少々緊張していますが、さらに、皆さんが警察官に成られるということもあって、私の過去の悪事が暴かれないか、それも緊張を高めてるんです。」 しーん。すべりました。 「今朝もウチの母に警察へ講習に行ってくると話したら、『警察に講習って、何をしでかしたん?このバカ息子』と叱られてしまったんですけどね。」 不発。。。掴みはNGです。 気を取り直して、最初の概要は「プロトコールとテーブルマナー」と「レディ・ファースト」の2点に絞ってお話しました。 テーブル・マナーとして現在に残るものの多くに、本来の謀反や暗殺を阻止するための目的で設けられたものが多々あります。皆さんが庶民の安全を守る職業に就かれている、という事もあってフンフンとうなずかれる様子。 また、レディー・ファーストに関しては中世の騎士道の精神から来ているのですが、警察官の方々にも中世の騎士が元祖になっているものがあります。 それが、「敬礼」の仕草。額に手をかざすあの仕草なのですが、これは中世の騎士がお互い対峙した時に、自らの兜のマスクを上げてお互いの顔を確認したことから始まります。この時の手の形が、現在でも警察官に限らず、各国の軍隊や、消防官の方々などの「敬礼」の仕草として残っています。 などなど、こんな感じで、フランス料理の業界との多少なりとも接点があれば印象に残るかなぁ、と考えたのですが。 食事が始まると、やはりナウなヤング達ですので、初めてフルコースでの食事という様子も見受けられます。警察学校という所は非常に厳しい訓練をされる所でもあるので、「行儀」という点ではかなり指導されていると感じます。しかし、もちろん不慣れなこともあってなかなか格好よくはいかなさそうです。 講習が終わって、最初にお話した課長とあらためてお話を伺うと、昔は警察署でテーブル・マナー講習などを行うことなどは無かったそうです。しかし、多様化して行く社会において、やはり警察官であっても他の社会人が身に着けているであろうことはちゃんと知っておいて欲しいとの要望からでした。もちろん、知らないことに悪意があることではありませんが、知らなかったばかりに気付かなかったところで「マナー違反」を犯してしまう。そのための教養を身に着けさせたいとの事でした。 このブログと相互リンクして頂いている「笑う女将のレストラン」では、このことを「お里がしれていましますよ」と表されています。まさに意を得たりで、誰もが自分の「お里」の中だけで過ごしていれば気付かないまま終わってしまうことがたくさんあるものですよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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