カテゴリ:映画
『桐島、部活やめるってよ』
(8/11~、TOHOシネマズファボーレ富山) 公式サイト:http://kirishima-movie.com/index.html とある高校のいつもと変わらぬ金曜日の放課後。 バレー部のエースで成績優秀だった校内のスター、2年生の桐島が突然部活を辞めた! というニュースが学校内を駆け巡る。桐島の恋人や親友も彼と連絡が取れない。 桐島と密接に関わっていた生徒たちはもちろん、他の生徒にも波紋が広がっていく。 *********************************************************************** オリンピックが終わって、久々に全くの「仕事抜き」で観た映画がこれ。 いや~、映画ってやっぱり良いもんですね~!と思わせてくれる作品でした。 ちなみに、原作は読んでません。まぁ、いつも通りです。 桐島は部活をやめただけでなく、学校にも来なくなってしまいました。 その理由が分からない。親友も恋人も、何も話を聞かされてないし連絡も取れない。 「桐島、部活やめるってよ」どころか、「桐島、いったいどこにいるんだ」状態です。 実際の桐島がどんな人なのかも、正直、よく分からないんです。 バレーボールの県選抜に選ばれているので、かなり上手いのでしょう。 成績も良さそうで、校内一の人気ともいわれる美人の恋人がいます。 でも、本当に魅力的な男なのか、凄いヤツなのかどうかは分からない。 物語の中にはたくさんの高校生が登場して、それぞれの目線で物語が語られます。 金曜日から翌週の火曜日まで物語は続きますが、最初は金曜日の出来事だらけ。 この辺の演出はテンポも良いし、見せ方も上手いなぁと感じました。 全ての高校生が桐島と直接関わりがあるわけでもありません。 敢えて絞るなら、エンドロール的にもそうだったし、中心人物は4人ですが、 その他の生徒に共感したり、自己投影したりもできます。 高校って、まだ若いけど、それなりに大人の考えも芽生えてきた人たちの社会ですよね。 世の中にはたくさん人がいて、正直、全ての人とは仲良く出来ないですよ。 それは、大人の社会でもそうだし、高校でもそうなんだろうと思います。 観ていて、「こいつ嫌なヤツだな」「友達になりたくないな」と思うキャラクターもいれば、 「イイ人だな」とか、「こういう人、好きだな・・・」と感じる人もいて、 それは、僕自身も、他人から好かれたり嫌われたりしているのと同じことなのでしょう。 (と書きながら、誰からも好かれてなかったらどうしよう・・・汗) 詳しくは書きませんが、 宏樹のような、周りから“上”の部類にランク付けされるような男子生徒もいれば、 前田のような、“下”の部類にランク付けされ馬鹿にされている男子生徒もいれば、 亜矢のような、切ない恋と部活の間に揺れる乙女のような女子生徒もいれば、 かすみのような、自己を持ちながらもミステリアスであり続ける女子生徒もいます。 でも、宏樹は“上”の部類とはいっても、本当に凄いヤツというわけでもない。 前田は周りから馬鹿にされながらも、自分が撮りたい映画に向き合い続けている。 そもそも、何だかんだいっても、高校という狭い社会での評価でしかありません。 本当に凄いのはどっちだろう。駄目なのはどっちだろう・・・ということになりますが、 これがまた、答は簡単ではないところが、人生の難しく奥深いところでして・・・。 帰宅部が「やりまくりの帰宅部」と「部活一筋の童貞」を比較して能書きをたれますが、 こういう価値観の判断って、実は大人になっても分からないことだったりします。 で、結局、僕たちはどう生きていけばいいのか・・・ということになるのですが、 ラストでの前田(正確に言えば彼が書いたシナリオ)の台詞に行き着くのですね。 そして、あ~、大人も高校生も変わらないな~! というか、大人になった今だってそうなんだよね~!って感じたりするわけです。 少なくとも、僕はしました。これ、本当は大人向けの青春映画なのかも。 ていうか、今どきの高校生がこの映画を観たら、何をどう感じるのでしょうか。 【好きなシーン】 日曜日、前田が映画館で『鉄男』を観ていたら、偶然、同じ映画をかすみも観ていました。 前田とかすみは、今はあんまり話もしないけど、中学時代からの同級生で、 好きとかそんなんじゃないのかもしれないけど、前田にとっては気になる存在で・・・。 あの時の前田君の嬉しい気持ち、分かるなぁ。僕、今でもそうだし・・・。 【好きな台詞】 切ない恋をしている亜矢の想いを知ってか知らずか、後輩の女子が、 「部長が演奏している姿を見たら・・・」って、この先は秘密です。 亜矢ちゃんよりも、この後輩の女の子が、僕、一番タイプかもしれない。 【一番好きなキャラクター】 野球部の3年生の先輩。彼は大人になっても変わらずにいて欲しい。 物語の展開云々よりも、高校生たちの心のひだを描いていて、 そういう映画に神木隆之介さんや大後寿々花ちゃんを起用すると、やっぱり上手いと思うし、 その他のキャラクターも配役がはまってるなぁ・・・という印象を持ちました。 特にかすみ役の橋本愛さんは、キャラクターというより、女優として惹かれる存在でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年08月21日 21時30分05秒
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