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カテゴリ:フランス料理の文化と歴史
とあるテレビの歌番組でKAT-TUNなるアイドルグループが出演していました。
とはいえ、私ももう三十路半ばのオッサンですから、誰が誰で、タッキー?翼?なんとも見分けはつきません。 さておき、その歌番組の中でのお話が、 「売れるアイドルグループに必要な5つのC」 があると言う事、、、 セクC(セクシー) たくまC(たくましい) MC(エムシー=リーダー) いやC(癒し) ナルC(ナルシスト) ほほぉ~なるほど。スマップや、当のKAT-TUNのメンバーには各々にそれぞれの秘められた役割があるのだとか。そう言えば、ドリフターズもそうに違い無い。さしずめ高木ブーは「いやC」か、、、 ところで、フランス料理にも古くから、 「食後の時間を豊かにする5つのC」 があると言われています。 フランスにおけるレストランの文化のひとつなのですが、それぞれの単語の先頭の文字が「C」であることからこの様に言われるようになりました。 ひとつめはカフェCafeの「C」です。カフェは食後のお茶の代名詞でもちろん紅茶も含まれます。コーヒー、紅茶に含まれる成分、カフェインは脳を活性化させると言います。食事中はワインで料理を楽しみますので、デザートからはコーヒーや紅茶の出番です。 ふたつめはショコラChocolat.ショコラとはご存知チョコレートのこと。 チョコレートで言い表されていますが、お茶と共に楽しむ小菓子全般を指すとしても間違い無いでしょう。ショコラやプティフール。「プティフール」とは、直訳すると「小さなかまど」と言う意味です。お料理をした後に余熱の残るかまど(オーブン)、夜のうちにそこで、小さなクッキーや焼き菓子の生地放り込んで焼いておき、翌日の午後のお茶の時間に食べると言うのが始まりだとか。 続いて食後酒、コニャックCognacの「C」です。日本人はもともとアルコールを分解する酵素が弱いと言われていることから、多くのレストランで食後酒はまだまだ馴染みのない習慣かも知れません。食前酒としてシャンパンやシェリーを楽しむように、食後にはコニャックなどのちょっと強いお酒が好まれます。 食後酒は総称して「ディジェスティフ」。主な種類はコニャックやアルマニャック、また、かす取りブランデーはフランスでは「マール」、イタリアでは「グラッパ」と呼ばれるお酒です。 また、ポルト酒や貴腐ワインのような甘口ワインも好まれます。いづれにしても、食中に楽しんで頂いたワインよりも、濃くて深い味わいを感じさせるものが、食後酒の部類です。 そして葉巻・シガーCigar。 ことシガーに関しては昨今の嫌煙ブームもあってこちらは更に馴染みのないアイテムです。 ところが、この「葉巻」は1500年代に新大陸、いわゆるアメリカ大陸の発見と共にヨーロッパへもたらされたわけですが、当初より貴族やジェントルマンと呼ばれる高位の人々の嗜好品でもありました。 葉巻は紙煙草の様に肺まで吸いこんでニコチンの成分を体内に吸収するだけが目的では無く、そのふくよかな薫りを楽しむものでもあります。葉巻の薫りは大変強いので、正直に言うと吸える環境や周囲への配慮が必要とされるのですが、このマナーを守ったうえで嗜むことを出来ることが「ジェントルマン」の証とされているのです。 さて最後のひとつ、5つめは「会話・コンベルサシオンConversaccion」です。 テーブルのマナーと称されるもの。ナイフフォークの使い方に始まり、立居振るまいなどなどありますが、その「マナー」のひとつに、「みんなが食卓で楽しめる話題をひとつ何か用意していく」というものもあるのです。 美味しい食事を終えたあとのひとときを最も豊かにしてくれるのは,友人たち、あるいは恋人どおしのおしゃべりの時間に他なりません。なにより、ついつい時間を忘れてお話に熱中されるのは、レストランという空間が快適であることで、私どもにとっても誇りであるのです。 私はよくレストランをお芝居の「舞台」に例えます。主役はお客様であり、また最前列のオーディエンス(観客)のように。 ちょっとした緊張感の中、幕が上がり、緻密に構成されたお料理の品々が登場します。メインディッシュはクライマックス。チーズ、デザートと興奮の波が押し寄せ、カーテンコールが響く中でじっくり余韻を楽しんで頂く。 そんな想いでレストランを利用して頂くのもまた新しい楽しみが見出せます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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