カテゴリ:戦争・紛争・環境破壊
プーチン首相、CNNのインタビューに答える~その5 CNNのクリップ CNN: それではそろそろ終わりに…。 プーチン: まだ大丈夫ですよ。急いでませんから。 CNN: プーチン首相、ソヴィエト連邦の崩壊の後、あの90年代の混迷の時期の後、ロシアの国際的な威信を修復したのは、誰よりもあなたの力によるところが大きいと思われています。 しかし、今回のグルジアに対する行動やアメリカからの鶏肉輸入禁止令で、せっかく築いたロシアの威信に傷がつくとはお思いになりませんか? 懸念しておられますか? プーチン: 先ず、既に申し上げたように、アメリカの鶏肉すべてに禁止令を出したわけではありません。 これはロシアからの警告を1年間無視した工場に対する禁止措置です。 我々は国内市場と消費者を守らなければなりません。 どこの国でも、もちろんアメリカでも、自国の市場と消費者を守るべく政府が行動するわけです。 ロシアの威信についてお話が出ましたが、今回の紛争は我々にとって不愉快なものですが、我々が仕掛けたのではありません。 国家の威信といえば、近年ある諸国の威信がひどく失われてしまった。 実際に、近年アメリカ寄りの諸国は国際法ではなく力の原理に基づいたルールで動くようになってきたようです。 ロシアがコソボに関する決定を止めようとした時、誰一人耳を傾けなかった。 我々はこう主張したのです: 「コソボの独立を認めてはいけない。待ちなさい、その決定でロシアがコーカサス地方で大変な立場に追い込まれてしまう。 コーカサス地方の小国が『コソボが独立できたのにどうして我々の国はできないのか?』と言ってきたら我々はどう対応したらよいのか? コソボを認めるたら、ロシアがとんでもない状況に追い込まれてしまう。」と。 しかし、この時、誰一人として国際法を考慮するものはいなかったのです。 ロシアただ一国だけが国際法に基づいて議論をしていました。 それが今になってどの国も国際法のことを思い出した。 おかしなことに、今になって誰しもが国際法を守らなければとしゃべっている。 だが、パンドラの箱を開けたのは一体どこの誰なんだろう? ロシアでしょうか? いや、我々ではない。コソボのことは我々の決定ではなかったし我々の政策でもなかった。 国際法には、領土の保全と自己決定の権利という、二つのことが明記されているのです。 今必要なのは、この基本的な点において諸国の合意点を見つけることだけなのです。 今こそその為に諸国が話し合いをしなければならない時がやっと来たのだと思うのです。 (注:以下、アメリカの政治家が情報操作をしたことに対し皮肉たっぷりにプーチン氏は語ります。) この紛争が起こっている間、一般大衆はこの紛争の状況をどう把握したのでしょうか? もちろん政治家自身の言動もありますが、大部分は、政治家がいかに巧妙にメディア操作をしたか、またメディア操作でどれほど世界中の一般大衆をある方向に誘導したかで状況認識が固まってしまう。 もちろんアメリカの政治家たちはこの操作においてロシアの政治家たちより数段も優れています。 我々が彼らから(メディア操作など)学ばななくてはならないことは実に沢山あるというわけだ。 しかし、こうした情報伝達は果たして正しいのだろうか、民主的になされたと言えるだうか、情報は正当であり客観的なのだろうか? 例えば*テレビで流れた12歳の女の子とその叔母へのインタビューを思い出してみてください。 (*注:このクリップではまず、12歳のアマンダさんが「先ず始めにお話したいのはロシア軍へのお礼です。私たちはグルジア軍の攻撃から逃げたので、ロシア軍の攻撃ではありません。」といいました。するとアナウンサーは、話を遮り今度は叔母のローラさんに切り替えます。ところがローラさんも「この戦争はサーカシュヴィリが始めたのです。彼こそが張本人なのです。」と言い出したのであわてたアナウンサーが「遮りたくはないのですが、コマーシャルです。また戻ってきますから。」と焦ってコマーシャルに切り替えます。 ローラさんはひるまず「分かってます、このような発言を聞きたくないってことは承知してます。」と言ったところで画面はコマーシャルに。 その後もアナウンサーは「後10秒だけですよ。どうぞ。」とプレッシャーをかけます。ローラさんは「皆さんにこの紛争はサーカシュヴィリが始めたのです。グルジア政府が責任を取るべきで…」と話したところで、「はい、では残念ながらインタビューはここで時間切れです。サンフランシスコの12歳の女の子の目撃した話でした。戦争には灰色の部分があるということです。」とお茶を濁して終わっています。) 私の記憶では、この少女はアメリカに住んでいて南オセチアで紛争が始まったときに目撃をしていたのです。インタビューをしたのはアメリカの主要チャンネルの一つです。 フォックスニュースは彼女の発言を終始遮っていました。絶えずです。 彼女たちが都合の悪いことをしゃべり始めるや否や、言葉を遮って咳をしたり、うなり声を上げたり、金切り声を上げてみたりした。 彼女たちのしゃべりを止めるために残された手段はもう「お漏らしする」ぐらいだっただろう。 そこまでしかねないほど、このインタビュアーは死に物狂いだった。 さて、これが誠実で客観的な報道だと思いますか? こんな方法で自分の国民に対して情報を提供するものなんだろうか? いや、これは偽造報道だ。 我々は平和に合意の下に暮らしたい。一般の取引をし、あらゆることで協力し合いたい。それで世界の平和が保障され、非核問題やテロ、ドラッグとの闘い、イランの核濃縮問題、あるいは最近危険な状態になってきた北朝鮮問題に向かって共に協力して努力できると思うのです。 ロシアはこうした問題に取り組む用意がある。しかし、パートナー諸国にも独りよがりではなく、誠実かつ寛容な姿勢で取り組んでもらいたいのです。 誰かを悪者に仕立てるというのは間違っている。 その創った悪者のイメージを使って自国民を驚かしたり、他の友好国にも恐怖感を煽るのは誤りです。 今必要なのはこの問題に対し寛容で誠実な姿勢で取り組むことなのです。 ロシアはこのことを要求したいし、我々にはその準備が既にできているのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
September 3, 2008 10:44:26 AM
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