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メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Mar 8, 2006
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 例年3月初旬に出版されるフランスのグルメ案内書「ギッド・ミシュラン仏国内編」06年度版の内容が2月の22日に発表されました。

 かつては三つ星の代名詞で、96年から二つ星に降格していたパリの有名店「トゥール・ダルジャン」もついに一つ星に。オーナーのクロード・テライユ氏は二つ星に降格した時も「フランスのフランス料理業界に嫌気が指した。」との理由で放浪の旅に出た経緯をお持ちの方で、今回もさすがに「もう、ミシュランには載せなくてもらわなくてよい!」との声明を発表したのだとか。

 パリの著名なレストランでミシュランに載らないのが「マキシム・ド・パリ」マキシムは古くから、ミシュランを否定し、掲載される事を断り続けています。

 折しも、私の同僚S氏が少し遅い冬休みを利用して旅行でパリへ赴いたその当日、ミシュランの格付けは発表されました。彼は日本から当の「トゥ-ル・ダルジャン」を予約していっていたのですが、食事をした感想は、
「いや~。やっぱ美味しかったですよ。仕事も丁寧ですしね~」
とのこと。

 そうなんです。ミシュランが「トゥ-ル・ダルジャン」を一つ星に降格した理由というのが、ひとつには、あまりに有名になりすぎて客層に東洋人が増えすぎたということ。そして、もうひとつの理由が「今風」の料理では無いという事。

 しかし、これはミシュラン自体が他のマスコミを意識しすぎた結果と言えます。1998年に編集長に英国人を抜擢して以来、改革を急進的に求めようとするあまり内部からの暴露や、ミシュランの審査に対する疑問などが持ち上がって来ましたから。

 他で三つ星に昇格したのは、北西部カンカルの「メゾン・ド・ブリクール」だけ。「メゾン・ド・ブリクール」も非常に良いレストランなのですが、過去の基準では、内装や店の構えが三ツ星の資格を満たして無かったとも思えます。
 また、05年の夏に「星返上」を宣言して全面改装した「サンドラス」(旧ルカ・カルトン)が三つ星から二つ星として掲載されるそうです。「今という時代に合わせた。」という点で評価されたのでしょうが、サンドランスにとっての気持ちはいかに、というところです。

 また、日本人シェフとしては、吉野建シェフの経営するパリの「ステラ・マリス」が一つ星をついに獲得しました。また、松嶋啓介シェフのニース「ケイズ・パッション」も一つ星。日本人経営の星付き店はパリの「ヒラマツ」に続き3店もあることになります。

(↓この辺りから試験に出ます。)

 さて、「ミシュラングルメガイド」が創刊されたのは1900年。今から106年前と、既に1世紀以上の歴史を誇ります。そもそも、「ミシュラングルメガイド」は、タイヤメーカーであるミシュラン社の営業における広告の意味合いがあったのが始まりです。

 19世紀後半の食通家「グリモ・ド・ラ・レニエール」による著書「パリのレストラン」のスタイルを参考に当初パリを中心にフランスの主要都市で編纂されました。

 信頼性のあるパリの美食家の意見を取り入れる目的もあり、クラブ・デ・サンClub des Cent(百人会)というパリ社交界のサークルの暗躍、後援も行われた模様です。実は当時のミシュラン社の社長もそのメンバーの一人でした。

 1915年から1918年、第1次世界大戦の戦禍がヨーロッパを襲い、ミシュランは発刊の休止を余儀なくされます。1919年に1年復活するのですが、社内ではミシュランガイドブックの有料化が検討されます。この年までの期間ガイドブックは無料で配布されていた冊子であったのです。

 1920年は有料化か否かが定まらずこの年は休刊されました。
 1921年になって有料のガイドブックとしてあらためて発行されます。十二分に著名になっていた「ミシュラン・ガイドブック」は発行部数も大きく伸びて行きました。
 この時代、ヨーロッパにおいてもモータリゼーションの発達と共に車はごく一部のお金持ちのものでは無くなりつつありました。

 1923年よりレストランに星を付ける、いわゆる格付けが始まったのです。







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Last updated  Mar 8, 2006 11:14:06 PM
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背番号のないエースG@ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G@ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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