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カテゴリ:映像・音楽
![]() 臨月突入記念レビュー(と言っても既に39週7日目、明日が予定日なんだが)。 この「臨月」は中島みゆき81年発売のアルバム。 自分がファンになった頃、リアルタイムで出たレコードなので、思い入れは深い。 1.あした天気になれ2.あなたが海を見ているうちに 3.あわせ鏡 4.ひとり上手 5.雪 6.バス通り 7.友情 8.成人世代 9.夜曲 1曲目 「あした天気になれ」は「なんにつけ一応絶望的観測をするのが癖」な、 今で言えばネガティブな女が、それでも最後は「あした天気になれ」と歌ってしまうという、 関西では「どっちやねん」と突っ込まれそうな歌。だがそこがいい。 4曲目 30代以上なら聞いたことはあると思われる、ヒットシングル。 当時の彼女の「ふられ女」路線を踏襲している、80年代の彼女を代表する曲。 歌詞の重々しさとは対称的に、サビのメロディラインの盛り上がりは妙な明るさを含んでいる。 6曲目 別れた女のうわさ話をしている男のすぐ後ろに、偶然その女が座って話を聞いている、 そんなドラマの1シーンのような情景を描いた歌。 「そんな都合良くあるわけないやろー」とこれまたツッコミたくなるシチュエーションではあるが、 鮮やかにその情景を浮かび上がらせる筆力は流石。 7曲目 なんっつってもこのアルバムはこの曲に尽きます。 世の中に対する目線をこれほどシビアに持った女性、 しかも(発売当時29歳の)若者がどれだけいるだろうか。 歌詞をじっとみつめ治すと、酸いも甘いもかみ分けた老成した宗教者が書いたもののように思えてくる。 前作「生きていてもいいですか」(1曲目に「うらみ・ます」を収録した、中島みゆき究極のアルバム)の後だけに、この発売には多かれ少なかれプレッシャーがあったに違いない。 しかしこの作品は、初聴きから20年以上の時を隔てても、まるきり色褪せない力をもった佳曲揃いである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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