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カテゴリ:レストランの経済学
レストランに携わる業界人向けのセミナー。「売上げを伸ばす接客術。」「リピーターをつかむサーヴィスとは。」などのテーマが花盛りです。書店に足を運んでも、「このサービスで勝ち組になる!」「感動を呼ぶサービス」などの書籍が目に付きます。
さて、本当に 「サービスを向上させると売上げは上がる」 のでしょうか? 「サービス」が形の無い「商品」である以上、お客様の評価もまた形の無いものであると言えます。 感動するサービスを行えたとしても、涙でも流して頂かない限りは、他者の目には宣伝効果はありません。もちろん、お客様の笑顔が満足の表れではありますが、評価基準を「売上」におくと対価としては見えてきません。 答えとして帰ってくるのに、時間がかかるのは確かです。 お客さまがリピーターとして帰って来ていただけるか、あるいは、「サービスの良い」お店としての第三者の評判を得て新規のお客様の来店を図るか。 宮大工という職業があります。「宮大工」とは通称で、正しくは社寺大工と言うそうですが、日本の社寺の建築の美しさは「宮大工」によって築かれました。中世からの日本の社寺の建築物は、すべからく材質は木を用いられています。地震や台風の多い日本において、このような建築物を後世まで残す技術は相当に高いものと言えます。 宮大工の技術は、築造から200年、300年の時を経たのち、建造物が残って初めて評価されるのです。 我々がお客様に向かって「サービス」の品質の向上を訴えることは、非常に難しいのです。 料理の説明において、ワインのプレゼンテーションにおいて、レストランの調度品においてもサービスマン達はいかに美味しく表現するかに努めます。しかし、自らの心遣いについては口に出すことはできません。 「今日はいかがでしたか?こんな風にサーヴィスマンは気を使いました。」 と言ってしまったら、その時、サービスではなくなってしまうのです。 しかし、確実に言えることは、 「サービスが悪いと売上げは落ちる」 と、いうこと。 何年か前の公共広告のテレビCMで元巨人の清原選手が口にしていました。 三振したらどやされる。 ホームラン打ったら誉められる。 どっちにしてもバットを振らなアカン。 難しい球もあり、速い球もあります。しかし、プロの野球選手である以上、結果を出さねばなりません。 観客は打者がバッターボックスに立つ時、十分な練習と努力を積んできたことを期待しているのです。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 27, 2005 02:45:01 AM
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