fujiyama放浪記 新宿バグース編 変遷
9月30日(水)、小雨パラつく夕刻―。賄い婦は、ひとも疎らな歌舞伎町を歩いていた。寂しいが、呼び停めるものは誰もいない…。ひとびとがギラついていた頃、歌舞伎町では、まっすぐ目的地に着くこと自体が難しかった。ナンパ、キャッチ、誘惑と罠と冒険と危険…。あらゆる妖しさと危うさが潜んでいたこの街に、賄い婦の想い出、冒険譚も多々あれど、今は昔、忘却の果て―。 Anyway,ほんの数カ月前まで、サムタイムがあったその場所は、80年代、ニューヨークニューヨークという巨大ディスコだったと聞く。今は、バグース新宿。独特の照明にラシャが浮かび、そこには、ナインボールラックと2本のハウスキュー、チョークが、マニュアル通りに整列している―。「いかにもバグースです」なフロアを見渡すバーカウンターに、ドクロネクタイを絞めた、bossがいた。しばらく遅れて、CUE'Sの岩永さんが到着し、ふたりの打ち合わせを、賄い婦は聞いていた。打ち合わせが終わると、bossと賄い婦は、球を転がした。最近は、fujiyamaと14-1の両方をやることが多い。勝ち負けはもちろん、どうでもイィわけでは全然ない。が、それよりも大事なのが、bossが手本を示し、賄い婦が真似る、暗黙の了解。がんばらなきゃ…暗黙…ではなく、公然の了解として、このブログでは、「ビリヤードの、それもfujiyamaのことしか書かない」を基本路線としていた。が、bossから、「たまには14-1のことも書いてみたらどうだ?」とリクエストがあった。温故知新。そういう移ろい、変遷があってもイィかもしれない…。と、深読みしていたのだが、今しがた寝起きのbossが、電話で再リクエストしたのは…「14-1では、bossに敵いませんと書いておけ」って、それ、至ってシンプル、直球。話が浅すぎますから…。