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カテゴリ:フランス料理の文化と歴史
先日、調理師学校での授業があり講義に行ってきました。第2時間目です。
先週が初回だったので、自己紹介も兼ねて私の考える「食文化」についてお話してきたわけですが、先週は生徒の3分の2が「HRSサービス技能検定」の3級の受験日ということもあって欠講者が多かったため、あらためて生徒の皆さんにご挨拶です。 先だって授業を持たれていた講師の先生が体調を崩されたことに伴う交代で、また、そもそも私が授業を受け持つようになったのは、こちらの調理師学校の先生と古くからお付き合いのあったこと、などなど。 私としては、「授業」という形は不得手ですので、講師と生徒という立場であっても、あくまでもレストランのサービスマンとしてお客様に話しかけるように、また、お客さまが興味を持たれるような内容、話し方のスタンスで行こうと思っています。 とはいえ、第2回目となると、大まか過ぎるワケにもいきません。で、今回の授業のテーマは「食肉の文化」と題することにしました。 私が実際にレストランの現場で業者の方々から聞いた裏話や、直接生産者の所で見聞きしてきた話を交えてお話しようと思います。 食肉と一口に言っても昨今では種類も増えて様々です。やはり普段口にする代表的な者としては「牛、豚、鶏」でしょうか。この他にも、羊、鴨、シカ、イノシシ、ウマ、、、などなど。 日本人は昔からあまり肉は多くは食べなかったとのイメージもあります。四方を海に囲まれ動物性タンパクとしては魚介類が豊富であったことなどもその一因でしょう。 しかし、昔話のエピソードに「狸汁」やシシ肉(猪?)を獲って食べたという話があるように、そこそこは食していた模様です。 ちょうど、現代人が兎の肉や、蛙、スズメの肉など、なんとなく口にするのが憚れる思いに似たものではないでしょうか。 この、「兎肉」などはいい例で、4つ脚の動物は仏教観に根ざすものでしょうか、食すことを避けられていたようですが、ウサギはウ(鵜)とサギ(鷺)で鳥の肉であるという主張もあってか、兎は現代でも「1羽、2羽、、、」と数えるようになったそうです。結構、苦しい主張ではありますがね。 他の食肉についても、イノシシは「ボタン」馬肉は「サクラ」鹿は「モミジ」となぜか植物の名前がつけられることもあります。 馬肉の「サクラ」については、牛肉の中に目方を増すために混ぜられた経緯もあってか、現代でも盛り上がらない講演などには関係者を混じらせて、人数が多く入っているように見せかける。このときの身内が「サクラ」と呼ばれます。私の授業にも「サクラ」を侵入させて、緊張しないようにしたいものです。 鹿の「モミジ」はどうも、花札に由来する様です。花札の11月(だったかな?)の背景に描かれている植物が「モミジ」ちなみに、この花札に描かれている鹿がそっぽを向いているところから、人を無視することを、「シカト」つまり、鹿の面という意味です。 若い方々でも使いますよね「シカト」私のこと、シカトせんといてね~ さてさて、いろいろと話は脱線してしまいましたが、食肉の日本における代表格である、 「牛」「豚」についてです。このあたり、なかなか自身の目で見る事は少ないのですが、直接生産者のもとへ赴いてお話を伺ったりすると、いろいろと興味深い話も聞くことが出来ました。 (つづく、、、) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 4, 2006 10:49:34 AM
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